演劇発表会が終わり、下校時刻になると、殺せんせーの周りには暗殺しようと何人もの生徒がエアガンなりナイフを突きつけていた。
そんな中、神栄は倉庫裏に連れてかれた。
連れてったのは、茜音だった。
「………なんだよ」
「碧君……私、話しておく事があるの」
「今更改まってなんだよ」
「その………」
茜音が口を開け、何かを話そうとしたその時、地面から殺せんせーが出てきた。
「………何をしてるんだよ殺せんせー」
「いやぁ、皆さん結構的確なところに狙ってくるもんで……殺られかけました」
「嘘つけ」
「それはそうと、お二人は何を話してるんですか?」
茜音は口を閉じる。先ほどのタイミングが完璧だったのに、殺せんせーがきたせいでタイミングを失ったのだろう。
何があったのか全くわからないが、相当重要なことだということだけはわかった。
「まぁ、なんだ、家の話だよ」
「そうですか、みなさん何かするそうですし、そろそろ集まった方がいいんじゃないんですかねぇ」
おそらく冬休みの暗殺についての会議だ。烏間先生も、予算も大量にあるから、冬休みは壮大な暗殺計画になりそうだと言っていた。
「はいはい……まったく、殺される側がなんでウキウキしてるんだか…」
「ごめん碧君、私用事思い出したから先帰るね!みんなに言っといて!」
「え?あ、おう」
結局、茜音はそのまま帰ってしまい、神栄は一人教室に戻って行ったのである。
「なんなんだよあいつは……」
◇◆◇◆◇
「……で、何をしているんだお前ら」
「何って、暗殺についての話だよ」
目が狂っているのか、自分の目には穴を掘っているとしか見えない。
疲れているのだろう。早急に帰らなければ。
「穴を掘るのと暗殺に何の関係が?」
「殺せんせーは落とし穴にめっぽう弱いだろ?それを使って殺るんだよ」
磯貝が丁寧に説明してくれると、イトナが会話に割り込んできた。
「このボタン一つで落とせるように現在改良中だ。完成したらかみかさが実験台となって落ちてくれ」
「かみさかだ。あと実験台は嫌だぞ」
「安心しろ、お前に拒否権はない」
「安心出来ねぇ」
イトナと戯れていると、渚が茅野について行ってるのが見えた。
こそこそしていたから、まさか告白!?などと思ってしまった。
神栄は渚のあとを追うことにした。
「……わくわく」
◇◆◇◆◇
渚らを尾行すること30秒。E組の倉庫で二人は止まった。
「どうしたの茅野?」
「その……派手にぶちまけちゃって…」
渚は倉庫中にビーズが散乱しているのを見る。
「「なんだ、そういうことかよ(ですか)」」
背後から声が重なっているのが聞こえた。
バッと渚が振り向くと、倉庫のドアの前に神栄と殺せんせーがいた。
「二人ともどうしたの!?」
「二人がこそこそとどっか行ってたから、告白かと思ってついて行ったらこうなった」
「私もそんな感じです」
殺せんせーは真っ白な顔になっていた。口が横棒になっている。これは覗いていたと言ってるようなものだ。
「まぁいいや……人が多いことに越したことは無いし、二人とも手伝ってよ!」
「おう、いいぞ」
どうやら演劇で使ったビーズがそこら中にばら撒かれてしまい、返す時に重さが最初と違っていると金を払わなきゃいけないらしい。
殺せんせーはシパシパとややマッハでビーズを取っている中、渚はそっとエアガンを取り出した。
(………背中がガラ空きだ)
だが、ここで殺せるはずがない。と判断したのか、渚はエアガンをしまった。
「そういえば、E組で色んな学校行事やったよね……」
「うんうん、最初渚が自爆しようとした時はビックリしたよ」
この話は神栄が転校する前のことだ。寺坂らの指示で、渚は自爆をしたらしい。
その後殺せんせーが怒り、なんやかんやあったと以前話していた。
「そしたらカルマ君が来て、初めて殺せんせーに攻撃を当てたよね」
「そっから神栄君が転校してきて、体育で烏間先生と本気でやり合ったり…」
どんどんと楽しい思い出が浮かんでくる。
修学旅行で初めて有希子とゲームで対決したり、闇鍋でみんな死んでたり、デートをしたり……と言い出すとキリが無いくらいの思い出があった。
「………」
(私もたくさんこの教室でやってきたなぁ……)
後ろに手を組んで思い出に浸る茅野。
茅野の首から、徐々に、徐々に………
髪とは違う、長い物が出てきた。
「………は?」
「…………………気づかなかったね。最期まで!!」
ハッ!と殺せんせーが振り向くと、茅野が殺せんせーに攻撃をした。
床に当たると、その床は真四角に壊れ、落とし穴になっていた。
「大好きだよ、殺せんせー。
死んで」
◇◆◇◆◇
「か……やの?」
「おい……ウソだろ?」
高速で落ちる殺せんせーに、茅野は容赦しなかった。
思い通りの動きができない殺せんせーは、ただただ落ちていくことしかできなかった。
死神よりも速い攻撃。茅野は触手を自在に操り、殺せんせーの行動を一つ一つ潰していった。
(つ……強い!)
残り数メートルといったところで、殺せんせーは壁に自分の触手をくっつけ、落下を止めた。
だが、茅野はそれでも攻撃を止めない。
(あと一撃!!)
全力で触手を振りかざすと、殺せんせーは触手を一点に集めた。
(まずい!これはイトナ君に使ったエネルギー砲!?防御を……!)
殺せんせーは狙いを横にズラし、壁に向かってエネルギー砲を発射した。
その瞬間、空いた穴から脱出をした。
エネルギー砲の爆発音でクラス全員が外に出てきた。
そこから見えたのは、傷だらけの殺せんせーと、髪を下ろした茅野だった。
「………茅野……なんだよその触手!」
「……あーあ、思わず防御しちゃったよ。殺せんせーが生徒を殺すわけ無いのに……しくじった」
「茅野さん……なぜ…」
「ああ、殺せんせー。茅野カエデは本名じゃないんだ。
雪村あぐりの妹。そういえばいいのかな?人殺し」
突然の事態に、神栄は唖然としているだけだった。
この時神栄は気づかなかった。
一件のメールが届いていることに……。
茅野&茜音編の第1話って感じです。
このままサーっと行きたい所ですが、GWが終わるとテスト期間に入り、テスト、そして体育祭、修学旅行とその他諸々…予定がびっしりです。
少しずつやっていくつもりので、気長に待ってもらえると助かります。
次回……は、まだ何にも書いてないです
追記:様々なご指摘を受け、少しずつではありますが最初から全部修正しようと思います。
相当時間がかかることは承知の上です。ですが、皆さんの為に少しでも良い文を読んでもらいたいという気持ちがあっての決断です。
修正版でもヘタクソだったら僕はその程度の文才なのだな、と思ってください。
ご指摘をしていただいた方、ありがとうございます