『僕たちはチョコレートがもらえない。』   作:颷狐<ヒョウコ>

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ふぁーはっはっは!
また投稿遅くなると思ってただろ!残念!一番分量が多いうえに一週間で出してやりましたよ!(空元気)
今回結構面白いんじゃない?とか思ってますw

前回短くし過ぎたせいで今回ほんと長くなってます....。すみません....。

では!皆さん楽しんで行ってください!


今日から僕は自分の時間がもらえない。Ⅴ

 憂美が階段を上る音が止み、僕の部屋のドアを開ける音、そして鍵を閉める音が聞こえた。その瞬間、

 

「おい、夜這いに行くぞ」

 

 隣でそんなささやき声が聞こえた。そんな気がしたがきっと空耳だ。うん。

 

「おい、夜這い行くぞ」

 

 一分程しただろうか、また同じ言葉が聞こえた気がする。

 その声のした逆側には、気持ちよさそうに寝息を立てている笑哉がいる。

 

「寝れないなー。耳鳴りがひどいなー。でも起こさない方がいいよなー。じっとしてよー」

 

 独り言のように小声で呟いた。ちょー、棒読みで。

 

「いいからさっさと夜這いに行くぞ!?」

 

 そしてまた一分ほどたったであろうその時、また聞こえた。

 今度のそれは、確かな、鮮明な声となって僕の耳に届いた。

 それと同時、(正確には数秒後だが)リビングのドアが開く音がした。

 あれ?そういやこいつ、今どこ行ってたの?てっきり憂美の(正確には僕のだが!)部屋に行ったとばかり。

 

「......」

 

 それに気づいた僕は起きていることを悟られないよう、只々息をひそめ静かにしている事しか出来なかった。

 寝返りをうつふりをして隣を見ると、そこには青ざめた顔をした春人と、それを見つめる安定の笑顔をした憂美の姿が見てとれた。

 先に言葉を発したのは当然憂美で、

 

「何の話をしていたのかな?楽しいお話?お姉さんにも聞かせて欲しいなぁ~」

 

 数秒の時が流れる。

 お姉さんって誰だよ。お前、僕らよりまだ1つ下やろ....。

 

「おい、何の話してたんだって聞いてんだよ」

 

 ひい!?何こいつ怖!

 その声音からして、少し怒っているようだった。と言うか、もうこれ、威嚇だよ。

 

「ひい!?」

 

 そんな情けない声が聞こえたが、そんなのお構いなしに憂美は言葉を続けた。春人の奴はきっとすごい顔してるんだろうなー。見れないのが残念だよ。

 

「もう一度だけ聞くね?これが最後だから」

 

 あー、アニメとかでよくある常套句だー。こんな言葉リアルで使う人初めて見たなー。

 そう思いながら寝たふりを続ける。

 

「今なんて言ってたの?いや、さっきから何の話していたのかな?」

 

 あー、何だ。最初から聞いてたんだー。てあれ?こいつさっきから話してるって言葉を....もしかして、僕も共犯にされてる?

 

「まあ、梓君はほぼずっと寝たふりかましてたし、それだけでも偉いからお咎めは無しでいいや。でも....春人君?君には少し、お仕置きが必要かな」

 

 語尾にハートが付きそうな言い方だ。しかしそれが余計に恐怖をそそる。

 てか、やっぱ僕も入ってたんだね。ま、僕が理不尽な仕打ちを受けなくて済むなら何でもいいや。

 

「おし....おき....!!」

 

 こいつもこいつでアホだ。前から分かってた事だが、やっぱりアホすぐる。

 

「そう、お・し・お・き❤」

 

 そう言い残し、憂美は春人を連れて二階へ戻って行った。

 

「これで寝られる....」

 

 春人のことなど一切、1ミクロも、金輪際、考える事無く寝ることにした。

 

「御愁傷様」

 

 !?

 お前起きてたの?だがいつものように笑ってはいない。耐えているのか?それともタイムリーな寝言か?

 まあ、そこまで気にする事じゃ無いから今は寝よう。

 そうして午前2時過ぎ、僕の最悪な一日は幕を閉じたのであった。

 

***

 

「はっ!」

 

 僕は夢が夢であることに気が付いた。つまりまあ、目が覚めたってことだ。

 なんとなく、いや、ものすごく重い気がする。昨日あれだけ騒いだ(騒がされた)からまだ疲れが抜けきってないのだろうか。だが、そんな重さじゃない。これはまるで重力が倍になったかのようだった。

 眠い目をこすり、やっとの思いで目を開ける。そして僕は驚くべき光景を目の当たりにした。

 

「うわぁ!?な、な、なんでお前が!?」

 

 あまりの衝撃に素っ頓狂な声が出てしまった。

 

(はっずかし….)

