僕とSPと召喚獣   作:京勇樹

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第二弾!


おまけ ようこそ、ネオ・ヴェネツィアへ!

「着きました! 火星(アクア)、ネオ・ヴェネツィア!」

 

「ええ、そうね!」

 

僕と優子さんは、今現在、火星(アクア)はネオ・ヴェネツィアに来ています!

 

それは、何故かと言うと

 

今日、ゴールデンウィークの1週間前にまで(さかのぼ)

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

カランカラーン!

 

ここは、普段からよく使うスーパーの店内にあるくじ引き場だ

 

なんでも、開店して20周年とかで、大くじ引き大会をやっているそうだ

 

僕と優子さんは、買い物した際にもらったくじ引き引換券で、早速くじ引きをしたら………

 

「ああ、まさか初日でこれが出るとはな……、特等賞大当たりーー!!」

 

と、目の前の男性店員が、手に持っているベルを大きく鳴らした

 

「へ?」

 

「特等賞?」

 

僕と優子さんは、首をかしげた

 

「ああ、3泊4日の豪華、火星(アクア)のネオ・ヴェベツィア旅行だ!」

 

「「ええぇぇぇぇーーー!?」」

 

と、言うわけである

 

以上回想終了

 

「アクアは初めて来たなー、優子さんは?」

 

僕は、隣に立っている優子さんに聞いた

 

「私もよ、けど、本当に綺麗ね」

 

僕と優子さんの目の前には、青い海、レトロな町並みが広がっている

 

空には海鳥が飛んでいて、その鳴き声が耳に心地よく響く

 

「えっと、確か、総面積の7割が海なんだっけ?」

 

僕は、来る際に調べた資料の内容を思い出す

 

火星ことアクア、ここは西暦2200年ごろに惑星開発(テラフォーミング)が行われ、第2の地球として、発展した

 

しかし、惑星開発した際に起きたのは、総面積のうち約7割が海と化したのである

 

そのために、ここアクアでは、異常なまでに環境面に配慮して、化石燃料や自然破壊を促す物を一切使わないのだ

 

そのために、地球からこちらに移住する人もかなり多いらしい

 

そして、今僕達が居るのは、イタリア地方に分類された地域だ

 

ここ、アクアでは重要文化の保護もされており、地球から重要文化財などを移築しているのだ

 

そのために、ここにある建物は全て本物なのだ

 

つまり、この火星は重要文化財の保護星でもあるのだ

 

なお、各国家ごとに地域が分割されており、ここはイタリア地方というわけである

 

もちろん、日本もある

 

以上解説終了

 

「えっと、確かARIAカンパニーのウンディーネさんが待ってくれてるはずだけど……」

 

と、優子さんが左右を見ると

 

「ぷいにゅ?」

 

と、足元からかわいらしい(?)鳴き声が聞こえた

 

僕達は、そろって足元を見た

 

そこに居たのは

 

「猫?」

 

帽子を被った、丸々とした猫だった。ただし、普通の猫より全体的に3倍近くデカイ

 

「これは、火星猫ね」

 

優子さんは、視線を猫に合わせて教えてくれた

 

「火星猫?」

 

「ええ、なんでも惑星開発された時に、遺伝子改良されて産まれたそうよ。知能は人間並みにあるから、お手伝いも出来るみたいだし」

 

と、優子さんは猫の頭を撫でながら教えてくれた

 

すると

 

「アリア社長ー、もう、何処に行ったんですか~?」

 

と、間延びした声が聞こえたので、そちらを見ると

 

白地に蒼で模様が描かれている制服を着ている、女性がいた

 

髪は長く、後頭部で一回丸く纏めており、毛先は膝辺りまで伸びている

 

すると

 

「ぷいにゅー!」

 

と、猫が女性に向けて走り出した

 

「あ! アリア社長! もう、勝手に居なくならないでください!」

 

と、女性は猫を抱き上げた

 

え? 社長?

