大☆勝☆利&変態奪還
刹那サイド
あれから数日が経ち、僕はしろ姉の部屋へ呼ばれていた。オリオンと一緒に来た僕は部屋へ入ると、そこにはルイオスがいた。
「あれ?どしたの?」
「ああ。今日は渡す物があって来たんだ」
そう言ってルイオスは大きな平べったい箱を取り出した。箱を開けると、中には白い着物と赤い革ジャンが入っていた。
「・・・何この和と洋のコラボレーション」
「君の父親が使っていた物らしい。倉庫を整理していたら出てきてね。丁度良いから渡そうと思ってさ」
「そっか。ありがとね!」
「礼を言われる事じゃないさ。ただ使ってた人の家族に返しただけ。あ、コレもあったんだ」
そう言って今度はブーツまで取り出して来た。お父さんの私服センスちょっと気になる・・・。僕はそれを受け取る。するとしろ姉が言って来た。
「着た所を見てみたかったが、サイズがな・・・」
「う~ん・・・あ、コレ着れるよ!」
服を見てみると、僕の普段着と同じで魔力を通せばサイズを変えられるタイプだったので、着てみる事にした。しろ姉に教えてもらいながら着てみる。時々鼻息が荒かったのが何か怖かった・・・。
「・・・どう、かな?」
「おお!似合っておる!似合っておるぞ刹那!」
「似合ってるけどトラウマが・・・!」
「良いじゃないか。持って来た甲斐があったよ」
「うん!ありがとう!」
その後、お茶菓子を食べながら三人で話したあと解散となった。コミュニティまでオリオンを頭に乗せて歩く。皆にこの服見せるの楽しみだな~♪
すると、近くの茂みで何かが動いているのが見えた。
「何かな・・・?」
「ここら辺にいる奴なら鹿とか、兎とかじゃね?あ、人型じゃねえぞ」
「兎!?モフモフしたい!」
僕はダッシュで茂みに飛び込んで、見えた影にしがみつく。
「兎、ゲット!」
「う・・・な、に?」
「・・・あれ?」
兎にしては随分大きいな、と思ったら、それは兎ではなく、
「き、み・・・だれ?」
「・・・ほわぁ」
"大きな"男の人だった。
僕と同じ白い髪に赤い目。その人は、僕を不思議な物を見る目を向ける。僕は勘違いに気付き、すぐに降りる。
「ごめんなさい!兎と間違えました!」
「ぼく、うさぎ?」
「いえ、その・・・ちょっと見えた毛がモフモフしてたから・・・つい」
「いい、よ。けが・・・ない?」
「はい!ノーダメージです!」
心配をしてくれた男の人に僕は全身を動かして無事を現す。男の人は僕を見ると、安心した様な笑みを浮かべてくれた。この人凄く良い人だ・・・。
「おお、よく見たらお前《アステリオス》じゃねえか」
「あ、お、おりおん、だ」
「あれ?二人共お知り合い?」
「ああ。コイツはコミュニティ《バーサーク》のメンバーでな。偶に会ったりしてたんだよ。こんな所でどうした?」
「さんぽ、してたら、このこが、けがしてた」
そう言うアステリオスさんの手の中には、翼から血を流した小鳥がいた。僕は直ぐに回復魔法を掛ける。すると傷口は塞がり、小鳥は元気に羽ばたいて飛んでいった。
「あり、がと」
「いえいえ。元気になってよかった~」
「相変わらずお前の魔法は規格外と言うか・・・」
「ま、ほう?きみ、まほう、つかい?」
「正しくは魔導士って言うんですけどね」
「すごい・・・ね」
「そ、そうですか?」
やっぱり素直に褒められるとちょっと照れるなぁ・・・。
「あ、自己紹介忘れてました。如月刹那、三歳です」
「きさ、らぎ・・・あのひとの、こ?」
「あー・・・多方合ってます」
「うん・・・にてる。あと、けいご、いらない」
「分かった。よろしく、アステリオス!」
僕はアステリオスに笑いかける。アステリオスもニコッと笑った。やだ、この人可愛い。
「おりおん。あるてみす、は?」
