if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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第7話

刹那サイド

 

 

温泉・・・それは何世紀も前から数々の国に存在する風呂で、日本人でその名を知らぬ者は居なく、沢山の人に愛されている。かと言う僕も引き籠もりの癖に大の風呂好きで、現在楽しんで温泉に浸かっている。

 

 

「うんうん、絶景かな・・・」

 

 

山の上に建っているだけあって中々にいい景色が目の前に広がっていた。沢山の木々の先に小さく見える街があり、その先には海が煌めいていた。綺麗な景色を見た後、透き通ったお湯に映る自分の背中の傷を見る。小学生の頃、虐められた時に付いた傷なのだが、この傷だけはどんなに回復魔法や能力を使っても治らなかった。アテナさん曰く、この傷を無意識に強く意識してしまう事により上手く魔法等が発動しないそうだ。ディアーチェ達に回復魔法を掛けてもらっても無意識に魔力を自分の魔力で相殺してしまう。皮肉な物だ。消してしまいたい物を消せないで・・・一人空に閉じこもって・・・。綺麗な物は好きでもあり嫌いでもある。つい自分を汚いと思ってマイナス思考になってしまうから・・・。

 

 

「はあ・・・折角温泉に来たのに何やってるんだろ僕・・・」

 

「そうですよ、元気に行きましょう」

 

「そうだね・・・って何で居るの!?」

 

 

何気無しに答えてしまった方向に振り返ると、僕の後ろでシュテルが湯に浸かっていた。しかもタオルすら巻いていない。僕は直ぐに視線を逸らす。何と言うか・・・我が家のメンバーは全員発育が良すぎる。特にレヴィの成長は小学校時代から著しい。幾ら二次元にしか興味無いと豪語する僕でも現実の美少女の全裸は目に毒だ。

 

 

「あー!シュテるん何時の間に!?」

 

「シュテルよ、まさかレヴィよりも先とは思わなかったぞ」

 

「刹那、背中流しますよ」

 

「・・・何で全員居るのって言うかタオルを巻いてくださいマジで」

 

 

今度はレヴィ達も入ってくる。だから何でこの子達はバスタオル巻かないのさ!?何?何なの?最近の女の子ってこんなにオープンなの?一人困惑している内に四方を囲まれ、抱きしめられる。

 

 

「な、何してるのさ!?恥ずかしいって・・・////」

 

「刹那・・・また泣いていますよ?」

 

「え・・・」

 

 

シュテルに言われて気付く。何故こんなに涙脆いのだろうか僕は・・・。そう思っていると今度はディアーチェに頭を撫でられる。

 

 

「またその傷の事か?そんな物誰も気にせんわ」

 

「はは・・・やっぱり皆には敵わないや。何一つ隠し通せる気がしないよ」

 

「刹那きゅん検定合格者を舐めないでください」

 

「だからその検定って何さ?ふふっ・・・」

 

 

思わず笑ってしまう。それを見て皆が安心した様な表情をする。また心配掛けちゃったな・・・。そう思っていると、レヴィが僕の手を引っ張る。

 

 

「刹那!背中の流し合いっこしようよ!」

 

「分かったから引っ張らないでよ。皆もどう?」

 

 

そう言って僕は皆に視線を向ける。ディアーチェは顔を真っ赤にして湯船へと沈む。

 

 

「バッチコイです。さあ、此方を向いてください」

 

「私達がスポンジになりましょう」

 

「あ、この二人にはアカンやつだった・・・」

 

 

僕を獣二頭がロックオンする。ええ、この後洗われましたともさ。前も後ろも何時の間にか復活したディアーチェさんにもね・・・。流石に此処の描写は語りたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ・・・疲れた・・・」

 

 

癒されに来たのに逆に疲労が積み重なっただけな気がする。そして何気無しに周りを囲まれてるし・・・。さっきから皆がコッチをチラッと見た後に直ぐに視線を逸らす行動を続けているんだけど・・・何がしたいんだろうか?

 

 

「ねえ・・・さっきから気になって仕方が無いんだけど・・・どうしたのさ?」

 

「いや・・・その、な・・・」

 

 

普段のディアーチェでは有り得ない位にテンパっている。皆も今度は顔を俯かせたまま動かない。やがて顔を真っ赤にしながらユーリが叫んだ。

 

 

「せ、刹那!」

 

「は、はい!?」

 

「わ、私は刹那が好きゅ~・・・」

 

「わあああああ!ユーリが逆上せた!?」

 

 

僕達は急いでユーリを温泉から上げ、部屋で寝かせる。まさか皆無理して使ってたからあんなにソワソワしていたのか!?僕はユーリを看病していた皆に言った。

 

 

「もう、皆熱かったのなら上がれば良かったのに。僕の長風呂は知ってたでしょ?」

 

「我らの場合はそれだけでは無いがな・・・」

 

「何が?」

 

「いや、此方の話だ。それよりも少しアインス達を借りるぞ」

 

「う、うん・・・」

 

 

