『僕たちはチョコレートがもらえない。』 作:颷狐<ヒョウコ>
言い訳はありません。予定が詰まってたとか言いません(大嘘)
積もる話はありますが、今回は前書きをここら辺で終えて、是非本文を楽しんでください!今までと比べるとだいぶ長いかもしれませんが、よろしくお願いします!では!
「オェェェェェエ(反響)」
2月16日(土曜日)朝9時半頃、僕はトイレで盛大に吐瀉っていた。
ベチャベチャという、胃の中の物が水に落ちる音と僕の嗚咽が重なって、なんとも形容しがたい音楽を奏でている。って、こんな音、楽しめる奴いたら見てみたいわ。
「オェェェェェェエ」
....だめだ、吐き気が収まらない。
「いつまで吐いてんのよ!」
「こっちが聞きt....オェェェェェエ」
叫ぼうとして込み上げてくる吐き気。もう嫌だ....胃液しか出てこなくなってきたよ....。喉痛い......。
「オェェェェェェェェェェェェェェェエ......」
と、まぁ、10分近くこの調子で吐いているのだった。
***
時は遡ること30分程。あれは、そう、春人が帰って5分ほどした時だっただろう。
事件は、起こった。
「なぁ、なんか、焦げ臭くね?」
「え?あっ!朝ごはん作ってたんだった!」
「はぁ!?火ぃ扱ってんのに目ぇ離すとかアホか!早く止めろ!てかお前、料理できたんだ!?」
ガチャッ。という音を立て換気扇が回りだす。
「失礼かな!?レシピ通りやれば誰だってできるでしょ!」
ヒャァァア!若干焦げたぁ!などという叫び声が聞こえた気がする。普通、そのレシピ通りというのがなかなかに難しいはずなのだが。
「焦がしてる奴がそういうこと言っていいのかな」
「こ、これは不可抗力だよ!」
「お前それ意味わかって使ってるのか!?どこも不可抗力じゃねえ!ってなんだそりゃ!」
憂美が持ってきたのは真っ黒に炭化したのか元々黒いものなのかよくわからない、得体の知れぬものだった。
「それのどこがちょっとなのかお聞かせ願えませんかね!?」
「はい!?そんなに焦げて無いじゃない!このおにぎり!」
「おまっ、それ見て焦げてないってなに....おにぎりだったの!?」
その黒いの海苔だったんだ....?僕の知ってる海苔ってこう....もっと艶(あで)やかに光を反射してくれるものだった気がするよ?
「んなことより、何でおにぎり焼いたの!?」
「焼きおにぎりって知らないの!?」
驚きで危うく皿ごと落としそうになる憂美。食品扱ってんだから気をつけろよ。いや、マジで。こいつの場合前みたいに落としても食わせてくるんだろうけど。
「それ、焼き方違(ちげ)えよ!」
海苔ごと焼く奴とか見たことねえよ。そもそもレシピ通りってどこいったんだ。
あれ、そういえば前ってなんだ。こいつに会ったの2日前だぞ?いろんな記憶が混じってんな。はぁ。
「レシピではこう書いてあったのに?」
「そんなわけ....あっ」
憂美が見せてきた画面には、確かに海苔ごと焼くと書いてあった。もしかして、僕が間違ってんの?
「いぃや、いやいやいや!おかしいだろ!どこどう見たってそんな作り方ありえないだろ!つーかそもそも、焼きおにぎり作るのにレシピとかいらなくね!?」
なんか最近、と言ってもここ二日だが、朝から叫びすぎてて辛いっす。
「まぁ、少し焦げちゃってたり、君とは作り方違ったりでも、きっと美味しいから!別にお店じゃ無いんだもん、見た目より味と愛だよ!」
申し訳ないが君からの愛は要らない。とは言ってもいいのかダメなのか。まぁ、言わないでおこう。
「それに、他にも作ってあるからちょっと待ってて!今だすね!」
焼きおにぎりすらろくに作れねえ奴が他の料理など作れるわけがあろうか。いや、ありえない(反語)。
「........」
ゴクッ。
これから起こるであろう、いや、目の当たりにするであろうケイオスヘルイラストレーテットマップ(通称、混沌とした地獄絵図)を思い浮かべ、ただ無言で生唾を飲み込んだ。
横文字で言ってみたのはなんとなくだ。意味は無い。
「ほらほら、早く座って〜」
「お、おう....」
促されるままに席に着く。ケータイを見ると時刻は9時13分を指している。
天井を仰ぎ目を瞑る。きっと断頭台に立たされる囚人は同じような気分なのだろう。
「ほら、食べな〜」
机に並べ終えたらしい憂美が口にした。
「悪い、俺、死んだわ」
目を開く前に一言、死ぬ前に一度入ってみたいセリフベスト8を呟いた。本当はもっとかっこいいシチュエーションがよかったですまる。
目を開け最初に映ったのは15分を指しているケータイの画面だ。電源切り忘れてたのか。もったい無い。
2月16日土曜日。死亡推定時刻は9時15分から30分の間。死因は食中毒。というニュースが明日あたりには流れるのだろうか。ちょっと面白い。いや面白くねえよ!