「実は今絶賛夫婦喧嘩中でな。刹那んとこに厄介になってんだ」
「そう、なんだ。けんか、よくない」
「うっ・・・それ言われると弱いな」
「これを期にナンパやめたら?お嫁さん可愛そうだよ?」
「こればっかりはやめられねえんだよなぁ・・・」
このクマさん酷すぎない・・・?お母さんも浮気は最低、全員責任持てって言ってた。
「あ、そろそろ戻らないと」
「そうだな。十六夜あたりが飛んで来そうだから急ごうぜ。またな、アステリオス」
「またね、アステリオス!」
「ばい、ばい」
アステリオスと別れて、僕達はダッシュでコミュニティへと戻った。
~コミュニティ内[食堂]~
「へえ、あのルイオスも良いところあるじゃねえか」
「本当ね。それで、着てきちゃったの?」
「うん!皆に見せたくて。それにお父さんの服だもん!」
「そっか。お前の親父さん・・・」
「僕が産まれる前に・・・」
落ち込む僕の頭をいざ兄が撫でた。
「兎に角よかったな。親父さんの手掛かり見つけてよ」
「うん!あとね、オリオンの友達に会ったんだ!」
「あのセクハラ熊に友達・・・どんな人だったの?」
「あのね、アステリオスって言うんだ!」
僕がその名を言うと、いざ兄が急に真剣な顔になってオリオンを見た。
「オイ。お前の友達ってまさか・・・」
「お前の想像と合ってるぜ。アイツは迷宮の怪物と呼ばれた《ミノタウロス》だよ。でも俺はアステリオスを怪物とは思えない。だから本当の名で呼んでるんだ」
「・・・信じて良いんだな?」
「ああ。俺の親友だ」
いざ兄は真剣な表情を止めた。
「ねえ、みのたうろすって何?」
「簡単に言えば二足歩行の牛だ」
「二足・・・歩行・・・転がるとかできそうだね!」
「ミルタンクじゃないからな」
いざ兄に冷静にツッコまれた。違うんだ・・・。でも、アステリオスは怪物になんて見えなかった。ただ優しい人にしか見えなかったし・・・。
「ねえ、僕ご飯食べたらアステリオス探して来ても良い!?」
「・・・ジャンヌ達を連れて行くのなら良いぞ」
「うん!じゃあ、オリオン案内よろしく!」
「まさかバーサークのコミュニティに行くのか!?そりゃダメだ!」
「なんで?」
「あのなあ、バーサクの連中はその名の通り狂気に堕ちた奴らの集まりだ。アステリオスは例外で、あとは理性の無い獣ばかりだ。ジャンヌとジークが居たとしても確実に死ぬぞ」
「でも、アステリオスに次何時会えるか分からないし・・・」
「だからって命張る必要はねえ。兎に角、ダメだかんな」
そう言ってオリオンはそっぽを向いてしまった。いざ兄達もダメだと言って午後は外出禁止と言われた。不満がいっぱいのまま部屋に戻る。ベッドで寝転んでいると、ノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼する」
「あ、レティシアさん」
「むぅ。私の事は呼び捨てで敬語も無しと言ったではないか」
レティシアs・・・レティシアの言葉に僕は苦笑する。奪還して以来この調子で、毎朝起に来たり、お風呂に一緒に入って来たり、一緒に寝たりしていた。結局くろ姉に怒られて、起こしに来るだけになったけど。それでもよく抱きついたり、首元を舐めようとしてくる。
「それで、僕にご用事?」
「ああ。刹那に客が来ていてな」
「・・・客?」
~談話室~
「やっほ~、刹那君!」
「マールさん!」
談話室に入ると、マールさんが僕に向かって手を振っていた。僕もマールさんの向かい側に座る。
「この前はありがと!今日は改めてお詫びに来たんだ」
「全然気にしなくて良いのに・・・」
「あと、また刹那君に会いたかったから。えへへ・・・」
そう言ってマールさんは舌を出して笑う。そして席を立ち上がって僕の隣に座った。
