端末次元からの来訪者   作:一ノ原曲利

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 よく遊戯王小説では月々変わる制限改訂によって我々はコンマイの手に踊らされていますが、ここでは『アニメで放送した時のリミットレギュレーション』で行こうと思います。つまり仮にGXでやったのであればレイが出てくるところまでは処刑人マキュラを2枚もデッキに投入することが可能なのだ!
 今回の話は2014/6月辺りの放送だったので、ギリギリ第21回リミットレギュレーションを採用しています。件のDDB解放ですよ。
 7月から、つまりLDSの襲撃が終わるまで第21回リミットレギュレーションが適用されます。
 前書きが長くなりましたが、どうぞ

※2015/03/26訂正
※《モンスターゲート》と《ヴェルズ・コッペリアル》のプレイングミスで大規模な修正を行いました

※2015/03/29訂正
※《ヴェルズ・ケルキオン》のプレイングミスで修正しました






《ディメンション・ゲート》

「オイ、あんた」

「ん?」

 

 声を掛けられた。

 

 

 

 レイジこと赤馬零児社長の期間限定部下となったボクは初日に自称カードに選ばれ過ぎたレアな少年こと沢渡シンゴの手によってLDS直轄のデュエルスペースでこの次元でのペンデュラムカードの情報収集に成功した。

 教育方針どうなってるの? と言いたいシンゴ少年だったがそんなのはボクの管轄外なので無視。ただ本来借りてきたペンデュラムカードを実演すべく零児とのペンデュラム練習が水の泡になって消えてしまったのは頂けなかった。最初の仕事が遊矢少年のプレイング動画をひたすら観て真似するという地味な作業の割に食われた時間を返して欲しい、解せぬ。

 加えてこの次元でのアクションデュエルは中々にエキセントリックなものらしく、遊矢少年の連れまで巻き込まれてしまったので、ペンデュラムカードを近くで視察するついでに女子供4名の世話をしていた。ただ落っこちたときペンデュラムカードに助けて貰えず池ポチャ犬神家になったのはいい思い出だ、おのれゆ゛る゛ざん゛!

 しかし質量を持ったソリッドヴィジョンといい物理法則を無視した空間拡張機能といいこの次元の科学は中々に進歩している。

 

 現在はレオコーポレーションの社員が泊まる宿舎に住んでいる。屋上に通じる最上階ワンフロアという要求に零児は首を傾げたが、なんとか承諾してくれたのは有り難い。

 レオコーポレーションに通い日夜ペンデュラムカードの研究、分析、そして開発に明け暮れ日給がトンでもないことになっていた。カード開発にそこまで金が掛かるなんて知らなかったが嬉しい誤算だ。調子に乗って零児好みのデザインとカード効果まで考えたせいで社内の評判はうなぎ登りである。ヒャッハァ!

 今はというと、ペンデュラムカードの量産の目処が立ちそこからはボクの知るところではないので暇を頂いた。念のためホルダーの中に棲むものたち(モンスター)を代役に派遣しているので、なにか問題あればすぐ連絡が来るだろう。

 

 そして、丁度レオコーポレーションに隣接しているデュエル塾ことLDSの授業風景を眺めつつ廊下を歩いていたら声を掛けられ、冒頭に戻る。

 

 

 

 そこにいたのは見かけない男だった。

 年は自分たちより3つほど上といったところか、ジュニアユースでも無ければプロとして活躍している筈だが、生憎プロチームにこんな奴は見たことない。不審者であればデュエルで拘束するのがLDSの流儀だ。

 

「あんたここの関係者じゃないな? 何者だ?」

「あー…えーっと、零児のお仕事の手伝いしてるんだよ。カードデザインの」

「何? それじゃあんたが最近噂の新デザイナーか」

「そうそれ。織舟ノア。よろしくね」

「失礼した、僕は志島北斗だ」

「おぉ、キミってもしかしてエクシーズコースの代表くんだよね!」

 

 まさか、向こうが僕の名前を既に知っているとは思わなかった! これは嬉しい、まぁ現在40連勝中のエリートだから覚えられて当然か。クククいやぁ鼻が高いぜ。

 

「しかもセイクリッド使いだよね! いや~獅子奮迅する彼ら星の騎士団達をキミみたいな子に使って貰えるなんて嬉しいなぁ。そうだ、デュエルしない?」

 

 なんと、デュエルまで申し込まれた。

 

「え、織舟さんデュエルできるんですか?」

「ノアでいいよ。うん、この前零児に歯抜けしていた部分を揃えて貰ったから漸くデッキが一個完成してね…お、セイクリッドが相手…これは中々趣向を凝らしてるね…」

 

 それはどういう意味だろうか? 感慨深く頷く織ふ…ノアさんの顔を見て、何か言葉を口にするのは躊躇われた。その言葉に、自分たちには分からない重みのようなものが感じられたからだろうか。

 

「デュエルスペースとか空いてないかな。もしデュエルして勝ったら、このカードをキミに譲ろう」

「なっ…!?」

 

