僕とSPと召喚獣   作:京勇樹

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対Fクラス戦 終了&戦後対談

現在、Aクラス対Fクラスは2対2の同点となっていた

 

今から行う第5回戦が、事実上の最終決戦だった

 

「それでは、ただいまから第5回戦を行います。選手は前へ」

 

そう言うと、Aクラスからは

 

「・・・はい」

 

代表の霧島翔子が前に出て

 

「おっしゃ」

 

Fクラスからは、Fクラス代表の坂本雄二が出た

 

高橋先生は、2人が前に出たのを確認すると

 

「それでは、教科を選択してください」

 

と、言うと

 

「教科は日本史で、内容と方式は小学生レベルで、百点満点の上限ありだ!」

 

それを聞いたAクラスからは、動揺が走った

 

「小学生レベルの上限ありだって?」

 

「完全に集中力の勝負になるぞ」

 

等などだ、が

 

「待った、雄二。雄二に教科選択権は無いよ」

 

それを聞いた雄二は、眉をひそめて明久を見る

 

「なんだと?」

 

「今までの勝負を思い出してみようか? 高橋先生、今までの勝負の教科選択権使用クラスを出してください」

 

それを聞いた高橋先生はパソコンを操作すると

 

教室のプラズマディスプレイが映った

 

そこには

 

教科選択権使用クラス

 

1戦目 Fクラス

 

2戦目 Aクラス

 

3戦目 Fクラス

 

4戦目 Fクラス

 

と、映し出されていた

 

「ね? Fクラスは既に3回とも使用してるんだよ?」

 

それを聞いた雄二は、半ばムンクの叫びのような状態になって固まっていた

 

すると

 

「・・・・それでいい・・・」

 

 

ボソリと、翔子が呟いた

 

「え? いいの、霧島さん?」

 

「・・・コクリ」

 

それを聞いた高橋先生は頷き

 

「わかりました。そうなると、問題を用意しなくてはいけませんね。筆記試験ですので、視聴覚室で行うことにしましょう」

 

高橋先生はそう言うと、パソコンを閉じて教室を出た

 

「いいのか、翔子?」

 

「・・・構わない・・・」

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そうして、しばらくすると・・・

 

「準備が整いましたので、選手は視聴覚室まで移動してください」

 

と、迎えに来た

 

「「はい(おう)」」

 

そして

 

『では、最後の勝負の日本史を行います。今から問題を配りますが、始まるまで見ないようにしてください』

 

高橋先生はそう言うと、2枚のテスト用紙を裏返した状態で雄二と翔子の前に置いた

 

『制限時間は五十分、満点は百点です。不正行為は即失格となります。よろしいですね?』

 

高橋先生は教壇に立つと確認する

 

『・・・はい』

 

『わかっているさ』

 

それを聞いた高橋先生は頷き

 

『それでは、始めてください!』

 

その宣言と同時に2人はテスト用紙を裏返して、書き始めた

 

プラズマ・ディスプレイにはテスト用紙の問題がアップで映し出されていた

 

日本史

 

問1 次の()に正しい年号を記入しなさい

 

()年 平城京に遷都

 

()年 平安京に遷都

     ・

     ・

 

と、問題が続く

 

すると

 

「おい、あの問題があったぞ!」

 

と、須川が画面を指差しながら大声を出した

 

そこから

 

「おい、これで俺達・・・」

 

「ああ!」

 

「卓袱台から・・・」

 

「「「「「システムデスクだーー!」」」」」

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

50分後

 

日本史筆記テスト

 

Aクラス 霧島翔子

     97点

 

その数字が出た瞬間Aクラスで動揺が走った

 

「嘘・・・・」

 

「あの霧島さんが百点を外すなんて・・・」

 

「くっ! これじゃあ、雄二が勝ってしま・・・」

 

次の瞬間

 

Fクラス  坂本雄二

      53点

 

と、表示されて教室内は静寂に包まれた

 

「雄二・・・・君はなにがしたかったの?・・・・・」

 

明久は、予想外の展開に思わず呟いてしまった

 

 

これにより、Fクラス対Aクラスの一騎打ちはAクラスの勝利に終わったのだった・・・・

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

ドドドドドドド!

 

ガラッ!