「私の作った料理、そんなに見た目悪い!?」
「いやだって、焼きおにぎりすら満足に作れない奴の作るものなんてたかが知れて......うおっ!?」
思わず奇声が出る。たかが知れていなかった。
一口大に角切りにされた野菜が浮かぶ、赤く艶(つや)やかなミネストローネ。
蛍光灯の光を弾くように瑞々しいサラダ。金色のゴマ油がまた、輝きを増させているように思える。
白い生地をほんのりと茶色く染め、その上にはしっとりと生地を濡らすクリーム色をしたバターが乗ったトースト。
そして何より異彩を放つ、目を奪うのは、すべてを吸い込むかのように深い黒の自称焼きおにぎり!
「ってなんでやねん!焼きおにぎり(?)のせいで台無しじゃねえか!他のは綺麗なのに!」
憂美は綺麗という言葉にエヘヘと照れた表情を見せた。いや、褒めてるけど褒めてねえから!
それにしても、まさかこんな料理が作れるとは思ってもいなかった。料理は性格によらないんだな。またうちに泊まるようなら、今度からつくらせよう。でも、炭水化物多いな。パンかコメか決めてほしいものだ。
「いただきます....!」
久々にこんなまともな料理を食べる気がする。最近は忙しくて(主にバイトという名のオタ活)まともな料理などしていなかったかr
「........!!」
はっきり言おう。めちゃくちゃまずかった。とりあえずミネストローネ(?)を口に含んでみたわけだが、油粘土を溶かしてお湯で薄めたような味がした。小さい頃にはあるよね、粘土って食べたくなるじゃん?紙粘土はならなかったけど。
「オェッ!なんだよこの味!どうしたらこんな味になるんだよ!味見しなかったのか!?」
「え?したよ?」
「マジで?」
一拍おいて、
「春人くんが。それに、美味しいって言ってたよ」
ハァァァァァルトォォォォォォオ!!だからお前は帰ったのかぁぁぁぁぁぁあ!てか自分でも味見くらいしろよ!
だがまぁ、サラダに失敗は無いだろう。てか、ぶっちゃけしようがないよな。うん。あとは大丈夫だよな!トーストも焼きおにぎり(仮)も味で失敗しようがない!
「ハムッ....つっ!?しょっぱ!!ちょっ!水!水!早くよこせ!んぁぁぁあ!?」
結果。死ぬほどしょっぱかった。
え、なにこれ、飽和食塩水でもかけたんですか?バカなの?タヒぬの?現在進行形で僕が死にそうなんだけど?
「ぷはぁ....死ぬかと思った....」
憂美が持ってきた水を2杯-ジョッキ並みの大きさのコップ。なぜそんなものに入れてきたかは助かったので問わ無いでおく-を飲み干した。礼は言わない。
「何よ大袈裟ね。ちょっとしょっぱかったぐらいで人間死なないわよ....」
「死ぬんだよ!人間は塩分摂りすぎると死ぬんだよ!醤油飲んで死ぬか!?てか何やったの君!」
「何って、塩水かけただけだよ?」
「何でだよ!」
本当に馬鹿なの?この娘(こ)!
「だって、食塩水に浸すと見た目悪くなら無いんでしょ?」
「は?何言って....ああ!それリンゴな!?」
「同じじゃないの?」
「同じかも知れんが少なくともサラダにそれする人はまずいないから!」
「なーに、私がいるじゃない」
「3秒間死ね!」
「3秒間って何!?」
こいつ、飽和食塩水にサラダ浸してたのかよ....まじ信じられねえ。これじゃシンジ君もランナウェイしちゃうよ。わかる人にだけわかればいいや。
あ、それと3秒ってのにも意味はないかな。
「ねえねえ、どうしたらこんなもの作れるの?ねえねえどうして?レシピは?レシピって簡単なんだよね?」
「簡単じゃつまらないじゃない?だから少し手を加えて美味しくしようかなって」
「はいっ、でたぁ〜!!普段料理しない奴に限って創作したくなるんだよね!創作ってかもはや迷走作品だよね!迷走しすぎて迷子になってるよね!走作かな!?これじゃぁレスキュー隊の捜索も間に合いませんね!」
何言ってんの?って目で睨まれた。うん、口じゃわから無いよね。文にして変換しなきゃだね、知ってたようん。カンジッテスバラシイ(漢字って素晴らしい)ネ。
「んで、そういう奴ってほんと、何を思ったか死ぬほど不味いの作ってくれるの。何故?why(ホワイ)?ある意味才能だよね。褒めてないよ?こういうのって漫画の中の話だと思ってたよ!ってか、そうであって欲しかったですよ!」
口の中ヒリヒリするし塩っぱくて唾液半端ないしで、ちょー喋りにくいよまったくもう。
「そんなに言っちゃう!?流石に泣くよ!?せっかく美味言っていってもらえればいいなって思って作ったのに!でも、このおにぎりは大丈夫だよ!美味しいはずだよ!美味しいものしか入れてないもん!」
そう言って強引にさしだしてきたのは真っ黒な焼きおにぎり(謎)。
「塩、どのぐらい入れた」
