インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
今度は職場が新しい場所へ引越ししまして、それに伴いドタバタしていたら、投稿がこんなのに…
本当におまたせしまして、申し訳ありませんでした!
それでは続きをどうぞ!
エンジンの音が響き、タイヤとアスファルトが擦れる音が聞こえる。
そんな音ともに段々潮の匂いが強くなっていく気がする。
今私は、臨海学校へと向かうバスの中にいる。
車内は現在非常に盛り上がっており、クラスメート達の声が辺りから聴こえる。
奥の方では一夏と他の娘たちの声が聞こえる。
「御姉様、もう時期着くらしいぞ」
私の隣に座るラウラが呟いた。
本当にそうらしく、千冬さんが生徒達に静かにしろと一声放ち黙らせる。
やがてトンネルに入り辺りが一時暗闇に覆われるも、数秒それは消えてなくなり、眩い光の向こうから青の宝石をぶちまけたような美しさが姿を現した。
海、それは全ての生命が最初に生み出された命の故郷。
私の世界で汚れに穢れてしまった故郷。
夏の日に照らされて、それは正しく宝玉の如く煌めいていた。
「いつ見ても…綺麗だな……」
一人呟き、さらに強くなって来た潮の香りに、少し感慨深くなるもただ千冬さんの指示を聞く私であった。
臨海学校、そのお世話となる旅館に挨拶に行ってからしばらくし、自由時間が始まっていた。
最初旅館に付いた時は一夏が千冬さんに頭を下げさせられたり、私の部屋がラウラと同じになったりとかあった。
ちなみに簪と本音は隣の部屋だった。
そんなこんなありこの自由時間、皆が真夏の海へと泳ぎに向かう中、私はそれなりに離れた岩陰で涼んでいた。
一応、相川さんたちに選んでもらった水着は着てるけど。
それでも傷の多いこの体を見せて不快になってもらいたくない。
だからなるべく他人の目が着かない場所へ来たものの、考えてることが同じ人もいるようで。
「…ラウラ?」
「御姉様、ここにいたか」
そう、ラウラがやって来た。
ラウラはゆっくりと私の側へと腰を下ろした。
潮風が二人の間を流れていく。
みんなの声とは別に、優しい海の音が響く。
傍から見れば、ある意味青春の1ページに見えるのかな?
だけど、1点だけ除けばと着くだろう。
何故なら、今のラウラの格好は【変】であったから。
「……その格好どうしたの?」
私は聞いた、聞かなければならかなかった。
何をどうすればこの真夏の浜辺ミイラのような姿になっているかを。
それを質問すればラウラは慌てなような声色で叫んだ。
「き、気にしないでくれ!け、決してこの包帯を取ろうとしないでくれ!」
必死と言っていいかもしれないほど手を振り、取るなと全身で表現してくる。
…流石にそこまで言われると取りたくなる。
ラウラに気付かれないように、ゆっくりと手を伸ばし包帯の端と思われる部分を掴む。
掴んだことを確認したら、いざ。
「ふんっ」
「御姉様?な、御姉様駄目!うおおおぁ!?」
端を持って一気に引っ張ると、クルクルと回る。
回る動きに合わせて包帯が解ける。
それがどこか面白くて、クスリと笑ってしまったがそれは別。
暫くかけて包帯が全ての解ければ、そこには黒い水着に身を包んだラウラがいた。
銀の髪と赤の瞳、白の肌に実によくマッチしていて似合ってるとしか言えない。
やっぱり、ラウラ綺麗だな。
そんなことを思いつつも、ラウラはそう思ってないのか顔を真っ赤にして蹲ってしまった。
「笑うなら笑ってくれ、御姉様……」
「ううん、笑わないよ…だってラウラ綺麗だから」
「え?」
思ったことを言ったら疑問形を返された。
だからもう1回言ってみることにした。
「ラウラは可愛い、綺麗、だから何着ても似合うよ」
すると何故かラウラ、全身を真っ赤にして海へと走っていった。
…何か不味いことを言ったかな?
