FクラスがBクラスを下した日の放課後
夕暮れに染まる校舎の屋上に、1人の男が貯水タンクに背中を預けながら座っている
そのため、顔は影に隠れてわかりにくい、すると男は懐から通信機を取り出して
「・・・・こちら、ホーリー7、ホーリー8応答せよ」
誰かに通信をつなげ始めた
『こちらホーリー8、あなたが定時連絡以外で通信してくるなんて珍しいですね。どうしました?』
出たのは女だった。声からして、同年代だろう
「・・・先代ホーリー7が、俺のクラスに編入してきた」
それを聞いた通信機の向こう側から、息を呑む気配がした
『先代ホーリー7が、ですか?』
「・・・ああ。しかも、早速実力の差を知らされた・・・・」
男は少し落胆するように、言った
『どういうことですか?』
「・・・今日戦った根本に彼女が居るのは把握していたが、それが小山友香だとは知らなかったし。毎日、手作り弁当を貰っていたのも知らなかった・・・・」
『流石は、先代ホーリー7。通称サテライトですね』
「・・・・ああ、社長が惜しがるだけはあるな」
男は、自分がスカウトされてからのことを思い出しながら言う
『そうですね、社長は本当に惜しがってましたからね。アイギスに引き抜かれたの』
女は社長と呼ばれた人物の悔しがりさを思い出したのか、少し笑っている
「俺も今は、アイギスに行こうかと思っているが・・・・」
『あなたまで行ったら、社長泣くんじゃないんですか?』
「・・・ああ、だから今は我慢している」
女は、それを聞くと笑い
『ええ、それがよろしいかと思います』
と、笑いを堪えながら言う
「・・・噂だと、あっちのほうが給料は2倍近く上だと聞いてるからな・・・・」
『そうなんですよねー。私も最近、悩んでるんですよ』
「・・・余談はここまでにしとこう。少し、ある人物について調べてもらいたい」
女は笑いを止めて
『誰ですか?』
真剣な様子で、聞いてきた
「・・・・対象の名前は・・・・」
男が名前を言おうとした瞬間、強風が吹いた
『わかりました。その人物を調べれば、いいんですね?』
「・・・・ああ、頼む」
『それでは、失礼しますね』
と、通信が途切れてノイズのみが聞こえて、男は通信機の電源を切ると立ち上がり
「・・・・俺は、クラスメイトのガードも兼ねてるからな。不審者は調べるさ・・・」
と、一瞬にして姿を消した・・・・・