 

 僕は変な声を出してしまった恥ずかしさに身をもだえているがそんなこともつゆ知らず、僕の口元を抑え

 

「しっ、喋らないで。二人が起きちゃうでしょ」

 

 などと小さな声で言ってくる。因みに、僕の口元を抑えていない方の手は、人差し指が自分の唇当てられていて、整った綺麗な顔にどこかあどけなさを感じさせる。ってか何で僕が怒られてんだ….?

 そう、横たわっている僕の上にはなんと、憂美が跨(またが)るようにして座っていたのであった。それだけではない、彼女が身に着けているものは薄くて大きい、白い布一枚だけだった。

 

「まて、まてまてまてまて!何でこんなことになってんだ!?」

 

 そう叫ぶやいなや僕は、今までに出したことのないような力を脚に込め、ベッドの上に立ち上がった。

 

「い、痛いわねえ!何よ!」

 

 僕が立ち上がったことにより転げ落ちた彼女がそう言ってくる。まあ、当たり前か。

 

「何してんのか聞きてえのはこっちだわドアホ!」

「….変態….疎チン….」

「….は?」

 

 一瞬、なぜ突然そんなことを言われたのかわからなかった。だがその後すぐに気付く。もう一つの見落としていた問題に。そう、それは….

 

「なぜ僕まで….裸….?」

 

 バッ。取り敢えず大事なところを両手で隠す。

 

「さっきからあなた何言ってるのよ、まさか….忘れたの….?私に、あんな事しておいて….」

「….えっ?」

 

 まて、俺はこいつに何かしたのか?そんなはずはない。何故なら、春人が連行された後、僕はすぐに寝たからだ。うん、寝たはずだ….よな?

 焦りと不安からか、一筋の気持ち悪い汗が首筋を伝う。

 

「本当に忘れたの?私が寝ている部屋に突然入ってきて、逃げようとした私を無理やり押さえつけて、そのまま….」

「う……..うそだぁぁぁぁぁぁぁ!嘘だどんどこどーーーーーん!」

 

***

 

「どんどこどーーーーーん!」

 

 叫びながらと起きた先は常世....ではなく、普通のウツシヨ、現実の世界だった。そう、つまりさっきのは夢だったのだ。

 

「はぁ、はぁ..夢....だったのか....?」

 

 最悪の目覚めだ。本当に最悪だ。

 

「はぁ」

 リビングに敷かれた布団の上でため息をつく。

 と、その時、

 

「あ、起きました?」

「ギャァァァァァァ!?」

 

 うわ、ビックリした....思わず本気で叫んでしまった。

 

「なに!?開口一番失礼過ぎません!?」

 

 変な夢に出てきた奴がすぐそこにいたらそりゃ、ビビるわ....。はい、自分の勝手なものですすみません。

 あと、開口一番ではないかなぁ~。

 

「す、すまん」

 

 でも、勝手にウチに住もうとしてる奴に、失礼とか言われたくないなぁ~。

 

「あれ?二人は?」

「ん?ああ、笑哉君は帰ったわよ」

 

 マジか。早えな。

 

「んじゃ、もう一人の方は?」

「アホはほっときなさい。じき起きるわ」

 

 案の定、どこぞでのたばっているようだ。いやー、流石バカって感じ?

 

「思ったんだけど、お前喋り方変わったか?」

「え?えっと、これが普通の喋り方なのよ。昔から劇とかよく見てたから、自然とこんな感じになっちゃったのよね」

「そ、そうなのか。何か....どんまい?」

「なぜそうなる!?」

 

 食事を作る手を止めツッコまれた。

 こいつ料理できるんだ?

 

「いや、だって、さ?お嬢様口調(?)のアホキャラって....ね?と思ったけど、それもそれでありか」

「そういうもの?って、誰がアホキャラだ、誰が!私はむしろ頭がいい方だって何回言ったらわかるんだ!?このバカ!」

 

 あれ?喋り方戻った?

 

「んーあと573回ぐらいかな?」

「んなっ!473!?」

 

 驚いた顔をしたと思ったら「私はアホじゃない私はアホじゃない」と呟きだした。100回減らすなよ。

 

「あ、大丈夫みたいだ。戻ったよ。さっきのは気にしないでくれ」

「アホじゃな....はい?気にするわ!って、あ。忘れてt....いや、忘れてたとかじゃないよ!ちょっと焦っただけよ!おほほほほ~」

 

 今この娘忘れてたってガッツリ言ったよ~。

 

「おい。キャラづくりだったのかよ」

 

 ちっ、ばれたか。みたいな顔しやがって....。こいつ、バカなのか?あ、バカだったわ。忘れてた。テヘッ。

 

「うわあああああああああ!?」

 

 突然、叫び声が聞こえた。どうやら春人が起きたようだ。はぁ、面倒なのがまた増えた。

 

