Infinite Stratos ~The Daemon's Story~【近日投稿予定】   作:アーマード

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トゥレーヌ社

「……こんなもんかしらねぇ」

 

一人の女性が呟く。見るとパソコンのディスプレイや書類が彼女の周りを埋め尽くしてる。

そんな中で彼女、星河雪乃<ほしかわゆきの>は黙々とキーボードを叩いている。

 

「オイ、星河。俺だ、入んぞ」

 

突然、扉の向こうから男性と思われる声が聞こえてくる。彼女はそれに応えるとすぐに作業に戻った。

扉が開き、長身の男が怠そうに入ってくる。

 

「あら柊二、随分と遅かったわね。珍しいこと」

 

「うっせーよ。……ちょっと相手さんが素直じゃ無かったんでな」

 

入ってきた男は、秋原柊二であった。少々ドスの低い声で答えるとポケットに手を入れ

何かを取り出し、彼女に見せた。

 

「そんな事よりホレ、コレがあんたらの言ってたやつだぜ。間違いねぇだろ?」

 

「えぇ、間違いないわ。ご苦労様。でもこれのデータは既に採ってあるから、もう用はないわ。その辺にでも飾っておきなさい」

 

「あぁ!?ふざけんなよテメェ!」

 

いきなり言われたことに対して驚きを隠せず、つい声を上げてしまう。その様子に彼女は微動だせす、作業を続けている。

 

「ふざけてなんかないわ。そんな事より社長の所に行きなさい。話があるそうよ」

 

「チッ。……面倒くせぇ」

 

舌打ちをして彼女に背を向けると、早足でドアの方へと向かって行く。その様子を見ながら、彼女はクスッと笑った。

勿論、柊二は気付いてはいない。ドアが閉じ、柊二が居なくなったのを確認すると彼女はこう呟いた。

 

「……あなたもまだまだ子供ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い廊下を柊二は歩いていた。凄く嫌な顔をしながら。

 

「……ハァ。無駄な苦労だったな」

 

大きな溜息をつき、ポケットに入っていた物を見る。つい何時間か前まではあの死んだ男が持っていた物だ。

それが今ここにある。それを思うだけで何か違和感を感じる。

 

「……あ、ココか」

 

下を向いて歩いていたため、危うくドアにぶつかりそうになる。見ると目の前にあるドアには木の板が掛けられており、そこには手書きで『社長室』と書かれている。

ドアの横には観葉植物が置かれており、ナチュラルな雰囲気が醸し出されている。

 

「いつ見ても達筆だな……」

 

そう呟き、ドアをノックして返事を待った。するとすぐにドアの向こうからやけにテンションの高い声が聞こえてきた。

その声を聞いて柊二は溜息をつく。

 

「……失礼します」

 

「おぉ!!来たかね!柊二君。さっ、座りたまえ」

 

「相変わらずテンションが高いですね。筒羅祇<つつらぎ>社長」

 

柊二の目の前にいる四十代後半あたりの男性、筒羅祇爾朗<つつらぎなんじろう>。彼こそがこのトゥレーヌ社の創始者であり初代ライダーシステム原案者である。

なんとも言いにくいトゥレーヌ社だが、ISが登場して立場や権力を失った世の男性達にとっては最後の砦と呼べるものだ。

 

「ハッハッハッ!元気なことは良いことじゃないか」

 

「そうですね。それはそうと話とは何です?また面倒事じゃないでしょうね?」 

 

「相変わらず勘が鋭いな君は。要約して言うからよく聞いてくれ。君は……」

 

「……?」

 

無意識に唾を飲んでいた。社長は普段はフランクで面白いが、真面目な話となるとガラリと雰囲気が変わる。

それはもう、人を雰囲気だけで殺せるくらい。

 

 

 

 

 

 

「IS学園に行け!!」

 

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

時が止まったかのように思えた。まさに明鏡止水。これほど静かな事は滅多にないだろう。

 

「……ゑ?」

 

「以上!!ハイッ、今日のお話終わり!!」

 

どこかの生徒会の真似をして話を終わらせようとするニコニコ笑顔の社長。

そしてやっと頭が追いついたのか、瞼を高速で上下運動させている柊二。途端に上下運動を止め、口をワナワナさせる。

 

「……よ」

 

「よ?」

 

「要約し過ぎじゃあァァァァァァ!!!!!!ボケぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

社長室には精一杯の柊二の叫び声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は会社を登場させました。次回はIS学園でのお話となります。
次回もお楽しみに!
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