東方喰種(トーホーグール)【幻】   作:卵かけごはん

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..結局、紫と文の戦いは全カット、もしくは後回しになりました。
もし見たかった人がいたらごめんなさいm(__)m

..どうあがいても、戦闘シーンがうまくいかない...
とりあえず、第六話です。


第6話 「天籟」

文「...どうしましょうか、これ。」

文が冷汗を浮かべる。

 

紫「文~?」

不気味ににっこりと笑う紫。

 

..幻想郷の屈指の有力妖怪同士の睨み合い。

周囲から他の人間の姿はなくなり、魔理沙や霊夢ですら緊張で動けずにいる中、金木だけが別のことを考えていた。

金木(..血の匂い?)

 

..遠くから微かに匂う血の匂い。

幸いにも人の血ではないようで、左目の赫眼は出現していない。

金木(何の匂いだ?妖怪か?)

 

..今までに感じたことのない匂い。

妖怪かどうかは分からないが、どうやら幻想郷の外に存在しているもののようなまともなものではなさそうだ。

 

スゥゥゥ_鼻孔から入ってくる匂い。

ここで彼は更なる異変に気付く。

 

金木「..匂いが..増え...続けてる?」

...血の匂いは段々とその存在感を増していく。

霊夢がその声に気付き何事かとこちらを見るが、そんなことを気にしている場合ではない。

金木(..行ってくるか。)

..増え続ける匂いがどうにも気に掛かる。

 

金木「霊夢、悪いけど僕は少しここを離れるよ。」

..一応霊夢に告げておく。

霊夢「なっ...!?...まぁ、いいわ。何処に行くつもりかは知らないけど、気を付けてね。」

一瞬反論しかけた彼女だが、金木の真剣な眼差しを見てただ事でないことを察し、言葉を飲み込んだ。

 

金木「あぁ..ありがとう。」

..礼を言い残し、その場を去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

             ♦

 

 

 

 

 

 

..雲一つない晴天の下を駆ける黒い影。

 

 

 

..【眼帯の喰種】。金木研は匂いを感じた方向、人里から見て北東方面に向かっていた。

 

ザンッ!力一杯地面を踏みしめ、全速力で目的地に急ぐ。

..崖を赫子を使い飛び越え、できるだけ直線に進む。

小川を乗り越え、平地を疾走するが、まだ匂いの出どころは遠い。

 

金木「くそっ!」

思わず悪態をつく。

匂いは確実に近づいてきてはいるのだが、どうにも急ぎすぎたらしく、足が痺れてきた。

 

金木「..一旦休むか...」

..近くにあった岩に腰掛ける。

...しかし、妙に焦る気持ちが湧いてきて、落ち着いて休憩できない。

なぜだか分からないが、行かなければならない..そんな気がする。

 

金木(..仕方ない、先を急ごう。)

あまり休憩する気になれなかったので、痺れる足を叱咤し、先を急ぐことにする。

 

ダダダダッ!

...いくらか走って、ようやく匂いの元の近くにたどり着く。

 

金木「..ここか。」

..目全に広がるのは巨大な【山】。

金木「取り敢えず、少し休むか...」

 

 

 

 

 

      ♦

 

 

 

 

 

 

スゥゥ_...しばし休憩した後、山に入ろうと、ゆっくりと歩を進めようとしたところで、不意に後ろから何者かに声をかけられる。

?「待ちなさい!」

 

..凛とした声が響く。

金木「....」

声が聞こえたほうを振り返る。

 

?「..ここは人間の立ち入りが禁止されている場所です。速やかに引き返しなさい!」

..見ると狗耳に尻尾をはやした少女が剣と盾を持ち、こちらを睨んでいた。

 

金木「君は..?ここの門番といった感じかい?」

親指で後ろを指さし、少女に尋ねる。

?「..はい。私は白狼天狗の【犬走椛】(いぬばしり もみじ)。仰る通りここの門番を任せられています。」

..警戒の色を出したまま、少女が自己紹介をする。

 

