僕とSPと召喚獣   作:京勇樹

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バカ者どもの終焉です


捕り物劇

召喚獣大会は雄二達の優勝に終わり、表彰式は滞りなく終わった

 

そして、雄二達に渡されたのは腕輪と如月グランドパークのプレミアムオープンチケット

 

そして、渡された腕輪のデモンストレーションが始まった

 

雄二に渡されたのは、白金の腕輪と言い、教科はランダムだが教師のと同質の召喚フィールドを形成出来るものだった

 

そちらは元々、なんの問題もなかったために普通に終了

 

問題は康太に渡された腕輪、黒金の腕輪だった

 

康太に渡された黒金の腕輪は、本来召喚された召喚獣とは別に新たに副獣を召喚するという機能だった

 

ただ、そういった機能の為か、Bクラス並の総合点数を取ると暴走する危険性があったのだ

 

ただし、康太が秀でているのは保健体育のみ

 

その保健体育に他の教科を合わせても、Fクラスには変わらない

 

ゆえに、康太のほうもなんの問題もなく終わったのだった

 

そして、準優勝の明久と優子には、如月グランドパークのプレオープンチケットが贈呈された

 

そして、表彰式が終わった四人はクラスに戻りクラスの出展に精を出した

 

そして、午後三時半

 

『只今をもちまして、文月学園清涼祭を終了します。繰り返します……』

 

という放送が、学園中に聞こえた

 

その瞬間

 

「お疲れ様ー!」

 

「「「「「お疲れー!!」」」」」

 

有里の声に続いて、クラス中の全員が歓声を上げた

 

AF合同出展はあれ以降、一切の妨害もなく売り上げを伸ばした

 

なんと、終了時間の約一時間前には全品品切れとなるほどだった

 

ゆえに、最後は全員思い思いの方法で過ごしていた

 

そして今は、島田と翔子が二日間分の売り上げを集計していた

 

「島田、翔子。結果はどうだ?」

 

雄二が聞くと、計算が終わったらしく二人は視線を雄二に向けて

 

「凄いわよ! 二日間だけにしては、予想以上の売り上げよ!」

 

「……問題なく、設備を買い換えることが出来る」

 

島田は興奮気味に、翔子は何時も通りの様子で答えた

 

それを聞いた雄二は、二人が計算した紙を取って眺めた

 

「ふむ……これなら、普通の机と椅子は人数分揃えられるな」

 

その雄二の言葉を聞いたFクラス生徒達は、歓声を上げた

 

それも仕方ないだろう

 

彼等は今まで、ボロボロの卓袱台にペッタンこの座布団

 

穴が空いた壁に、ひび割れた窓ガラスだったのだ

 

むしろ、よく今まで我慢出来たものである

 

しかし、今回の売り上げで設備は普通の学校レベルになり、更には学園長との話し合いで施設も直されることが決まった

 

ひとしきり考えていた雄二は立ち上がると、視線を康太や明久に向けて

 

「そんじゃあ、ババアのとこに行くか」

 

と言うと、明久と康太も頷いて

 

「わかった」

 

「……一緒に行こう」

 

と、雄二と一緒に学園長室に向かった

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

学園長室

 

「失礼するぞ」

 

ノックと同時に雄二はドアを開けて、中に入った

 

「失礼なガキだね。普通はノックをして、返事を聞いてから入るもんだよ」

 

そんな雄二に学園長は苦言を呈するが、雄二は無視

 

「すいません、学園長」

 

明久は謝るが、康太は何も言わずに学園長室に入った

 

そして、三人は学園長の座っている机の前に並ぶと

 

「ってわけで、腕輪を手に入れたぜ」

 

と、腕輪を出した

 

「そんなことは知ってるさね。誰が渡したと思ってるんだい」

 

表彰式の時に、雄二と康太に腕輪を渡したのは学園長である

 

「さて、俺達はキチンと手に入れたんだ。約束通りに教室の施設改修を」

 

と、雄二がそこまで言った時だった

 

「雄二、待って!」

 

突然、明久が大声を上げた

 

「あ?」

 

明久が制止したことに雄二が眉をひそめていると

 

「……盗聴の気配」

 

いつの間にか、ドアに近づいていた康太が呟くように言うと、雄二はドアを勢いよく開けて左右を見た

 

すると、廊下の角に見慣れた姿があった

 

「ちぃっ! 常夏コンビに聞かれた!」

 

「追うよ!」

 

雄二の言葉を聞いた明久達は、学園長室を飛び出した

 

まず、最初に向かったのは放送室

 

理由としては、学園長室での会話を放送室の機材を使って放送すると予想したからである

 

だが、そこには常夏コンビは居なくて

 

「ここに居るのは、隠れてタバコ吸ってるバカと裏取引されてるAVだけだ!」

 

「とりあえず、タバコとAVは没収しとこうか。学則違反だしね」

 