「嫌そうな顔してるけど、あなたも同じような叫び声で起きたわよ?」

「嫌そうなんじゃなくてその通りなんd....今なんて?」

「同じような叫び声で起きたって言ったのですわ」

「マジか」

「おおマジですわ」

「僕あんな起き方したの!?はっず!チョー恥ずい!」

 

 最悪だなおい!あ、あとそのキャラもういいんで。

 

「そうよ?あんな間抜けで阿保みたいな声を出しながら起きたのよ?いやあ、あなたも春人君もさぞ滑稽な夢を見ていたのでしょうね」

 

 語彙力無さ過ぎだろこいつ....。いつまでそのキャラ続けんの?僕もあいつもお前のせいでこんな事になったんだぞ?多分。と、言いたい事は沢山有るが今は言わないでおこう。

 

「何で!何で俺裸なんだよぅ!?」

 

 はっ!?

 ダンダンと大きな足音を立てながら階段を下り、僕と憂美の居るリビングへと入って来た。先ほど言った通りの『全裸』で。

 

「あ......あんたねぇ......」

 

 憂美は顔を真っ赤にして下を向きながらうち震えている。歯、食いしばりなさい。小さな声で呟いた次の瞬間、

 

 バッチ~ン!

 

 強烈な音が鳴り響いた。」

 言わずもがな、憂美が春人の頬めがけ平手打ちしたのだった。

 平手打ちを食らった春人は、まるで陸に打ち上げられた魚のように身を悶えさせている。哀れだ。

 

「この、ど変態がぁぁぁぁあ!」

 

 春人の腹には赤く綺麗な椛の形が付いていた。

 

「頬をめがけて腹に当たるのは、ある意味才能だね」

 

 僕のその言葉に憂美は目をそらしはにかんだのであった。

 

***

 

「なんで俺、裸だったの?」

 

 立ちなおってから最初に言った言葉はこれだった。まあ、起きたら裸だったとか、そりゃ、そう言うわな。

 

「なんででしょうねー」

「なあ、それは僕も気になるんだけど。まさかだけどセイコーとかは....」

 

 まさかとは思うが、ウチでそんな事があったとしたら、僕責任とれないし....。

 

「何言ってんの?バカなの?死ぬの?私がこんな奴とんな事するわけないだろ」

 

 で、ですよねー。

 

「じゃあ何で?」

「知らないわよ。真面目に」

「「えっ」」

 

 どういうことだ。昨日の夜の出来事を二人とも知らないだと?だが、これに関しては憂美が嘘をついているようには見えない。

 

「あの後何があったんだ?僕はすぐ寝たからわかんないんだ」

 

 何かがあったのは僕が寝た後、つまり春人が連れていかれてからのはずだ。

 

「えっとねぇ、あれからは春人君の事部屋でボコってから外に出してすぐ寝たわ。で、起きて廊下に出たら全裸で俯せになってる春人君がいたから見て見ぬふりしておいてきたの」

「あっ」

 

 ここで春人が何かを思い出したように声を出した。

 

「そうだ、あの後朦朧とする意識の中もう一度夜這いに行こうとしたんだ」

 

 ほんっと懲りねえのな!ドMか!ドMなのか!

 

「で、脱いで部屋に飛び込もうとした時ドアが閉まって、それに激突した俺はそこで気を失ったんだ」

「「........」」

 

 そして流れる沈黙。それはやけに重かった。

 

 

「「悪りぃの全部てめえじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」」

 

 

 こう叫びながら春人を思いっきし殴ってやった。

 この時の僕と憂美のシンクロ率は、地震が起きた時のツウィッタラーに似たものがあった。

 因みに、ツウィッタラーとは、ツウィッターと言うSNSに廃人ほどではないにしろ入り浸っている人の事である。地震が起きた時は約二秒でTL(タイムライン)が地震に関するもので埋まるという。

 

「げふっ」

 

 そんな悲しい声とともに春人は崩れ落ちた。

 

 その後春人は全身が痛いからと言い家に帰っていった。

 こうして僕達の貴重な休日の半分と、最悪なお泊り会は終わりを告げたのであった。

 勿論、憂美は一向にうちから出ていく気配のないままだった。

 




どうですか?え?長いわりに内容薄いしつまらなかった?そんな事言わんといて!(泣)

と、いう事で無事と言うか何と言うか、お泊り会は第五回にして終わりました!ほんとは2~3回で終わらすつもりだったんだけどね....(ボソッ)
ここまで読んでくれた方、ありがとう!この物語自体はまだまだ続くので、応援してください!

あーでも、もしかしたら新人大賞的なアレに応募する作品書くのに時間かけるから、また次話投稿遅くなるかもです....。すみません!orz
できるだけ時間開けないように頑張ります!(ケータイで投稿すればもっと 早いんだろうな......はぁ)
では、また会いましょう!
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