金木「【天狗】?射命丸さんの仲間か何かかい?」

椛「..射命丸ですか?まぁ、そんな感じですかね..それにしてもあの鴉天狗、やっぱりまた面倒事を作りやがりましたか...」

..不機嫌そうにそう言って、こちらを見る。

 

金木「いや、別にあの人は今回の件には関係ないよ。」

軽く弁解するが、椛はどうでもよさそうな顔をする。

椛「..そうですか。まぁ、どっちでもいいですが。取り敢えず...おしゃべりはここまで。これより先に行くというのであれば、門番として容赦しません!」

..目つきを鋭くし、殺気を払い言う。

 

..しかし、金木も簡単に引き下がることは出来ない。

彼女には悪いが、ここは強行突破をさせてもらうことにしよう。

 

金木「悪いけど、意地でも通らせてもらう。」

..そう言うと、椛の目が更に鋭くなる。

椛「..そうですか...なら覚悟してください!」

..椛が刀を構える。

 

椛「せあっ!」

一気に距離を詰め刀を振るってくる。

金木「...」

しかし、金木はこれを軽々と避ける。

 

椛「やりますね...ならこれなら!?」

椛が地面に剣を突き刺す。

ズドォォン!..瞬間、地面が揺れる。

 

金木「...っ!なっ!」

..一体何が?

金木が立っていた地面が崩壊する。

 

金木(..これがこの人の【能力】!?..いや!)

直観だが、違う気がする。

 

..地面から水が溢れ出ていた。

恐らく、地面の下に水を通して、崩れやすくしたのだろう。

..例えるならば土砂崩れだ。

 

金木(..水を操る系統の能力か?)

..紫さんの能力を見た後だと、不思議とどんな能力でも、「まぁ幻想郷ならあるんだろう」と納得できてしまう。

 

金木「でも..。今のは本当に君の能力か?」

..椛が驚いた!といった顔をする。

 

...やっぱりか。

椛「..なんで私の能力じゃないと分かったんですか?」

金木「いや、ただ単に近くに別の人..いや、妖怪がいるのに気付いただけだよ。」

..そういうと椛は「ああ..」といった顔をする。

 

?「いや~、まさかばれてたとは...」

あっぱれ!と言わんばかりに頭を掻きながら、茂みから青髪の少女が出てきた。

 

金木「...君も門番かい?」

そう尋ねると、彼女はいいや、と首を振る。

?「私は河童の【河城にとり】。ただのこの山の住民さ。」

苦笑しながら言う。

 

にとり「人間は河童の盟友だからね。本来なら助けてやりたいぐらいなんだけど、ちょっとお偉いさんに頼まれてね..」

金木(お偉いさん?この山の大将さんか何かかな?..河童が人間と盟友だってのも初耳だけど...)

 

椛「..まぁ、取り敢えず再開しましょうか。」

そういうと再び椛が剣を構える。

..にとりも目つきを鋭くし、戦闘態勢をとる。

 

..二対一で手を抜くのは流石に厳しい。

金木(..仕方ない。...多少の怪我には目をつむってもらおう。)

..金木の左目が赤く染まる。

 

「バキッ!」人差し指を親指で鳴らす。

...それが合図であったかのように、金木の右の腎臓あたりから皮膚を突き破り、四本の赫子が出現する。

 

椛 にとり「...っ!」

二匹の妖怪が警戒心を強める。

 

ズガァァ!!..金木が赫子を二本、それぞれに向かい突き刺す。

 

ガキンッ!椛が盾でそれを防ぐ。

...にとりはどうやら躱すことで難をしのいだらしい。

 

椛「私が近接戦をします。にとりさんはサポートをお願いします!」

そういって椛が地面を深く踏み込み、金木に向かい走る。

 

金木「...っ!」

..動きが予想よりも早い。

赫子で撃退を試みるも、にとりが勢いの付いた水で弾いてしまう。

 

椛「はぁぁ!」

椛が跳躍し、一気に金木との距離を詰める。

 

ブンッ!手加減を微塵も感じない太刀筋で、金木に剣を振る。

 