 

「よかった、おーい、アイちゃん! アニーちゃん! アリア社長居たよー!」

 

と、女性が大声を出すと

 

「本当ですか!?」

 

「あー、良かった!」

 

と、女の子が2人現れた

 

片方は、黒髪のショートカットで、猫みたいな雰囲気だけど、優しそうな子

 

もう1人は、ショートカットの茶髪に、活発そうな雰囲気の子だった、はて、あの子どっかで見た事あるな?

 

「あの子、もしかして、アニエス・デュマさんかしら?」

 

「ああ、思い出した! 月刊ウンディーネに出てた、あの注目の子か!」

 

アニエス・デュマ

 

この子は、何でも昔は病弱だったとかで、入院していた時に同じく月刊ウンディーネに載っていた人物に憧れて、手紙を送り、励まされたから、ウンディーネになる決意をした子だ

 

すると

 

「アリア社長どうしました? え? あっち?」

 

と、女性が近づいてきた

 

「もしかして、地球(マンホーム)からの観光ですか?」

 

「はい、ARIAカンパニーのウンディーネさんを待ってるんですけど……」

 

女性の質問に優子さんが答えると、女性は驚いた

 

「え!? あわわ! お客様でしたか! すいません!!」

 

と、女性は抱えていた猫をおろして

 

「申し遅れました、私は本日お客様のご案内を務めます。水無灯里(みずなしあかり)と言います。お待たせしてしまいまして、申し訳ありません!」

 

と、頭を下げた

 

「いえいえ、大丈夫ですよ………、って! もしかして、遥かなる蒼(アクアマリン)ですか!?」

 

遥かなる(蒼アクアマリン)?」

 

と、僕が首をかしげていると

 

「灯里さんの二つ名ですよ」

 

「はい、有名なウンディーネは二つ名で呼ばれるんですよ」

 

教えてくれたのは、先ほど女性、灯里さんと一緒に居た2人の女の子だった

 

「えっと、君達は?」

 

「あ、申し遅れました、私はARIAカンパニー所属の片手袋(シングル)小鳥遊(たかなし)アイと言います! こちらは」

 

「同じく、ARIAカンパニー所属の片手袋(シングル)のアニエス・デュマと言います!」

 

「ああ、よろしく。それで片手袋(シングル)って?」

 

僕は、2人に質問する

 

「はい、ウンディーネには階級があるんです」

 

「見習いの両手袋(ペア)に、半人前の片手袋(シングル)、そして、1人前の手袋無(プリマ)し、と階級があるんです」

 

「へー」

 

僕は、言われて灯里さんの手を見る、確かに手袋をしていない

 

すると

 

「明久くん、灯里さんが案内してくれるって! ゴンドラに乗りましょう!」

 

と、手を振ってきた

 

「うん、今行く!」

 

「それでは、私達は練習があるので、この辺で」

 

「失礼しますね」

 

「うん、それじゃあね」

 

僕は、優子さんと灯里さんが待っているゴンドラ乗り場に向かった

 

 

こうして、ネオ・ヴェネツィア旅行は始まったのだ

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「というわけで、このフェニーチェ劇場は何度も災害や火災で壊れても、フェニーチェ、不死鳥の名前の通り、何度でも、蘇ってくる、建て直されてきたんです」

 

僕と優子さんは、灯里さんの案内を聞いていた

 

ゆっくりと運河を進んでいるゴンドラに乗っていると、時間の経過を忘れる

 

すると

 

リーンゴーン リーンゴーン リーンゴーン!

 

と、大きな鐘の音が聞こえた

 

「ああ、ちょうどお昼みたいですね」

 

「え? あ、本当だ」

 

僕は言われて初めて気付いた、腕時計は確かに、12時と表示されている

 

「言われてみれば、お腹がすいたわね」

 

確かに、空腹感がする

 

「えっと、差し出がましいですけど、お勧めのお店を紹介しましょうか?」

 

灯里さんは、笑顔でそう言ってきた

 

僕と優子さんは、お互いの顔を見てから

 

「「お願いします」」

 

と、頭を下げた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

灯里さんが案内してくれたのは

 

「イタリア料理屋さんですね」

 

