僕とSPと召喚獣   作:京勇樹

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ちょっとダイジェスト形式ですが、お送りします


如月グランドパーク その2

あれから雄二と翔子は不本意ながら、係員の誘導に乗り、お化け屋敷へと向かった

 

そのお化け屋敷は《惨劇の館》という名前で、パンフレットを見る限りかなり怖いらしかった

 

そして、二人揃ってお化け屋敷に入った

 

「ほう……こいつは、なかなかじゃねぇか」

 

雄二は中の雰囲気から、そう言葉を零した

 

どうやら廃病院がテーマらしく、至る所に薬品の瓶やら包帯らしきものが転がっていたり、壁には血痕のような痕まであり何とも言えない雰囲気を醸し出している

 

その時、雄二の耳に何かが聞こえてきた

 

「ん? なんだ?」

 

雄二は足を止めると、耳を澄ませた

 

すると、徐々に声が聞こえてきた

 

雄二は最初、お化け役の声かと思っていたが、聞こえてきたのは

 

『俺は翔子より、姫路のほうが好みだな』

 

という、雄二本人が言った覚えのない言葉だった

 

「はあ!?」

 

雄二は驚くとハッとして、翔子に視線を向けた

 

が翔子は落ち着いた様子で、雄二の手を握っていた

 

「……何もしないのか?」

 

不思議に思った雄二が恐る恐る聞くと、翔子は頷いて

 

「……設子が、好きな人なら、信じることが大事って教えてくれた」

 

と言った

 

それを聞いた雄二は、そうか、と返答しながら内心では

 

(真田、感謝する……)

 

と、設子に感謝していた

 

その頃、明久と優子の二人はジェットコースターに乗っていた

 

明久は両手を離して歓声を上げていたが、優子は悲鳴を上げていた

 

二人はジェットコースターから降りると、次のアトラクションへと向かうために歩いた

 

その時、優子が

 

「明久くん……明久くんは彼女を作らないの?」

 

と、明久に問い掛けた

 

問い掛けられた明久は、苦笑いを浮かべながら

 

「こんな仕事をやってるからねぇ……いつ死ぬか分からないのから、彼女を作れないなぁ」

 

と答えた

 

それを聞いた優子は、そう……と返すと明久の背中を見つめて

 

(明久くん……あたしは……)

 

と、何かを決心していた

 

そして、明久達は次のアトラクションへと向かった

 

その頃、お化け屋敷から出た雄二達は適当なアトラクション一つを経て、ある建物に入っていた

 

その建物に入ると、雄二と翔子は別々の部屋へと通された

 

なお、この建物に来た理由は、あの写真撮影の後に係員からある時間になったら、この建物に向かってほしい。と促されたからである

 

最初、雄二としては無視しようかと思ったが、翔子が楽しそうに(雄二が気付く程度だが)していたので来たのである

 

そして、雄二は渡されたタキシードに着替えながらこの後に行われるだろう、ウェディングシフトを思うと溜め息が出た

 

(結婚式の模擬体験ねぇ……なんで、そんなことを考えたのやら……)

 

タキシードに着替え終わると、雄二はそう思いながら廊下で待っていた

 

すると、翔子が入った部屋のドアが開き女性の係員、有里に先導される形で翔子が出てきた

 

ドレス姿の翔子を見て、雄二は一瞬だが固まった

 

「……雄二?」

 

翔子が呼ぶと、雄二は我に戻って

 

「なんでもねえ、行くぞ……」

 

「……うん」

 

雄二が歩き出すと、翔子は雄二に寄り添うように歩いた

 

その後、二人は教会内部を模したホールに通されて、結婚式の模擬体験を始めた

 

当初、この模擬体験はつつがなく進行していたが、途中で客席に座っていた一人の男が喚きだした

 

その内容としては、翔子が言った言葉を酷くこき下ろしたモノであり、翔子の言った全てを否定していた

 

すると、その男の彼女と思われる女も翔子を馬鹿にしだした

 

それを見かねた係員達が二人を外に追い出そうとした時、涙を浮かべながら翔子がホールから走り去ってしまった

 

それを見た係員達は慌てて翔子を追いかけるが、翔子の足が速く見失ってしまった

 

すると、一人の係員が雄二に駆け寄り

 

「新郎役さんも一緒に探してください!」

 

と頼んできたが、雄二は手を振りながら

 

「悪い。トイレに行くから、そっちで先に探してくれや」

 

と言ってから、ホールを出た

 

それから雄二が向かったのは、トイレではなく、馬鹿笑いしている先ほどのカップルの方だった

 

雄二は二人を見つけると、ネクタイを緩めて、襟のボタンを外した

 

(さってと……準備運動してねぇのに、体は不思議と暖まってる……)

 

雄二がそう思いながら歩いていると、カップルの女のほうが雄二に気付いて、男に教えた

 

教えられた男は雄二を確認すると、軽く舌打ちして

 

「あぁ? さっきの新郎役じゃねぇか……何かようか!?」

 

と、睨みながら怒鳴った

 

雄二はそんな男を意に介さず、近づいて

 

「いやいや、なになぁ……ちょっとばかり、ツラぁ貸せや!」

 

かつて、悪鬼羅刹と呼ばれていた頃の顔で睨みながら、ドスの効いた声を上げた

 

その頃、明久と優子の二人はそんなことが起きてるとは知らずに観覧車に乗っていた

 

二人の視線の先では、茜色の太陽が地平線に沈み始めていた

 

二人が乗っているゴンドラは、ゆっくりとした速度で登っている

 

二人はしばらくの間、ぼーっと外を見ていた

 

すると、優子が両手を握り締めて

 

(言うなら、今しか……)

 

と思うと、大きく深呼吸して視線を明久に向けて

 

「明久くん……大事な話があるの……」

 

と言った

 

声を掛けられた明久は、視線を優子に向けて

 

「なにかな?」

 

と首を傾げた

 

優子は明久の顔をジッと見つめると、ゆっくりと口を開き

 

「あたし、木下優子は……吉井明久くんが……好きです」

 

「…………へ?」

 

まさか告白されるとは思ってなかったらしく、優子の告白を聞いて、明久はポカーンと口を開けた

 

その後、明久が告白の返事をしないまま観覧車は終わり二人はゴンドラから降りた

 

それから二人は、少し気まずいまま売店で土産として二人の名前を入れた金属製のネームプレートを購入して、如月グランドパークを後にした

 

その頃、雄二は一仕事終えると、私服に着替えてから有里から送られてきたメールに従って翔子を発見した

 

とりあえず、翔子を着替えさせると二人も帰ることにした

 

雄二は翔子が着替え終わるまで待って、二人揃って出口へと歩き出した

 

すると、俯いていた翔子が雄二の裾を掴んで引っ張ると

 

「……雄二、私の望みは……間違ってるのかな……」

 

と涙ながらに問い掛けた

 

問い掛けられた雄二は数瞬悩むと、頭を乱暴に掻いてから振り向いて

 

「いいか? 人の望みや考えなんて、人それぞれだ。あのカップルから見たら、お前の願いは異常かもしれない。だけどな……」

 

雄二はそこまで言うと、翔子の肩を掴んで

 

「俺はお前の望みを尊重するし、否定しない」

 

と告げた

 

すると翔子は、目を見張ってから嬉しそうに

 

「……雄二。私、間違ってなかった!」

 

と言って、雄二の腕に飛びついた

 

こうして、二組の遊園地デートは終了したのであった

 

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