if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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~刹那きゅん小学校時代~


先生「はい、今日は宿題の作文を発表してもらいます。タイトルは、《なりたい自分》。それじゃあ、刹那君読んで」

刹那「はい!」


《なりたい自分》 如月 刹那

僕はクジラの様な人間になりたいです。昔、テレビでクジラの特集を見ました。その中で出たクジラはとても大きく仲間思いで、皆を守る為に同じ大きさのサメも追い払っていました。僕もそのクジラみたいに、大切な人達を守れる大きな人間になりたいと思いました。


刹那「終わりです!」

先生「(可愛い)」

生徒,s『(可愛い)』

真希「(可愛い。蒼雲、録音は?)」

蒼雲『完璧だ。思わず私もキュンと来た』


そしてその作文は新たな力へ・・・。


第50話

刹那サイド

 

 

「ほい。召し上がれ」

 

「いただきまーす!」

 

 

僕の言葉を皮切りにツヴァイは目の前のオムライスをパクパクと食べ始めた。表情からして味は気に言っていただけた様だ。僕達も手を合わせて食事を始める。

 

 

「はやてちゃんのより美味しいですぅ!」

 

「狸の前では言うなよそれ」

 

「はい!」

 

「元気でよろしい。ほら、口にご飯粒付いてる」

 

「あう・・・えへへ」

 

 

ツヴァイの顔に付いているご飯粒を取って口に運ぶ。そういえばこの子生まれてからそんなに経って無いのか。デバイスのAIも人と同じで、育つからなあ。

セシアも元々はお母さんのデバイスだったし。僕の特典なのに・・・アテナさんェ。

そんな事を思っていると、セシアとアインスが僕を何故かニコニコと見ていた。

 

 

「・・・何さ?」

 

「いや、今の刹那はな・・・」

 

「お母さんみたいだなって思ったんですよ」

 

「せめてお父さんにして!?」

 

 

コイツ等碌な事考えてなかった。よりにもよってお母さんとか舐めとんのかコラ。

 

 

「刹那さんがお母さんですか?」

 

「お前は一々反応しなくて良いから。ほら、野菜も食べる」

 

「はーい!」

 

 

レヴィをもっと小さくしたらこんな感じだな多分。食事を取った後、セシアの意向により、リビングで雑魚寝する事が決まった。僕とツヴァイを中心に、その隣をアインスとセシアが囲む形となった。

ツヴァイは子ども故かあっという間に落ちた。それをアインスが優しい表情で撫でる。なんだ、君の方がよっぽど母親じゃないか。

 

 

「本当に子どもだね。この子」

 

「そうだな。だが私の妹だ。愛しくてたまらん」

 

「じゃあ僕の義理の妹かな?結婚するし」

 

「そ、そうだな・・・」

 

「なに二人でイチャイチャ空間作ってるんですか?」

 

 

セシアの声にドスが効きすぎていたのでこの話は止めにしよう。僕は話を打ち切って、布団を被る。慣れない事があったのか、僕もあっさりと就寝した・・・。

 

 

~翌朝~

 

 

「では、お願いします」

 

「任せろ。それじゃあな」

 

 

恭也さんはツヴァイを連れて帰って行った。帰りたくないだの言いだした時は焦ったが、なんとか連れて行って貰った。

それにしても、雨はまだ止まないのか。昨日程の勢いは無いけど、こうも続くと鬱陶しい。今日もアルハザード干しじゃないか。

 

 

「・・・朝から疲れた」

 

「刹那、少し良いか?」

 

「・・・どうぞ?」

 

 

目線だけ向けてアインスの言葉を待つ。アインスは心配そうな表情で言った。

 

 

「その、ツヴァイの事なのだが」

 

「新しい妹が欲しくなったとか?」

 

「違う。実は昨日ツヴァイに聞いたのだ。最近の八神家の空気が悪いと」

 

「換気すれば良いんじゃない?」

 

