インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
mission39 雨の夜を明けて
ラインの乙女を撃破し、残った銀の福音は、鈴、セシリア、箒、シャルロットの4人によって撃破。
中にいたパイロットも無事に救出された。
…冷静に考えれば、あれだけズタボロにしても第2時移行で全快させるISってやっぱりイかれてるよ。
そのおかげで、パイロットは死なないですんだのだけど。
そんなこんなでその後、私たちが戻ってくる頃には臨海学校は終わってしまい、皮肉にも銀の福音やラインの乙女のおかげで、パケットテストは果たされていた。
「なんか、あっという間だったな」
バスの中の一夏が呟く。
確かにそうだった。
一昨日の自由時間がすぐに思い出せる。
それにあの激闘も。
一夏が落とされ、ラウラがセラフに認められて、私がレイブンを手に入れて…
「疲れた……あむっ」
こういう時はチョコレートに限る。
あぁ、甘い香りが口の中を満たしていく…
こんな小さな幸せが、私がずっと望んだもの。
私が諦めていたもの。
みんなのおかげで得れたもの。
「…ふふ」
「お、御姉様が笑っただと!?」
え、ちょっとラウラ?
プシッという音と一緒にラウラから赤い液体が。
「うわぁ!!ラウラしっかりして、ラウラァァァ!!」
「私は…今死んでもいい」
グッとサムズアップして、座席に沈むラウラ。
絶叫しているシャルロット。
チョコレートを口にくわえて呆然とする私。
…ねえこの混沌とした状況、私のせい?
「…あっ、雨上がった?」
ふと他の生徒がこぼす。
それにつられて外を見れば、そこには大きな虹がかかっていた。
それはまるで、私の気持ちを表しているようで…
こんな混沌とした状況でさえ、私は幸せを感じていた。
騒がしいのはそんなに好きじゃなかったけど…これなら、少しなら、騒がしいのも良いかな。
「やかましいぞ貴様らぁ!!」
…訂正、千冬さんが怒るから無しで…
そんな千冬さんの怒号が響く中、私の人生初の臨海学校は波乱と楽しさ、そして幸せのうちに終わった。
暗い闇が覆う場所。
鉄と油の匂いが染み付いたその場所には、あるIS達がいた。
それぞれ形や武装は違えど、共通した2つのものがあった。
1つは色。
ワインレッドと黒のツートンカラーで彩られ、もう1つはエンブレム。
ライオンのようなエンブレムを皆掲げていた。
その中特に異色なのは青と赤で彩られた重量級IS。
アルカナの【釣られた男】が刻まれたエンブレムを掲げるその機体が、赤と黒のISに囲まれていた。
それは見るものが見れば、まるで【裁判】にも見えただろう。
『主任、余計なことをやってくれたな』
機体の1つから、若い男の声が響く。
それは【吊られた男】に語りかけられていた。
『乙女を出さなければ、黒い鳥が新たな力を得ることもなかった。仮に銀の福音でダメだったとしても、【死神部隊】に処理させれば良かった』
男は苛立った声で【吊られた男】を問い詰める。
しかしそれに【吊られた男】は気軽に答える。
『へーそうなんだ、で、それが何か問題?』
『大問題だ、計画に大きな支障がでる。君は前から余計なことしかしないね…何が目的だ』
男は尚も【吊られた男】に問いかける。
それでも【吊られた男】は飄々と答え続ける。
『まあいいじゃないどうでも!欲しかったものは手に入ったんだし!』
そう言って【吊られた男】があるものを出現させる。
それは何らかのデータ塊であった。
それを見て、男が少し黙るが…
『確かにIS対ISのデータは手に入った。しかし主任、君の物資支援には感謝するが、【やりすぎ】というものを理解してくれよ』
『アハハハ、君がそれを言うか?』
『何にしてもだ、主任。次何か余計なことをしでかしたら、排除させてもらうよ?計画は最終段階に入ったんだ。その事を再三理解してくれよ』
そう告げて、赤と黒のIS達は皆消えた。
残された【吊られた男】は、1人呟く。
『目的ねぇ…そんなのハナから決まってるんだよなぁ…』
『愛しているんだぁ人類をぉ!!ギャハハハハハハハハ、アーハハハハハハハハ!!!』
漸く第1部が終わりました!
これから本格的にオリジナル展開が大量に投入されていきます。
次回、夏休み突入!