 

「坂本!! お前のせいで、卓袱台からみかん箱になったじゃねーか!!」

 

Fクラスのメンツは、視聴覚室に突撃して、雄二を非難した

 

「…雄二、約束…」

 

翔子は、床に膝を立てて座っている雄二に言った

 

「好きにしろ…」

 

雄二は視線を下に向けて、呟いた

 

「おおよ! 好きにしてやらぁ!」

 

須川は何処から出したのか、大きな鉈を持って雄二に迫る

 

 

「落ち着くのじゃ!」

 

秀吉が後ろから羽交い絞めにして、須川を止めた

 

「なぜ、止めるんだ! こいつには、100g100円のひき肉にする、という処罰が必要だというのに!!」

 

須川は、秀吉に羽交い絞めにされながらも暴れる

 

「それは最早、処刑です!!」

 

小燕は思わず突っ込みを入れた

 

「じゃあ、聞くけどさ、須川くんなら、何点取れるの?」

 

質問された須川は、しばらく黙り

 

「30点が良いトコだな!」

 

と、自身を親指で指差した

 

「威張るな!」

 

「ごめんなさい!!」

 

須川は、0,5秒で土下座敢行した

 

そして

 

「……っ!(カチャカチャカチャ!)」

 

横では、ムッツリーニが凄い勢いでカメラを設置していた

 

「康太、なにしてるのさ?」

 

それを細い目で見ている、明久

 

すると

 

「…雄二、私と付き合って…」

 

爆弾が投下された

 

「………へ?」

 

明久は、思わぬ言葉に半ば思考が停止した

 

すると

 

「「「「「なんだってーーーーーー!!??」」」」」

 

視聴覚室が震えた

 

なお、この時の叫び声はご近所にも聞こえていたとか

 

閑話休題

 

「やっぱり、そうだったか。お前な、俺とお前じゃつりあわないと何度言ったら気が済む!」

 

「…いや、私には雄二以外居ない…」

 

「俺は不良の問題児で、お前は優等生なんだぞ!? それにお前な、以前、俺に関わって推薦取り消されたじゃねーか!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「どういうこと、雄二?」

 

明久は、雄二が言った言葉に疑問を感じて質問した

 

「……俺と翔子はガキの頃からの知り合いでな、それは小学校の頃も同じだったのさ」

 

雄二は、ポツポツと話し始めた

 

「…ただ、私は1度見たこと聴いたことを忘れない体質があってか、気味悪がれて、誰も近寄ってこなかった…」

 

「直感像資質か!」

 

明久は、翔子の体質に気付いたようだ

 

「直感像資質?」

 

優子は、明久が言った言葉の意味が分からないのか聞いた

 

「つまりは、絶対記憶能力者のことさ。本当に脳に障害を負わない限りは、ずっと覚え続ける」

 

「なるほど…」

 

「…それで、初めて話しかけてくれたのが雄二だったの…」

 

「が、小6のある日、俺が起こした問題に巻き込まれて、翔子は行ける筈だった、私立の中学校の推薦を取り消されたのさ…」

 

「…私としては、些細な問題…」

 

「些細じゃねーだろ!? お前は財閥のご令嬢で、俺はたかが一般人だ! そんな2人がつりあい取れるわけがねーだろ!!」

 

明久は2人の話を聞いて、直感でわかった

 

「それが理由で、雄二、中学の頃荒れたんだね? 悪鬼羅刹と呼ばれるくらいに」

 

「…ああ、そうだよ」

 

雄二は認めた

 

「はぁー、雄二も素直じゃないね、一緒に居たいなら、一緒に居ればいいのに」

 

「はぁ!? な、なんで、そんな話になる!!」

 

雄二は、明久の言葉にドモりながらも反論するが

 

「…雄二、自分で気付いてないの? 目元、涙が溜まってるのに」

 

「なに!? っ!」

 

雄二は、自分の目元を拭って、初めて気付いたようだった

 

「はぁ、雄二、キミも不器用だね。中学に荒れてたのだって、自分の悪い噂を流せば、霧島さんが離れてくれると思ったからじゃないの?」

 

「………」

 

雄二は、下を向いて黙っている

 

「一緒に居たいならさ、素直になろうよ。雄二だってさ、神童と呼ばれてたから、ハブられてたんだろ? 霧島さんの気持ちが分かってたんだろ?」

 

「っ!」

 

「失ってからじゃ遅いんだよ!!」

 

怒鳴った明久に、視線が集中した

 

「明久、お前……」

 

雄二は、明久がテロで家族を失ったことを思い出した

 

「僕は、家族を全て失ってるから、分かるんだ。悲しみ、空虚感、喪失感がね」

 

明久はそこで一旦区切った

 

「雄二には、そんな思い、してほしくないんだよ……」

 

「明久……」

 

「おぬし……」

 

「雄二だけじゃない、もう誰にも、失う悲しみを味わってほしくないんだよ……」

 

気付けば、明久の目元には涙が溜まっていた……

 

周囲は、明久の言葉を黙って聞いていた……

 

すると

 

「…俺なんかで…」

 

「…え?」

 

「俺なんかで、いいんだな?」

 

「…雄二!」

 

「後悔すんじゃねーぞ」

 

「…絶対にしない!」

 

翔子は、座り込んでいる雄二に抱きついた、雄二も座り込みながらも飛びついてきた翔子を抱きしめた

 

