僕とSPと召喚獣   作:京勇樹

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はい、今月2回目だ!!

まさか、登校されるとは思わなかったろう!

俺もだ!!(え?)


ネオ・ヴェネツィア旅行! 3日目!

翌日

 

「申し訳ありませんでした!!」

 

明久は、なぜか顔を真っ赤にしながら土下座を敢行していた

 

「…………(顔真っ赤)」

 

なお、優子も顔を真っ赤にしていた

 

理由に関しては、回想開始

 

 

「ん? ……朝? 起きないと……あれ? なんか動きにくい?」

 

優子は顔を後ろに向けた

 

「な! なんで明久くんが私のベッドで寝てるのよーーーー!!!」

 

以上、回想終了

 

「一応聞くけど、どうして私のベッドで寝てたのかしら? 明久くんのベッドは隣よね?」

 

「えっと、どうやら夜中に1回トイレで起きて、戻ろうとした時に間違えたようです、はい!」

 

明久は、頭を床に何度も打ち付けながら喋る

 

「もう頭を打ち付けないでいいから! というか、出血するから止めて!」

 

 

 

優子、明久をなだめ中のためしばらくお待ちください

 

 

 

「今日のご案内は、オレンジぷらねっとのウンディーネが致します」

 

藍華は優雅にお辞儀しながら、明久たちに伝える

 

「オレンジぷらねっとですか、確か、藍華さんの姫屋と対を成す大手のウンディーネ会社ですね」

 

「はい。来るのは、まあ後輩でしてね、腕は確かですよ」

 

「後輩? 会社が違うのにですか?」

 

「ええ、あたしと灯里、そしてその後輩の3人でよく合同訓練したんです」

 

藍華は昔を懐かしむように、目を細めた

 

「多分、そろそろ来ると思いますよ」

 

と、その時だった

 

「藍華先輩!」

 

と、声が聞こえたので、振り向くと

 

腰まで伸びた薄緑色の髪の毛が特徴の女の子がいた

 

「あ、後輩ちゃん。ようやく来たわね?」

 

「すいません。お客様、大変お待たせしました、私が本日お客様をご案内させていただく、アリス・キャロルと言います」

 

と、アリスはペコリとお辞儀した

 

「え!? アリス・キャロルって、もしかして、黄昏の姫君(オレンジプリンセス)!?」

 

「はい、そうです」

 

アリスは無頓着に肯定した

 

「うわ! 新世代の三大妖精全員に会っちゃった! サインお願いしていいですか!?」

 

優子は興奮した様子で、カバンから色紙とサインペンを取り出す

 

「はい、構いませんよ」

 

アリスは色紙とサインペンを受け取ると、華麗にサインをしていく

 

「えっと、お名前は?」

 

「はい、木下優子です。優しい子です」

 

「いいお名前ですね」

 

アリスは微笑みながら言った

 

「ありがとうございます!」

 

サインを受け取ると、優子は抱きかかえるようにお辞儀した

 

そして

 

「それじゃあ、ご案内しますので、ゴンドラにお乗りください」

 

「「はい!」」

 

アリスに手伝ってもらい、ゴンドラに乗ると

 

「お荷物はお送りしておきますね!」

 

「ありがとうございます!」

 

「それじゃあ、出発しますね」

 

「「はい!」」

 

 

 

こうして、ネオ・ヴェネツィア旅行3日目は幕を開けた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

「こちらは、幅48Mをアーチ1つでまたぐリアルト橋です。リアルト橋周辺は、サン・マルコ広場とは違って、商店や市場、酒場や住居か混在してます。」

 

僕達は今、アリスさんの漕ぐゴンドラに乗ってます。

 

アリスさん笑顔が凄く綺麗でしかも、声が澄んでるから、聞き惚れちゃうね

 

「ネオ・ヴァネツィアに住む人々の実際の生活の匂いを感じることが出来る、もうひとつの街の中心と言える場所になってます」

 

「はー、サン・マルコ広場と違って、賑わってますね」

 

僕の視線の先には、ゴンドラで果物を売ってる人や、工芸品かな? を売ってるゴンドラもある

 

「あそこは静かだけど、人の交流があるから自然と足が進む感じだけど、ここはお店がいっぱいあるから、賑わいかたが違うのね」

 

優子さんも色んな店を見ている

 

「はい。ですから、観光土産を買うのにも適しています」

 

「ん? なんか、美味しそうな匂いが」

 

「え? …本当ね。なにかしら?」

 

と、僕達が視線を左右に向けていると

 

「あ、あれですね」

 

と、アリスさんが指差した先には

 

「えっと、じゃがバター屋さんだ」

 

煙突から湯気が出ているゴンドラが浮いていて、黒地の暖簾(のれん)には<じゃがバター>の文字が

 

「買います? あそこ美味しいんですよ?」

 

アリスさんが僕達に聞いてきた。

 

