「君たち、これは野球じゃないと思った方がいい。これは、作業だ」
野球部ベンチでは、理事長の助言により、とてもいいコンディションになっている。
そして、試合再開。
「なっ……!!!」
5番の前原が、その姿にギョッとする。
守備を全員、内野に集めている。
前進守備だ。
「………さて、眠い……。寝ようっかなー」
神栄は安定のベンチである。
ベンチ、最高!!
進藤の投球は、杉野に撃たれる前とは見違えるほど良くなっている。
速さが増し、威圧感がある。
「うわっ!!」
高々と舞うボールは、簡単に取られてしまった。
ワンアウト、ランナー三塁。
6番岡島は、殺監督に指示を聞こうとする。
が、
①②が同じ顔で…………③が……。
『打つ手なし』と言わんばかりの顔である。
そして、6番岡島、7番千葉……と連続でアウトとなり、攻守交代。
「ねぇカミサカ!野球って、タマと棒でinしないとoutなのね!!」
「黙れクソビッチ!まずい……どうにかしねーと、裏の攻撃で逆転しちまうな………。何としても、杉野の願いを叶えてやりてーし…」
殺る気0だというのに、随分と仲間思いになったなぁ、と殺監督は遠くで眺めている。
一回裏、野球部の攻撃。
杉野の素晴らしいピッチングにより、得点されずに二回表へと移る。
8番、カルマが打席に立……………
っていない。
「ねぇ、これズルくない?理事長センセー。こんな邪魔してんのに、誰も気づかないの?ああ!そっか、お前らバカだから、なんもわかんないのかー!」
いつものカルマだ。普通にウザい。
二回裏、4番の進藤が特大ヒットで出塁。ノーアウトランナー三塁だ。
そして、5番の人が、打った瞬間。
ゴッ!
杉野の頭に直撃する。
当然、杉野は倒れ、担架で運ばれる。
「まずいぞ!ピッチャーいないなんて………!!!!」
磯貝が、殺監督に指示を聞こうとするが……いない、
「神栄君。君の出番です」
ズボッ!と殺監督は神栄の足元に出てきた。もぐら叩きのもぐらのように。
「……………は?」
「杉野君の怪我は大したものではありません。すぐに治ります。だから、少しの間だけいるだけでいいんです。アウトを取ってもよし、投げずに杉野君の回復を待つのもよし、選ぶのは…………神栄君、あなたです」
「殺せんせー!ノーコン神栄に投げさせていいのかよ!!絶対逆転されるぜ!?」
岡島がそれはだめだ!と言っている。
でもよ、選ぶのは…………俺だ。
「投げてやらぁ!クソ野郎があああああああああ!!!」
一方、柵を越えて見ている女子たちは、
「うわぁ、神栄君投げるんだってよ!」
中村が舐めてる。ふざけんな。
「大丈夫なのかな………?」
神崎が心配してくれてる。ありがとう。
「彼の投球は、私が少し手入れをしてあげましたから…………。ヌルフフフ」
============================
進藤は既にホームに帰っており、現在3対1。
その後、磯貝が神栄のアップしているときに投げてくれたが、ランナーを増やすあまりか、得点までいれられた。
ノーアウトランナー 二塁。
現在、3対2。
7番の生徒が打席に立つ。
(ピッチャーは杉野じゃないのか……?なら、余裕だな)
余裕の表情を浮かべる男は、やる気はあるが、ゆとりを持って打席に立った。
「ああ?こっから先は、杉野より怖いピッチングすると思いな、雑魚野球部」
「あぁ!?」
神栄の投げるボールは、とても正確だ。
ど真ん中、ストライク。
「なんで……あんなの投げれるんだよ!!!」
============================
「神栄君、君の嫌いな人は誰ですか?」
「嫌いな人?まぁ、クソビッチだな」
殺監督の猛特訓後、神栄は残された。
残される理由は、まぁわかってはいたが。
「では、キャッチャーがイリーナ先生だとしたら、君はどうしますか?」
「クソビッチを貫く程強い球投げる」
「では、それを想定してやってみましょう」
あの後、夜の9時くらいまでやらされたのは、今でも覚えている。
(神栄君が投げる球はとても速い、しかし、コントロールが皆無に近いから、よく投げられないだけです。それを直せば、とても良いピッチャーになるんですよ……ヌルフフフ)
「クッソ野郎があああああ!!!」
神栄の豪速球が、野球部を苦しめる。
神栄が三者連続三振をして、攻守交代である。
三回表、E組は一度も打てず、攻撃が終わる。
三回裏、打者は一番からの好スタート、
「オラオラオラァ!!」
神栄の豪速球は、とどまるところを知らない。
だが、
「ど真ん中ばっか投げてたら、簡単に打たれちまうぞ!!!」
1、2番が連続して打ち、ノーアウト一、二塁。
3番が打席に立つと、理事長が指示を出した。
「橋本君。『手本』を見せてあげなさい」
「………はい」
「ウソだろ……?バントだと!?」
神栄は『投げる』を覚えた!
そして渚はビッチ先生に思われてる……w
次回杉野に出番はあるのか?