東方喰種(トーホーグール)【幻】   作:卵かけごはん

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第四話です。
う~ん、あとがきはともかく、前書きに何を書くかいつも迷う...
取り敢えず今回は特になしで。



第四話 「闘法」

紫(...さて、どうしましょうか..)

晴天の空の下、幻想郷を作り上げた一匹の大妖怪が窮地に立たされていた。

紫(霊夢のこの怒りようからして、逃げるのは難しいわね...)

 

目の前には眉間にしわを寄せ、こちらを睨む霊夢がいた。

紫(弾幕ごっこ自体は別に問題ない...だけど...)

 

紫「...めんどい。」

一日に12時間は寝る私。本来なら今はゆっくりと心地よい夢を見ている時間だ。

 

まぁ、彼をここに引き込んだのは私だし、それに対しては私に責任がある。

しかしやはりめんどうくさい...誰かいないかしら..この場で変わってくれそうで霊夢と弾幕ごっこで互角に戦える相手...

 

紫「...あ!」

金木「どうしました?」

霊夢「なによ?」

いきなり声を上げたので驚いたのか、二人が不思議そうな顔をして訪ねてくる。

紫「いえいえ、ちょいとお待ちなさい。」

 

ブゥゥン!再び空間に亀裂が走る。

霊夢「ちょっ!逃げる気!?」

...紫が空間にできた【スキマ】の中に飛び込む。

霊夢「っ!待ちなさい!」

紫「.....」

ブゥゥン..開いた時より1オクターブほど低い音が鳴り、スキマが閉ざされた。

 

金木「...さっきから使ってるあれも紫さんの能力なのかい?」

霊夢「...はぁ..そうよ、あれは空間の境界を操ってるの。」

大きなため息をついた後、霊夢が説明を入れる。

金木「..ほんとに何でもありなんだね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥ...

紫は今、スキマの中を移動していた。

紫(別にこのまま逃げてもいいんだけど、霊夢は根に持つだろうし...ここはあなたの出番よ。【魔理沙】」

スゥゥゥ...紫が伸ばした手の先の空間が開いた。

 

 

 

幻想郷で随一の広さを誇る森、【魔法の森】。

その森の中心に一軒の家が構えていた。

?「ふぅ~暇だ。」

家の屋根の上で如何にも【魔法使い】といった白黒の服装をした少女がつまらなそうにつぶやいていた。

?「霊夢の家は最近ずっと行ってたし、..よし、【紅魔館】にでも忍び込むか!」

紫「まちなさいな」

?「.....」

 

少女が明らかに嫌そうな顔をする。

紫「まぁまぁ、そう明らかに嫌そうな顔をしないで頂戴な...流石に傷つくわ..」

紫が扇子で顔を半分隠し、顔をしかめる。

?「..で?私に何の用なんだ?」

紫「貴方、今暇してるんでしょう?」

?「ん~、そうだけど面倒事はごめんだぜ。」

 

紫「ええ、分かってるわ。貴方、霊夢と弾幕ごっこしない?」

 

 

 

 

 

...博麗神社。

霊夢「紫...今度あったら覚悟してなさい。」

霊夢が不満そうな顔をして呟いていた。

 

金木「まぁまぁ、きっとあの人にもあの人なりの考えが..」

霊夢「あるわけないでしょそんなの。面倒なだけよ。」

金木「..即答なんだ。」

逆にそこまで信用されないってすごいな...

 

スゥゥ..空間に線が入る。

金木(流石にこれはもう慣れたな...)

開いた空間の中から紫が顔をのぞかせた。

 

霊夢「っ!あんたよく私の前に出てこれたわね!」

紫「ええ、別に逃げたわけじゃないですし...」

霊夢「じゃあ何しに..って魔理沙?」

 

?「ん?おう!霊夢」

紫の横で隙間から顔をのぞかせている少女がいた。

?「っと、お前は?」

少女が金木を指さす。

 

金木「僕は金木研。君は?」

?「私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ!魔理沙でいいぜ!」

金木「は、はぁ..」

 

やけに元気な人だな...

