夕食後、明久達は再び西村の部屋に集まった
理由はもちろん、この後に起こるだろう男子達の覗きである
「ところで、吉井。あれから、なにか新しいことはわかったか?」
西村が問い掛けると、明久は頷いて
「アイギスのサポート要員が電波探知機を使って調べたところ、やはり犯人は清水美春さんでした」
と言いながら、一台のノートパソコンを取り出した
「これを見てください」
明久はそう言いながら、画面を見せた
なお、今現在、雄二はここには居ない
雄二は防衛側に参加する男子達と有志の女子、ならびに贖罪の意を表明した小山や中林達に作戦を説明中である
ちなみに、サポート要員と言うのは、りおの事である
りおは合宿所の清掃員に扮して、合宿所全体を電波探知機を用いて捜索したのだ
その結果、清水美春の荷物の中にノートパソコンを発見
そのノートパソコンから、データを吸い出したのだ
そして、西村達はノートパソコンの画面を見て固まった
「これは……写真だな」
「こっちは、映像みたいね」
それは、彼女が仕掛けたカメラが撮影した盗撮画像だった
どうやら、脱衣場だけでなく合宿所全体に仕掛けてあるらしく、色々な格好の生徒や教師の姿が写っている
「それが、写真や映像だけじゃないんです」
「なに?」
明久の言葉に、修史は眉根を上げた
「こんなのが」
明久が再び操作すると、ノートパソコンから声が流れた
「これは……」
「音声記録?」
流れてきた声を聞いて、有里と小燕は眉をひそめた
「これは、盗聴器によるものです。調べたら、合宿所だけでなく学園にも仕掛けてあるみたいです」
明久がそう言うと、西村は腕組みして
「土屋だけではなかったのか……」
と、唸りだした
「それと、売買記録と……脅迫記録もありました」
「脅迫記録だと!?」
予想外の言葉に、西村は驚愕した
「ええ……性格なのか、忘れやすいのかは分かりませんが、清水美春さんは脅迫した人物や事柄などを細かく記録してました」
明久はそう言いながら、三度ノートパソコンを操作して画面を見せた
そこには、数十人近くの生徒の名前や脅迫内容
中には、教師の名前すらあった
「おのれ……あいつは……」
西村は地を這うような声を漏らした
「清水美春さんに関しまては、僕がなんとかします。西村先生や他の皆は男子達に当たってください。僕も清水美春さんをなんとかしたら、すぐに向かいます」
明久がそう言うと、西村達は頷いた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
場所は変わり、合宿所四階の大広間
そこには、一部を除くFクラス男子達を筆頭にAクラス以外の全男子達が集まっていた
そして、正面の壇上に須川が立った
須川は壇上に立つと、教卓に手を突き周囲を見回してから
「同志諸君……俺はエロスが好きだ。俺はエロスが好きだ。俺はエロスが好きだ。俺はエロスが大好きだ!」
なぜか唐突に、演説を始めた
「俺は女子が好きだ。俺はうなじが好きだ。俺はお尻が好きだ。俺は太ももが好きだ。俺は胸が好きだ。俺は女体の全てが大好きだ!」
もはや、変態にしか見えない
「さて、同志諸君はこの場所で何を望む? エロスを望むか? 更なるエロスを望むのか?」
須川がそう問い掛けると、男子達は息を揃えて
「「「「「エロス! エロス! エロス! エロス!」」」」」
と声高に叫んだ
「よろしい! ならば、
「「「「「
須川の宣言を聞いて、男子達は狂ったように喝采を上げた
「さあ、共に行こう! あの約束された理想郷へ!
「「「「「
もはや、どこぞの新興宗教である
「我々を邪魔する者は、我々の正義の拳によって悉く粉砕せよ!」
「「「「「オオオオォォォォ!!」」」」」
彼らの行いのどこに、正義があるのだろうか
その時、大広間に飾ってあった時計が八時半を示した
それは、女子の入浴開始時間である
それを確認した須川は、大仰な仕草で両手をバッと広げて
「同志諸君! 時は来た……さあ、出陣だ!」
「「「「「オオオオォォォォ!!」」」」」
須川の宣言を聞いた男子達は、右手を高く突き上げながら雄叫びを上げた
その後、
こうして、欲望に走った