翌日
清涼祭二日目の朝
明久達は何時も通りに登校したが、その明久達よりも早くに雄二とムッツリーニが登校していた
ただ、二人は目の下に隅を作っており凄い眠そうにしていた
「おはよう、二人とも。眠そうだね」
と明久が聞くと、二人は眠そうに
「ああ……今日は決勝戦があるからな……」
「……勉強してきた……」
と、瞼をこすりながら説明した
そんな二人の様子に、明久は数瞬悩むと
「二人は試合まで休んだら? さすがに、そんな状態で接客とか出来ないし」
と、雄二達に提案した
その提案に、雄二達は一瞬躊躇うが
「悪い……その提案に乗るわ」
「……さすがに、眠い」
と、提案に従った
二人は眠そうに欠伸をしながら、フラフラと教室から出ていった
明久達がそんな二人を見送っていると、背後から
「……ここはムツ×雄だと思うのよ」
「いえ、雄×ムツですよ……」
という、島田と姫路の言葉が聞こえた
それを聞いた明久は、目を瞑りため息を吐くと、近くに居た有里と小燕を呼んで
「あの二人から全部引き出して、燃やすよ」
と告げた
有里と小燕が頷いたのを確認すると、明久は腕まくりしながら島田達のほうに向かった
その後、明久達は島田達から雄×ムツ本を全部奪うと燃やした
そして、発行していたマンガ研究会を襲撃(誤字に非ず)
二度と、BL関係は書かないと誓わせた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから時間が経ち、明久と優子は休憩に入った
余談だが、明久と優子が教室を出ようとした時に島田と姫路が明久を攻撃しようとしたが、修史と設子が二人を拘束
接客に従事させていた
閑話休題
明久は執事服で、優子は制服姿で学園祭を回っていた
明久の表情は柔らかく、包み込むような視線を向けていた
それを見た優子は、ふと思った
(どうして、明久くんはこんな優しい目が出来るんだろう……)
明久の目つきはまるで、両親のようだ
と優子は思った
すると優子の視線に気づいたのか、明久が顔を優子に向けて
「どうしたの、優子さん?」
と微笑みながら、問い掛けた
すると優子は、顔を赤くしながら
「な、なんでもないわよ」
と、早足で明久を追い抜いた
そんな優子を見て、明久は肩をすくめて
「待ってよ、優子さん!」
と、優子を追いかけた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
更に時間は経ち、試合時間になった
明久は屋上で寝ていた雄二とムッツリーニを起こすと、優子と一緒に試合会場に向かった
雄二とムッツリーニの相手は翔子と設子で、明久と優子の相手は先日、営業妨害をした常夏コンビだった
だが、二人は……
「えっと、一応聞いておきますね……なにがあったんですか?」
件の常夏コンビは、見るも無残にボロボロだった
「聞くんじゃねぇ!」
「あのオヤジ、マジ強ぇ……」
まぁ、今回は相手が悪かった
なにせ、神崎恭一郎は戦場帰りの元傭兵なのである
それこそ本気を出したら、素手で人を殺せるほどにである
だから逆に言えば、生還できたのを幸運に思えとも言えた
そう思った明久は頭を振ると、口を開いた
「では、質問を変えますね。あなた達は教頭に与してますよね? どうしてですか?」
明久の質問に常夏コンビは一瞬驚いたが、すぐに笑みを浮かべて
「はっ! 知ってやがったか!」
「推薦だよ! 協力したら、大学への推薦状を書いてくれるってな!」
明久の質問に常夏コンビは、嘲るように答えた
すると、明久は呆れたように首を振って
「なんで気づかないかなぁ? 教頭がやろうとしてるのは、学校の取り潰しに等しいんだよ? そんな学校からの推薦状を受け取ると思ってる?」
と、溜め息混じりに告げた
明久のその言葉に、常夏コンビは固まった
「そもそも、生徒を見下してる教頭が、本当に推薦状を書くと思ってる?」
明久が続けていうと、二人は絶句した
そのタイミングで
「それでは、試合開始!」
と、先生がゴングを鳴らした
ちなみに、この試合の教科は英語である
英語
2年Aクラス 吉井明久 308点
2年Aクラス 木下優子 312点
VS
3年Aクラス 常村勇作 256点
3年Aクラス 夏川俊平 287点
点数では、明久と優子達が勝っていた
そして、この時に常夏コンビは大きな失敗をしていた
試合開始と告げられたのに、先ほどの明久の言葉に動揺していたのだ
その結果、常夏コンビは動きを止めていた
そして、その隙を明久と優子が見逃すわけがなかった
明久と優子は試合開始と同時に、一気に接近
優子は巨大なランスで夏川俊平の召喚獣の胸部を貫き、明久は拳銃に装着されてるナイフで首を斬ると、頭を撃ち抜いた
明久と優子の攻撃に、常夏コンビが気づいた時には
3年Aクラス 常村勇作 0点
3年Aクラス 夏川俊平 0点
二人の召喚獣は死んでいた
それを確認した先生が明久と優子の勝利を宣言してるなか、明久は背を向けて
「とてもつまらない試合でしたよ」
と試合会場を後にした
この時、明久と優子は気づかなかったが常夏コンビは歯を食いしばり、拳を強く握っていた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
なお、翔子と設子と戦った雄二とムッツリーニは、雄二が翔子を説得して翔子が試合を辞退
ムッツリーニと設子の一騎打ちとなった
なお、この試合の教科は保健体育
ムッツリーニのお得意科目だった
だが、設子も得意科目だったために点数は伯仲
設子とムッツリーニの十分近い激戦の結果、ムッツリーニが勝利を収めた
それにより、決勝戦は明久優子コンビVS雄二ムッツリーニコンビとなった