ついにEXボスが登場し、2人の前に対峙しましたね〜
はてさてどうなることやら…
と言う訳で、shoot12 影の意識お楽しみ下さい
何だ…これは…一体何が起こってるんだ。
啖呵を切って突っ込んでいった数秒後、俺の身体から全ての方向感覚が消失した。景色が瞬間的に飛び、どちらが上か分からなくなる。軽い浮遊感の後に凄まじい衝撃と痛みが背中を襲い肺に溜まっていた空気が絞り出された時俺は初めて自分が吹き飛ばされたことに気付いた。
「ぐっ、がはっ」
「おいっ!大丈夫か!?」
霧雨に「大丈夫だ」と言おうとするがさっきの衝撃で内臓にダメージがいったのか血の混じった咳を繰り返したが軽く手を挙げると頷き箒に乗った。恐らく霧雨は箒に乗り突っ込もうとしているのだろうが俺の失敗から違う攻撃法を編み出したのかこいつの目に灯った光は一層強くなっていた。
「彗符『ブレイジングスター』!」
「アハハッ当タラナイヨ?ソンナ攻撃」
前言撤回…こいつは何も考えていなかった様だ。マスタースパークを逆噴射し速度を上げて突っ込む様だが、そんな直線的な攻撃躱されるに決まっている。軽く躱された霧雨の突進は止まることなくそのまま地面に突っ込むかのように思え、思わず俺は目を背けてしまった。が、我らが魔法使いはやはりやられたままではいないということを次の瞬間に理解することとなった。
「からの恋符『マスタースパーク』!」
「!!」
「何デスッテ!」
推進エンジンとして箒の後部に付けられていた箱を足で蹴り飛ばし、そのままマスタースパークを相手に打ち込んだ。無論躱したことによって背中はがら空きになり、油断もしていたのだろう躱す間も無くフランの姿は光の中に消えていった。
空中で浮かぶ箒に片手で捕まり、疲れ切った笑みを浮かべる霧雨を見上げ和やかな気分になる反面、フランの様子が気になりなんとも複雑な表情を浮かべ「一生こいつには頭が上がらないな」という考えを文字通り粉砕する出来事が俺の目の前で起こった。
「禁弾『スターボウブレイク』」
「何っ!?しまっっ!!」
色とりどりの夥しい数の弾幕が降り注ぎ落雷を何倍にも増幅させたような轟音が鳴り響き目の前が真っ白に染め上げた。世界に色が戻った時目の前に映ったのは服がボロボロに裂け、痛々しい傷から血を流し倒れる霧雨の姿とそれをガラスの様な目で見下ろす『紅い悪魔』の姿だった。
「ア〜あ…ヤッパリ直ぐニ壊レちゃウナ〜」
「霧雨…おい、返事をしろよ…」
「お兄チャンハ直ぐニ壊レナイデネ」
絶望がゆっくりと歩いてくる。俺を見ているようで何も見ていない…その瞳にはただの"人形"が写っているのだろう。駄目だ、勝てるわけがない…そもそも似ているからという理由で俺が誰かを救うなんて自惚れも甚しかったんだ。さっきだって俺は何をしていた?やられる霧雨を見ながら這い蹲っていただけだ。何も出来なかった…
「俺は…無力だ…」
思わず口に出していた。どうしようもない力量差と頭の中をかき混ぜる負の思考が俺の精神を蝕んでいく。殺すなら早く殺してくれれば楽になれるのに…もうあの悪夢に悩まされる事もなくなるというのに…壊れていく心を感じながら俺はフランとの会話を思い出していた。
(でも…やっぱり怖いよ。また私がみんなを傷つけるんじゃないかって、お姉様をまた困らせるんじゃないかって…)
(全部終わったら一緒に外に出よう。それでレミリア嬢に文句の一つでも言ってやれ!大丈夫、もし君の中の狂気が現れたら俺が撃ち抜いてやるよ。心配すんな)
崩れかけた精神に光が差し込む様な気がした。そうだ…俺は約束したじゃないか。全てが終わったらフランを外に連れて行ってやるって。狂気は俺が撃ち抜いてやるって!こんなとこで死ぬ訳にはいかない、俺にはやる事がまだまだ残っているんだ!
「うらっ!」
「!!」
俺の体術なんて普段のフランなら絶対に当たらなかっただろう。だがこいつは俺が戦意を喪失した瞬間に興味をなくしたのか俺の動きに注意を向けることは無くなっていた。反応の遅れた奴は派手に転び、再び起き上がった時には俺の姿は奴の遥か後方にあった。
「お兄チャンハ未だ遊んデクレルンダ…アハッ、久シブリダナァこんなに楽シイノハ!」
「その子と約束した事があってな。まだ壊される訳にはいかないんだよ」
とは言ったものの、俺が圧倒的に不利なのには変わりは無い。あの力量差をひっくり返すにはこっちも何かしらのドーピングが必要になる。一体どうしたら…あまり使いたくはないが仕方ないな。俺は目を閉じ自らの心の奥底に向かって問いかける。
『おい…お前もこれを見てるんだろ?』
『アレェ?君がボクに話しかけてくるなんて珍しいじゃない?ドウシタノ?寂しくナッチャッタ?』
こいつは相変わらずふざけた口調だが今はそのやり取りに付き合っている暇は無い。気を抜くと確実に殺されんだからな。だからいつもより強めの口調で答える。
『質問に答えろ。この状況がお前にとってもいい状況なわけ無いからな』
『…そうだねぇ、ボクの"力"を貸して欲しいノカナ?』
『…...』
本当はこいつの力なんて使いたくはない。こいつの力は他人を壊し、自分を壊し、大切な物も壊す力だ…こいつはいつも血を欲している、またこいつに狂わされるのは嫌だ。そんな心の中を見透かしたかのようにあいつは続けてきた。
『素直ニなりなよ、君は弱イ。ボクの力無しにハ何も出来ないンダカラサ、もっとボクを頼りナヨ』
その声音には嘲けりの意がありありと籠められていたが事実なだけに反論が出来ない。握りしめた拳から血が滴り燻んだ色をした石造りの床に紅い斑点模様を作る。
『ボクならアノ子に勝てる…ソレダケノ"力"
がアル。それに、興味もアルシネ』
全く動かなくなった俺に失望したのか、単に興味が失せたのか溜息を一つ吐くと二枚目のスペルカードを構えフランは淡々と言った。
「モウ飽キチャッタ…バイバイお兄チャン
禁忌『レーヴァテイン』」
召喚された身の丈の倍程もある炎剣が頭上に振り下ろされー
バキィ
鈍い音が響いた
如何でしたでしょうか?原作にわかな私は表現に若干のズレが出来るかもしれませんが、ご了承下さい。
ではまた次回でお会いしましょう