インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
最近忙しいものでして
そして既に1月すぎてしまいましたがあけましておめでとうございます!
本当に遅れてしまい申し訳ありませんでした!
では、今回は非常に短いですがどうぞ!
「…保健室?」
暗い世界から瞳を開けた私の目に最初に映ったのは、清潔な白い天井。
次に漂ってくる薬品の匂い。
多分保健室じゃないか?
そう思い呟いた私は体を起こそうとする。
「っ!?……腕か」
起こそうとしたその時に、左腕に少し痛みが走る。
視線を向けてみれば、真っ白な三角巾に覆われた自分の腕が見えた。
あの時のAAの衝撃で痛めたのかもしれない。
「目が覚めたか」
そうして腕に意識が向いている時に、不意に頭の上から声が響いた。
でも私はこの声の主を知っている。
だからこそ敢えて振り向かないで答えた。
「つい…さっき……先生って呼んだ方がいい?…千冬さん」
「まだな、腕は大丈夫か?」
心配の声色が聞こえる。
改めて腕を動かしてみる。
…うん、少し痛いけど問題なく動く。
折れてはいなかったようだ。
「大丈夫…」
そこまで確認してから私は頭に皆のことが過ぎる。
ダウンしていた一夏、見えなくなったシャルル。
2人は大丈夫なのだろうか?
そんな心配が顔に出てしまったのか、あるいは千冬さんだからこそバレたのか、優しい声で答えた。
「あいつらは無事だ、デュノアの方もだ。おまえと違って怪我一つない」
「……そう」
良かった、ホッと心に一息をつく。
だけれど、ここで頭が冴えてくる。
千冬さんが、いくら担当のクラスの者とはいえ何故私のところにいるのかと。
「お前には伝えたいことがあるからな」
そんな言葉とともに私の視線を自分の目に向けさせる。
相変わらず鋭い鷹のような目だ。
スミカを思い出す。
「ヴァルキリートレースシステム、通称VTシステム。国際条約で禁止されている技術だ」
目を見つめ合ったまま、千冬さんが話し出す。
雰囲気で分かる、これは真面目な、本気の千冬さんだ。
「…ボーデヴィッヒのISに積まれていた、本人から聞いたが、どうやらドイツ本国が入れたものではないようだ」
「…本来なら、モンド=グロッソ優勝者になるもの…でも、だからこそ暮桜じゃなかった…」
「あぁ……職員のもの総出で調べた結果、あれはVTシステムによく似た別のものだ。入っていたトレース元も別…」
「束さん…疑ってるの?」
「そんな訳ないだろう、いくらアイツでもあそこまでのことはしないはずだ」
「……元は?」
「出元のことか?一生徒にそこまでは教えられん」
交わされる言葉の波。
そして気になる出元、やはりと言ったところか答えてくれない。
それは、確かに私が知った所で出来ることは無い。
私はあくまで、この世界ではこの学校の生徒。
もう
それでも、ふと気になったのだ。
あの時、あれが起動してなければあの試合でラウラは、答えを導き出せたのかもしれないのだから。
「…しかし私も最近ストレスが溜まっていてな、独り言の一つや二つ零すかもしれん。気にするなよ」
そんな時に、千冬さんがそう…本当に独り言のように、唐突に語り出した。
「あの試合の時、ボーデヴィッヒは試合に楽しさを覚えそうになっていた、しかし本人はそれを否定したかったようだ。【自分は織斑一夏を倒す為に今戦っている、なのに何故それが楽しいのだ】そんな疑問が心に渦巻き始め、【違う、楽しんでなどいない、アイツを倒したい、自分の力で】そう思い始めた頃に声が響いてきたそうな。若い男の声が」
【ならさ、僕と一緒にメチャクチャにしないかい?彼を、全てを】
「もちろん断ったそうだが、断った直後に意識が混濁し、ああなったらしい。全く迷惑な男なことだ、見つけ出し次第、私にストレスを溜めさせたことを後悔させなければな」
そこまで言うと、わざとらしく咳をして、千冬さんが出ていこうとする。
「”聞いて”ないな」
「…何のこと」
そして、お互いの暗黙の了解を交わし、今度こそ千冬さんは保健室より出ていった。
…そう言えばラウラから聞いたって言ってたし、私より先にラウラが目覚めているんだ。
ちょっと意外なのかな?
そんなことを思いつつ、腕のこともあるし、私は再度布団に包まることにするのであった…