 ノアさんの手にはセイクリッド似のモンスターエクシーズがあるではないか! しかも二枚も! そしていずれセイクリッド使いである僕が見たことのないカード達だ。なるほどデザイナーたるノアさんのことだ、新規のカードに関しては誰よりも先取りしているのかもしれない。

 それに、デュエリストたるもの挑まれた勝負に背を向けたりはしない。

 

「わかりました、確か第3アリーナが使用予約入ってない筈です。そこに行きましょう!」

 

 思わぬ収穫に抑えきれない笑みを隠しながら、僕とノアさんはアリーナに向かった。

 

 

 

 LDSの生徒ってちょろいな、カード(エサ)ぶら下げればホイホイ話に乗ってくれる。

 

 最も、端末世界のカード群によるデッキは作るつもりだがこの次元で同じデッキテーマが被るようであれば作るつもりは無かった。それ故の視察だった。なんでもこのLDS、世界有数のデュエル塾らしくプロ輩出生徒数もダントツなんだとか。多種多様様々なコースに分かれておりビシバシ鍛えているんだそうだ。

 つまり、ロマン抜きのガチデッカー軍団というわけだ。なにそれこわい。

 だから当初ピン差しオンリーのデッキを持ってこの地に踏み入れたくはなかった。3歩歩けばデュエル関係と遭遇する危険地帯に踏み込むならば相応のデッキを用意しなければ話にならない。

 ところで、デッキのことだが給料とは別口で零児から頂いたものである。なんとなく漠然とデッキ内容については考えていたから、あとは歯抜けしているカード群を用意して貰った。

 複数デッキを作る予定だったから量が量だけに1日ではすべて完成しなかったらしい。おまけに未だこの次元では量産されてない新規カードもあるため原典たるホルダーを資料として貸し出し、量産化させて貰っている。

 その気になれば具現化させたり効果を使ったり出来るカード群だが元は唯のカードである。下手に暴発させないで大人しくしていれば何の問題も無いのだ。……フラグのような気もするが、無視しよう。

 

「ノアさん用意はいいですか?」

「ああ、構わないよ。ところで」

 

 自分たちが立っている場所を見てふと、気付いた。

 

「アクションデュエルフィールドなんてよく使えたね」

「一応エクシーズコースの代表なんで、顔が利きました」

「なるほど」

 

 エリート社会故の対応か。別に管轄外なので深くは考えない、予定よりスムーズにデュエル出来るようになったと思えば気が楽だ。

 

「それじゃ、行きますよ!」

「音頭よろしく」

「はい! 戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」

「えーっとカンペカンペ…モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞデュエルの最強進化形!」

「「アクション~デュエル!」」

 

 

 アクションフィールド:霧の谷の祭壇場

 

 

 ノア:LP4000

 北斗:LP4000

 

 

「先攻はいただくよ。まず手札から《レスキュー・ラビット(外道ウサギ)》を召喚。効果によりこのカードを除外しデッキからレベル4以下の同名通常モンスターを特殊召喚することができる。《ヴェルズ・ヘリオロープ》を2体特殊召喚!」

 

《ヴェルズ・ヘリオロープ》

 ☆4/闇/岩石/ATK1950/DEF 650

《ヴェルズ・ヘリオロープ》

 ☆4/闇/岩石/ATK1950/DEF 650

 

 ボクのフィールドに黒と緑に汚染されたジェムナイトの戦士が現れた。このアクションデュエルというもの、その名の通りモンスターと共にアクションするデュエルで触れることも出来るし乗ることも可能らしい。つまり端末次元の時に逆戻りというわけだ。いや、むしろスタンダード次元が故意的にこちらに似せようとしているのだろうか。それはともかく、

 

「ヴェルズ! しかも同じレベルのモンスターが2体!」

「クルゾユーマ! …オホン、レベル4のヘリオロープでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築――万象を貫きし呪われたルーンの槍よ、いまこそフィールドを制圧せよ! エクシーズ召喚! ランク4! 《ヴェルズ・オピオン》!」

 

《ヴェルズ・オピオン》

 ★4/闇/ドラゴン/ATK2550/DEF1650/ORU:2

 

 ヴェルズのウィルスに冒されたグングニール、上位種(レベル5以上)殺しのオピオンがフィールドに降り立つ。浸食を受けてなお衰えることのない逞しい足を地に付けこちらに視線を寄越す。乗れということらしい。この後の展開を考えると乗りたくないのだがこうも乞われては仕方ない、ひとっ飛びしてオピオンの背中に乗る。すると呼応するように嘶きを上げ羽根を広げて宙を舞った。なるほど、これでアクションカードが何処にあるか一望できる。

 

「オピオンの効果発動。1ターンに1度オーバーレイ・ユニットを取り除くことでデッキから「侵略の」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加えることができる。ボクは《侵略の汎発感染》を手札に加える! カードを2枚セットしてターンエンド!」

 

 

 ノア:LP4000/手札3

  場:《ヴェルズ・オピオン》ORU:1

    伏せカード×2

 

 

「僕のターン、ドロー! レベル5以上の特殊召喚は不可、加えて汎発感染による魔法・罠の効果も受けないか。だがそんな布陣じゃ生ぬるい!」

「ほう」

「僕は手札から速攻魔法《サイクロン》を発動! 右のカードを破壊だぁ!」

 