「そう言う意味ではない」

 

「冗談だよ。大体理由は察した。高町の事でしょ」

 

「恐らくはな」

 

 

ミッドで高町の傷を治した時以来、狸の騎士の一人が無期限の謹慎処分を喰らった。そしてアリサが言うには狸達の学校での欠席率が増えたらしい。嫌な事忘れようと任務に走りやがったな。

それで高町が一人ぼっちの状況になって引きこもったと。救い様が無いなアイツ等。

 

 

「・・・子ども同然の奴がいる中で険悪ムード出すなよ」

 

「元従者として情けない」

 

「今度会ったら時に辛い事あったら家に来いって言っといて」

 

「分かった。正直、あの子も家に来てくれたら嬉しいのだがな」

 

「これ以上家族が増えるとエンゲル係数が凄い事になるんですけど」

 

 

レヴィと僕の時点でヤバい事になっている。シュテルも何気に食べる方だから一回の食費が高い。

それと僕の労力が増えるから嫌だ。

 

 

「あっちもこっちも問題しか持って来ないよ」

 

「本当に魔法とは面倒な物だな」

 

「全くだよ」

 

 

互いに愚痴りながら部屋へと戻る。今日の家事終わらせたら新モードの試験をしようそうしよう。真希、お前サンドバッグな!

 

 

----ファッ!?

 

 

何処かから声が聞こえた気がしたが、気にせず着替えてから家事を始める。今日こそは何事もなく真希とめぐみんをボコって終われます様に・・・。

 

 

----私もですか!?

 

 

あ、また幻聴が・・・。

こうして僕の一日が過ぎて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕方[地下訓練室]~

 

 

「よっし!行くぞ二人共~♪」

 

「「ん゛ー!ん゛ー!?」」

 

 

セシアを首に掛けた僕は目の前で磔にされている二人(真希とめぐみん)に声を掛ける。最初は普通に模擬戦をしようと思ったが、真希が僕の匂いを嗅ぎながら服を脱がし、めぐみんはリビングで爆裂魔法を撃とうとしたのでザケルで気絶させてから魔法で創った十字架に磔にした。

口にも布を噛ませて変な言葉を喋らせない様にしてから魔力を操作する。

 

 

「セシア!モード《ホエール》!コードは《本能覚醒》!」

 

『はい、マスター!』

 

 

セシアが光り、大型のトリガーの付いた四角形の箱型の何かへと変わる。そして箱の上部のレバーを引くと、箱が展開されてクジラの模様と銃口が先に現れる。

そして銃となったセシアを上へ向けて起動する。

 

 

「セットアップ!」

 

 

銃口から魔力の水飛沫が吹き上がり、僕に降り注ぐ。その魔力がバリアジャケットへと変わって行く。年齢魔法が自動発動した僕に赤色の上下の服。その上に白のグローブと靴。そしてクジラの模様が入る。

 

 

「ねえ、あれ言わなきゃダメ?」

 

『折角だから言いましょうよ~』

 

「分かったよ・・・」

 

 

不思議な形の銃となったセシアに話し掛けてから溜息を吐く。コイツ僕が言わないと魔法が使えない様にロック掛けやがった。こういう時だけ本気出しやがって。

諦めてセシアに指定された言葉を言う。

 

 

「----王者の中の王者!」

 

 

右手で裾を翻し、正面へ指差す。そして大きく上げてから下へ下げると共に屈みこむ。その際、セシアを持った左手を上げる事も忘れずに。

 

 

「これで良いんでしょ?」

 

『バッチリです!このまま最後まで行っちゃいましょう!』

 

 

そこから右足でバレエの様にジャンプして右腕を大きく回す。右手で波を現すかの様に、そして左足を後ろに。更に左腕の肘は張る様に上げるのもポイントらしい。そこから左足を右足の後ろへと持って行く。面倒この上ない。二度とやらん。