魔理沙「にしても変わってるなお前。霊力からして人間なのに、髪は真っ白で爪は赤黒いんだな。」

金木「ああ..ちょっといろいろあってね。」

...さすがに拷問の跡..とは言えないよな。

 

紫「こらこら、初対面でそれは失礼でしょ。」

紫が魔理沙を咎める。

魔理沙「ん?そうか?悪かったな」

 

金木「ああ、いや大丈夫だよ。」

霊夢「とりあえず紫、魔理沙を連れてきた理由を教えてちょうだい。」

紫「変わり身よ!」

霊夢「?」

紫「私の代わりに魔理沙に弾幕ごっこの相手をしてもらうのよ。」

 

魔理沙「よくわからんが私は弾幕ごっこができるなら理由はどうでもいいぜ。」

霊夢「それじゃぁ意味がないじゃない。」

紫「いえいえ、今一番重要なのは金木君に【弾幕ごっこ】がどういうものなのか見てもらうことですし..霊夢には今度団子でもおごるわ。」

霊夢「団子!?よっしゃきちんとした固形物が食べられる!」

金木「え...」

固形物って..普段どんなもの食べてるんだ..

 

魔理沙「話がまとまったならさっさと始めようぜ!」

霊夢「ええ..そうね。」

すぅ...霊夢の体が浮き始めた。

金木(すごいな..羽赫みたいに単純に飛ぶんじゃなくて【浮いてる】。)

魔理沙「よっしゃ!今日こそは勝つぜ!」

そういって彼女が取り出したのはなんと...【ホウキ】。」

 

金木「え..もしかしてそれで飛ぶの?」

魔理沙「?そうだけど?」

金木(服装といい、ホウキといい、【THE魔法使い】って感じだな..)

霊夢「魔理沙ー、始めないならやめるわよ!」

 

いつの間にか空高くまで飛んでいた霊夢がなかなか来ない魔理沙にしびれを切らした。

魔理沙「おお、悪い。今行くぜ!」

そういって魔理沙はホウキにまたがり、一瞬の間に霊夢のいる位置まで飛んだ。

 

紫「いい忘れてたけど、この世界では弾幕ごっこは一種のスポーツのようなものなの。」

金木「スポーツ?サッカーや野球のようなですか?」

紫「ええ。」

 

そういって紫は空を見上げる。

つられて金木も顔を上げる。

霊夢「スペルカードは全部で3枚ね。」

魔理沙「了解!」

霊夢「いくわよ!」

..試合開始の合図が出た。

 

霊夢、魔理沙両者の肩あたりに、不思議な文字が書かれた半透明な紋章が現れる。

【魔法陣】。

よくTVや漫画などで目にするそれに酷似している。

 

ダダダダダ!魔法陣から大量の光の弾が発射される。

数は2000、3000いやもっとだろうか。

金木「すごい...」

弾幕の量もさることながら、霊夢達はそれを完ぺきにかわし切る。

 

..正直、空を飛べたとしても、あれを躱し切れる自信はない。

霊夢「一気に行くわよ!」

霊夢「霊符【夢想封印】!!」

..霊夢の背後から巨大でカラフルな6つの弾が現れる。

それは魔理沙の弾幕を打ち消しながら、魔理沙に向かい直進する。

 

魔理沙「おっと!」

しかし魔理沙は慌てることなく冷静にそれに対処する。

霊夢の通常の弾幕をかわしながら、夢想封印も軽々しく躱していく。

 

魔理沙「この程度止まって見えるぜ!」

霊夢「そう..」

霊夢の声が魔理沙の背後から聞こえる。

 

魔理沙「なっ!!」

霊夢「神霊【夢想封印【瞬】】。まぁ瞬間移動みたいなもんよ。」

背後を取った霊夢から容赦なしに大量の弾幕が放たれる。

魔理沙「っ!」

 

とっさに体をひねりそれをかわすが、弾幕はさらに数を増すばかりだ。

..弾幕が魔理沙を囲むように展開する。

 

金木「これは終わったかな..」

魔理沙についてはよく知らないが、これはもう強さの問題ではなく、よけることは不可能だろう。

 

魔理沙「へっ!派手でなければ魔法じゃない。弾幕はパワーだぜ!!」

魔理沙が霊夢に六角形の機械のようなものを向ける。

魔理沙「恋符【マスタースパーク】!!」

 

機械から七色に輝くごく大レーザーが放たれる。

ブゥゥゥン!!!!..耳がつぶれるかというほどの轟音を生み出しながらそれは自分の弾幕も霊夢の弾幕もお構いなしに飲み込み、

霊夢に向かい直進する。

 