 発生した竜巻が伏せカードに辺り表になって破壊される。カードの色は紫、できれば普通に発動出来れば御の字だったが。

 

「《リ・バウンド》!?」

「《リ・バウンド》は破壊された場合デッキからカードを1枚ドローできる。トレミスかプレアデスに使いたかったけど仕方ない」

「危ない危ない…ということはもう1枚は汎発感染! 僕は手札から《セイクリッド・グレディ》を召喚! 効果により手札の《セイクリッド・カウスト》を特殊召喚する! 更にカウストの効果発動、フィールドのセイクリッドモンスター1体を対象としてレベルを1つ上げるか下げることができる! 僕はこの効果をカウストとグレディに使い2体のレベルをそれぞれ5にする!」

 

《セイクリッド・グレディ》

 ☆4→☆5

《セイクリッド・カウスト》

 ☆4→☆5

 

「上手くオピオンの効果をくぐり抜けてきたね」

「更に僕は手札から永続魔法《セイクリッドの聖痕》を2枚発動! そして光属性レベル5のグレディとカウストでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! 星々の光よ! 今大地を震わせ降臨せよ! エクシーズ召喚! ランク5! 《セイクリッド・プレアデス》!」

 

《セイクリッド・プレアデス》

 ★5/光/戦士/ATK2500/DEF1500/ORU:2

 

 来たぞ来たぞセイクリッド騎士団の団長さんが。最前線で先陣切っては敵を容赦なし問答無用で蹴散らす、相手側からすれば悪魔の所業とも言われた最強戦士だ。効果もそれにちなんだもので、対象を取るとはいえ強力無比なバウンスは驚異である。

 

「聖痕の効果でカードを2枚ドロー。そしてプレアデスの効果発動! 1ターンに1度オーバーレイ・ユニットを取り除くことでフィールドのカード1枚を対象として持ち主の手札に戻すことができる! 当然僕はオピオンを選択! 汎発感染はモンスター効果には対応していない、さぁどうする!」

「転んでもタダじゃ起きない、手札より《幽鬼うさぎ》の効果を発動。フィールド上のモンスター効果、または表側表示の魔法・罠カードが発動した時、このカードを手札・フィールドから墓地に送ることで破壊する!」

「何っ!?」

「プレアデスを破壊!」

 

 オピオンがエクストラデッキに戻された代わりに幽鬼うさぎの一閃によってプレアデスが破壊される。幽鬼うさぎのエフェクトカッコいいなオイ。バウンス寸前に近くのモニュメントに降りられたから何とかなったが、やはりのるべきじゃなかったと後悔してる。

 

「エクシーズモンスターはバウンスされた時、手札ではなくエクストラデッキに戻る…くっ、まさかプレアデスを破壊されるとは…カードを2枚セット。ターンエンドだ」

 

 

 北斗:LP4000/手札1

  場:《セイクリッドの聖痕》

    《セイクリッドの聖痕》

    伏せカード×2

 

 

「ボクのターン、ドロー。ボクは手札から《ヴェルズ・サンダーバード》を召喚」

 

《ヴェルズ・サンダーバード》

 ☆4/闇/鳥獣/ATK1650/DEF1050

 

「その召喚にチェーンして手札から《カゲトカゲ》の効果発動! 自分がレベル4モンスターの召喚に成功した時に手札から特殊召喚できる! でもそれにチェーンして永続罠《エンペラー・オーダー》発動!」

「っ、汎発感染は伏せてなかったのか!?」

 

 その通りである。だって、伏せても良かったけど《激流葬》といった巻き込み系のカードが来てなかった。それにセイクリッドであれば十中八九プレアデスによるバウンス狙いだろうと見越してリ・バウンドを伏せたのにサイクロンで破壊されるし。

 

「《エンペラー・オーダー》の効果発動! 召喚成功時に発動される効果モンスターの効果を無効にしデッキから1枚カードをドローする。更にエンペラー・オーダーの効果に対しサンダーバードの効果発動! 魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時にゲームから除外できる! そしてこの効果にチェーンし《サモンチェーン》発動!」

「サモンチェーン!?」

「このカードはチェーン3以降に発動可能、サモンチェーンの効果でボクはこのターン最初の1回を含め合計3度の通常召喚が行える! この時点で何かチェーンするカードはある?」

「…無い」

「効果を処理するよ、まずサンダーバード自身の効果で魔法・罠・効果モンスターの効果発動時にゲームから除外、そしてエンペラーオーダーで1枚ドロー。最後にカゲトカゲは無効」

 

 さぁ、ヴェルズデッキの連続通常召喚祭りの始まりである。

 

「ボクは手札から《ヴェルズ・カストル》を召喚。その召喚にチェーンして手札から《カゲトカゲ》の効果発動! それにチェーンして再びエンペラー・オーダーの効果発動! カゲトカゲの効果を無効にし1枚ドロー! 更にカストルは召喚成功したターン、もう1度ヴェルズモンスターを通常召喚できる。《ヴェルズ・ケルキオン》を召喚!」