「3つまみぐらいを均等に振りかけたよ!」
「本当か?まぁ、おにぎりなんてそうそう失敗し無い(この時点で焦げたりしてるけど)よな。うん」
そしてそのまま一口齧った。見た目は悪い。だが、こいつもこいつなりに美味しくしたいと思ってやってくれたんだ。そう考えると、さすがに言いすぎた気が....-僕はこの時、気づいていなかったんだ。『美味しいものしか入れていない』という言葉の本当の意味を。いや、そんな事、知る由もなかった-
「イグァっ!?クィムツッ?ウベしっ!チョッコルェ!!!?」
言い過ぎていなかった。いや、むしろあれでもなまやさしいものだっただろう。
この世のものとは思え無い味がした。良薬口に苦しという言葉があるが、これは劇薬の上に苦いとかの問題じゃない。良薬すら凌駕するものがある。しかしそこには甘さなども含まれており、はっきり言ってわけがわから無い。どっかのレポーター風に言うならば、「頭ん中が味覚のオンパレードやー」とかかな。うん。口じゃなくて頭だよこれ。
「お前、僕に一体何の恨みがあるんヅァ....ゴブェェェェェエ」
突如、飲み込むことを胃が拒否しているかのように吐き気が込み上げてきた。うわ、劇物かよこれ。
「ドイレイッデグルゥ(トイレ行ってくる)」
椅子が倒れる事を気にする事もできずトイレへ駆け込む。何とかそこまでは出すのを我慢できたが、入った途端何かがプツンと切れる音がして、便器の中に盛大に吐き出された。
見たくもない内容物からして、きっとチョコや枝豆、イクラ、キムチ、梅干し(これは普通だ)等が入っていたのだと思われる。何故入れたし......。
「あっ。んっ!オエッ」
ここでようやく気付いた。『美味しいものしか入れてない』の意味を。いや、確かにどれもうまいけど、それでもなんか、いれたらまずいってわかるだろ!最後に一つ、梅干しの種がポトリと音を立てた。
そんなこんなで、今に至るのであった。
冒頭から吐くとかいう謎の展開ですみませんでした汚くてすみません。お詫び申し上げません。嘘です申し上げます。
並びに、4ヶ月も待たせてしまい申し訳ありませんでした。本当、遅すぎんよ〜。いや、待っててくれた人なんてい無いだろうけど。(真顔)
あと、フィクションとはいえ、食べ物を粗末にするような話ですみません。けど、これのおかげできっと2人は食べ物のありがたみを知れたでしょうね。(悟り)
梓「本当、今までまずいとか言って食ってたものすべてに感謝したくなったわ。シュールストレミングのほうがまだうまいだろうな」
憂美「もう料理なんてしない....(泣)」
お前らどっから出てきやがった!?
と、まぁ、茶番は置いといて、12月中にこの話載せるつもりだったんですけど、載せられなくて本当すみませんでした!orz
案外私も、この話をどう進めていくかって悩んでるんすよ。あと、なんか色々あってあんまりケータイいじれなかったりと、リアルのほうで予定つめっつめなんすよね....(苦笑)
あ、そうそう。バイトやめちゃいましたww(だからなに)
話長くなってしまい申し訳ないです。(いつもが短いだけか?)
なので今回も二羽三羽(ゴチうさ難民ですどうも)かけてここのところ終わらせようかなとか思ってますミネストローネ食べたい。
因みに、作者自身焼きおにぎりではないにしても、普通のおにぎりにココアかけたらうまいのでは!?どっちも美味しいし!とか言いながらかけて食ったら死ぬほどまずくて台所で吹いた思い出があったりします。あと、コーラを使った卵焼きとかも作りましたね。いやぁ、あの時は若かった(遠い目)*コーラ卵焼きはすべて父親が消化しました。すげぇ。
今思えば、食えない料理、飲み込むことを胃が拒否した食べ物、って、前にも後にも、そのぐらいしかないっすね。あ、揚げ出し豆腐(食べたら真面目に吐く)と茄子(無理すれば食え無いこともないかな?)以外での話です。その二つはほんと、キツイorz
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!まだまだ続きますが、というか今回のも途中ですが、本当、読んでくれる人がいるって嬉しいです!コメントくださる方も偶にいて、そのたび死ぬほど喜んでます!ありがとうございます!
次話はすぐに出せるようにがんばりたいです!
あと、今回から早くするためにケータイでの投稿に変えたわけですが、推敲とかほぼして無いんで、誤植等多かったりするかもですが、温かい目で見てやってください!あと、なんか、あったら教えてくださいw
では、拙い文章でございますが、これからもワタクシ颷狐めと、この作品を、どうぞよろしくお願いします!
近いうちにまたお会いできることを楽しみにしています!