僕と優子さんは、お互いの顔を見合わせて

 

「「お願いします」」

 

と、頭を下げた

 

なんだろう。ここに来てから、こんな感じで頭を下げてる気がする

 

明久sideEND

 

第3者side

 

「はい、じゃがバター3個お待ち! 熱いから、気をつけるんだぞ?」

 

と、店員が渡してきたじゃがバターを明久が受け取り、アリスと優子に渡す

 

「お代です」

 

「まいどー!」

 

ゴンドラは近くの(パリーナ)に縄で固定している。

 

「「「いただきます!」」」

 

明久たちは、一斉に手を合わせた

 

「ホフホフッ! ん、美味しい!」

 

「本当ね!」

 

「相変わらずの腕ですね」

 

と、アリスは右手を突き出して、親指を立てると

 

「おうよ!」

 

店員もノッてきて、同じように親指を立てた

 

と、3人揃って食べていると

 

「んぁ? 明久? なんでここに居るんだ?」

 

「へ? この声は……」

 

明久が声のした方向を見たら、そこに居たのは

 

修兄(しゅうにい)! 設姉(せつねえ)!」

 

2人の男女だった

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「はぁ、ご兄弟ですか」

 

アリスは明久からの説明を聞いて、見比べた

 

「はい、僕の兄にあたる」

 

如月修史(きさらぎしゅうじ)だ。よろしく」

 

と、修史は手を出す

 

「私は、本日ご案内を務めさせていただいてます。アリス・キャロルと言います。あれ? 如月? 確か、お客様の名前は吉井と……」

 

アリスは、修史と明久の名前が違うのに気付いて、首をかしげた

 

「ああ、僕と修兄はお互い孤児だったんです。それが同じ人に引き取られたんで、戸籍上ですが、兄弟なんです」

 

と、明久が説明すると、アリスは眼を見開いて

 

「すいません、込み入ったことを聞いてしまいまして」

 

と、頭を下げた

 

「ああ、構いませんよ。今が幸せなんで」

 

「はい」

 

「ありがとうございます」

 

「それで、修兄の彼女で」

 

真田設子(さなだせつこ)と言います」

 

と、設子はスカートの端を少し持ち上げて、優雅にお辞儀した

 

「ご丁寧にありがとうございます」

 

と、アリスは設子にも頭を下げた

 

(ねえ、明久くん)

 

気付くと、優子が明久の隣に来ていた

 

(なに?)

 

(もしかして、あの2人もSPなの?)

 

優子が小声で聞くと

 

(正解。僕よりも腕は上だよ、通称アイギスの双楯って呼ばれてる凄腕)

 

(へ~)

 

と、優子がうなずいていると

 

(言っておくけど、設姉のあれは仮面だよ?)

 

(へ? どういうことよ?)

 

(設姉は昔、殺し屋だったんだ。その時の訓練であらゆる性格の仮面を被れるらしい)

 

(そうなんだ……)

 

(うん、それで修兄と会ったのは暗殺の仕事で潜入してた時だったんだって)

 

(で、戦って、彼女になったってこと?)

 

(うん、要約するとその通り)

 

と、2人で小声で話していると

 

「それじゃあ、御2人も乗りますか?」

 

と、聞こえた

 

「え? いいんですか?」

 

「はい、お客様のご家族と言うことは、お客様も同然ですから」

 

と、話が進んでいた

 

「ありがとうございます」

 

「いえいえ。それじゃあ、そろそろ出発しましょうか」

 

と、アリスが(パリーナ)に結んでいた紐を解いた

 

「「「「はい!」」」

 

こうして、4人のネオ・ヴェネツィア観光が始まったのだった

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

修史と設子が合流して、しばらくして

 

「お客様、お次はどこに行きますか?」

 

と、聞かれたので、4人は悩んでいると

 

「なんでしたら、私のおススメにご案内しますが? 今から行けば、丁度いい時間に着きますから」

 

それを聞いた4人は顔を見合わせて

 

「「「「お願いします」」」」

 

と、言った

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「はー、陸橋水路ですか」

 

今、明久達はアリスの漕いでいるゴンドラに乗りながら、説明を聞いている

 

「はい、ここから先は観光地としても有名なんです」

 

「確かにそうですね、眺めも綺麗ですし」

 

優子は右側を見ている

 

その先には、蒼い海が広大に広がっていて、時折光が乱反射して、色が変化する

 

「だな、この景色だけでも十分な価値がある」

 

「そうですね」

 

修史の言葉を設子は、微笑みながら聞いている

 

「あ、お客様。少し揺れますよ」

 

「へ? おお!?」

 

全員の視線の先には、大型の船が見えた

 

「淵に掴まっててください」

 

アリスの忠告を聞いて、4人はゴンドラの淵を掴む

 

アリスが漕ぐゴンドラのすぐ傍を、大きな船が通り過ぎると、ゴンドラが揺れた

 

