神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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ADVは創作意欲を掻き立てる素晴らしいゲームです。
先日同じ暗殺教室の作品書いてる方とご飯食べに行って色々やる気になりました。ちゃんと完結させますよ!時間はかかるけど!



第167話 頼る時間

 

白まみれの無機質な空間には、最低限の家具や、飲み物が自由に飲める機会がある以外何もない。

拘束されてから、クラスメイト以外の人とはほとんど会っておらず、烏間先生やビッチ先生達に関しては見てもいないし、声も聞いていない。

テレビでは連日のように殺せんせーの話で持ちきりである。もちろん話は誇張され、爆発の可能性は皆無なのに、人の恐怖を煽るように爆発の危険性が〜だのと、虚言を撒き散らしている。

そんな見るに耐えないニュースの中でも、1つだけ気になることがあった。

殺せんせーの正体が明るみに出た今、椚ヶ丘中学はどうなっているのだろうかと。

 

クラスメイトも同じことを考えていたらしく、理事長の会見を皆で見ることになった。

会場には多くの記者とカメラマンが撮影をしている。

そんな非現実的な状況でも、理事長は表情を崩していない。

そして、ネクタイピンに触れた後机に手を置き、一言。

 

「生徒の教育にプラスになると判断したから雇ったまでです。あの怪物が優れた教師でなければ、とっくにクビを切っている。それだけのことです」

 

そう言い残し会場を後にする理事長に、当然記者は「はいそうですか」と去るわけでもなく、怒りの混じった質問は続く。

 

この後もさまざまなニュースを見ていたが、どれも同じようなものばかりだった。

何故事情も知らないような人たちに可哀想扱いされているのか。勝手な憶測で語るなど直談判したいレベルの戯言に飽き飽きしていた頃、部屋に誰かが入って来た。

 

「烏間先生?」

「ああ、俺だ」

 

「先生、学校に行かせてください。お願いします」

 

後ろにいる自衛官は首と手を振る。それを見た烏間先生は考える。

 

「こうなってしまった以上、俺は君たちに何もしてやれない。学校に行きたければ焦って動かずに待つべきだった。持ち場が固定されれば人の動きは少なくなるし、油断もできる。……そうだな、5日以降くらいか。そこまで待てば包囲は突破できただろう」

 

烏間先生は一息つき、話を続ける。

 

「だが、万が一包囲が突破できても、山の中を守る精鋭部隊に阻まれるだろうな。『群狼』の名で知られる傭兵集団だ。うちのクラスの人数より少ないが、腕は確かだ。そんな猛者だらけの集団のリーダーが、『神兵』と呼ばれるクレイヴ・ホウジョウだ。あれは強い。どう考えても俺の3倍は強い。だから…」

 

 

「諦めろと?」

そう言って紙の皿を烏間先生に投げつけた神栄は、少し冷静さを失くしている。

 

「神栄君。なんのつもりだ」

「まだやらなきゃいけないことがあります。出してくださいよ」

「だめだ。出せない」

 

 

「お願いだよ!!出させ…「お願いです!」

 

烏間先生の前に渚が立つ。渚は必死に説得するが、烏間先生の言うことは決まっている。

 

3回目だろうか。同じやりとりが続くと、烏間先生は渚の胸ぐらを掴みそのまま地面に叩きつける。

 

「よく聞け渚君。俺を困らせるな!」

「………」

 

烏間先生は掴んでいた手を離し、最後に言ってくれた。

「3日くらい頭を冷やして考えておくんだな」

 

「困らせるな…か」

 

 

 

 

 

烏間先生が部屋を後にすると、渚は皆を呼ぶ。

「なんだよ渚、烏間のヤローは俺たちを見捨てたんだろ!」

「いや違うよ寺坂。むしろ逆だ」

「あぁ?どういうことだよ神栄」

 

「言ってたろ。5日目以降は警備に隙があって、山の中には強い傭兵集団がいて、リーダーは烏間先生の3倍強いって。そして、3日間はそれに対する用意をしても間に合うってこと。だろ?渚」

 

「え、あ、うん。そうだね。烏間先生の『困らせるな』は、『僕たちを信頼する』ってことだと思うんだ。だから考えよう。僕たちがどうするべきか。殺せんせーがどうしてほしいかを」

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

目的が決まれば、あとは作戦を考える。どうやってここを抜け出すか、抜け出したあと、山の中でどうするか。これらを考えているうちに、3日はあっという間に経った。

しかし、ここから抜け出す方法は見つからず、レーザー発射当日になった。

できるだけの策を試してみたが、全て失敗に終わって皆が暗い表情になりつつあったそのときだった。

 

扉から誰かがやってきた。

 

