Infinite Stratos ~The Daemon's Story~【近日投稿予定】 作:アーマード
「……よ」
「よ?」
「要約し過ぎじゃあァァァァァァ!!!!!!ボケぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「……ハァ」
出だしからいきなり溜息とは、先が思いやられるがこの状況なら仕方がない。
女子だ。女子しかいないのだ。
「……帰りたい帰りたい帰りたい帰り――――」
外の景色を見ながらぶつぶつと呟く。その光景は傍から見ると奇妙なものだ。
実際、数人の女子は此方を白い目で見ている。
(つーかあの社長、言ってることが意味不明なんだよ。……クソッ!)
彼が悪態をついている理由は社長からの命令?のせいである。
あれは5日前の出来事――――――
「まぁ、あれだね。世の中の女性ってのは調子に乗っているね。そう思わないかね?」
「ねーねーうるせェよッ!!つーかその話8回目だっーの!!いい加減聞き飽きた!!」
社長室では2人の男が楽しく?話し合っている。片方はスラッとした体型に、茶色く首元まである。ココまでくると大抵の人間はイケメンと感じるだろうが、
残念なことに笑顔が台無しにしている。彼の笑顔は悪魔そのもので、初見なら本当にブルってしまう程だ。そのせいか社員からは、「無表情が素敵です」と言われる程である。
「なんだって!?聞き飽きだとッ!?舐めているのかね、君はね?」
そしてもう片方はトゥレーヌ社社長、筒羅祇爾朗<つつらぎなんじろう>。白のスーツをビシッと着こなし、ギラリと光る眼。見る者全てを圧倒するが、見た目だけである。
すごくフランク。とてもフランク。テンションが高いあまり社員に物理的なツッコミをよくされる、少々残念な人間だ。
「うるせーッよ!!早く説明しろよ!!……まぁ、見当はつくが。どうせあんたの事だから、あそこに行って調子こいてる女共に俺ら男共の力を見せつけろって事だろ?」
「その通りだ。よく分かっているな。なら話は早い。明日IS学園にGO!!」
「明日かよッ!!急だなオイ!!」
と、まぁこんな感じで彼はココに送られてきた。しかも何故か分からが既に入学が決定しており、扱いもただの一般人となっている。
「あのクソ社長、何しやがった……」
敬語どころか敬意すらない。だが本心は違う。彼は昔何度も社長に命を助けてもらっており、心の底では尊敬している。
「では秋原君。自己紹介をお願い」
「あっ、ハーイ……」
ちなみに今日は5月の半ば。つまり転校生としてここ、1-3にやってきたのだ。勿論のこと視線は彼に集まっている。
学校など行っていなかった彼にとっては、この場は地獄とも言えるだろう。
「えーっと、秋原柊二です。趣味は体を動かすことで、特技は早寝です。卒業までの間ですがよろしくお願いします」
一般的な自己紹介を終え、緊張の糸がほどける。一方、彼への視線の源である女子生徒達はなにやらブツブツと語っている。
一人はガッツポーズを取りボールペンを走らせ、一人は机に突っ伏しながらなにやら奇妙な声を上げながら笑っている。
「女の子達、仲良くしてあげるのよ?」
ちなみに隣にいるのが担任の、井崎美咲<いざきみさき>である。放任主義で常に酔っている?と思わせる教師らしくない人だ。
しかも彼女は男を誘うためか、胸元を大胆に晒している。その為柊二はちらちらとそればかりを気にしている。
「じゃあ自己紹介も終わったし、すごく面倒だけど授業始めるわよ」
こうして柊二の学園生活は幕を上げた。
(上がんなくていィィィィ!!閉じろォォォォ!!!!!!!)
一人机の上で頭を押さえながらバタバタと打ち上げられた魚の真似をする柊二の姿があった。
テストが終わってテンションがハイな今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?
次回は彼がコーカサスで戦いますよ!誰かと!次回もお楽しみに。