第1話 伝えられた事実
アルシェイラの夢の中:
「ここはどこかしら?」
アルシェイラは周りを見渡したが、誰もいない。
「こうしてあなたと話すのは初めてですね。」
そこに、女性の声が聞こえてきた。
「誰!!」
人がいることを感知できなかったために内心であせっていた。
アルシェイラの誰何の声が聞こえたためか声をかけた女性が姿を現した。
「あなたはもしかして、サヤ?」
グレンダンの深奥部にいる物がであるか確認するために名前を聞いた。
「そうよ。
そして、ここはあなたの夢の中。」
「私の夢の中に出てくるなんて何かあったの?」
「もうまもなく世界の命運をかけた戦いが始まります。」
「っ!!
そう、私たちの本当の戦いが始まるのね。」
「ただ問題が一つあります。」
「問題?
どんな問題なの?」
「戦いに干渉しようとしている都市が2つあります。」
「そんな馬鹿な都市なんて放っておけばいいでしょ?
グレンダン以外の都市じゃ相手にならないんだから。」
「その通りです。
1つはシュナイバル、こちらは以前より干渉しようとしており、人に電子精霊を与えるなどしていますが、ただの人にいくら電子精霊の力を与えたところで意味はありません。
それに、シュナイバルとは言え、下級電子精霊なので問題ありません。
しかし、もう1つの都市が問題なのです。」
「それはどこなの?」
アルシェイラはグレンダン以外ではシュナイバル以外は世界の命運をかけた戦いに参加しようとする都市があるとは信じられなかった。
「ツェルニです。」
「ツェルニ?」
アルシェイラはサヤから伝えられた都市名を鸚鵡返しした。
残念ながらアルシェイラの記憶にはツェルニと言う都市名は記憶されていなかった。
「その都市は学園都市です。
その為、あなたが知らなくても仕方がありません。」
サヤはアルシェイラがツェルニを知らないことを理解したため、都市の役割を教えた。
「学園都市ごときが?
何かの間違いじゃないの。」
アルシェイラは自分でも思っていないことを口にした。
アルシェイラ自身サヤが都市のことで間違えるとは思っていないが、どうしてもそのことが信じられなかった。
サヤはアルシェイラの問いかけにを不快に感じた様子もなく姿を現したときと同じ表情をしている。
「私は事実を伝えているだけです。
なぜ学園都市が戦いに関わるのかまではわかりません。
ただ、このまま放置しておくわけにはいかないと感じたためにあなたに伝えているだけです。」
サヤは淡々とした口調でアルシェイラに事実を伝えた。
「たかが学園都市ごとき放っておいてもいいんじゃないの?」
アルシェイラは学園都市にいる程度の武芸者では戦いに関わったとしてもたいした事がないと考えたためそう言い放った。
「普通なら放っておいても問題ないでしょう。
しかし、ツェルニは突如として戦いに関わるようになりました。
そのことが戦いのイレギュラーになりかねないと私は感じました。
戦いの戦況を左右しかねないことはなるべく配しておきたいのです。」
アルシェイラはサヤが言っていることが当然のことであることがわかっているため何かを考え始めた。
「サヤ、これだけは確認させて欲しいの。
今のグレンダンの戦力でもそのイレギュラーが加われば負けるかもしれないの?」
アルシェイラはグレンダンの最高戦力たちがここ数年でその実力を大きく伸ばしていることを理解しているからこそそう問いただした。
なぜなら、グレンダンの最高戦力たちはあるきっかけから身につけた力を十分に使いこなせるようになり、一般的なダイトの許容量を大きく上回る剄量を持っている武芸者とは一閃を画する存在へとなっているためである。
そして、その事をサヤも理解していると知ったうえでの問いかけである。
「確かに彼らは強くなりました。
しかし、戦いに絶対はありません。」
サヤは現在のグレンダンの総力を知ったうえでそう言った。
同時にアルシェイラも自分がバカらしいことを聞いたと感じた。
「それもそうね。
ツェルニが関わろうとしている理由はこっちでも調べてみるわ。
サヤとしての考えとしてはどうして欲しいの?」
サヤが自分と同じことを考えているのではないかと感じながらも意見を求めた。
「一番確実に調べられるように誰かをツェルニに行ってもらうことです。」
「やっぱりそうなるわよね。
わかったわ。
適任者がいるからツェルニで調べてきてもらうわ。」
自分の剣たちの中に今回の件の適任者がいるため、その人物たちに命を下すことを決意した。
「ではよろしくお願いします。
私はもうしばらく眠っています。
次にあなたに合うとすれば現実世界での戦いが始まる直前になるでしょうね。」
「そうでしょうね。
それじゃあ、サヤおやすみなさい。
私たちが勝つ夢でも見ながら寝てなさい。」
「その夢が実現されることを祈りながら眠っています。」
そういうとともにサヤはアルシェイラの前から姿を消した。
そして、アルシェイラにもある変化が現れた。
「意識が遠くなっていくわね・・・。
体が覚醒しようとしているのかしら?
まあ、私がやることは決まっているんだからそれを実行するだけね。」
そうつぶやいた直後にアルシェイラは自分の寝室のベッドの上で目を覚ました。