神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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うわぁ……課題終わんねぇ……


第72話 つらい時間

 

 

「あっ………」

 

 

 

突然周りが見えなくなった神栄は、フラフラしながら歩いている。

 

 

「おっ…!!?」

 

 

 

神栄は電柱にぶつかり、倒れてしまった。

 

 

「大丈夫!?碧君……!」

 

 

 

 

「………ん、ちょっとやばいかも……家まで帰れなさそう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ……私の家に泊まる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、いいや。

 

 

 

 

どうにでもなれ……!

 

 

 

 

 

「お世話になります………」

 

 

 

============================

 

 

 

 

「おじゃまします………」

 

 

 

 

「有希子!こんな遅くまで何してたんだ!」

 

 

 

 

神崎の家に着いた瞬間こんな声が聞こえた。

 

 

そりゃそうか、いい年の少女が夜遅くまで外に出てたら父も心配するよな……。

 

 

 

父がいない神栄にはわからないことだが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません、有希子さんと一緒に遊ぼうと言った僕が悪かったです。ごめんなさい」

 

 

 

 

「え……?碧君?」

 

 

 

「そのお詫びと言ってはアレですが、今日1日僕が勉強を教えますよ。一応、学年3位なんで」

 

 

 

 

 

おそらく神崎の父は"遊んでる暇があったら勉強しろ"という奴だろうと思い、神栄は素直に謝り、もめ事を起こさずに神崎の家に入ろうとした。

 

 

 

神栄はケータイを取り出し、テストの点数を神崎の父に見せつけた。

 

 

「な……本当に学年3位なのか…!」

 

 

 

「はい。だから入れてください、マジで倒れそうなんで………」

 

 

 

 

これで神栄の信用度を上げることに成功した。

 

 

 

 

 

神崎の父は神栄を神崎の部屋へと案内した。

 

 

 

 

「やべぇ………フラッフラする、死ぬかと思った………とりあえず寝させてくれ」

 

 

これが神栄の家なら真っ先にベットに突っ込むが、ここは神崎の家だ。流石に女子のベットに突っ込むなんてアホな事はしない。

 

 

 

神栄は若干冷たい床に倒れ、目を瞑った。

 

 

 

 

 

(思えば、俺が小さい頃にこの街に来て、道に迷ったところから出会ったんだよな……)

 

 

 

神栄は昔のことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………のだが、全てをかき消すように事故のことを思い出してしまう。

 

 

 

 

今まで目の前にいた母が、一瞬で消えた。

 

 

 

「母………さん」

 

 

 

神栄は無意識に母さん、と連呼する。

 

 

 

 

 

(碧君………昔のことを……)

 

 

 

 

 

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神栄の母、神栄 志乃と父の神栄 緑夜(かみさか りょくや)が亡くなったのは、神栄が小学1年生の夏、神崎と出会い、そして別れる時だった。

 

 

 

 

神栄家では、引越しのために新しい家を見に行くために、車でその場所まで行っていた。

 

 

 

 

 

その時に、悲劇は起こった。

 

 

 

 

神栄が当時見たものは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボロボロになっている車、そして、

 

 

 

 

 

 

 

神栄姉弟を守ろうとしていた父と母の姿だった。

 

 

 

姉弟2人は血塗れになり、当時からすればトラウマになってしまう状況だった。

 

 

 

 

そこからは………覚えていない…。

 

 

 

 

 

「母さん………帰ってきてよ………母…………さん」

 

 

 

 

「碧君………そんなにお母さんの事が……」

 

 

 

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朝、神栄が起きた時にはなぜかベットにいた。

 

 

「あ?なんで俺がここに……?」

 

 

 

むくっ、と起き上がると、神崎は自分の机に伏せて寝ている。

 

 

 

(………これもお礼だ、よいしょっ……と)

 

 

 

神栄は神崎を起こさないように椅子からベットに移動させた。

 

 

 

(……人の寝顔って、こんなに可愛いのか……!?)

 

 

 

いかんいかん、耐えろ耐えるんだ俺の理性。

 

 

 

興奮したら負けだ。

 

 

 

 

 

 

 

神栄がリビングに着くと、食事が置いてある。

 

 

 

「あ……朝からすいません……」

 

 

 

「いいのよ、勉強教えてもらってるんだしね!で、有希子ちゃんとはどうなの?付き合ってるの?」

 

 

 

母がノリノリなのは意外だ。

 

 

 

神崎の母のことだから、おしとやかな人だと思ったのに。

 

 

 

というか、この人俺が昔ここにいたことを覚えてないのか……?

 

 

 

「いや……俺が有希子さんのこと好きだとしても、有希子さんが俺のこと好きじゃないと思いますよ…」

 

 

 

「そうかなぁ?男の子を家にあげるなんて初めてだよ?」

 

 

 

そもそも神崎に話しかけてくる人がいないから家にあげる事がなかったんじゃないのか……?

 

 

 

それに神崎ってゲーム好きなこと隠してるんじゃなかったっけ?

 

 

「あ、いただきます」

 

 

 

「召し上がれ」

 

 

 

このやり取りは神栄にとっては懐かしい。

 

 

 

神栄の叔父の家などでは、叔父がいなかったり、1人でご飯を食べている事が多かったので、こういうのは正直やってみたかった。

 

 

 

「いいですね……家族って」

 

 

「突然どうしたの?……えっと、名前なんだっけ」

 

 

 

「神栄 碧です。俺……家族が誰もいないんですよ……」

 

 

 

誰もいない、というのは間違いだ。

 

 

だが神栄はそういうものだと思っている。

 

 

 

「そっか……いつでも家に来ていいからね?それは有希子ちゃんも望んでるかもしれないけどね」

 

 

 

 

「えっ……あっ……その……そんな心配しなくてもいいですよ?もう慣れてますし」

 

 

 

「急に照れちゃって!ヘタレだなぁ!神栄君は!」

(神栄君は超ヘタレです)

 

 

 

「ハッ…ハハハ」

 

 

神栄は食事を取った後、神崎にはなにも言わずに帰って行った。

 

 

 

 

 

「いつでも来なよ……か」

 

 

 

 

 

多分………また行くかも……。

 

 

 

 







神崎編終了ー!

ああ、神崎のお母さんがあんなフレンドリーなのは僕の想像です。


次回からアレですかね、実家訪問編かな?


誰を誘おっかな………。
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