霊夢「...はぁ、ほんとアンタの技って派手よね..」

軽口をたたきながら霊夢は横にそれることでレーザーをかわしていく。

ババババババ!!レーザーをかわすように、霊夢の弾幕が魔理沙に向かい飛んでいく。

 

..地上からそれを見る金木の目には美しい情景が広がっていた。

紫「..綺麗でしょ。」

金木「...はい。」

金木(..これがここでの戦い方..じゃぁ僕たちの戦い方はいったい...。)

悪戯に人を傷つけ、命を摘む。

そこには美しさを愚か、地獄のような情景しか浮かばない。

金木(僕達もいつか作り上げられるのだろうか..人と人、喰種と喰種、人と喰種が殺し合いをせずに済む、そんな【理想郷】を。)

 

ピチューン!!甲高い音が響く。

紫「終わったようね。」

金木「ええ..」

どうやら最終的に霊夢の弾に魔理沙が被弾したようだ。

魔理沙「くっそーー!!」

悔しがる魔理沙だが、その顔はどこか楽しそうだ。

霊夢「弾幕ごっこについては理解できたかしら?」

そう尋ねながら、霊夢が空から降りてくる。

 

金木「..ああ、理解は出来たんだけど、僕は空を飛べないし、何よりさっきのような弾幕は撃てないよ。」

美しい弾幕を見て自然と頬が緩んだのか、微笑みながらそう言う。

 

紫「飛行はともかく、弾幕はここで生活していくうちに扱えるようになるわ。」

金木「?」

紫「あの弾幕は、自分の中の霊力や魔力、妖力そして神力を圧縮して固めたもの。妖力や神力は妖怪や神様にしかないけれど、

霊力や魔力は量に差はあれど、人にもあるわ。」

 

霊夢「まぁ、霊力は人間特有のものだけどね。」

金木「つまり、ここで生活しているうちに覚えろ。ということですか?」

紫「ええ、そういうことよ。」

 

霊夢「さてと、弾幕ごっこについて理解できたのなら住む場所も決めないとね。」

金木「住む場所...」

紫「それなら人里にいい場所があるわ。」

金木「人...里..。」

霊夢「まぁ、それがいいわね。あそこは幻想郷でも比較的安全な場所だし。」

紫「ええ。それに何より、あそこは【人が多い】。」

金木「っ!!」

...この人は知っているのだ。自分が人の姿をした【化け物】であることを。

姿は【人間】。主食も【人間】。人肉以外からでは栄養を補給できない存在。

【ヒト】にとっての【悪魔】。

..それが【喰種】。それが僕だ。

 

紫が薄ら笑いを浮かべる。

魔理沙「?人が多いと何かあるのか?」

金木「え..ああ、いや何でもないよ。」

話をはぐらかすように目を背ける。

霊夢「そういや聞くの忘れてた!...あんたは結局何なの?人間?妖怪?それとも別の何か?」

霊夢が思い出したという顔で訪ねてくる。

 

魔理沙「ん?こいつ、人間じゃないのか?」

金木「.....」

答えられない。答えてよい物なのか分からない。

...沈黙が続くと、紫がそれを破るかのように話し始める。

紫「彼は元々は人間よ。」

魔理沙「元々?」

紫「ええ。」

霊夢「...でも私、昨日すごい勢いで攻撃されたんだけど...」

 

金木「.....」

金木が下を向く。

金木「そのことについては..本当にごめん。」

霊夢「......はぁ」

霊夢が大きくため息をつく。

霊夢「まぁ、いいわ。ひとまずは様子見ということであんたには人里で暮らしてもらう。」

そういった後、霊夢の目つきが鋭くなる。

霊夢「ただし、何か問題を起こした場合は...容赦しないわよ。」

金木「...ああ。」

 

魔理沙「?金木となんかあったのか?」

霊夢「....いいえ、なんでもないわ。」

魔理沙「?」

紫「さて、そろそろ金木君の住む場所に移りましょうか。」

そういって紫が手を伸ばす。

スゥゥゥ..もう何度見たか分からない【スキマ】が開く。

紫「お入りなさい。」

そういって紫は開かれたそれを指さした。




はい、第四話終了です。
やはり戦闘場面を書くのは難しいです...
次回あたり人里でコメントでみなさんが仰っている、無限食料量産装置様(仮)が登場する予定です(笑)
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