前回判明した煉君の能力『あらゆるものを撃ち抜き破壊する程度の能力』あるキャラとかぶってますよねぇ
さて、煉君はどの様に感じるのか…では!shoot17 万物貫通お楽しみください
「『あらゆるものを貫く能力』と言った方が正しいかしら…これを投げて彼処に突き刺してみみなさい」
「…冗談だろ?」
暑さ十センチ以上の暑さはあるだろうか、冷たい鈍色の鉄塊が指差された先には鎮座していた。手渡された一本のナイフは一見して何かの細工がされているようには見えず、こんなものをどれだけ強く叩きつけたとしてもあの金属の箱に穴を開けるのは不可能だということは誰の目から見ても明らかだった。それでもパチュリーの目は「いいからやってみろ」と語っていたので肩を竦めナイフを構え投擲のモーションをとる。
「肩の力を抜いて柔らかく、指は添えるだけ…」
野球のオーバースローの要領で投げられたナイフは一直線に直方体の表面に向かって飛んでいき…切っ先が触れた。
バガンッ
「ね?言ったでしょ?」
放った手の平大のナイフは巨大なスチール缶がひしゃげる様な音を鳴らすと共に重厚な金属箱に大穴を穿ちその後ろの床を抉りとって止まっていた。あり得ない…ナイフで金属に刺さるかどうかも怪しいのに貫通しやがった。
「おいおい…壁抜きライフルみたいな威力になってるが、危なくないのか?」
「危ないわよ。だから言ったでしょ?『あらゆるもの貫く程度の能力』だって。貴方の持っている銃でフランの狂気を消せたのもその能力で狂気を貫いて消したからだと思うわ。おそらく貴方が直接にしろ間接的にしろ触れているものは能力が働くんじゃないかしら。物理的にも精神的にも…ね」
目を見開いている俺に舞い上がった埃を吸い込んでしまったのかパチュリーが咳き込みながら説明してくれた。もし彼女の言うとおりなら今頃俺のシャツは穴だらけになってるだろうな。その点も鑑みるにある程度の制御は利いてるみたいだな。それを差し引いたとしてもこんな能力危なっかしくて使えたもんじゃない。少し間違えばまた大切なものを壊してしまうかもしれないやっと出来た繋がりを…フランもこんな気持ちだったのだろうか。自分の意思で能力を制御できないなんとも言えない感覚…
「そうか、ありがとうな…態々時間取らせて悪かったな」
「あ、ちょっと!?」
怖い。自分が自分じゃないみたいな感覚、バラバラにされてすり鉢ですり潰されたのような不快感が襲い足元がふらつく。朦朧とする視界で歩き続け気がつけばフランのいる地下室に辿り着いていた。自分でもなぜここにきたのかは分からないがここならこの不快感をぬぐい取れるような気がした。最早木製の扉には一切の錠は付いておらずそれがあの姉妹の中を象徴しており微笑ましい気分になる。
軽く握った拳でそのドアを叩く軽い音が地下室に響き中から可愛らしい声が返ってきた。
「だぁれ?お姉さま?」
「いや、俺だよ。フランと少し話がしたいんだ、ここを開けても構わないか?」
「……」
数秒の沈黙の後軋んだ音を立ててドアが開いた時気がつけば俺の視界は反転していた。腹の上に少しの重量を感じ見てみるとフランが倒れた俺の腹にのしかかり胸に頭を埋めていた。
「お兄様だ!最近全然会ってくれないからフラン寂しかったよ?」
「最近なにかと忙しかったからなぁ…悪い悪い」
あの日以来フランは俺のことを"お兄様"と呼ぶようになりよく懐くようになった。ゴロゴロと喉を鳴らして擦り寄る様は宛ら猫のようで癒されるものだったがこれ以上されると別のものが込み上げてきそうだ。軽く頭を撫でて離し紅茶でも飲もうかと諌めるとと少し剥れた顔でそれでも素直に席に着いた。
「お兄様の方から私にお話なんて珍しいね。それで?何のお話なの?」
「あぁ…俺の能力の事でちょっとな…」
俺はフランに図書館で分かったこと全てを話した。同じ闇を背負う者に話を聞いてほしかったからでもあるが俺にはもう一つの目的があった。気づいたがフランの能力と俺の能力には似通った点がいくつかある。その中で"制御できない"という点でフランは宴会後レミリアと共に制御する訓練をしているという。その甲斐もありフランは完全では無いにしろ能力を抑えることが出来るようになったそうだ。制御出来た時の感覚を聞くことができれば俺も出来るようになるのでは…そう考えていた。尤も妹にコツを教わるって時点でプライドもあったもんじゃないが…
「そっか…お兄様も私と同じなんだね…」
「フランに説教垂れたのに情けないよ」
俺をかつての自分と重ねたのか悲しそうな顔で一言だけ呟いたがその後フランは俺の話を黙って聞いていてくれた。肯定も否定もせずただ黙って俺の話に耳を傾けてくれていたが
話終わり俯く俺の頭上から明るい声が降ってきた。
「じゃあ早速やってみようよ!考え込むよりやった方が早いし、お兄様が私に言ったんだよ?『辛いことから逃げるな』って」
「俺に出来るだろうか…」
「大丈夫だよ!お兄様は私を救ってくれたんだから私が出来たことがお兄様に出来ない訳ないもん」
満面な笑みのフランは一切の曇りのない目で俺を見つめており、その状態で誘いを断る事はまず出来ない訳で…
「そうだな、やってみっか」
「うん!」
そこから一週間地下室から轟音が響き渡り、穴だらけになった地下室を見たメイド長に大目玉を食らったことは言うまでもない。
如何だったでしょうか?ちょっとやりすぎ感が否めませんが…まぁなんとかなるでしょう!
ここで私情を…今迄乗ってきた自転車が遂に壊れました。足がなくなり最寄り駅まで徒歩の毎日…大学に着く頃には足がぱんぱんですよ(笑)
では、また次回にお会いしましょう!