 

《ヴェルズ・カストル》

 ☆4/闇/戦士/ATK1750/DEF 550

《ヴェルズ・ケルキオン》

 ☆4/闇/魔法使い/ATK1600/DEF1550

 

 闇堕ちした戦士と端末次元における二翼の救世主の片割れが姿を現す。最近のシャドールの影にキミの面影が覗いてる気がするんだけど実際どうなの? と問いかけようとしたがそもそもこのカードの記憶はケルキオンでいた頃までのものなので問いただしたところで意味はない。

 

「その召喚にチェーンして手札から《カゲトカゲ》の効果発動! 再度チェーンして再びエンペラー・オーダーの効果発動! カゲトカゲの効果を無効にし1枚ドロー!」

「(不味い、展開を止められない)」

「お、いいの引いた。ボクは《召喚僧 サモンプリースト》を召喚! 召喚時に守備表示になる効果が発動するがエンペラー・オーダーで無効にし1枚ドロー、更にカゲトカゲの効果を発動、再度無効にし1枚ドロー!」

 

《召喚僧 サモンプリースト》

 ☆4/闇/魔法使い/ATK 800/DEF1600

 

 出して出しても減らない手札に大歓喜。カゲトカゲと汎発感染は公開情報だとしても残りは未公開情報のドローなのでこのコンボはおいしい。本来ならば《キングレムリン》でカゲトカゲをサーチしていたが、リ・バウンドのドローで揃ったのでする必要はなかった。

 

「ケルキオンの効果発動! 墓地のヴェルズモンスター1体をゲームから除外することで墓地のヴェルズモンスター1体を選択して手札に加える! ボクは墓地のヘリオロープを除外しもう1体のヘリオロープを手札に加える! また、この効果を適用したターンのメインフェイズ時に1度だけヴェルズモンスター1体を召喚する! ヘリオロープを召喚、カゲトカゲ、エンペラー・オーダーの順に発動し1枚ドロー!」

「1ターンで5回の通常召喚を…しかも手札が減ってないだなんて」

 

《ヴェルズ・ヘリオロープ》

 ☆4/闇/岩石/ATK1950/DEF 650

 

 カストル、ケルキオン、サモプリ、ヘリオロープの4体がフィールドに立ち並ぶ姿は壮観だ。しかし攻撃表示のサモプリがガイナ立ちするとは思わなかった。いつも守備表示の姿しか見ないからな。

 

「ボクはカストルとヘリオロープでオーバーレイ、2体のヴェルズモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築――万象を貫きし呪われたルーンの槍よ、再びフィールドを制圧せよ! エクシーズ召喚! ランク4! 《ヴェルズ・オピオン》! そして効果発動、《侵略の侵食崩壊》を手札に加える」

 

《ヴェルズ・オピオン》

 ★4/闇/ドラゴン/ATK2550/DEF1650/ORU:2→1

 

「サモプリの効果発動、1ターンに1度手札から魔法カード1枚を捨ててデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。ボクは汎発感染を墓地へ送り《終末の騎士》を特殊召喚。効果発動、デッキから《ヴェルズ・コッペリアル》を墓地に送る」

 

《終末の騎士》

 ☆4/闇/戦士/ATK1400/DEF1200

 

 1体だけ中途半端なレベルだから危ない奴から優先的に落とす。

 

「サモプリと終末の騎士でオーバーレイ、2体の闇属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築――邪悪に染まる闇の妖精よ、すべてを悪夢で染め上げろ! エクシーズ召喚! ランク4! 《ヴェルズ・ナイトメア》!」

 

《ヴェルズ・ナイトメア》

 ★4/闇/ドラゴン/ATK 950/DEF1950/ORU:2

 

「バトル! ケルキオンでダイレクトアタック!」

 

「くっ、伏せカードオープン! 《エクシーズ・リボーン》! 自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択し特殊召喚する、プレアデスを特殊召喚!更にこのカードを下に重ねてオーバーレイ・ユニットとする!」

 

《セイクリッド・プレアデス》

 ★5/光/戦士/ATK2500/DEF1500/ORU:1

 

「ならばナイトメアの効果発動! オーバーレイ・ユニットを取り除き裏側守備表示に変更する!」

「もう1枚の伏せカードオープン! カウンター罠《エクシーズ・ブロック》! 自分フィールド上のエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。 相手が発動した効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する! ナイトメアの効果を無効にし破壊!」

「うぉっ⁉︎」

 

 シベアッ!? と些か懐かしい断末魔を残し破壊されるナイトメア。しまった、汎発感染はサモプリのコストで捨ててしまった。それでなくても汎発感染のスペルスピードではカウンター罠後に発動はできない。

 

「だがこれでプレアデスのオーバーレイ・ユニットは無いからバウンス出来ないよ! オピオンでプレアデスに攻撃! ダークコキュートス・アウト!」

「アクション魔法《ナナナ》発動! 自分フィールド上のモンスターを対象に発動し、攻撃力を700ポイントアップ! 迎撃しろ、プレアデス!」

 

《セイクリッド・プレアデス》

 ATK2500→3200

 

ノア:LP4000→3350

 

