インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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久々にfaの実況動画みたら書きたくなって、むしゃくしゃして書いた。
後悔しかしてない、だが反省もしていない(批評はちゃんと受けます)。
正直すまんかった

5/15 見知らぬ誰かさんの誤字報告にて、修正をしました。


開幕 プロローグ
mission1 天敵、没する


私は、とても傲慢でワガママな女だ。

炎の塊となり、墜ちてゆく最後のクレイドルを見て、私「アリサ・ヴァン・カーチス」は自身の人生を振り返っていた。

私が初めてネクストに乗った事は、たった数ヶ月前の事だと言うのに、私の中では、もう何十年も前の事のように思える。

初めてのネクスト搭乗、ラインアーク襲撃、AF『スピリッツ・オブ・マザーウィル』の撃破。

そして、私の人生を変えた2つの出来事、『ホワイト・グリント』撃破任務と『オールドキングからの勧誘』…

とても、とても…濃密で、濃い数ヶ月だった。

馬鹿馬鹿しい、まるで今から死ぬみたいな事を考えている。

いや、あながち間違いでもないか。

実質的に、次の戦闘が私の最後の戦闘になるだろう。

私の体は、既にコジマ汚染によって医者が匙を投げ捨てる程にボロボロとなっているだろう。

この子のスピードに、最早耐えられる状態ではない。

だが、それでも、私は戦わなくてはいけない。

 

 

 

 

 

それが、私が私であり続けるための『解答(アンサー)』なのだから。

 

 

 

 

コジマ粒子によって汚された地上に着陸すること数分後。

ラインアーク周辺地域で、私は依頼という形で(ホワイト・グリント)を呼び出した。

私の最後を、彼になら託しても良いと思った。

いや、最後を飾ってほしかったのだろう。

どちらにせよ、彼に拒否権等ない。

もしこの依頼を断れば、ラインアークに住む全ての人間を虐殺すると脅しているからだ。

彼だって、それだけは避けたいはずだ 。

彼との決着を付けたい。

だからと言って無関係な人々を巻き込んでも良い訳がない。

「私って、やっぱり最低な女…」

誰に話すわけでもなく、ただ一人、無機質なモニターが照すコックピットの中。

そこで、己が体を抱いてつぶやいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、彼はやって来た。

ホワイト・グリント(白い鳥)、その名に恥じぬ美しくも神々しい姿と共に。

対する私の機体は黒い。

どこまでも黒く、焼け焦げた様に黒い。

白と黒、永遠に交わることの無い二つの色。

それは、私と彼の心の図式を表しているとも言えるだろう。

彼は守る為にその力を使い、多くの人々を救った。

私は自分の快楽、優越感の為だけに使い、多くの人々を殺した。

だからこと、はっきりケリをつけたかったのだ。

守る力と欲望の力、どっちが本当に強いのかを。

 

[プロトタイプネクスト『00‐ARETHA』、通称アレサ…君はそんなものに乗ってまで、戦い続けたかったのかい]

 

無線越しに彼の声が聞こえる。

とても悲しそうに、迷ってるようにも聞こえた。

[それがどんな機体か、解って乗っているのなら私は何も言わない…君の『解答』は、本当にそれで合っているのか?]

 

「媚を売ったり、殺したりするしか出来ない脳ミソを絞りきって出した『解答』さ…私は、これで良い」

 

彼の問いに答える。

そうだ、私は自分でこの道を選んだ。

初めて渡された人生の選択肢で、初めて自分で選んだ人生の道だ。

後悔なんて今更ないし、あったとしても、もう後戻り出来ない。

これが私が私であるための『解答』だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[そうか…なら、お互いに言葉などすでに不要、か…]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その彼の一言を始めに、私達は出口無き空へ飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

QBによる神速の中で、響き渡る爆音と閃光が世界を照す。

最初に優勢になったのは黒い鳥、アリサが乗るアレサだ。

人間が乗ることをまるで想定してないかの如く、搭乗者に致命的なコジマ汚染とGによる負担をかけるじゃじゃ馬機体。

それを彼女は自在に操り、ホワイト・グリントを追い詰めていた。

「甘いっ!」

 

QB(クイックブースト)を使い、ホワイト・グリントがアレサの背面を取る、だが即座にアレサもQBで急速旋回。

かの機体のライフルを避けつつ、五連装ガトリング砲で即座に迎撃する。

だが向こうもそう簡単にやられるわけなど無い。

即座にQB、何発かは当たるもののPA(プライマルアーマー)に無効化される。

それを追って彼女もまたQB、姿勢が安定次第即攻撃。

互いにそれを何回か繰り返すが、ホワイトグリントの武装よりも、アレサの武装の方が強力である。

同じだけ受けたとしても、威力の強いアレサの攻撃が、彼のPAを瞬時に剥ぎ取ってゆく。

 

[ちっ、やはりあの時よりも強くなっているか…思った通り、君もまたドミナントか…]

 

ホワイトグリントの彼が呟く、この一歩間違えれば互いに蜂の巣となる激戦の中。

彼は今、自分を殺そうとしている彼女の身を気にしていた。

彼はまだ己は死んではいけないことを自覚しているであろう、それでも彼は彼女を救おうとしていた。

実質、彼女をあの道に堕したのは私達なのだからと。

だが彼女はそんなことは知ったことではない。

確実に、一発一発の銃弾に殺意を込めて、引き金を引き打ち出す。

 

(このままではじり貧だな、一発勝負に出るか…!)