「あの、近くないですか?」
「そう?刹那君、良い匂いだね。コンディショナーとか何使ってる?」
「石鹸ですけど?」
僕の言葉にマールさんは固まった。そしてプルプル震えながら聞いて来た。
「そ、それって高級な石鹸なのかな!?」
「いえ、体を洗うただの石鹸ですよ。ウチのコミュニティ贅沢する資金ないので」
扉の向こうで「はうっ!?」とか聞こえたけど、気にしないでおこう。
「刹那君、女の子の匂いしてるからそういうのに気を使ってると思ったんだけど・・・」
「僕は男です!」
「も~!可愛いな~!そうだ、今からホワイト・キャットに遊びに来ない?」
「え、でも僕外出禁止って言われてて」
「何したの刹那君?」
「バーサークのコミュニティに行k「ダメ!」マールさんまで・・・」
「だってあのコミュニティに言ったら刹那君死んじゃうよ!」
それは無いと思うんだけどな~。元魔王倒したよ僕?でも彼女の表情が真剣すぎて僕は何も言えなかった。
「そっかぁ。外出禁止・・・」
「マールさんの所だったら許可くれるかも・・・」
僕はさっきから扉の外で隠れているくろ姉に声を掛ける。扉がギギギと開いて、くろ姉が申し訳なさそうな顔で入ってくる。
「話は聞かせて戴きました。刹那さん、ジャンヌさん達を連れて行くなら構いません」
「うん、分かった」
「あと夕方には帰って来てください。それから人のコミュニティに言ったらまず挨拶ですヨ。あとは・・・」
「分かってるって。ジャンヌ、ジーク」
僕が呼ぶと、ジャンヌとジークが後ろに現れる。マールさんは驚いていた。特にジャンヌを凝視している。
「うぅ・・・まだ成長するもん」
「成長?」
「な、なんでも無いよ!」
そう言ってマールさんは僕の手を引いて、外へ出る。僕もくろ姉達に行って来ますをして外へ出る。そこには大きな鳥がいた。
「この子私のペットで《ぽっぽ》って言うんだ!」
「こ、これ神鳥の類じゃないですか!?」
「うん!なんか卵拾って孵したら懐かれた!」
あっけらかんと答えるマールさんにジャンヌが溜息を吐く。
「あ、でも四人じゃ定員オーバーだ」
「大丈夫だ。俺とジャンヌはマスターのギフトカードに入れば良い」
「そっか!じゃあ刹那君は此処!」
僕は手綱を持ったマールさんの前に乗せられる。ジャンヌ達をカードに収納すると、ぽっぽが羽を広げて、浮き始める。
「さあ、空の旅へレッツゴー!」
「おーっ!」
ぽっぽが羽ばたくと、あっと言う間にコミュニティが小さくなって行く。風が心地よく吹き付けて来て、辺りには鳥が飛んでいた。
「ほわぁ・・・凄い」
「えへへ、そうでしょ」
「はい!凄いですマールさん!」
「む~・・・マールって呼んで!敬語も無し!刹那君は固すぎ!」
「わ、分かったよ・・・マール」
「うんうん。さあ、もうすぐ着くよ!」
マールさんが叫ぶと、高度が段々下がる。そして、ノーネームのコミュニティより大きな石造りの建物の前に降り立った。
「到着!此処が私達のコミュニティ、ホワイト・キャットの本拠だよ!」
「おっきい・・・あの黒い建物は?」
「ああ、あそこは私達と同盟を組んでるコミュニティ《ブラック・キャット》の本拠だよ」
隣にある此処と同じ位の大きさの建物を見て、また驚く。同盟とかあるんだ・・・。名前が猫同士仲良さそう。
「刹那君、こっちこっち」
「あ、今行くよ」
通されるがままにコミュニティへ入る。中はとても広く、エントランスの様になっていた。受付口にいる女性にマールさんは話し掛ける。
「あ、《ヘレナ》さーん!」
「あらマールちゃん。おかえり。えっと、この子は?」
「私の友達!だから入館許可証ちょうだい!」
「分かったわ。はい、コレ落としちゃダメよ」