明久はタバコとAVを没収すると、それを持ったまま走り出した

 

「ど、泥棒!」

 

そこに居た生徒は叫ぶが、明久達は無視した

 

次に行ったのは、三年Aクラスの教室

 

雄二はドアを開けると、中を覗くが

 

「ここにも居ねぇ!」

 

常夏コンビが居ないことに苛立ち、舌打ちした

 

「これじゃあキリがねぇ……別れて探すぞ!」

 

「了解!」

 

「……承知」

 

雄二の提案に二人は頷くと、バラバラに走り出した

 

それから数分後、明久は校舎裏に居た

 

あれから明久は思いつく限りの場所を探したが、常夏コンビは見つからなかった

 

「くっそ……どこに居るんだ?」

 

肩で息をしながら明久が呟いていると、携帯が鳴った

 

「はい、明久です」

 

『あ、明久? あたしよ』

 

電話してきたのは、有里だった

 

「有里さん、なんですか? 今こっちはそれどころじゃ……」

 

『明久さ、あの三年コンビを探してるんでしょ?』

 

有里からの電話を切ろうとした明久は、その言葉で止まった

 

「知ってるんですか?」

 

『あいつら、新校舎の屋上に居るわよ』

 

明久が訊ねると、有里は落ち着いた様子で答えた

 

それを聞いた明久は、ポケットの中から折りたたみ式の双眼鏡を取り出すと屋上を見た

 

そこには、確かに常夏コンビが居て屋上の機材を操作していた

 

「しまった! 今から走っても間に合わない!」

 

その様子を見た明久が諦めの声を滲ませると、有里が

 

『大丈夫よ。双盾が動いたから』

 

それを聞いた明久は、ホッと息を吐いて

 

「それなら大丈夫ですね。有里さんは雄二達に電話してくれますか?」

 

と、有里に言った

 

『別にいいけど、明久はどうするの?』

 

訊ねられた明久は、視線をある一室に向けて

 

「ちょっと、黒幕を捕まえに行ってきます」

 

と言うと、電話を切ってから走り出した

 

場所は変わり、屋上

 

そこでは、常夏コンビが放送機器を操作していた

 

「俺達だけが終わってたまるか、全員巻き込んでやる……夏川、そっちはどうだ?」

 

常村は狂気を瞳に宿しながら呟くと、視線を夏川に向けた

 

「もうすぐ終わるぜ。後はこのエンターを押せば……」

 

と、夏川がエンターを押そうとした

 

その時だった

 

パソコンの画面に小さな二つの穴が空き、その数瞬後にパソコンが爆発した

 

「な、なんだ!?」

 

「い、一体、なにが……!?」

 

まさかの出来事に二人が驚いていると

 

「そこまでだ」

 

「大人しくしろ」

 

という男女の声が聞こえて、常夏コンビは振り返った

 

そこには、拳銃を構えている修史と設子の姿があった

 

「て、てめぇらは確か、吉井のクラスに居た!」

 

「先輩に逆らってんじゃねぇぞ、こら!」

 

修史と設子を見た常夏コンビが喚くと、修史は首を振り

 

「一つ訂正だ。俺達のほうが年上だ、ボケ」

 

と言った

 

それを聞いた常夏コンビは、目を見開き固まった

 

「さて、これからお前達を拘束する」

 

「罪状は、プライバシーの侵害並びに、犯罪幇助の疑いだ。大人しくしろ」

 

修史と設子が続けて言うと、常夏コンビは膝を突いてうなだれた

 

爆発は変わり、教頭室

 

そこでは、教頭の竹原が紅茶を飲んでいた

 

すると、ドアがノックされた

 

「開いているよ」

 

ノックがあったので、教頭は入るように促した

 

「失礼します」

 

入ってきたのは、明久だった

 

入ってきた明久を見て、教頭は片眉を上げて

 

「君を呼んだ覚えはないんだがね……」

 

「僕はあなたに用があるんですよ、教頭」

 

教頭の言葉にそう返答すると、明久は机から少し離れた位置に立った

 

「用とはなにかな? 生憎と私は忙しくってね。あまり余裕はないんだが……」

 

そう言って教頭は言葉を続けようとしたが、それを明久は遮るように

 

「あなたを拘束させてもらいます。竹原教頭」

 

と、告げた

 

それを聞いた竹原は、紅茶の入ったカップを置き、視線を明久に向けた

 

「どういうことかな?」

 

教頭が問いかけると、明久は懐から紙束を取り出し

 

「あなたには業務上横領罪。犯罪教唆、犯罪幇助。これらの疑いがあります。大人しくして……」

 

明久がそこまで言った瞬間、竹原は勢いよく立ち上がりながら引き出しを開けて、中から一丁の拳銃を取り出した

 

そう、先日に竹原が廃工場で受け取った箱には、この拳銃が入っていたのだ

 