そう言えば、最近ラウラと絡むことが多い気がする。
気のせいかもしれないけど。
結局その後ラウラが戻ってくることはなく、私はのんびりと過ごした。
その夜、食事を終えた私は簪の部屋でゲームをしていた。
たしかアクアビットマンが出てくる格闘ゲームで、タイトルがアクアビットマン・ラスト鍋神だった気がする。
そう言えば食事の時、シャルロットが何か悲鳴を上げてた気がする……
「あっ、やられた…」
ふとそんな油断したその結果簪の操るアクアビットマンの小島コンボ(小島剣と言われる必殺技を主体にしたアーリヤ川手限定壁端コンボ)に私が操るアーリヤ川手に突き刺さる。
「やたっ!」
コンボが綺麗に決まり、アクアビットマンのゲージ技の【小島キック】が炸裂してKO。
1対2とセット数を取られ、私が負けとなった。
「やっぱり強いね…簪」
私の呟きにブイサインを返した。
「…そう言えばラウラ遅いね」
ふと簪がこぼす。
そう、私はラウラと一緒にこの部屋に遊びに来たのだ。
元々初日は簪のところで遊ぶ予定をしていたし、だったら同じ部屋のラウラもと思ったのだ。
で、先程喉が渇いたラウラが飲み物を取りに行ってから帰ってこない。
「ちょっと見てくる…」
そう言って私はラウラを見に行った。
暫くして廊下を進めば、ラウラを含めた箒、鈴音、セシリア、シャルロットが襖の前で固まっていた。
襖の近くに掛けられた名札を見てみる。
【織斑】、つまり織斑千冬の部屋。
職員の部屋であるということ、それと一夏がいる部屋でもある。
到着時、一夏は他の女子が入らないようにとこの部屋に強制で入れられていたからだ。
そんな千冬さんのいる部屋の襖で何をと見てみれば、聞き耳を立ててるようで。
何を聞いてるんだろうと私も耳をよくすます。
すると聞こえてきたのは千冬さんの喘ぎ声。
『ああっ!また、上手くなったんじゃないか?』
『千冬姉こそここ、こんなにして』
『うるさい、最近発散する機会がなくてな…あっ』
『ここがいいのか千冬姉?』
『んぅ!ああ、もっと強くしても大丈夫だ、あぅ!』
……ああ、あの時間か。
暫くまさかと思ったけど、よく聞いてみればそう言う喘ぎ声ではないのが分かる。
これはいつもやってるあれか。
そう思った私は襖から少し離れる。
すると襖は勢いよく開かれ、寄りかかっていた5人が一気に部屋に転がり込む。
「何をしている」
千冬さんの威圧のこもった一言に、みんな顔を青くしてあたふたする。
それも仕方ない、この威圧は凄いよ。
「まあいい…織斑風呂に言ってこい、そろそろ大丈夫だ」
「お、マジか?じゃあ行ってくるよ」
その一言で一夏はお風呂へと向かう。
完全に行ったのを見たあと、千冬さんはこちらに向き直り言った。
「入れ、アリサもだ」
何故か私も誘われる
断るとあとが怖いことをよく知っているわたしは、携帯で簪に遅くなるとメールを送ったあと部屋に入るのであった。
部屋に入って早々、千冬さんからジュース缶を渡される。
そしてご本人は悪い顔。
傭兵だった私はこういうのには感がいい。
これはあれだね【お前のこと黙るからお前も見過ごせ】だ。
予想通り、皆が飲んだ直後に自分も飲み始める千冬さん。
まあ、仕事の途中でも息抜きは必要だよね。
「さて単刀直入に聞くぞ、お前達はうちの弟のどこがいいんだ?」
それは本当に突然千冬さんが言い出した。
皆驚いたようで、ジュースを吹き出しかけたり、缶を落としそうになったりと様々だった。
「先に言っておくが、うちの弟は優良物件だ。家事は全ての出来るし、料理は絶品だ。だが、だからこそそう簡単にやらんぞ」
そう言われて皆の肩が下がる。
だけれどもその中最初に口を開いたのはラウラだった。
「心の強さです」
そう言うラウラの瞳は真っ直ぐで、迷いはなかった。
「ほう?お前達は」
千冬さんは他の子を見やる。
次に言い出したのはシャルロット。
「や、優しいところでしょうか」
「芯が通ったところですわ」
「かっこいいし…」
続いてセシリア、鈴と口に出す。
最後に箒が。
「真っ直ぐな男だからです」
それらを聞いて千冬さんが「ふむ」と漏らす。
「そうか…ところでアリサはどうだ?」
突然私へと振ってきた。
私が一夏を意識してないって分かってるのに。
ほら、ほかの皆も私に視線が向いた。
どうしたものかと思った時、ラウラと目が合った。
…うん、ラウラも分かってくれてるみたいだね。
それじゃあ素直に言おうかな?
「私は…一夏をそういう意味で意識したこと……ない。確かに、恩人だけれども……それは千冬さんにも当てはまる。私は…まだそういうの分からないし」
事実と当たり障りのない虚偽を混ぜる。
すると皆ほっとした表情になる。
露骨すぎない?
少し呆れてしまうけど、まあ恋敵が減れば喜ぶのは当たり前なのかな。
そんなこんなで、他にも千冬さんの愚痴に付き合わされたりして、しばらくすれば一夏が帰ってきて。
それでこの女子会?は幕を閉じた。
結局、簪のところに戻る頃には消灯時間ギリギリで、最終的にラウラ対簪を最後に終わってしまった。
ちなみに勝敗は簪のストレート勝ちだった。
いい所までは行ったけど、やっぱり完全初心者で簪には勝てないか。