そこは、こじんまりとした洒落た店だった

 

「はい、ここのマルゲリータピザが美味しいんですよ!」

 

灯里さんは興奮しながら、教えてくれた

 

そして、店員さんに注文して数10分後

 

「お待たせしました、マルゲリータピザでございます」

 

と、ピザが運ばれてきた

 

「あ、ありがとう…ございます……」

 

僕は、その店員を見て固まった

 

その人物は

 

「秀吉、あんた……なにやってるの?」

 

なぜか、秀吉が居た

 

「はて、私は秀吉と言うものではありませんが?」

 

それでも白を切る、秀吉

 

僕は、ポケットの中から携帯を取り出して、ある番号をダイヤルした

 

すると

 

「ああ、失礼します、自分のようですね…っ!」

 

はい、ダウト

 

僕が鳴らしたのは、万が一のためにアイギスから用意された携帯電話だ

 

秀吉が居るってことは………

 

「居た……」

 

僕の視線の先には、慌てている有里さんに小燕がいた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「なんで居るのか、説明してもらおうか?」

 

僕の目の前には、石畳に正座している3人の姿が

 

「いや、そののう」

 

「えっと」

 

「これは……」

 

視線が、左右に流れている3人

 

まぁ、大体想像できるけどね

 

「おおかた、課長だな」

 

「うっ!」

 

「正解です……」

 

あの人は……

 

「今度会ったら、船越先生を呼んでやる!」

 

いい加減に身持ちするべきだ!

 

「それって、半ば死刑宣告な気がするのはアタシだけ?」

 

気のせいです

 

そのころ、アイギス本社の課長

 

「(ブルッ!)うぉ!? なんだ、いきなり背筋に悪寒が!?」

 

周囲を見回していた

 

戻って、火星(アクア)

 

「えっと、その人たちは?」

 

優子さんと一緒に、運ばれてきていた料理を食べていた灯里さんが聞いてきた

 

「えっと、地球の友人達です、こっちは優子さんの弟の」

 

「木下秀吉じゃ」

 

秀吉は、灯里さんと握手しながら自己紹介する

 

「で、こっちは僕の弟分の」

 

劉小燕(リュウシャオエン)です」

 

小燕も握手した

 

「で、最後に、バイト仲間で級友の」

 

「穂村有里です」

 

「よろしくね」

 

全員と自己紹介した灯里さんは、少し考え込むと

 

「一緒に食べない?」

 

「「「え? いいんですか?」」」

 

綺麗にハモったね

 

「ええ、皆で食べたほうが楽しいですし、大丈夫ですよ?」

 

灯里さんの言葉を聞いた3人は、顔を見合わせると

 

「「「お願いします」」」

 

と、頭を下げた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「え? イタズラするから協力してください、って言ったら許可してくれたの?」

 

僕は、ピザを食べながら秀吉から話を聴いていた

 

「うむ、まさか許可してくれるとは思わなかったぞい」

 

秀吉もパスタを食べながら、教えてくれた

 

「あはは、ここの人はおおらかだからね。大抵のことに協力してくれるよ」

 

灯里さんは、笑いながら籠からくるみパンを取っている

 

「それにしても、よく来れたわね。私達ですら、くじ引きで手に入れた旅行券で来たのに」

 

優子さんは、サラダボウルからサラダを自分の小皿に移している

 

「それはね」

 

「僕達の貯まった給料を使いました」

 

有里と小燕は、ピザを切り分けている

 

「ああ、なるほど。確かに3ヶ月分くらいで十分来れるね」

 

僕は、アイギスの給料額を思い出した

 

*アイギスの給料は、危険手当付きで大体40万くらい

 

「そ、あとはボーナス分も使って秀吉くんも連れてきたのよ」

 

有里さんは、指を立てながら言う

 

「いきなり、火星(アクア)に行くわよ! と言われた時は、驚いたぞい」

 

秀吉は言われた時を思い出したのだろう、しみじみと頷く

 

「有里さん唐突でしたからね、僕も驚きましたよ」

 

