インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
「織斑くん、クラス代表就任おめでとう!!」
その一言と共に、大量の拍手とクラッカーの音が鳴り響いた。
織斑一夏がクラス代表に就任したのだ。
「はい、と言うわけでクラス代表は織斑一夏君になりました!あ、一繋がりで良いですね~」
そんなことを山田先生が喋る。
「面倒なことになったね一夏。私としてはクラス代表になりたかったけど…」
「そんなに言うなら変わってくれよアリサ…」
「それは無理、セシリアとの約束は破りたくない」
一夏の要望をきっぱり断り、私は織斑一夏クラス代表就任会の料理テーブルまで下がっていくのだった。
さて、何故クラス代表が二戦二敗の織斑で、二戦二勝の私ではないか…それを話すには少し時間を巻き戻す必要がある。
セシリアと織斑一夏の戦闘終了後、私はアリーナを出て、寮の中にある自動販売機の前にいた。
今後一夏は非常な苦行に苛まれるだろうが、私は接近オンリーで戦ったことがないが為、一夏の白式に教えられることは一切ないのだ。
それに二試合連続で戦ったため、非常に喉が乾いていた。
束さんが作ってくれたIS用アレサにはAMSが搭載されている、だがこの学園の様子なら一生使うことは無いだろうと若干の安堵を覚えながら、私は自動販売機にお金を投入した。
しかし本当に便利だな、この自動販売機。
前世の世界ではあり得ない物である。
水より酒の方が安全なあの世界では、こんなまともな味のある飲み物を、たったの数百円でどこでも買えると言うのは、まさに奇跡のようなものだ。
いや、奇跡と言うよりもあり得ないと言った方が近いか。
ただの水でさえ、あそこでは数十
注Ж(様々な説がありますが、COAMとはAC世界での通貨で、1COAM=一万円と言われています)
とりあえず目についた缶コーヒーを選択する。
ガコンという音と共に飲み物が排出される。
それを取りだし、プルタブを引っ張る。
プシュッ!と良い音が、静かな寮に響く。
「んく……ふぅ、やっぱり良いな…コーヒー」
私は基本、苦い物は基本苦手であるが、何故かコーヒーは飲める。
自分でも不思議である。
ちなみに私が今飲んでいるコーヒーの銘柄は『月影-キレるブラック-』である。
たしか、コーヒー専門企業『クローム社』の製品だった気がする。
私はこの企業が作ったコーヒーは大体好きだ。
そんな風に私がコーヒーの味を堪能している時だった。
「あら、アリサさんではありませんか?」
セシリアだった。
「ん?セシリア、貴女も何か飲みに?」
「ええ。私としたことが紅茶葉を本国に置いてきてしまいまして…それで、この日本の自動販売機で売られている紅茶の味とはどんなものか、調べてみましょうと…」
「茶葉…セシリア、紅茶作れるんだ」
「はい、当然ですわ!なんせ紅茶は貴族の嗜みですから!」
そんなことを話すこと数分後、それはセシリアから切り出してきた事だった。
「えっと…アリサさんは、クラス代表になりたいですか?」
「ん?セシリアどうしたの…まあ、なりたいけどさ」
「そうですよね、わざわざ自薦までしていましたものね……アリサさん、折り入って頼みがあります!」
セシリアが私と面を向けてそういった。
その次の言葉は真剣身があり、私は考えされらる事となった。
「クラス代表になることを、辞退してもらえませんか!」
「…ん?セシリア、なんでクラス代表を辞退してほしいの?」
セシリアに疑問をぶつける。
当然だ、さあこれで晴れてクラス代表になれるぞという時に「クラス代表を辞退してほしい」と言われたら、誰だって疑問に思う。
私の疑念の眼差しに、セシリアはこう答えた。
「確かに、アリサさんはクラス代表に相応しいですわ。ですが、織斑一夏。彼が成長できません」
「…どゆこと?」
「おほん、すこし省きすぎましたわ…私は、織斑一夏さんにクラス代表になってほしいのです!」
セシリアはそう言った。
大体把握した、セシリアが一夏を『さん』付けで呼んでいる時点で察した。
なるほど一夏にクラス代表になってもらい、そしてそこで実力をつけて貰いたい訳か。
その案には私も賛成だか、私もクラス代表という初めての行為をそうそう降りたくはない。
「セシリアの気持ちは大体わかったよ…でも私もクラス代表になりたくて、あの決闘に首を突っ込んだんだ。タダでは降りたくないな…」
「そうですわね、そうくるのは想定内ですわ。ですから私はこれを用意しましてよ!」
そう言って、セシリアは制服から何かを取り出した。
取り出したものは…チケット?
「セシリア、これは一体何?」
「ふふーん、よくぞ聞いてくれましたわ!これはIS学園購買部の菓子パン及び駄菓子半額クーポン券ですわ!」
「なに!?」
アリサは驚愕した。
というか、なんでセシリアがクーポン券持ってるの?
「この前、布仏さんに『ゆーじょーの証だよ~』と、押し付け…ゲフンゲフン!貰いましたのよ」
のほほんさん、何をやってるの…
結局この後、クーポン券とイギリス菓子を貰うことになり、渋々折れました。
で、今に至る。
セシリアがクラスの皆に謝ったり、箒とセシリアが水面下の戦闘をおっ始めようとしたりと、色々あったけど、少なくとも今は平和にクラス代表就任会が行われている。
わぁ、このビターチョコレート美味しい!
あっ、『⑨社』製ホワイトチョコレート!これも美味しい!
ああそれも、これも、あれも!
「…カーチスさんて、あんなにチョコレート食べて…体重気にしないのかな?」
「たぶんあの見た目だから、太らない体質なのかもね…はぁ~」
なにか私に関して会話されてるみたいだが、チョコレートが目の前にあるならば些細なことだ。
そんな時、さあもう一つチョコレートを頂こうと手を伸ばそうとすると。
「はいはいー新聞部でーす、一言お願いします!」
そこに新聞部が割り込んできた。
「えっと…一言って、どんな一言ですか…」
「いやー、織斑君やオルコットさんと戦った感想はどんなのかな~と!」
つまり、戦った感想を適度に聞いたら捏造すると…
前世にもあったな…余計な尾ひれを付けで、面倒事増やす人たちが…
まあ、そのおかげで前世は儲かったんだけど…
「たいした感想は言えないけど…一夏は予想通り、セシリアさんは…少し期待はずれかな?」
「おおう…本人がいるのに凄い発言したよこの子!」
「私は正直に感想を言っただけだけどね…」
その後三人で写真を撮る筈が、何故か一年一組の皆が集まっての、集合写真になってしまったり。
私は私で、大量のチョコレートを食べることができて満足だった。
その後、私のチョコレートを食べる姿が、一部の変態淑女の手に渡ったことは、私はまだ知らない。
「…ザ…ザザッザザー……ああ、やっと繋がった。K、例の子達はどうだい?やっぱり素質、あると思うかい」
「まだわからない…少なくとも、直接間近で見てみないと…」
「そうか…なら、確か近々そこで『クラス別対抗試合』とやらがあるらしいねぇ~クックックッ…K、僕が何を言いたいか…わかるね?」
「了解した…その日、『スカベンジャー』を三機借りてくぞ」
「了解、その日までKは待機…クックックッ…さあ、僕らも本格的に動き出そうか…こんな世界を、めちゃくちゃにするために!」
クローム社は、ここではただのコーヒー缶生産企業です(笑)