インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
5月7日、ブリーディングと間違えて書いてましたのを修正しました
千冬さんからの招集で、束さんとの戦闘が終わったばかりだった私は、それでも例の暴走ISのブリーフィングに参加することになった。
そこに入れば旅館の部屋の一室が、かつて私がスミカとやってたようなブリーフィングルームに様変わりしていた。
既に私以外の専用機持ち……というかいつもの皆は集まっていた。
私が最後みたい。
私が部屋に入ったことを確認した千冬さんは、盗み聞きを気にしてか、外を再三確認した後扉を閉めた。
「よし、ではこれからブリーフィングを始める。山田くん」
千冬さんの合図とともに山田先生が資料を配る。
その資料には、今回暴走中のISの機体名が書かれていた。
【銀の福音】、シルバリオ・ゴスペルと。
「アメリカとイスラエルの合同開発した軍用ISです。現在コア・ネットワークを切断されており、通信ができない状況で、このままですとこの旅館を通過。その後日本本土に到着します」
「機体の詳細をお願いします」
セシリアが声を上げる。
それもそうだ、今回の暴走は敵の情報がある。
情報は力、あるなら教えて欲しい。
「わかった、だがこれは口外禁止だ。仮に漏れた場合、諸君らには決して軽くはない罰と、暫しのあいだは監視の目が向くことになる」
千冬さんの警告に合わせて、山田先生が新たに資料を提示する。
それを見て、各々考えを述べ始める。
しかしそのうちそれは停滞してしまう。
それは対象が高速移動しているためだ。
「アプローチは1回が限界ですわね」
「この中で高速移動が可能なのは、御姉様くらいだが」
「私は無理、一撃で仕留められない」
ラウラの提案を却下する。
たとえ接近してAAやコジマキャノンで攻撃しても、そんな1発で沈めるには少々火力が足りない。
あと少しまで削れるかもしれないけど、それだと逃げられる可能性がある。
「それに、VOBで突っ込んでも、通常のISの飛行よりも爆音が鳴るから、バレるかもしれない」
それを聞いて、皆が一斉に1人に視線を向ける。
私も向ける。
そうだ、もうこうなってしまえば彼しかいないからだ。
「は、え?俺?!」
心で一夏に謝罪しながらも、1発でISを仕留められるのは零落白夜しかないのだ。
それしかなかった。
一夏本人を除く、満場一致の決定だった。
さて、そうなると移動手段が問われてくる。
私のVOBは先の理由で却下、代わりにセシリアが上がった。
そう言えばセシリアは高速移動可能の装備が届いてたっけ。
「オルコット、お前の高速戦闘時間は?」
千冬さんが問う、これは決まったも同然かな?
そう思っていた。
その瞬間、割り込むムラサキの陰。
「ちょっと待ったァ!赤椿の方が絶対いいんだなこれが!」
その影に刺さるアイアンフィスト。
千冬さんの拳が束さんに炸裂した。
「いったぁい!ちーちゃん酷い、私あーちゃんとの戦いで頭痛いのに!」
「だったら静かに寝てろ、というかお前はどこから入った」
「屋根裏!」
相変わらず、さっきまでのしおらしさはどこいったと言わんばかりに元気な束さん。
しかし赤椿、束さんが口に出したそのISは、束さんが篠ノ之箒にプレゼントした専用機の名。
なんでも、展開装甲というものを使って、デタラメなスピードを出せるらしい。
当然千冬さんは反論する、箒には高速戦闘経験がないと。
だけれども束さんは運ぶだけだからと押し切る。
仮に戦闘になっても、赤椿にはシルバリオ・ゴスペルを超えるスペックをほこると。
それに渋々折れる千冬さん、しかし心配なのは変わらず、こんな提案を持ち出した。
「失敗した場合のバックアップだ、カーチス、VOBとか言うのがあったな。それで現場にむかえ」
つまり失敗した際の援護に行けるよう、いつでもすっ飛んで行けるようにしておけということだろう。
…少し昔を思い出す作戦だ。
でもこういう作戦を任された時って、いっつも失敗していた気がする。
バックアップが前線になるっていう記憶。
だけれどもその提案は賛成だ。
「わかった…任せて」
即答だった。
作戦は決定した。
あとは時を待ち、成功を祈るのみ。
私は、2人が無事であることを願うのであった。