 

「……烏間先…?」

 

「あ〜〜〜ん!生徒たち〜!心配したわ〜!!!」

……幻覚でも見えてきたのだろうか。そこに立っているのは烏間先生ではなく、ビッチ先生だった。

「何しに来たって……んんんんんっ!?」

顔を見るなりビッチ先生は神栄の唇を自分の唇で塞ぐ。すなわちキスだ。

神栄の後は竹林、矢田、有希子…と複数人の唇を塞いだ後、最後に渚にキスをする。

 

「元気?」

「ん…?んん」

「元気ならよし。またね、ガキ共」

 

 

ビッチ先生は自衛官に囲まれてながら部屋を後にした。

キスをされてない人からしたら何しに来たのだと怒る場面だが、キスをされた人たちはすぐにわかった。

 

「……おえっ」

口に入っていたものは、竹林が持っている爆薬と爆破装置だった。

 

「なるほど。さすがビッチ先生だな」

 

 

裏口を爆破し、全員が部屋か抜け出すと、すでにビッチ先生は待機していた。

「ほら、ぼけっとしてないで早く行きなさいよ。日付が変わる前にレーザーは発射されるんでしょ?」

 

「……ありがとうビッチ先生」

「最後の授業、受けてらっしゃい」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

一旦解散し、別の場所でまた集合するために家に帰ると、じいちゃんはこちらを見ることなく新聞を読んでいた。

 

「……帰ったのか」

「逃げ出したって感じ」

「…ワシより先に死んだら殺すぞ」

「生かしたいから殺すって何さ」

「碧や。戦うことが勇気なら、逃げることもまた勇気だ。お前ならわかるだろう。クソガキがこんな男になったんだ。お前を変えた先生に、ちゃんとお礼を言っとけよ」

 

「勇気、ねぇ。珍しくいいこと言うね」

 

 

ばあちゃんは神栄におにぎりを1つ渡す。

「それ、あんたの嫌いな梅が入ってるよ」

「なぜ梅入れた。まぁいいか…美味く感じるかもしれないもんな」

 

家を出て、走りながらおにぎりを食べているのだが、ものすごく酸っぱい。はっきり言えば美味しくはない。

けどなぜかそれが嫌だとは思わない。気持ちの影響かわからないが、何があったのだろうか。

 

 

おにぎりを食べ終わってから数分、ケータイから音楽が流れる。電話があった時の音楽だ。

 

「もしもし…」

『碧くん!助けて!』

 

その一言だけで電話は切れた。電話の近くでは男の怒鳴り声が聞こえたので、おそらく家族が有希子の外出を防ごうとしているのだろう。

 

神栄は進路を変え、有希子の家まで走る。

 

「待ってろ…有希子!!!」

 

 

 

3分後、有希子の家の前に着くと外からも怒鳴り声が聞こえる。

「どうしようかな。普通に入れる気がしない。非常識極まりないが……ごめんなさい!!」

 

神栄は助走をつけて走りだす。そして、タイミングを見て飛び、そのままドアへと突っ込む。

 

「なっ…なんだ!?」

「ダイナミックお邪魔します!」

「貴様!何の用だ!」

「俺たちは今から家を出る用がある!だから有希子さんを連れて行く!」

 

「貴様もあの怪物に教わったのか!なぜ行く必要がある!」

「うるせぇ!会いたいから行くんだ!とっとと有希子から手ェ離せ!」

 

このままではラチが明かないと思った神栄は、有希子の父を押し倒し、有希子の手を掴む。そのまま階段を登り、有希子の部屋へ走る。ドアの鍵を閉めてから、部屋の窓を開ける。

 

「死なないかな…」

「まさか、ここから飛び降りるの?」

「服が助けてくれると思う……多分、きっと、おそらく」

「…なにも考えてなかったの?」

「考えた結果がこれだよ。んじゃ行くか」

神栄は有希子を持ち上げ、助走をつける。

形としてはお姫様抱っこである。

 

「え?ちょ、碧くん…?」

 

「待て!有希子を連れて行くな!!」

「……さて、行くぞ!」

 

 

 

「その体勢はちょっと…!」

「おらぁああああああぁぁ!!!!」

 

勢いよく飛ぶと、道路の真ん中ほどで着地し、そのまま逃げるようにその場を去る。

 

 

「なんかスッキリするな!たまにはあんなことしてみるもんだ。ドアの修理費があるけど」

「ほんと、普通の人ならあんなこと考えないよ?もう二度とやらないでよ…」

「やらないって。次は死ぬかもしれないし」

 