 

突如として、ホワイトグリントの動きが変わる。

先程までの背面狙いから、今度は相手の射撃に合わせて 、上下方向へQBを吹かし始めたのだ。

 

(勝負に出たか、ホワイト・グリント…!!)

 

それを見てか、アレサもまた動きを変える。

ホワイトグリントとは逆に、左右方向へのQBを行う。

(そう来るか、なるほど…確かにそうすれば下部や上部を取られはしない、基本に忠実だが、っ!甘い!)

 

アレサのレーザーライフルが、死の光弾を吐き出す。

それは完全にホワイトグリントが回避行動を行った方面へ、一寸狂わず打ち出された。

ほぼ未来予知とも言い切れる、コンマ数秒間での偏差射撃。

回避は不可能と言えるであろう、彼以外(・・・)は。

レーザーが着弾する直前、ホワイト・グリントが消えた。

(やっぱりあなたも(・・・)使えるのね、多段QB!)

 

視界から消え、かつ回避不可能の一撃を避けられたにもかかわらず、彼女はその後来る反撃を冷静に避ける。

その弾丸が飛んできた方角から、ホワイトグリントの現在位置を逆算。

飛んできた位置は真下、つまり彼はQBで真下へ向けて、連続で(・・・)QBをしたのだ。

通常、QBは連続での使用は不可能である。

脳と人体への負担が非常にかかり、最悪行った瞬間に死ぬ恐れがあるからだ。

だが、彼は難なくそれを成し遂げ、下に翔んだのだ。

そしてここ、ラインアーク周辺地域は水域が非常に多い。

彼女がこれらの結果を統合して出した結果は…

 

「水中!?なんて無茶苦茶な…!」

 

わかるや否や、即座にガトリングを水面に向けて発砲する。

打ち出される無数の鉛の雨が、水を瞬間的に掻き消してゆく。

ガトリングが水面を掻き消してからコンマ数秒、水中から、何かの物体が飛び出した。

 

「っ!?そこぉ!!」

 

ほぼコンマ単位でのことであったにも関わらず、彼女は即座にその物体を発見し、瞬時にレーザーを打ち出した。

見事レーザーは物体のど真ん中を撃ち抜き、物体は爆四散した…が

 

「っライフル!?」

 

物体は、ホワイト・グリントが戦闘開始時から持っていたライフルだった。

その本物のホワイト・グリントは…

 

「後ろかぁ!!」

 

[バレた!だがこの距離からは避けれまい!!]

 

彼女の真後ろの水面から飛び出し、それと同時にアサルトアーマを行った。

瞬間、世界が爆音と共にホワイトアウトする。

「ぐぅぅ!!?うっ…カハッ!」

 

ほぼ零距離で行われたアサルトアーマを受けたにも関わらず、アレサ本体は無傷であった。

代償としてPAと武装、彼女自身の内蔵を潰されたが。

 

(うぐっ……やっぱりもう体がもたないか!おそらく胃が潰れた、でも!!)

 

体の一部が潰れたことなど二の次にして、彼女はアレサ最後の武装を展開する。

この世に二本しかないと呼ばれる、最強の剣を。

『moonlight』、通称『月光』。

彼女がアレサの右腕部に強引に取り付けた、彼女の切り札。

そして、その月光は、いまこの場に二つある。

そう、ホワイト・グリントを駈ける彼もまた、月光を使う者なのだ。

合図などない、お互いここまで来ると退くことなど出来ない。

故に二つの機体が斬りかかるのはほぼ同時だった。

ほぼ超音速とも言える速度で、全く同じブレードでの近接戦が始まった。

 

(接近戦は、私よりあっちの方が得意…奥の手、使うなら今しかない!!)

 

(おそらく彼女はまだもう一つ奥の手を隠している、勝負にでるのは危険だろうが…こちらも向こうも、もはやPAは存在しない、外せば死ぬ)

 

((チャンスは一度きりだ!))

 

互いに、一瞬の隙を狙いつつ、だが攻撃の手を緩めることなく、ブーストを吹かし、すれ違い様に斬りかかるを繰り返す。

無限にも思えるたった数十秒間、だかおよそ三十合目にその終わりはきた。

(っ!?嘘でしょ、こんな時に…もうちょっとだけ耐えてよ、私の体!!)

 

突如アレサの動きが鈍る。

それはすなわちパイロットであるリンクスの限界を示していた。

そして、そんな致命的な隙を彼は逃がす事などしなかった。

 

[貰ったああぁ!!]