セシアの指定ポーズは難しい。

最後に、右手を軽く上げてからクルッと真希達に背中を向ける。そして左腕を大きく回し、右手を腰に当てる。背中越しに相手を見る様な体制を取ってポーズを終了する。そして最後の名乗り。

 

 

「----《聖魔王・ホエール》!」

 

 

そこから髪の毛を掻き上げる仕草をしてから一言。

 

 

「----この僕を、ナメるなよ!」

 

 

決めるとセシアから拍手が聞こえた。

 

 

「良いです!良い!カッコいいですよマスター!」

 

「聖魔王・ホエールって語呂悪くない?」

 

『ええ~?私は悪くないと思いますよ?』

 

「まあ二度と言わないから良いけど」

 

『あ、今の完全起動のコードとして入力しましたから』

 

「はァ!?」

 

 

何言ってやがりますかこの馬鹿は!?

 

 

『これだけは言ってほしいんです!』

 

「隙だらけにも程があるでしょうが!」

 

『0.2秒で終わらせてください』

 

「んな宇宙刑事方式出来るか!」

 

『若さって言うのは振り向かない事ですよ!』

 

「恥辱の涙とアバヨってか!?やかましいわ!」

 

 

もうこの怒りは奴らで晴らすしかねえ!お白州裁きを受けやがれ!

 

 

「よっし!早速必殺技だ!」

 

「「もがっ!?」」

 

 

僕はセシアの下部に取り付けられたポンプを六回動かす。なんか水鉄砲みたいだなコレ。

そんな事を考えている間にも魔力がどんどん銃へと込められて行く。そして的に向かって放つ。

 

 

「行けえ!」

 

『《ホエール・ファイナル》!』

 

 

撃った瞬間、銃口が回転して超高密度の魔力砲が放たれる。見た目こそ弱めのビームだが、そこに込められた魔力はめぐみんの爆裂魔法の倍だ。

一応非殺傷にはしてあるからしなないだろう・・・メイビー。

 

 

「「アッーーーーーー!」」

 

 

訓練室に二つの悲鳴と着弾による爆発音が木霊した・・・。

威力が過去最大パワーで、下手すればバオウに少しだけなら太刀打ち出来そうだ。まあ、あっちは感情で威力変わるからアレだけど。

そんな事を考えていると、訓練室にアインスが入って来た。

 

 

「刹那、さっき書庫からこんな物が出て来たのだが・・・」

 

「ん?なにその石」

 

『なにやら事件の予感が・・・』

 

 

アインスの持って来た結晶を受け取る。

 

 

「ああ、これはお母さんが造った転移結晶だよ。これに記録された場所へ片道だけど魔力無しで行けるんだ」

 

「そうなのか」

 

「うん。でもコレは失敗した一個で、何処に出るか分からないんだって」

 

 

そう言って僕はアインスに返す。するとアインスが手を滑らせて結晶が地面に落ちる。その瞬間、僕の視界は光に包まれた・・・。

 

 

刹那サイド終了

 

 

三人称サイド

 

 

とある魔法世界。違法の研究をしていると依頼を受けた局員の部隊はそこに潜入したのだが、それは管理局による邪魔者の排除の為の罠だった。

殆どの局員は息絶え、生存者は僅か三人。その三人も最早虫の息であった。

 

 

「くっ・・・生きているか?《ナカジマ》、《アルピーノ》」

 

「ええ・・・なん、とかね」

 

「でも、もう・・・ダメそう」

 

 

二人の女性に声を掛ける部隊長である《ゼスト・グランガイツ》はその返答を聞きながら仰向けで夜空を見上げた。皮肉にも、綺麗な星空であった。

己の中にある大きな無念を残し、その目を閉じようとしたその時、

 

 

「痛った!?此処何処だ!?」

 

 

白い髪の少女が、ゼスト達の前へ突然現れた。そしてゼスト達を見た瞬間、嫌な顔をしたのを最後にゼストの意識は途絶えた・・・。

 

 

三人称サイド終了

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