 ァアアュエグ! と謎のヴェルズ語の悲鳴を上げて迎撃されるオピオン。まさかオーバーレイ・ユニットを除いてまでナイトメアの効果を無効にするとは思わなかった、対象を取らない効果だから攻略し辛いはずなのだが。

 

「危ない危ない…攻撃力2500のプレアデスでは僅か50でもオピオンには及ばなかったから、迎撃できて御の字だ」

「油断した…召喚反応系じゃなかったからそういうのじゃないと思ったのに」

 

 しかしこのままケルキオンに突っ立って貰うのも気が引ける。

 

「メイン2、カードを2枚セットしてターンエンド。同時にプレアデスの攻撃力も元の値に戻るね」

 

 

 ノア:LP3350/手札2

  場:《ヴェルズ・ケルキオン》

    伏せカード×2

    《エンペラー・オーダー》

 

 

「僕のターン、ドロー!」

「スタンバイフェイズ、除外されていたサンダーバードが帰還する。そして攻撃力を300ポイントアップ!」

 

《ヴェルズ・サンダーバード》

 ATK1650→1950

 

「手札から装備魔法カード《エクシーズ・ユニット》を発動! このカードはエクシーズモンスターにのみ装備でき、装備モンスターの攻撃力は装備モンスターのランク×200ポイントアップする。だが僕が使うのはその効果じゃない!」

「2番目の効果か」

「その通り! 自分フィールド上の装備モンスターがエクシーズ素材を取り除いて効果を発動する場合、このカードは取り除くオーバーレイ・ユニットの1つとして扱う事ができる! 僕はプレアデスに装備したエクシーズ・ユニットを取り除きケルキオンをバウンスする!」

 

 ケルキオンが手札に戻る。おかえり、できれば帰ってくるなと言いたかったが仕方ない。

 

「このカードはプレアデス1体を素材としてエクシーズ召喚することができる! 眩き光とて降り注げ、エクシーズ召喚! 現れろ、ランク6! 《セイクリッド・トレミスM7》!」

 

《セイクリッド・トレミスM7》

 ★6/光/機械/ATK2700/DEF2000/ORU:1

 

「エクシーズ召喚に成功したので聖痕の効果で2枚ドロー! 僕は手札から魔法カード《増援》を発動し《セイクリッド・ポルクス》を手札に加えそのまま召喚! このカードが召喚に成功したターン、僕は通常召喚に加えて1度だけメインフェイズにセイクリッドモンスター1体を召喚できる! 僕は《セイクリッド・アクベス》を召喚!」

 

《セイクリッド・ポルクス》

 ☆4/光/戦士/ATK1700/DEF 600

《セイクリッド・アクベス》

 ☆4/光/機械/ATK 800/DEF2000

 

 出たなプシュケローネ姉さんに告白してフラれた闇からヴェルズに侵食されたカストル兄貴を持つポルクス君。ウチで世話になってるよ、お前の兄貴のお陰でヴェルズでもエクシーズしやすくなっちゃってるんだなこれが。……って、出される奴によってはやばくないかこれ。侵食崩壊打っとくか?

 

「アクベスが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールド上の全てのセイクリッドモンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」

 

《セイクリッド・トレミスM7》

 ATK2700→3200

《セイクリッド・ポルクス》

 ATK1700→2200

《セイクリッド・アクベス》

 ATK 800→1300

 

「僕はレベル4のポルクスとアクベスでオーバーレイ! 2体の光属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築――星の加護を得し聖なる戦士よ、相手を討ち果たし勝利へ導け! エクシーズ召喚! ランク4! 《セイクリッド・オメガ》!」

 

《セイクリッド・オメガ》

 ★4/光/獣戦士/ATK2400/DEF 500/ORU:2

 

「ゲッ、それは」

「バトルフェイズ! オメガでダイレクトアタック! コメットアロー!!」

「っく、アクション魔法《回避》を発動! フィールドのモンスター1体を対象として発動できる! そのモンスターの攻撃を無効にする!」

「当然そうなることは読めていた! オメガの効果発動! 1ターンに1度このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて発動できる! 自分フィールド上の全てのセイクリッドと名のついたモンスターはこのターン魔法・罠カードの効果を受けない!」

「ならその効果にチェーンしてサンダーバードの効果発動! 自身の効果で除外!」

「何っ⁉︎」

 

 ノア:LP3350→ 950

 

 ヤバいってレベルじゃない。アクションカード無効ってどういうことだよ、アクションデュエルやる意味無いじゃないか!

 

「何故、サンダーバードを除外したんだ?」

「次に繋げる為さ。魔法・罠が効かなくなっては侵食崩壊は無意味。だが防ぐ手立てならある!」

 

 次の瞬間、ならばトレミスのダイレクトアタックが防げなければ終わりだ! と、北斗少年は言う!

 だがしかし! まるで全然! ボクを倒すにはほど遠いんだよねぇ!

