後半は矢田さんいませんしね………。
「あ?突然何言ってんだよ?好きな人……?」
「うん…………好きな人……」
神栄はいつにも増して悩んでいる。
「好きな人か………俺は………」
「…………わたしじゃ……ダメかな……」
矢田は確かに何かを言っていた。
が、神栄はよく聞き取れなかった。
「ん?どうした?」
「いや………何でもない………」
「俺の好きな人は………いない。でも……昔好きだった人に似てる人は…………いる」
「そうなんだ……………。
その人は……どんな人なの?」
「!!!」
どんな人、と言われると……答えられない。
これは矢田の為に言いたくない、というのもあるし、神崎の為に言いたくないというのもある。
この事があったせいで、神崎と矢田が何か気まずい関係になるのは、神栄にとって一番嫌な事だ。
2人の関係を邪魔する気は今も、今後もない。
だから、神栄は曖昧な答えしか言えなかった。
「…………何て言えばいいのかな?昔好きだった人がどんな人だったのかは……よく覚えてないんだ……。でも、その似ている人を見た瞬間、この人だ、と思ったんだ……」
(それを私に言ってるって事は……神栄君は私の事が好きじゃ………………)
「……………なんかしんみりしちゃったな………。この話はもう、やめにしないか……?」
「う…うん」
再び2人は黙ってしまう。
「………あ」
「ど、どうしたの……?」
「俺、服買いに来たのに、買うの忘れてた………」
早希さんに出会ったり、矢田の買い物に付き合ったりしたので、本題を見事に忘れていた。
とりあえず矢田を家まで送ってから行こうと思う。
「まぁいいか……矢田を家まで送るよ、そっから1人で買いに行くわ……」
「うん……ごめんね」
「謝る必要はねぇよ、俺もいろんな事があって楽しかったしな」
「そっか……。私も楽しかったよ!ありがと、神栄君!」
やっぱ、笑顔が素敵だな………。
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矢田を無事に家まで送って1人になった神栄は、ユ○クロに走って行った。
安物でなおかつカッコいい服を選ぶのに、約10分かかった。
買い終わった後、家まで歩いていると黒い車が神栄の前に止まった。
これは………!とても懐かしい光景だ。
今思えば、あの人がいたおかげで神栄はE組にいたのかもしれない………。
「やぁ、買い物かい?神栄君」
そう言ったのは椚ヶ丘学園の理事長、浅野 學峯だ。
「偶然通った……訳では無いですよね……?」
「当然、君に用があってここにきたんだ」
理事長のやることは迷いが無いし、合理的だ。
今回も、また理事長にメリットのある事でもするのか……と思いながら理事長の話を聞く事にした。
「単刀直入に言うと、神栄君、君はA組に戻れる権利を得た。言う事はわかってるね?」
「はい、簡単に言えば、A組に行けるけど君は行くかい?という事ですかね」
「わかりが早くて助かるよ。さぁ、答えを聞こうか、戻るか、暗殺生活を続けるか」
そんなの………決まってる。
俺は…………!!!
「当然、殺せんせーを殺しますよ。理事長がなんと言おうと俺はこの答えを変える気はありません」
「………そうか……なら……他の人にもあたってみるかな……」
理事長はその後何も言わずに車に乗り、去ってしまった。
『他の人にも』という事は、まだ候補があったという事なのか……。
神栄の次に成績が良かったのは、片岡と竹林だ。
片岡はクラス委員だし、暗殺する仲間からしたら欠かせ無い存在だ。
となると、理事長は竹林に声をかける可能性が高い。
確か竹林は訓練でもそれほど良い成績ではなかったはずだ。
そうなれば、勉強に集中したい、と言い出すかもしれない。
そうしたら竹林はA組に行ってしまう………。
理事長はおそらく、誰か1人をA組に入らせる事によって、俺らE組に何かをするのだと思う。
未然に防ぎたいが、案がない。
ここは不本意だが、事件が起きてから対処するとしよう…………。
「とりあえず、帰るか………」
神栄はいろんなことで悩みながらも、自宅に帰るのであった…………。
なんとか英単語の再テスト地獄は免れました。invisibleです。
これにて矢田さんとのデート(?)は終了。
次回は村松が登場予定でーす。
村松「予定ってなんだよ!」
明日……というか今日からGWですね。課題とっとと終わらせてこの作品の投稿にGW全て費やしたいと思います……。
指摘、感想コメント待ってる………ぞ!
追記、今日か明日くらいに早希さんのプロフィールを第0話に書きます。