すると

 

「あー、ちょっと、言いづらいんだが……」

 

その言葉に、全員の視線がある方向に向いた

 

その、視線の先にはドアの所で頭を掻きながら、気まずそうに立っている西村先生の姿があった

 

「西村先生、どうしたんですか?」

 

優子が代表して聞いた

 

「あー、うむ」

 

西村先生は、そこで1回咳払いをすると

 

「我がFクラスの諸君、遊びはここまでだ」

 

「我が?」

 

「Fクラス?」

 

「ああ、貴様らが負けたから担任が福原先生から、俺に変わったぞ、喜べ、これから1年間死に物狂いで勉強できるぞ?」

 

「「「「「なにーーーーー!!??」」」」」

 

Fクラスにとっては、死刑宣告に等しかった

 

「確かにお前らはよくやった。が、いくら<学力が全てではない>からといって、人生を歩んでいく上で強力な武器の一つになるのに、蔑ろにしてはいけない」

 

「…まぁ、そうですね」

 

「特に坂本は念入りに監視してやる、なにせ開校以来、初のA級戦犯だからな!」

 

「了解した…」

 

雄二が珍しく、素直に返事をした

 

すると

 

「チョット待ってください!」

 

須川が西村先生に近づいた

 

「なんだ?」

 

「だったら、吉井はいいんですか!? あいつは観察処分者ですよ!?」

 

「それだったら、大丈夫だ。吉井は成績優秀、授業態度だって優秀だ! お前らとは違う!!」

 

「オノレ! こうなったら卒業式の日、伝説の桜の木の下で、釘バットを持ってお前を待つ!!」

 

「なんとも、斬新な告白ですね……」

 

「それよりも、戦後対談をどうするんですか?」

 

「そういえば、中途半端ですね」

 

しかし、本来話し合うはずの2人は抱き合っているために、話せ無さそうである

 

「…それじゃあ、明久くん決めちゃって」

 

「え? いいの僕で?」

 

明久は指名されて驚いた

 

「だって、明久くんが勝ってなかったら、私たちの負けだったわ、だから明久くんが決めて」

 

「わかった、それじゃあ、まずはね、クラス設備は下げなくていいよ」

 

「え! マジで!?」

 

「うん。流石に、みかん箱はかわいそすぎる」

 

「吉井、ありがとう!」

 

「ただし、試召戦争禁止期間は通例通りね、それと…」

 

「それと?」

 

「まぁ、ある意味、同盟組まない?」

 

「なんじゃと?」

 

明久の言葉を聞いたAクラス内でも、動揺が走った

 

「Fクラスが、ここまでAクラスに接戦できたのは正直雄二の指揮能力の高さがあったからだ。それはわかるよね?」

 

「まぁ、そうね…」

 

「だったらさ、Fクラスと同盟を組んで、それを学ぼうかと思ったのさ」

 

「……なるほどね」

 

「Fクラスは、どうかな?」

 

「こっちとしても、異論はない」

 

「じゃ、決まりだね」

 

と、戦後対談が決まった瞬間だった

 

「…雄二、今からデートに行く」

 

「ハ? ちょっと待て翔子!」

 

「…今までの埋め合わせをする…」

 

「わかったから、落ち着け! まだ……(ズルズル バタン!)」

 

翔子は雄二を片手で引きずって、消えたのだった…

 

「何気に、凄い力だと思うのは僕だけかな…」

 

すると

 

「(トントン)ん? 誰?」

 

明久の隣には何故か島田が居た

 

「吉井、ウチらも今からデートに行くわよ!」

 

「なんでさ、行く意味が分からない」

 

正論である

 

「いいから行くわよ! 反論するなんて吉井のクセに生意気なのよ!」

 

そう言って島田は、明久に関節技をかけようとしたが

 

「関節技かけられる義理も無い!!」

 

そう言いながら投げ飛ばした

 

「ちょっと、女の子に暴力ふるうなんて最低よ!!」

 

「関節技を先に仕掛けてきた奴が、なに言ってんのさ!!」

 

至極正論である

 

「この! (ガッシ!) へ?」

 

島田の両肩に、大きな手が置かれた

 

島田は、ゆっくりとした動作で後ろを見た

 

そこに居たのは

 

「島田、お前には今から特別に補習をしてやる」

 

西村だった(逃走中のナレーション風)

 

「な、なんでですか!?」

 

「暴力を先にしたのは、お前だろうが!! その根性、叩きなおしてやる!!」

 

そう言いながら西村は、島田を引きずっていく

 

「吉井! あんたのせいだからね!!(ズルズル バタン!)」

 

「訳分からないよ…」

 

 

 

 

こうして、Aクラス対Fクラスの試召戦争は幕を閉じたのだった

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