竹原は引き出しから拳銃を取り出すと、素早く安全装置を外して銃口を明久の居た方向に向けた

 

だが、竹原は引き金を引けなかった

 

なぜならば目の前に明久が机に乗るように居て、右手で拳銃のスライドを握っていたのだ

 

そして、次の瞬間

 

拳銃は分解された

 

まさか、拳銃を分解されるとは思ってなかった竹原は驚愕した

 

竹原は知らなかったのだ

 

拳銃は整備性を重視されて、簡単に分解出来るようになっていることを

 

そして明久は、アイギスでの訓練で拳銃の分解方法を学んでいたのだ

 

その結果、竹原の持っていた拳銃は分解されたのだ

 

そして、竹原が驚愕で固まっていると、明久は竹原の襟と腕を掴み、背負い投げで竹原を床に叩き付けた

 

その衝撃で竹原は息を強制的に吐き出して、咳き込んだ

 

それを見た明久は、袖の中から特殊警棒を取り出すと突き付けて

 

「銃刀法違反も追加ですね。大人しくしてください」

 

と宣告した

 

すると、竹原は諦めたらしく拳で床を叩いた

 

数十分後、明久達は竹原と常夏コンビをアイギスの護送部隊に引き渡した

 

それから時間は経ち、空が夕焼けに染まる頃

 

明久達、AFクラスの生徒達は近くの自然公園に来ていた

 

理由は清涼祭の打ち上げである

 

最初は普通に飲み食いしていたのだが、明久が新しい飲み物を酌んで一口含んで気付いた

 

「って、これお酒じゃん!」

 

どうやら、大量に買ってきた飲み物の中にお酒が混じっていたらしい

 

気づけば、周囲にはお酒に酔った生徒の姿がチラホラと見て取れた

 

明久がそれに頭を痛めていると、顔を赤くした優子が背中に飛び付いた

 

「明久くーん、飲んでるー?」

 

どうやら優子も酔っているらしく、呼吸から酒の匂いがした

 

「優子さん、お酒は二十歳になってから飲もうね」

 

因みに、明久は一応お酒は飲める

 

父親の神崎がいい加減な性格なのと、職場付き合いの関係で飲めるのだ

 

とはいえ、未成年なのは変わらないのであまり飲まないようにしている

 

明久の言葉を聞いた優子は、ムッとした表情をして

 

「なんだとー、私のお酒が飲めないって言いたいの!?」

 

と言うと、持っていた紙コップを一気に煽った

 

「ゆ、優子さん。落ち着いて……」

 

明久は、絡み酒はやりにくいなー、と思いながらどう落ち着けようかな、と思った次の瞬間

 

優子が明久の両側頭部を掴み

 

「んっ」

 

「んっ!?」

 

唇を重ねた

 

そのことに明久が固まっていると、明久の口の中にお酒が流し込まれてきた

 

要するに、口移しである

 

どうしていいかわからず、明久はそのまま固まっていた

 

数秒後、口の中のお酒が尽きたらしく口移しは終わり、唇も離れた

 

「えへへー……飲ませちゃった」

 

優子はお酒を飲ませたことが嬉しかったらしく、ホニャとした表情をした

 

明久が予想外の事態に固まっていると、数秒後に優子が座っていた明久の膝の上に倒れ込んだ

 

「ゆ、優子さん!?」

 

心配した明久が助け起こすと、明久の耳に規則正しい呼吸音が聞こえた

 

「良かった……酔いつぶれただけか……」

 

明久が安堵した

 

その時だった

 

「異端尋問会! 開廷(キックオフ)!」

 

「ブッ殺す!」

 

「ヤーーハーー!」

 

背後に黒いローブづくめの集団、通称FFF団と

 

「吉井ー……ポッキリと聞かせてもらうわよ~!」

 

「吉井くーん……O☆HA☆NA☆SHI☆しましょうねぇ~」

 

黒いオーラを揺らめかせながら、島田と姫路の二人が釘バットを持って立っていた

 

明久はそれを視界の端で見ると、優子をお姫様抱っこして

 

「緊急離脱!」

 

初速から全速力で走り出した

 

「吉井くん! 逃がしませんよ!」

 

「吉井ー! 待ちなさい!」

 

「AからC班は直接追え! DからF班は先回りしろ!」

 

「サーチアンドデース!」

 

明久が駆け出すと、島田と姫路。およびFFF団は明久を追い掛けた

 

「せめてデストロイって言って!」

 

明久は自分と優子の命を守るために、全速力で走り続けた

 

そして、明久が走り続けている間に修史と設子の二人がFFF団を殲滅

 

島田と姫路の二人は麻酔弾で無力化したらしい

 

こうして、陰謀塗れだった清涼祭は終わった

 

補足だが、翌日優子は二日酔いに悩まされて明久が看病していた

 




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