「はい。ありがとうございます」
受け取った入館許可証を首に掛ける。流石大きなコミュニティなだけあってメンバー以外への対応はしっかりしてるんだなぁ。後々の参考にさせてもらおう。
廊下を歩いていると、向こうから如何にもやる気のなさそうな足取りで歩く金髪の少女がいた。何よりも印象的なのは彼女の目で、聖王と同じ左右の色が違う目。所謂オッドアイだった。そんな少女にマールは声を掛ける。
「あ、《シャル》だ。やっほ~」
「何だマールか。で、隣の子は?まさか誘拐?」
「違うよ!この前話したノーネームの子だよ!」
「ああ、マールが好k「わー!わー!わー!」・・・冗談だよ」
「もう・・・シャルは今からギフトゲーム?」
「まあね。ああもう面倒臭い。今日は部屋でゆっくりプリン食べる予定だったのに・・・!」
「あはは・・・頑張って」
シャル、と呼ばれた少女にマールは苦笑いを浮かべる。すると、少女は僕を見てから頭に手を乗せてきた。
「ま、特に変わった所の無いコミュニティだけどゆっくりしてきな。あ、アンタの名前なんだっけ?」
「刹那です。如月刹那・・・」
「刹那か。アタシは《シャルロット》。シャルで良いし敬語もいらない。面倒臭いし」
「えっと、よろしくねシャル」
自然と見上げる形になり、見上げて笑いかけるとシャルは真っ赤な顔でマールの腕を掴み、僕から離れる。・・・なんでさ。
「ちょっとマール!何あの子本当に男!?超可愛いじゃん!(小声」
「それだけじゃないよ。あの子この前ペルセウス倒したんだよ(小声」
「うっそマジで!?あの体にどんなパワーあんの(小声」
何かを話し合っている様で、僕は置いてけぼりになっている。ああ、無視しないでほしいな・・・。
「むむ。見ない顔だな」
「ほえ?・・・ルルーシュ?」
「誰だそれは。俺の名は《シャナオウ》。この箱庭一番のアンドロイドなり!」
「・・・やっぱりルルーシュだ」
「だから俺はどこぞの反逆者とは違うぞ」
やっぱり知ってるじゃないか(歓喜)
どう見てもルルーシュにしか見えない黒髪の男性は、僕を見る。まあ、部外者だから警戒されるのは当然か。
「その着物・・・《レオ・ゼーゲブレヒト》の物ではないのか?何故お主が」
「コレお父さんのでして。今日貰ったんです」
「お、お父さん!?やはりあの男結婚したのか・・・いかん、回路がショート仕掛けている。所望、シンキングタイム!」
「あ、どうぞ」
「かたじけない」
そのままシャナオウさんはその場で目を瞑る。時々機械音が聞こえて来たから本当にアンドロイドなんだなと思った。
「刹那君ごめんね!あ、シャナオウ・・・さん?」
「なんかシンキングタイムって言ってこのまま」
「そっか。じゃあ行こっか」
「えっ、良いの?」
「うん。何時もの事だから」
「凄いね・・・コミュニティって」
再びマールに案内されてある一室に通された。如何にも女の子な感じの部屋で、可愛らしい雰囲気だ。テーブルに座らされて、暫くすると、マールが紅茶を持って来て淹れてくれた。
「はい、どうぞ」
「ありがと・・・あちっ」
「ちゃんと冷まさないと・・・あちっ」
「マールも一緒だ」
思わず二人で笑う。その後も僕がこの箱庭に来る前の話や、マールの日常なんかを語り合った。やがて日が傾きかけた頃、僕はマールに再び送ってもらう為に外へ出る・・・筈だったのだが・・・。
「何この子可愛い~!」
「本当に男の娘なの!?」
「ほっぺもぷにぷにで、すべすべしてる!」
「・・・たすけて」
「綺麗な声してる!」
外出から帰って来たらしきメンバーの方々にもみくちゃにされています。なんか女性率多くない?とマールに聞いた所、現在殆どの男性メンバーがギフトゲームで遠征に出ているそうだ。大きいコミュニティは大きいコミュニティなりに大変なんだな、と思いながら執拗に撫でられる。
