if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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前回のあらすじ


和装ロリ、発狂


番外編せかんど! 《刹那君も異世界から来るそうですよ?》 第5話

刹那サイド

 

 

あれから数分、我に帰ったわそーろり?である白夜叉さんに言われ、お店の中へ入れてもらえた。お店は閉まっちゃったからと私室に通してもらった僕の前にとても美味しそうなお茶菓子が置かれる。

 

 

「はわぁ・・・お団子だぁ」

 

「ふふ。さ、食べると良い」

 

「いただきます。はむっ・・・おいしい!」

 

「そうかそうか。ほれ、私の分もやろう」

 

「え、でも・・・」

 

「子供が遠慮するでない。ほれ、あーんじゃ」

 

「あ、あーん・・・おいひい」

 

「そうかそうか。さ、皆も食うが良い」

 

 

白夜叉さんの言葉にジャンヌ達も食べ始める。あまり笑わなかったジークも美味しさ故かニコリと微笑んだ。暫くすると、白夜叉さんが話し始めた。

 

 

「改めて自己紹介と行こう。私は《白夜叉》。このサウザンドアイズの幹部をしてる者だ。そこの黒ウサギを何かと助ける優しい美少女と覚えてくれ」

 

「はいはい。お世話になっております本当に・・・」

 

 

白夜叉さんの言葉に黒ウサギさんは呆れながら答えた。僕も真実を知りたくて、白夜叉さんに話しかける。

 

 

「僕も改めまして、如月刹那と言います。お母さんがこの世界に来た事があるって本当ですか!?」

 

「うむ。おんしの母親は二度に渡ってこの世界に来て、その力を奮っておったよ」

 

「に、二回も・・・」

 

「一回目は金髪の男を連れておった。何でも彼氏だそうでな」

 

「もしかして・・・えっと、二回目は?」

 

「二回目は一人じゃな。おんしを腹に抱えた状態でこの箱庭の世界の頂点を取った」

 

「お母さん!?」

 

 

何やってるんですかねえあのマザー!?ほら、皆ドン引きしちゃってますやん・・・。

 

 

「ま、まあその話は追々しよう。それで、今はこの三三四五外門に本拠を構えている」

 

「外門って何・・・?」

 

 

よー姉が手を挙げて質問する。それに黒ウサギさんが答えた。

 

 

「箱庭の階層を示す外壁の門の事です。数字が若くなるごとにその中にいる方々の強さや立場が大きくなります」

 

「へえ。じゃあ、刹那のお袋さんはそこに行った訳だ」

 

「ああ。来てから僅か数日でこの世界を統べたからな。その後すぐに彼氏を引っ張って、今度は《テト》とか言う神とチェスして来ると言って帰ったがな。その時の被害と言ったら・・・」

 

「・・・家の母がごめんなさい」

 

「いや、まあ・・・うむ」

 

 

気まずい空気になった。どんだけ規格外なんですかお母さん。それに金髪の彼氏ってやっぱり僕のお父さんなの?すごい気になるんですけど・・・!

 

 

「よ、よし!話を続けよう。外門とは黒ウサギが言った通りだ」

 

「・・・巨大タマネギ?」

 

「バームクーヘンではないかしら?」

 

「そうだな。どちらかと云えばバームクーヘンだ」

 

 

面白そうに白夜叉さんが笑う。そして面白いものを見つけた様な目で黒ウサギさんの手にある苗を見た。

 

 

「あの蛇神からそれを譲り受けた強者は誰だ?おんしか?」

 

「違えよ。それに薄々気付いてるんだろ?」

 

「そうか。やはり血筋じゃな・・・」

 

 

そう言うと、白夜叉さんは僕に視線を向ける。その目には薄らと涙が浮かんでいた。恐らく、いや確実に僕がお母さんと同じ事をやらかすと思っているのだろう。・・・ごめんなさい、場合によっては否定できません。

 

 

「それで、今日はギフトの鑑定、と言った所じゃな?」

 

「はい。お願いできますか?」

 

「よかろう。この元魔王である私が鑑定しよう」

 

「元魔王だと!?マジかソレ!?」

 

「うむ。そしてあの蛇神に神格を与えたのも私じゃ」

 

「それなら、貴方を倒せば私達が此処で最強のコミュニティになるのね?」

 

「そうじゃ。だが、おんし等には到底無理じゃな」

 

「やってみなくちゃ分かんねえだろ。やろうぜ」

 

 

いざ兄とあす姉の話に楽しそうに笑いながら白夜叉さんは返した。

 

 

「ちょ、ちょっと御三方!?」

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には何時も飢えている」

 

「ノリがいいわね。そういうの好きよ」

 

「ふふ、そうか。・・・しかし、ゲームをする前に一つ確認しておく事がある」

 

「何だ?」

 