「きゃ!?」

 

「よっと」

 

優子が揺れた衝撃で、体勢を崩しそうになるが、それを明久が支えた

 

修史と設子は片手で掴んでいるだけで、姿勢を支えている

 

「お客様、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫です」

 

「ありがとう………(顔真っ赤)」

 

「どういたしまして」

 

そして、少し漕ぐと

 

「お客様、あれがこの陸橋水路の名物の水上エレベーターです」

 

「はー、時代を感じさせてくれそうですね」

 

明久が、所々茶色く変色している金属や、補修された痕のある大きな木の板を見て呟いた

 

「はい。なんでも、作られて100年以上経っているそうです」

 

「そんなにですか!」

 

「俺達より、圧倒的に年上だな」

 

と、話していると

 

「おや、上に行きたいのかい?」

 

声の方を見ると、陸路に置かれているデッキチェアに座っている老人がいた

 

「はい、そうです」

 

「もう少し待ってくれ、もうそろそろ降りてくるから」

 

と、話していると

 

ポーン♪

 

と、空中投影されている上マークが赤く灯った

 

すると、大きな木の扉が左に開く

 

そして、中から複数のゴンドラが出てくる

 

アリスはそれを水路の端っこに寄って避けた

 

そして、画面で中に誰も居ないのを確認したのだろう

 

「おっしゃ、中に入っていいぞ」

 

と、言われたので、アリスはゆっくりと真ん中までゴンドラを進めた

 

「そんじゃあ、閉めるぞ~」

 

と、お爺さんが宣言すると

 

ガシャーン

 

と、扉が閉まった

 

そして

 

ザーー!

 

と、上から水が流れ落ちてくる

 

「なるほど、こうやって上に登るんですね?」

 

「はい、川を塞き止めて、この中だけ水位を自由に上下できる水のエレベーターなんです」

 

アリスは腰を下ろす

 

「上流に行きたい時は、ここに水を溜めてゴンドラと一緒に上流の水位まで押し上げてもらうんです。下流に行きたい時は逆に、この中の水を少しずつ抜いていけばいい、という仕組みなんです」

 

「上手くできてますね~」

 

「はい、先人たちの知恵です。そして、水路の道幅が狭いのは、このエレベーターの幅に合わせて造られているからなんです」

 

「なるほど、だからあんなにギリギリだったんですね?」

 

優子は、先ほど大きな船とすれ違った時のことを思い出した

 

「はい、その通りです。結構時間が掛かりますが、私は大好きです」

 

登るのは30分程かかりますが、とアリスが微笑みながら言う

 

「僕も、のんびりするのが好きですね」

 

と、明久は笑顔で言う

 

「よー、お嬢さん」

 

どうやら、上に着いたようで、横の家の近くには先ほど下に居た老人が居た

 

「あれ、さっき下に居ませんでした?」

 

「おーう、居たよ? そこの階段登ってきただけだからよ」

 

と、老人は横を指差した

 

「なるほど」

 

「それじゃあ、出発します」

 

と、アリスは立ち上がり、オールを掴む

 

「もうしばらく進みますよ」

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

あれから時は進み、夕方

 

あれから、4個ほどの水上エレベーターを登った

 

「お客様、ようやく目的地です」

 

と、アリスが指差した場所は、大きな風車が幾つも建っている小高い丘だった

 

「それじゃあ、降りましょう」

 

アリスは言うと同時に、ゴンドラを接岸させて、紐を柱《パリーナ》に結ぶ

 

そして、全員ゴンドラから降りた

 

「こちらです!」

 

と、アリスは全員を先導する

 

そして

 

「では、あちらをご覧ください!」

 

と、アリスが指差した方向を見ると

 

「わあぁぁー!」

 

「綺麗ねー!」

 

「絶景だな」

 

「ネオ・ヴェネツィアが一望できますね」

 

そこには、夕暮れ色に染まる海に、空に浮かぶ浮き島、そして、今も発着している往還シャトル

 

「ここは、私達ウンディーネ仲間の間で、希望の丘と呼ばれています」

 

「希望の丘?」

 

「はい、ここからネオ・ヴェネツィアを一望できるんです」

 

と、アリスの視線の先には、茜色に染まったネオ・ヴェネツィアが

 

「綺麗ですね」

 

「ここから私達の(ネオ・ヴェネツィア)を眺めて、明日も頑張ろう! って、気になるんです」

 

と、アリスは微笑みながら言う

 

「そうですね、納得します」

 

「そうね」

 

「なあ、写真撮らないか?」

 

と、修史はカバンからカメラを取り出す(三脚つき)

 

「いいですね」

 

そして、5人は集まり

 

「そんじゃあ、行きますよ! はい、チーズ!」

 

カシャ!

 

と、シャッター音が聞こえる

 

 

こうして、アルバムに新しい1ページが刻まれたのだった

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