「だってさー、課長から明久が優子ちゃん連れて火星に行ったから、見て来いって言われたんだもん」

 

僕はそれを聞いて、頭を抱えた

 

「あの、くそ親父……」

 

僕は唸ることしか、出来なかった

 

「え? 親父?」

 

「えっと、バイト先の課長さんは明久のお父さんなんです」

 

灯里さんの疑問に小燕が答えた

 

「なるほど、きっと親心なんだよ」

 

と、灯里さんは僕の肩に手を置きながら言ってくれたが

 

「親父は人の不幸が、なにより楽しい人なんです」

 

と、僕が言うと

 

「あ、あははは………」

 

と、苦笑いしていた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

食事が終わると、秀吉たちとは別行動となった

 

何故かというと

 

『私達、まだ宿取ってないのよね』

 

との事だった

 

で、昼食から数時間たち

 

既に、夕方になっている

 

「それじゃあ、本日の締めに温泉宿に行きましょうか?」

 

と、背後でゴンドラを漕いでいた灯里さんが言った

 

「え? 温泉宿ですか?」

 

「はい、私が知ってるところで良い所があるんです、どうですか?」

 

僕と優子さんは顔を見合わせる

 

「でも、私達着替えとか持ってきてないんですけど……」

 

優子さんが、気まずそうに聞くが

 

「それなら大丈夫です。そこに荷物は送っておきました、タオルとか浴衣も貸し出してますので、安心してください」

 

と、灯里さんは笑顔で説明してくれた

 

僕と優子さんは、アイコンタクトを成立させる

 

「「お願いします」」

 

2人揃って頭を下げた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

で、着いたのは

 

「ここが、温泉宿ですか」

 

目の前には、湯気が至る窓から出ている建物

 

その建物は、少し古いけど、それがまた雰囲気をかもし出している

 

「はい、そうです。元々は古い洋館だったそうですけど、温泉が湧き出した際に、洋館の持ち主の老夫婦が建物を改装して、温泉宿にしたそうです」

 

僕と優子さんは建物を見上げながら説明を聞いた

 

「はぁー、凄いですね」

 

「はい、流石に混浴じゃないですけどね。それでは、あがったら3階で会いましょう」

 

「「はい!」」

 

僕達は入り口で男女別に分かれて、中に入った

 

明久sideEND

 

第3者side

 

「それじゃあ、着替えはこの籠に入れてください」

 

灯里は、入り口に重ねておいてある籠を2つ取ると、1つを優子に渡す

 

「あ、ありがとうございます」

 

優子は籠を受け取り、空いているロッカーを見つけるとそこに陣取り、服を脱いで、籠に入れた

 

「はい、入浴セットです。借りときました」

 

灯里は、シャンプーやタオル石鹸が入っている木桶を優子に渡す

 

「ありがとうございます」

 

優子は桶を受け取ると、タオルで胸元まで覆う

 

「それじゃあ、こっちです。付いて来てください」

 

灯里は優子を先導して、階段に差し掛かる

 

「足元、気をつけてください。滑りますから」

 

「は、はい」

 

トントントン ←階段を下りる音

 

ジャボ!

 

「ジャボ?」

 

優子は音に驚き、視線を下に下げる

 

「うわぁー!」

 

「ね? 凄いでしょ? ここからが温泉なんですよ?」

 

と、灯里は誘導しながら説明する

 

「これが、温泉なんですね。凄いです」

 

「まぁ、最初は驚きますよね。私も驚きました」

 

灯里と優子は瓦礫を背もたれ代わりに座って、湯に浸かった

 

しばらく浸かっていると

 

「えっと、優子ちゃん?」

 

「なんですか?」

 

「優子ちゃんって、明久くんのことが好きなの?」

 

爆弾が投下された

 

「ブゥーーーー!? い、いきなり、な、なにを!?」

 

ドモりまくりの優子である

 

因みに、顔を真っ赤にしているので、説得力は皆無である

 

「で、どうなのかな?」

 

灯里は笑顔で、優子の顔を見る

 

「(顔真っ赤)す、好きです、はい……」

 

