東方狂宴舞   作:ホッピングミキサー

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遅くなりましたが、やって参りましたshoot07!
前回はレミリアと煉君のほんわかした話でしたが、今回はとうとうあの異変が始まります。まどろっこしい説明は省きますので皆様の目でお楽しみください!


紅魔異変
shoot07 計画始動


起床早々俺は大広間に呼び出されていた。

俺が到着した時には他の面子は揃っていたようで安堵、期待、怯え、疑問…様々な感情の籠った眼差しを俺に向けていた。

 

「これで全員揃ったわね…今日この時を持って吸血鬼が太陽の光を避け、日陰で暮らす事は無くなる。でも、その為には邪魔な紅白巫女を倒さないといけないわ…貴方達には露払いをお願いしたいのよ。勿論私も参戦させて貰うけど…いいかしら?」

 

成る程な…先日言っていた『近々空が赤く染まる』ってのはこの事だったか。紅く染まった月を背に立つレミリア嬢は何時もより20%増しでこの館の主に相応しい威厳に溢れた良い顔をしていた。俺は彼女の目を真っ直ぐに見据え、大きく頷いた。

 

「是非もないな。俺はあんたの部下で『家族』なんだろ?処で見知らない顔がいくつかあるんだが…その説明をして貰っても構わないか?行動に支障が出たら大変だ」

 

「そうね、この際だから紹介しておきましょうか。彼女はパチュリー、私の唯一無二の親友よ」

 

ダボついたパジャマを引きずって俺の前に歩み出てきた少女ははっきり言って唯の病弱そうな少女にしか見えなかった。

 

「パチュリーノーレッジよ…こっちは私のサポート役の小悪魔。貴方がレミィが言っていた新しい執事ね」

 

「あぁそうだが…あんた顔色が悪いぞ?そんな体調で大丈夫なのか?」

 

「大丈夫だ、問題ない(キリッ」

 

俺の表情筋がこの日程強張った日は無いだろう。硬直した表情を浮かた俺を窺うように見た彼女は少し困った顔をした後「冗談よ」と少し赤らんだ顔で弁明の意を述べた。全くそういう危なげな台詞を使ったからには責任を持って処理しろよ…小悪魔とかいったサポーターが後ろでオロオロしっ放しだぞ…

俺は困惑の表情を浮かべ最早挙動不審の域まで達しつつある付き人に労いの意を込めて軽く微笑む…あるぇ?何故か目を逸らされたんだけどぉ。

「はいはい、自己紹介はその位にしてそろそろ始めるわよ」

 

レミリア嬢が打った柏手によって凍りついていた時間がゆっくりと氷解していく。溶けた氷はこの場にいる全ての者の頭を冷やし今宵始まる『革新』に目を向けさせるには余りある程だった。俺を含め全ての目が戦った時に見た十六夜さんと同じ様に鋭く研ぎ澄まされていく。

 

「パチェは図書館を、咲夜は踊り場を、美鈴はいつも通り門を、私はここで『誰か』が来るのを待つわ。誰もここに来なければそれに越した事は無いけど…」

 

「ん?俺の持ち場は何処になるんだ?」

 

俺が当たり前の疑問を口にするとレミリア嬢の顔にはまたしても暗い陰が走り、目を伏せる。この数週間でこの小さな主の事は大体把握した。こんな感じに目を伏せた時は何か危険な事を此処の者に頼む時だ。吸血鬼の主とはいえレミリア嬢は優しい、きっと家族を危険には晒したくはないんだろう。だから俺はあえて卑怯な手を使うしかない。

 

「レミリア嬢、俺はあんたの右腕…とまではいかないが剣くらいにはなりたいと思っている。だから俺を気遣ってくれる気持ちだけで充分だ…あんたの好きに使ってくれ」

 

部下に対しては毅然とした態度で接しなければならない。でも本当は家族に危険な目にはあって欲しくはない…館の主としての自分と家族としての自分。その2つの相反する感情が入り乱れ、反発しあってそれが彼女の判断を鈍らせる要因となっている。そこで俺が家族としてではなく『道具』として振舞えば、そのネックを取り除くことができる。道具に対して情が移ることは決してない。故に…あんたがそんな悲しそうな顔をする必要は無いんだ。