そんな話をしながら走って行き、集合場所に着く。

…のだが、神栄は今自分がしていることの恥ずかしさにようやく気づくことになる。

ちなみに集合場所に着く前から神栄たちの姿が見えたクラスメイトは、どういじってやろうかと考えていた。

 

「やぁ、遅くなった。すまんね」

「……碧くん、降ろして」

「えっ?……………………………あ」

 

有希子を支えていた両手を下ろし、思い切りため息を吐いた後にキリッとしながら「さて、どうするか」と切り替える。

 

「おうおう神栄くんよ〜、出発前にイチャコラしてくれちゃって〜。どうしてくれんのこの空気」

「さぁな。色々あってこうなった。テンション上がってて仕方なく」

「へぇ〜興奮するよねぇ。クラス1の美女を彼女にして、そんな子をお姫様抱っこだもんねぇ〜。そりゃテンション上がりますわ」

「そういうことじゃねぇよ。アドレナリンがドバドバというか、思考がまともじゃなかったんだよ」

 

言っていることは間違っていないのだが、全てが神栄の思っているようには伝わらず、少なくとも良い意味としては捉えられていなかった。

 

「…まぁ、堅っ苦しい空気よりかはいいんじゃないか?」

磯貝が素晴らしいフォローをすると、本題に入るように空気が変わる。

 

「さて、いい具合に緩んだところで行こうか。やることはやった。あとは実行するだけだぞ!!先生に会いに!!」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

プロの傭兵は今の事態を考えてはいなかった。

なぜなら自分たちが圧倒的に強いからだ。この手の仕事は何度もこなしてきたし、相手がガキと分かった時には腹を抱えて笑いそうになった。

それが今はどうだろうか。

 

「なんだよこれは!!!!」

 

小隊は壊滅。残っているのは1人だけだった。

数十分前までは全員残っていた。間違いなくいた。なのになぜだ。なぜこんな奴らにやられているのだ。

 

「なんだこれは…ねぇ。強いて言うなら〜……げ、ん、じ、つ、かな?」

ゴスッ!と重い音がすると男は目を白くしてその場で崩れ落ちる。

 

(あ…悪魔だ。躊躇いもなく俺を殴り気絶させに来やがった!!そして音もなく去っていく!なんだこいつら、やべぇ……き…ぜ…)

 

男は気を失い、しばらく起きそうになかった。

 

「ふぅ、倒せた倒せた。なんとかなるもんだな。ってこいつ、なんかカルマが言ってた奴かな。とりあえず呼んどこう」

神栄は倒した敵の少し先でケータイを開き、カルマに居場所を送信してその場を去る。

「現実の恐ろしさは多分これからわかると思うぞ…気張ってくれや…おっさん」

 

 

この後、SAN値が一気に削られ、悲鳴と叫びの融合体のような声を上げることになるのは、男は知る由もないのである。

 

 

 

 

「あいつらの小隊から連絡がない。なにがあっ……」

「なにっ!?なんだ!?スナイパーがいるのか!?」

 

「うわぁ!ガスだ!」

「敵襲だあああ!!!」

「撃たれたぞ!うわあっ!!!」

 

 

「市販の殺虫スプレー缶をぶち込んだだけでガスと勘違いし、何も見えない状況下で銃を乱射って…。何もせずして相手が倒れていくのは見ていて気持ちがいいな」

『神栄さん、今とんでもない悪者顔してますよ』

ケータイから律の顔が映り、ものすごい引かれている。

「悪者でいいさ。なんせ俺たちは暗殺者だ。むしろ正義と呼ばれる方が変だろ」

 

 

その後も戦いの場を熟知しているE組は群狼を蹂躙し、敵を圧倒している。

このまま問題なく殺せんせーのいる教室まで辿り着ける…そう思っている時だった。

 

 

「……ここまでとは驚いた。君たちは私が直接手を下そう」

 

立ちふさがるように男はE組の前に現れる。

「神兵か…!正真正銘最強のラスボスだなこれは」

「甘く見ていたよ。けど残念だったな。君たちの大好きな先生に会うのは別の世界になりそうだ」

 

顔には何本か血管が浮き出ている。確実に怒っている。そして威圧的な目、それだけで人を倒せそうな目力は一瞬で空気を変えた。

 

 

 

 

「……こりゃ殺る目だわ。死にそう」

 

 

 

 

 




なんといいますか、俗に言うエロゲーってシナリオゲーであればものすごく見てて面白いんですよね。そういうの見た後に書いてみるとものすごく進むし妄想力が高まってくるんですよ。
けどそういうゲームをやりまくってたら大変なことになりました。
人間としての何かを失った気がしましたし、鬱とまでは行きませんが病んじまいました。何事もほどほどですね。皆さんもやりすぎにはお気をつけください。

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