 

「ならばトレミスのダイレクトアタックが防げなければ終わりだ! トレミスでダイレクトアタック!」

「残念! ボクは永続罠《闇次元の解放》を発動! 除外ゾーンからヘリオロープを表側守備表示で特殊召喚する!」

 

《ヴェルズ・ヘリオロープ》

 ☆4/闇/岩石/ATK1950/DEF 650

 

「…しまった…トレミスから攻撃していれば…だがオメガの効果で侵食崩壊は発動できまい! トレミスでヘリオロープを攻撃!」

 

 ブデヒ! とまた懐かしい悲鳴をヴェルズ語で響かせてヘリオロープは破壊された。危なかった…まさかオメガを使ってくるとは思わなんだ。しかもオメガの効果適応はターンすべて。エンドフェイズでも発動は不可。

 

「僕はカードを1枚セットしターンエンドだ 」

 

 

 北斗:LP4000/手札1

  場:《セイクリッド・トレミスM7》ORU:1

    《セイクリッド・オメガ》ORU:1

    《セイクリッドの聖痕》

    《セイクリッドの聖痕》

 

 

「ボクのターン、ドロー!」

「その前にドローフェイズ、オメガの効果発動!1ターンに1度このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて発動できる! 自分フィールド上の全てのセイクリッドと名のついたモンスターはこのターン魔法・罠カードの効果を受けない!」

「ま、そうくるよね…」

 

 別にセイクリッド達に対して発動できるカードは持ってないのだが、もしドローフェイズに引けたとしてスタンバイフェイズに発動されてはたまらないだろう。

 

「スタンバイフェイズ、除外されていたサンダーバードが帰還する。そして攻撃力を300ポイントアップ!」

 

《ヴェルズ・サンダーバード》

 ATK1650→1950

 

「メインフェイズ、ボクは手札からケルキオンを召喚! 召喚にチェーンして手札からカゲトカゲの効果発動! 今回は無効にはぜず特殊召喚! 更にケルキオンの効果発動! 墓地のヴェルズモンスター1体をゲームから除外することで墓地のヴェルズモンスター1体を選択して手札に加える! ボクは墓地のナイトメアを除外しコッペリアルを手札に加える! 魔法カード《モンスターゲート》を発動。カゲトカゲをリリースして通常召喚可能なモンスターが出るまでデッキを捲り墓地へ送る!」

 

 ケルキオンの影から生まれたカゲトカゲが粒子となって消失する。去っていくカゲトカゲに手を振り、デッキを捲る。

 

 

《ダーク・クリエイター》

《究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン》

《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》

《魔のデッキ破壊ウィルス》

《カゲトカゲ》

《闇次元の解放》

《エンペラー・オーダー》

《激流葬》

《ファントム・オブ・カオス》

 

「《ファントム・オブ・カオス》を特殊召喚! さて、モンスターゲートで墓地が肥えたのでこのカードの発動条件を満たした。魔法カード《終わりの始まり》を発動! このカードは墓地に闇属性モンスターが7体以上いるときに発動するできる。墓地のカゲトカゲ2体、終末の騎士、サモプリ、ヘリオロープを除外して3枚ドロー」

「そのための闇次元の解放とモンスターゲート…!」

「That’s rigit! そしてファントム・オブ・カオスの効果発動! 墓地の効果モンスターを除外することでこのカードはエンドフェイズ時まで選択したモンスターと同名カードとして扱い、選択したモンスターと同じ攻撃力とモンスター効果を得る! ボクは《ダーク・クリエイター》を選択!」

 

《ファントム・オブ・カオス》☆4/闇/悪魔/ATK 0/DEF 0

     ↓

《ダーク・クリエイター》☆4/闇/悪魔/ATK2300/DEF3000

 

 うにょうにょうにょーんと泥の塊が墓地のダーク・クリエイターの姿に変貌する。

 

「1ターンに1度、自分の墓地の闇属性モンスター1体をゲームから除外することで自分の墓地の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚する。ボクは《究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン》 を除外して《ヴェルズ・オピオン》を墓地から特殊召喚!」

「っ、ここでオピオン? 素材も無いのに…」

 

《ヴェルズ・オピオン》

 ★4/闇/ドラゴン/ATK2550/DEF1650/ORU:0

 

 これで準備は整った。さぁラストダンスと洒落込もうじゃないか。

 

「手札から魔法カード《エクシーズ・シフト》を発動! 自分フィールド上のエクシーズモンスター1体をリリースし、リリースしたモンスターと同じ種族・属性・ランクでカード名が異なるモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚し、このカードを下に重ねてオーバーレイ・ユニットにできる! オピオンをリリース!破壊神より放たれし槍よ、不滅の魔龍となりてすべてを壊せ! ランク4! 《ヴェルズ・ウロボロス》!」

 

《ヴェルズ・ウロボロス》★4/闇/ドラゴン/ATK2750/DEF1950/ORU1

 

 最強最悪と謳われたシンクロモンスター《氷結界の龍 トリシューラ》がヴェルズ化したモンスター、ウロボロスがその姿を現す。祭壇場は暗雲が包み、北斗少年のトレミスとウロボロスは勝手に宙を舞い祭壇場の宙を掛け抜け、牽制し合っていた。

 

「な…なんだ…? 何が起こってるんだ…!?」

 