 

「……分かったわ、あなたの持ち場は此処の地下室よ。部屋の前に陣取って何があってもお客を中に入れないで。それと中にいるものも出さないでくれるかしら」

 

渋々といった感じで了承した彼女の顔は正に悲痛そのものといったものだったが、それは俺の身に対してではなく地下室にいるものに対して向けられたものの様に感じた。

 

「了解だ…レミリア嬢」

 

「?何かしら?」

 

いや、きっと俺の間違いだろう。胸の中で燻る疑問を無理やりに押さえつけ不敵な笑みを彼女に向ける。

 

「いや、なんでもない…客は丁重に扱わないとなぁと思っていただけさ」

 

俺の芝居のかかった仕草にクスリと笑うとどこから取り出したのかカード状の物を俺に差し出した。

 

「これを持っていきなさい。このカードの説明は持ち場に着くまでに咲夜に教えてもらいなさい。それが無いと結構キツイから…咲夜彼を地下室に」

 

「分かりました…ほら、こっちよ」

 

渡されたカードは少し重みがあり、初めて持つものにもかかわらず妙に俺の手に馴染んだ。

 

ツカツカと進む十六夜さんの後姿を眺めながらついて行く。歩いている間に様々な事をこの優秀なメイド長に教えてもらった。俺が渡されたカードは『スペルカード』と言い自分だけの必殺技が使えるようになるものだという事、その作成には予め攻略の為の穴を作らないといけない事、そしてそれは美しくなければならない事…いずれも事務的な内容だったがこうやって人に何かを教わる事が無かった俺にとっては貴重な時間だった。

風景が変わり目の覚めるような赤の壁から無機質な石造りの壁に変わっり、ざらついた冷めたい風が頬を撫でるようになった頃、目の前にはおよそ館にある扉とはいえない物の前に俺は立っていた。

 

「なんだよ…これ…」

 

「……今はまだ言えないわ。全部終わったら話してあげる」

 

ただでさえ冷たい石造りの壁に、そこだけ忘れ去られたように備え付けられた木製の扉。いや、それだけなら設計者の趣向というとことで納得が出来た…問題なのはその扉に施されている夥しい数の錠、札、何かの術式であろう紋様等…素人目に見ても明らかに異常な外装だった。十六夜さんはそれだけ言うともう言う事は無いといったように俺に右手を差し出した。その手にはいつか俺から取り上げた銃が差さったベルトが以前と少し様変わりした姿で横たわっていた。

 

「これは返しておくわ。ホルスターは少し古くなっていたから直しておいたわよ」

 

「ありがたいな、助かるよ。じゃあ気をつけろよ十六夜メイド長」

 

「貴方もね、幽鬼さん」

 

それだけ言うと時間を止めて移動したのか気づいた頃には目の前から彼女の姿は消えており、この場に残ったのは相変わらずの不思議現象に苦笑いを浮かべる俺と彼女が用意したであろう木製の椅子だけだった。

 

「さてさてこんなとこまでお客様は入ってこないと思うがね…念には念をっと」

 

ベルトを通して腰に懐かしい重みが伝わる。

ホルスターから銃を抜き取りシリンダーをスイングアウトし薬室を確認すると既に五発の銃弾が装填されており、ヘッドの部分が蒼く輝いている。どうやらこれが『霊弾』の様だがそれを見つめているといつかの悪夢が俺を責める。見つめるのをやめシリンダーを戻す。

 

「それで、次はこいつだな…確か『スペルカード』だっけか…どんな奴にすっかな」

 

俺が自分の発想力の無さに辟易とし始めた頃、今迄存在すら忘れかけていた背後の物々しい扉から聞こえるには似つかわしくない幼い少女の声が聞こえてきた。

 

「貴方、だぁれ?」

 




如何だったでしょうか?最後の声は皆さんお察しあの子です
そろそろネタが尽きかけている現状なので今回の後書きはこれにて締めさせていただきます…ではまた次回にお会いしまし
最後までグダクダで申し訳ない…
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