 

ホワイトグリントの月光が、アレサのコックピットへ伸びる。

光輝く死の刃が彼女を捕える寸前、彼女の意識が目の前の事象へと戻る。

「っ!(仕掛けるなら、今!)らあぁぁぁぁぁ!!!」

 

瞬間、アレサがQBを行う。

惜しくも彼の月光は、アレサの表面を焼いたに過ぎなかった。

[ちぃ!QB、このタイミングでか!]

 

即座に彼女がもう一度QBを行う、多段QBである。

 

(裏を取る気か、やらせん!)

 

彼もQBを行い急速反転、再度QBする彼女を、同じく多段QBで追う。

だが、彼女はここで切り札を切った

 

(っ何!?)

 

さらにアレサが翔んだのだ。

つまり、アレサがもう一度QBを行ったのだ。

それだけでは無い、アレサがまた、次もまたと次々とQBを吹かしていく。

 

(二段QBでも体にかなりの負担がかかるというのに、化け物か彼女は!)

 

もはや彼の目ではアレサを追うことは不可能であった。

彼ができる唯一の抵抗は、攻撃を仕掛けてきた瞬間にカウンターを確実に、コックピットに当てることしかない。

 

(何時来る…何時だ!)

 

全神経を集中させ、彼女が来るのを待つが、その時は直ぐに来た。

約六段目の多段QBが終わると同時に彼女は飛び出した。

AMSにより脳にダイレクトに伝わったその情報は、彼に彼女の居場所を即座に伝えた。

 

[真後ろかあ!!]

 

「だありゃあああぁぁぁぁぁ!!」

 

彼女が月光を突き出したのと、彼が月光を横凪ぎしたのは、ほぼ同時だった。

アレサの突きが、ホワイト・グリントのヘッドパーツを抉り取る。

ホワイト・グリントの横凪ぎが、アレサの左脚部を吹き飛ばす。

つまり互いに致命傷には至らず、まだ戦いの続行をそれは意味していた。

 

(くっ、カメラがヤられた…これは、不味い…っ! ?)

 

しかしその戦闘の続きは訪れることはなかった。

 

「ブッ…ガハッガハッ、あぁ…」

 

アレサが墜ち始めたのだ。

それはすなわち、彼女の寿命を意味していた。

元々戦闘前から既にボロボロだった彼女の体が、この戦闘によって、ついに限界を越えてしまったのだ。

「ふふっ、様無いね…戦いの最中に、体が言うことを聞かなくなるなんてね」

 

[君…私との決着はどうするつもりだ、私との決着を付けると言い出したのは君だぞ]

 

「そうね……これは、その約束はキャンセルしてもらえないかな…私、もう翔べないや」

 

二人がこう会話している間にも、アレサはどんどんゆっくりとであるが、確実に墜ちて行く。

まるで彼女が打ち落としたクレイドルのように。

 

[君はそれでいいのか、君は全人類を抹殺すると決めたのだろう!それが君の『解答』なのだろう……それをこんな結末で終えて良いのか君は!]

 

「貴方はどっちの味方なのさ…ああ、良いのこれで、元々全人類を抹殺するつもりなんて、これっぽっちも無かったし」

 

[なに!?]

 

「私は…怖かったから殺したんだよ、クレイドルの人々を」

 

彼女が急に語りだす。

 

「私は、リンクスになる前…スミカさんに拾われる前は売春婦だったんだ…あの頃は酷かったよ、人間として誰も見てくれなくて、それが当然だと思って生きてきてさ……でもリンクスになってから変わった。皆が私を頼った、皆が私を人間(使える物)として見てくれた。それを知ってから怖くなったんだ、あの頃に戻るのが。平和になったら兵器や戦争屋は要らなくなる、そうなれば私はあの場所に戻ることになる。それが怖かったんだ、だから…戦争を終わらせないように、私自身が戦争の火種になったんだ。今も、そしてこれからも救い様の無い人類を全て抹殺する。そんなのは下らない建前。私は戦争が終わるのが怖いから、皆を殺した、ごう慢でワガママな最低な女だよ…」

 

全てを言い切ると、彼女は満足そうな声でこう言った。

 

「ただの自己満足な事だけをしてきたグズみたいな私だったけど………貴方との戦いだけは、全部を忘れられたよ…ありがとう、ラインアークの守護神…ううん、『アナトリアの傭兵』さん…」

 

その一言が終わると同時に、アレサが水中に没した。

 

 

[何をいってるのだ君は……君の様な若い子達を護るために、未来の人間も、今の人間も救うために私は戦ってきたのに……私は…俺は…]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後に、人類種の天敵を倒した事により、ホワイト・グリントに駆ける彼は、衰退から復興し始めた企業連から多大な恩赦を受け、ラインアークの完全独立を認められる事となる。

 

皮肉にも人類種の天敵によって、多くの人間を殺され、腐れはてた世界は、今度は企業とラインアークによる合同政策により、人類種の天敵のおかげで、平和へと足を踏み出し始めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界での物語はこれで終わる。

だが彼女、首輪付きこと『アリサ・ヴァン・カーチス』の物語は、まだ終わりを告げてはいなかった……

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