 おそらく、端末次元での記録が再現されているのだろう。そもそもカード化とはモンスターの力を二分化し封じ込める為の媒体であると同時に、生物的生存本能による分体の確保に繋がる。神の信仰にも似たものであり、カード化し量産され数多の次元の人々の手に渡ることによって、本体(オリジナル)が滅びてしまった場合でもデュエルモンスターズの世界に存在を維持するのだ。

 つまり、量産化されたすべてのカードには微弱ながら本体(オリジナル)の数万分の1くらいの力が宿っており、神のカードなんかはそのたった1枚という希少性から膨大な力を有している。従って本来ならばこのトレミスはともかくこのウロボロスは弱い力しか宿っていないはずだが、おそらく端末次元で本体(オリジナル)から描き出したカードであることからそこらのカードより強い力を持っているのだろう。

 

「ウロボロスの効果発動! 1ターンに1度このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き3つの効果から1つを選択して発動できる…ボクは2つ目の効果を選択! 相手の手札をランダムに1枚選んで墓地へ送る! アブソリュート・デストラクション!」

「《オネスト》がッ!?」

 

 オネストかっ危なっ! バウンスかどちらかで迷ったが、ハンデスは強ち間違いでも無かったとさり気なく安堵。

 

「そしてケルキオンの第2の効果!墓地のヴェルズモンスター1体をゲームから除外することで墓地のヴェルズモンスター1体を選択して手札に加える効果を適用したターンのメインフェイズ時に1度だけヴェルズモンスター1体を召喚する! カストルを通常召喚!」

 

《ヴェルズ・カストル》

 ☆4/闇/戦士/ATK1750/DEF 550

 

「レベル4のダーク・クリエイターとなったファントム・オブ・カオス、ケルキオンでオーバーレイ! 2体の闇属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築――――蘇りし魔轟の死神よ、王たる姿を顕現せよ! エクシーズ召喚! ランク4! 《ヴェルズ・タナトス》!」

 

《ヴェルズ・タナトス》

 ★4/闇/悪魔/ATK2350/DEF1350/ORU:2

 

 黒く輝くという矛盾を孕んだ光から馬に乗った騎士が姿を現す。可愛らしい魔轟神獣の妖精を率いたる悪魔は手綱を引いてフィールドを駆け巡り始めた。シャバの空気がそんなに気持ちいいか。

 

「タナトスの効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ取り除きこのターンこのタナトス以外のカード効果は受け付けない! そしてこのとき、墓地へ送られたケルキオンの第3の効果発動!」

 

 墓地(セメタリー)からケルキオンの亡霊がフィールドに現れる。ただしこれは完全なる蘇生という訳ではなく第3の効果(エフェクト)発動の演出だ。

 

「ケルキオンは墓地に送られたターンに1度だけヴェルズと名のついたモンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくする事ができる! 更にカストルは召喚成功したターン、もう1度ヴェルズモンスターを通常召喚できる。ボクはこのまま手札のコッペリアルを通常召喚!」

 

《ヴェルズ・コッペリアル》

 ☆6/闇/機械/ATK2450/DEF2050

 

 ブォンブォンブォン! とおおよそ汽車らしき姿からはあり得ない排気音が鳴り響く。操縦しているヴェルズ化した《ジェネクス・コントローラー》は随分と気分がいいようだ。走り回るせいでフィールド内のアクションカードが吹き飛ばされ、北斗少年がアクションカードを取れずに藻掻いている。言っておくがボクはそんなの指示してない、イイ空気吸ってるコッペリアルが悪い。

 

「ラスト! レベル4のカストル、サンダーバードでオーバーレイ! 2体のヴェルズモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築――――勝利をもたらす灼熱の稲妻よ、その牙をもって敵を喰らえ! エクシーズ召喚! ランク4! 《ヴェルズ・バハムート》!」

 

《ヴェルズ・バハムート》

 ★4/闇/ドラゴン/ATK2350/DEF1350/ORU:2

 

 禁止牢に幽閉されている《氷結界の龍 ブリューナク》がヴェルズ化した魔龍が現出した。胸元の氷結界の鏡は罅割れ、身体の至る所にヴェルズの紋様が浮き出ている。タトゥーかな?

 ウロボロス、タナトス、バハムート、コッペリアルの4体のヴェルズモンスター達が立ち並ぶ姿は圧巻だ。というかヴェルズエクシーズモンスター全部出せた自分を褒めたい気分だ。

 

「バトルフェイズ! まずはコッペリアルでトレミスに攻撃! フルスロットルブレイク!」

「何っ、オメガを戦闘破壊しない!?」

 

 ブォンブォン! と調子のいいコッペリアルは某銀河鉄道の様に宙を走り、トレミスに体当たりした。当然攻撃力はアクベスにより永続的に強化されたトレミスの方が上なので当然戦闘破壊される。

 

 ノア:L 950→ 200

 

「ぐぅっ…! だが、ここで破壊されたコッペリアルの効果発動! コッペリアルは相手によってフィールド上から離れた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して次の自分のエンドフェイズ時までコントロールを得る! ボクはトレミスを選択! I have control!」

「トレミスっ!」

 