ガンッ!それを赫子で弾き、空中で弾けれ動けない椛に横から赫子を叩き付ける。

..吹き飛ばされた椛は着地した瞬間に受け身を取り、衝撃を無くす。

 

金木「やるね...っと!」

横から勢いの付いた水が飛んできた。

無難に横に移動し、それを回避する。

 

にとり「..う~ん、不意打ちもダメか...」

不意打ちで当たらなかったのが悔しかったのか、にとりが顔をしかめた。

 

椛「...こうなったら仕方ありません。にとりさん、多少怪我をさせても構いません。ダメージを与えるつもりで

スペルカードを使ってください。」

椛が鋭くにとりに声をかける。

 

にとり「..あんまり盟友を傷つけたくはないんだけど...まぁ、仕方ないか。」

..若干金木を申し訳なさそうな目で見た後、決心したように目つきを鋭くする。

 

にとり「水符 ウォーターカーペット!!」

にとりがそう宣言した瞬間、彼女の周りから出現した無数の水の塊が金木を囲うように展開する。

 

金木(スペルカード...弾幕ごっこだけで使えるものとばかり思ってたけど、実際は戦闘でも使えるんだな...

ということは、チルノのあれもスペルカードか?..っと、そんなこと考えてる場合じゃないな。)

 

ザッ!椛が再度真正面から突っ込んでくる。

しかも周囲からは、にとりの弾幕が猛スピードで降り注ぐ。

..あれに当たったら流石にただじゃ済まなさそうだ...

 

金木(..このままじゃ蜂の巣か...だったら..)

ビュンッ!_..赫子を振りかぶる。

..しかし、今度の狙いは椛ではない。

赫子を真上になぎ払う。

椛 にとり「?」

 

ドシャッ!..金木の真上に位置する水の塊が音を出して吹き飛ぶ。

..どうせ直ぐに元に戻るだろうが、ならばそれまでに【抜け出せば】いい。

 

赫子を地面に叩き付け、反動で宙を舞う。

椛「なっ!?」

にとり「早っ!」

吹き飛ばした水が元に戻る前に、猛スピードで上昇する。

 

ドサッ!..なんとか蜂の巣からの脱出に成功した。

椛「くっ!」

..赫子でなぎ払うように椛に攻撃を仕掛ける。少し悪いが、大勢を立て直す前に叩かせてもらう。

椛「ぐっ!..」

 

..赫子が椛に直撃し、彼女を数メートル吹き飛ばす。

...どうやら気絶したらしい。

金木「..まだやるかい?」

くるりと後ろを振り返り、にとりに尋ねる。

 

にとり「いや~、私一人でやっても絶対勝てないだろうし、ここは引かせてもらうよ~。」

降参だ、といった表情をして、脱力感溢れる声で返答する。

 

金木「..そうか。それなら行かせてもらうよ。いろいろ悪かったね。..犬走さんが起きたら彼女にも言っておいてくれ。」

にとり「了解~」

ニカッ!っと笑いながら答える。

 

金木「.....」

それを確認すると、急いで森の中に入っていく。

金木(...匂いが濃くなってるのはたぶん、近づいてるからだけじゃない。..まだ増え続けるんだ。)

 

ドゴォォォ!!_..突如、轟音が響く。

金木「!?」

それとは別に金木の耳に入る音があった。

..金属音にも似た音。

 

..音の聞こえるほうに急ぐ。

 

 

 

 

 

         ♦

 

 

 

 

 

金木「..っ!」

..目的地に移動する途中、妖怪の死体のようなものが無残に広がっていた。

そこは真っ赤に染まっていた。

..頭に浮かぶ情景。

沢山の花の咲く景色。

 

金木(そんな..まさか..そんなはずは...)

..頭にある【人間】の姿が浮かぶ。

 

...血の飛び散った木々の間を通り抜けると、そこに【彼】がいた。

冷たく鮮やかな目をした死神...

 

 

 

 

金木「有馬..貴将....」




次回は有馬が幻想郷にきた経緯になる予定です。
それでは~
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