優子は震えながら答えた

 

「そっか、それだったら、1つ教えといてあげるね」

 

「なにをですか?」

 

「うん、明久くんね、少し危ういから」

 

「危うい?」

 

「うん、明久くんね。なんていうか、悲しみに押しつぶされちゃいそうでね、ああ、これは私の勘だよ?」

 

「はい…」

 

「なんていうか、悲しいのを無理やり押し込めてる感じがするの、心配かけまいとしてるのかな?」

 

優子はそれを聞いて、考え始める

 

(明久くんは、7歳のころにテロで家族を亡くした。それで、もう誰も失いたくないから、SPになったんだよね。それが、悲しみを知ってるからだよね)

 

「だからね、彼を理解して、支える人物が必要だと思うの。」

 

「はい……」

 

優子は、灯里の話に頷いた……

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そして、温泉からあがり、3階

 

「それでは、温泉からあがりましたら、お楽しみの夕食タイムです!」

 

3階は座敷になっており、机の上には豪華な料理が所狭しと並んでいる

 

「「おお!」」

 

明久と優子は豪華な料理に驚いている

 

因みに、3人とも浴衣である

 

「で、温泉上がりはやはり、コーヒー牛乳ですよね?」

 

と、灯里は両手にコーヒー牛乳を3本持っていた

 

「ありがとうございます」

 

「いただきます」

 

3人はコーヒー牛乳を飲み

 

「「「いただきます!」」」

 

揃って豪華な夕食を食べ始める

 

「お、おいしい!」

 

「本当ね、明久くんの料理も負けてないけど、美味しいわね」

 

「え? 明久くんも料理できるんですか?」

 

明久が、料理を出来ると聞いた灯里は、以外そうな表情で明久を見た

 

「ええ、それなりにですが」

 

と、明久は苦笑いしながら言うが

 

「なに言ってるのよ、帝國ホテルで副料理長してたくせに」

 

「な、なんで知ってるの!?」

 

「ん? 有里さんから聞いたのよ」

 

「なにげに凄い気がするのは、私だけかな?」

 

そんな会話をしながら、3人は料理を楽しんでいた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「ん?」

 

優子は、気付けば寝ていた

 

(あー、私寝ちゃってたんだ……)

 

優子は、ボーっとしながら横を見た

 

「な!? 明久くん!?」

 

横では、明久が無防備に寝ていた

 

優子は、最初それに驚いて慌てていたが

 

「え? 泣いてる?」

 

明久の目元に涙が溜まってるのに、気付いた

 

「……なさい、僕だけ、生き残ってごめん……」

 

「あ……」

 

明久の寝言を聞いた優子は、目を見開く

 

(もしかして、今までずっとそれでうなされてたのかな?)

 

優子は気付けば、明久の頭を抱きしめていた

 

「大丈夫、明久くんは1人だけじゃないからね?」

 

優子はそのまま、目を閉じた

 

第3者sideEND

 

明久(夢の中)side

 

ああ、またこの夢か……

 

僕は、そう思った

 

それは、燃え盛る炎

 

崩れた天井

 

倒れ付している人たち

 

正しく、生き地獄

 

僕はその中でたたずんでいた

 

すると

 

ナンで……

 

オ前だけガ……

 

ほら、聞こえてきた

 

後ろを見ると、そこには

 

頭が半分ない人や、体が燃えている人や、体が半分無い人たちが居た

 

そう、あのテロで僕だけが生き残ってしまった

 

他の人たちは死んでしまったのに、僕だけが……

 

ごめん……

 

僕には、ひたすら謝ることしかできなかった

 

ああ、これはまた起きるまで続くのかな……

 

なんて、思ってたら

 

(大丈夫)

 

え?

 

(明久くんは1人だけじゃないから)

 

そんな声が聞こえると

 

なんでだろう、暖かくなってきた

 

そして、気付けば

 

あの人たちの声も聞こえなくなっていた

 

ああ、なんだろう

 

心が、温かい………

 

僕は、その温かさに心を任せて、眠った………

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