解放されたのは実に数十分後の事だった・・・。
「ああ、酷い目にあった・・・」
「ヘレナさんが止めるまで酷かったもんね」
「うん。でも、今日はマールと話せて楽しかったよ」
「私も楽しかったよ。はい、到着」
そう言ってノーネームの前に降りる。僕が降りると、マールも降りて来た。マールは真剣な顔で僕を見る。
「ねえ、刹那君。やっぱりこの世界に住まない?」
「突然どうしたのさ?」
「だって向こうの世界に帰れるとは限らないんでしょ?それでもし帰れなかったら凄く悲しいよ。でも最初から諦めれば・・・」
「マール。僕は帰るよ」
僕はマールを見る。マールは泣いていた。僕の為に泣いてくれるのは凄く嬉しい。でも、それじゃダメなんだ。
「例え帰る確率が低くても僕は諦めない。向こうには家族がいるから」
「あ・・・」
「心配させたくないし、なにより」
僕は一呼吸置いて話す。
「家族を泣かせる事だけは絶対にしたくない」
「・・・そっか。うん、ごめんね急に変な事言って」
「ううん。マールが僕を考えてくれてるって気持ち、凄く伝わった。本当に嬉しかったよ・・・僕、マールに出会えて良かった!」
「私も・・・私も刹那君に会えて良かった!」
「それに帰ったからって決して会えない訳じゃないよ。お母さんが二回も来れたんだよ?」
「そうだね・・・私、何時か刹那君の世界に行くよ!」
「うん、楽しみにしてる。もう僕、行かないと」
「またね、刹那君!・・・大好き!」
僕の顔が赤くなる。マールも顔を真っ赤にして飛んでいく。顔が赤くなったまま、コミュニティの中へと入ろうとしたその瞬間、
「----ほう、これが如月澪の子か」
「っ!?」
突然の殺気に僕は飛び退く。僕が立っていた場所にはギルさんが持っていた赤い槍が何本も刺さっていた。気配の方向を見ると、そこには地面に刺さっている槍を二本持っている女の人が門の上から僕を見下ろしていた。
「・・・誰?」
「ほう、質問する余裕があるのか?」
「くっ!?ジャンn」
「遅い!」
「かはっ・・・!」
あっと言う間に懐に入られ、槍の刃とは逆の部分で腹部を突かれ、意識が遠くなる。カードも地面に落とし、最後に見えたものは・・・。
「ハァハァ・・・男の娘たまらんっ!」
赤い槍を鼻血で更に赤く染める女の人だった。あ、この人完全にレティシアさんと同じ類・・・。
刹那サイド終了
三人称サイド
コミュニティ《バーサーク》のメンバーである《アステリオス》は外で空を見上げていた。思い出すのは自分と同じ髪と目をした子供。嘗て化物と忌み嫌われて来た自分を軽蔑もなしに笑いかけてくれた。小鳥を治してくれた恩も返さなければいけない。
そんな事を考えていると、自分の上を人影が通り過ぎた。
普段なら気にしないアステリオスであったが、その目は困惑に満ちていた。アステリオスは怪物と呼ばれただけあって身体能力が高い。夜目も利く彼の目には確かに見えた。
----"鼻血を出した女に抱えられた刹那"の姿が
「せつな、たすける!」
今までにない寒気を感じた彼はギフトカードから己の得物である戦斧を二つ取り出した彼は刹那を追って凄まじいスピードで走り出した。
「まってて、せつな!」
アステリオスは気付かない。自分の後方から、一人の少年と黒い兎、熊の人形、聖女、竜殺しが同じ目的で同じ方向を駆け抜けている事に・・・。
三人称サイド終了
~その頃[ホワイト・キャット]内~
ガレア「どうしたマール。急に家事の練習など・・・」
マール「えへへ・・・花嫁修行!」
ガレア「なにっ!?誰だ!誰なんだ!?」
マール「内緒。・・・刹那君♡」
ガレア「・・・誰なんだマールぅ・・・」