真剣な目をしたディアーチェに僕は頷くしかなかった。部屋を出て行くディアーチェ達を見送った後、僕はユーリの看病を続けた・・・。

 

 

刹那サイド終了

 

 

ディアーチェサイド

 

 

廊下へアインスの入った携帯とセシアを持って出た我等は防音結界を少し張ってアインス達と会話していた。

 

 

『つまり私が用意した折角の好機を逆上せて無駄にしたと・・・?』

 

「す、すまぬ・・・いざ真面目に言うとなると勇気が・・・な・・・」

 

『マスターはあんなに勇気を出して告白したと言うのに・・・』

 

「いや、アレは完全にその場で言葉が浮かんだと言う感じだろう」

 

『何を言ってるんですか?マスターが告白した時、心拍数が異常なまでにあがっていたんですよ?アレはちゃんと勇気を出して告白したんです。それに返事が帰ってくるまでの間ずっと私に【だ・・・大丈夫かな?嫌われたりしてないよね?】ってずっと聞いて来てたんですよ?』

 

「え、何その可愛い生き物」

 

『私思わずロールアウトして襲っちゃいそうになりましたよ』

 

「流石刹那ですね。私達も勇気を出さないと・・・」

 

『ならば今夜、全員で散歩に行くと良い。人の目に付かない安全ルートは既に確保済みだ』

 

『更にどの時間帯にどの位の人が周りを通るかも調査済みですから告白は完璧ですよ』

 

 

アインスとセシアの気遣いに頭が上がらない。何故この様な話をしているかと言うと、我等は数日前にアインスにある相談を持ち掛けられた。その内容は刹那を現実の女子に興味を持たせて欲しいと言う物だった。アインスも刹那の過去を聞いたとは云え、このまま二次オタはマズいと思ったのだろう。そして我らの気持ちも同時に知っていた彼女は告白する好機を作ってくれたのだ。だが恋人を取られる可能性もあるのではと聞いてみたが、アインスは自信に満ちた笑顔で

 

 

『刹那には全員と恋人になってもらいたい。刹那の飢えた愛情を一人で埋めてやりたいが私だけでは役不足だ。それに・・・私も皆と最後まで幸せに生きる事の出来る未来が見たいからな』

 

 

目の前に聖母が居た。その日以来、何かとアインスとセシアが気に掛けてくれたが、中々上手く行くことが無くこの日まで時間が流れてしまった。アインス達の溜息を聞きながら、我は疑問に思った事を言った。

 

 

「アインスの気持ちは嬉しい。だが、セシアは良いのか?その・・・好きなのだろう?刹那の事が・・・」

 

『はい。でも私はマスターの道具で十分です。あの人の負担にはなりたくありませんから・・・』

 

『セシア、それは刹那本人に聞いたのか?』

 

『いいえ。でも必ず私は何処かでマスターの負担n『お前は馬鹿だな。それも筋金入りの』な、何ですって!?』

 

『刹那は何時もお前には感謝してもし足りないと言っていたぞ』

 

 

アインスの言葉にセシアは勢いを止める。そのままアインスは話を続けた。

 

 

『他にもこんな事を言っていた。小さい頃に蒼乃と会う前にセシアに告白した事があるが見事に撃沈したと・・・』

 

「何?あの小娘が初恋では無いのか?」

 

『本当はセシアが相手だ。だがセシアはその気持ちはきっと間違いだ。それは恋でも何でも無いと言って切り捨てたんだ」

 

「セシア・・・貴様・・・」

 

『だって・・・マスターは人間で私はデバイス・・・そんなのあの人の幸せになんてなる訳無いじゃないですか!』

 

『なら何故私と恋人関係になる事を許可した?』

 

『アインスなら・・・きっとマスターを幸せに出来ると思ったからです』

 

『それなら私達全員も機械だ』

 

「そうだよ。それだったら此処に居る全員が刹那と一緒に居ちゃダメって事?」

 

 

アインス達の言葉にセシアは泣き始める。この中で一番刹那と関わって生きている為に世界の厳しさ等を考えて言ったのだろうが・・・逆効果だ馬鹿者め・・・。

 

 

「セシアよ、貴様はどうしたいのだ?刹那と恋人・・・いや、その先の関係にはなりたくないのか?」

 

『それは・・・』

 

「想像してみよ。普段はアウトロール状態で生活し、朝起きると刹那がエプロンを付けて朝食を作っていて此方に微笑み掛けてくれる姿を・・・」

 

『マスターが・・・たぃ・・・一緒に・・・居たいよぉ・・・』

 

「そうだろう。アインス、一人増えても・・・?」

 

『セシアなら大歓迎だ。ポジションは第二夫人だな』

 

『私が・・・マスターの・・・えへへ・・・////』

 

「あ、セシアが壊れた」

 

「今まで我慢していた分が一気に開放されたのでしょう。そっとしてあげてください」

 

 

首元で熱くなるセシアに微笑みながら我等は次の作戦を立て始める。待っていろ刹那・・・我らの思い・・・届かせてみせる!

 

 

ディアーチェサイド終了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くちゅん!・・・風邪かな?」

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