 

そう聞くいざ兄に対し、白夜叉さんは着物の裾からサウザンドアイズの旗印が刻まれたカードを取り出して言った。

 

 

「おんしらが望むのは"挑戦か"----もしくは、"決闘"か?」

 

 

次の瞬間、僕達の視界に変化が起きた。目の前の景色が一瞬であらゆる場所へ変わって行く。転移なんて生易しいモノじゃない別のナニカ。ぐるぐると景色は変わり、最終的に僕達が放り出されたのは、白い雪原と凍る湖畔。そして、----"水平に太陽が廻る世界"だった。

 

 

「なっ・・・!」

 

 

いざ兄を含め、全員が思わず声を上げる。箱庭に呼ばれた時とは全く違う。まるで星を一つ、世界を一つ創り出したかの様な奇跡の顕現。唖然と立ち竦む僕達に再び白夜叉さんが問いかけた。

 

 

「どうする?私は"白き夜の魔王"----太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、試練への"挑戦"か?それとも対等な"決闘"か?」

 

「水平に廻る太陽と・・・白夜と夜叉。この世界はオマエを表現してるって所か」

 

「如何にも。この世界こそ、私の持つゲーム盤の一つだ」

 

「これが・・・ただのゲーム盤?」

 

 

驚いて何も言えない。こんなスケールの大きい物がゲーム盤?なら本気を出されたら・・・。その瞬間、僕の背筋を今まで感じた事の無い寒気が襲った。想像しただけで分かる圧倒的な強さ。間違いなく"負ける"。リミッターが掛かってる上に魔力が思う様に制御出来ない僕なんか一瞬で殺される。

 

 

「・・・参った。やられたよ白夜叉」

 

「ふむ?それでは挑戦と言う事で良いな?」

 

「ああ。今回は黙って"試されてやるよ"」

 

 

いざ兄の精一杯の抵抗に、白夜叉さんは大声を上げて笑った。でもいざ兄の気持ちはあす姉達も一緒だった。僕も震えながら頷く。ジーク達も青い顔をしていた。英霊がビビるってやっぱり危ない。

そして次の瞬間、聞いたことの無い生物の鳴き声が響いた。

 

 

「何今の鳴き声・・・聞いた事無い」

 

「ふむ・・・あやつか。おんしら四人を試すには打って付けかもしれんの」

 

 

湖畔を挟んだ向こうから白夜叉さんがちょいちょいと手招きすると、段々と影が近づいて来た。その正体は、鳥の頭に翼、獅子の体の生物。幻想上の生物と言われた"グリフォン"が僕達の目の前に降り立った。

 

 

「凄い・・・本物だ」

 

「うん・・・かっこいい」

 

「ふふ、あやつこそ鳥の王にして獣の王。力、知恵、勇気の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ」

 

 

グリフォンは白夜叉さんの前へ来ると、頭を下げた。

 

 

「さて、肝心の試練だがの。おんしら四人とこのグリフォンで力、知恵、勇気の何れかを比べ合い、背に跨って湖畔を舞う事が出来ればクリア、と言う事にしようか」

 

 

そう言うと、白夜叉さんのカードから一枚の羊皮紙が現れる。白夜叉さんは白い指を動かし、羊皮紙に記述した。

 

 

[ギフトゲーム名:"鷲獅子の手綱"

 

 

・プレイヤー一覧

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

如月 刹那

 

 

・クリア条件:グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。

・クリア方法:"力""知恵""勇気"の何れかでグリフォンに認められる。

・敗北条件:降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 

宣誓:上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

 

"サウザンドアイズ"印]

 

 

「私がやる」

 

 

読み終えた瞬間、よー姉が直ぐに手を挙げた。その目は羨望の眼差しに変わり、グリフォンへ向いていた。

 

 

「え、えーと初めまして。春日部耀です」

 

『ッ!?』

 

「ほう・・・あの娘、グリフォンと言葉を交わすか」

 

「私を貴方の背に乗せ・・・誇りを賭けて勝負しませんか?」

 

 

グリフォンはまた驚いた。でも、彼の言葉はよー姉にしか聞こえない。でも明らかにヤバイ会話なのは分かる。

 

 

「命を賭けます」

 

「ファッ!?」

 

「にゃっ!?」

 

 

僕と猫は同時に驚いた。今とんでもない単語が聞こえた。コレはマズい。非常にマズい。

 

 

「だ、駄目です!」

 

「か、春日部さん!?本気なの!?」

 

「貴方は誇りを賭ける。私は命を賭ける。もし転落して生きていても、私は貴方の晩御飯になります。・・・それじゃ駄目かな?」

 

「ばばば晩御飯!?」

 

「にゃーっ!?」

 

 

どどどどうなっちゃうのコレぇ!?

 

 

刹那サイド終了

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