 破壊されたコッペリアルの破片から現れたヴェルズの障気が、未だウロボロスと争うトレミスに絡みつく。これで北斗少年のフィールドはオメガ1体となり、トレミス、ウロボロス、タナトス、バハムートの総攻撃でLPは0になりボクの勝ちだ。若干オーバーキル気味だがいいデュエルだった。

 だが、ここで予想外なことが起きた。

 

「…んん!?」

 

 ヴェルズの障気をトレミスが弾き飛ばした。なんでやねん!? だがよくよく考えればこの状況って凄くヤバい。何がヤバいかって我らが創星神様ご降臨の一歩手前のシチュエーションを再現してるから。おまけに当時の霧の谷の祭壇となんら変わりない。そして止まない地鳴り、むしろソリッドヴィジョンが耐えきれずラグまで発生し始めた。最大の中央が見覚えのある形に盛り上がってる。

 

「ちゅ、中止だぁあああああ! 逃げるよ北斗君!」

「ノアさーん!?」

 

 僕らは崩れゆくアクションフィールドを背に出口へ走った。

 

 

 

 

  Duel End

 

  Draw

 

 

 

「はー…なんだったんだ一体…」

「それはこっちが聞きたいですよ…」

 

 アクションフィールドに隣接する管理室でボクらは一息ついた。あの後、どういうわけかアクションフィールドを脱出してもトレミスとウロボロスの争いは消えず創星神ご降臨の一歩手前まで来てしまっていた。管理室に駆け込んだボク達がアクションフィールドの強制終了することで漸く振動が収まり、トレミスとウロボロスはその姿を消していた。

 多分、オリジナルのウロボロスに惹かれてトレミスの力が引き上げられてしまったのだろう。備え付けのテレビを操作すると地震の報道があった。幸い怪我人は出てないとのことで安堵。すると管理室備え付けの電話が鳴り響く、予想通りである。

 

「ハイ、こちら第3アリーナ管理室」

『私だ、その声は織舟ノアだな? 何があった』

「オリジナルカードの暴走…どうやら、ボクが持ち込んだカード達には少なからずこの次元のソリッドヴィジョンに干渉する力があるようで」

『何? …まぁいい、詳しい話はこちらでして貰おう。できれば早めに来てくれ』

「何かあったの?」

『それが――ブツッ』

 

 切られた。そういえば派遣していたホルダーの中に棲むものたち(モンスター)から何の連絡も無いが、よくよく思い返してみればこまめに連絡するような連中ではなく端末次元でもかなりフリーダムな連中だった筈。

 

「というわけで、零児に呼ばれてしまったから失礼するよ北斗クン! あ、このカードはキミに譲るよ。キミの所に行きたがってたぜ! ラッキカードでかっ兎ビングだ!」

「え!? ちょ、待って、あのデュエルは僕の負け――」

「なら、キミが自分の力を認めた時にそのカードを使うといい! きっといつかキミを助ける!」

 

 端末次元(こちら)でも新しいエクシーズモンスター《星輝士 セイクリッド・ダイヤ》と《星守の騎士 プトレマイオス》を北斗少年に渡してすぐダッシュ! 端末次元で鍛え上げた脚力は音速を超える―――トランザムモードで更に三倍の出力!

 

「って、カードに力でいいじゃん。《ディメンション・ゲート》発動!」

 

 ホルダーから抜き出したカードを手に取り次元の渦に飛び込む。これで零児のいるところまでひとっ飛びだ。

 

「……何? 今の」

 

 その瞬間を見られていたことを、ボクは知らなかった。

 

 

 

「《ディメンション・ゲート》便到着~…って」

「くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん」

「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ・ぐあ」

「いあ いあ くとぅるふ ふたぐん」

「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう」

「いあ いあ はすたあ はすたあ くふあやく ぶるぐとむ」

「ぐっ…おい、織舟! 何なんだこいつ等、お前の次元の侵略者かなんかか!?」

「おぉ中島さん……《ワーム》の連中だよ、命令には忠実なんだけど」

「ほう、こいつ等が《ワーム》か。確かに仕事はきっちりこなしてるな、書類やキーボードが粘液(まみ)れになるが」

 

 人選ミスった。

 

 

 

 

 




 デュエル小説自体を書くのは二度目なんですが、これほど本格的に書いたのはこれが初めてです。手札枚数紛らわし過ぎィ!
 ヴェルズは組んでるからいいんですが、セイクリッドは効果こそDT組なので知ってますが持ってなかったので四苦八苦でした
 一応ここでは攻撃力や守備力など4桁の数字があるものは半角、ORUなど1桁だけの数字があるものは全角、同じくカードテキストでの「1度」「1体」「レベル」の数字も全角で打ちました
あと、モンスターやカードの名称に《》を付けるのは基本的に①最初に登場したとき②フィールド及び墓地参照時の2つに限り使用させて頂きます

 何分初めてなので至らぬところはあると思います。何かご指摘ありましたら感想の方までお願いします

追記・書くのは2日で済んだけどデュエルの構想を着手までに約1週間掛かってしまった…先人達の偉大さが身に染みました

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