インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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mission40 大決戦、アリサ川手と簪マン!

「あーっ!かんちゃん見事なバースト読み!かんちゃんが、画面端!小島コンボ、綺麗に決めて!かんちゃんが、まだ入れる!!」

 

宙に浮かされ、バスケットボールのようにバウンドさせられるアリーヤ川手。

ライフが恐ろしい勢いで削られていく。

隣にいる簪の微笑む顔が見える。

一体どうしてこうなってしまったのか…

そうあれは、確か数時間前のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀の福音とラインの乙女戦から少しして、IS学園の夏休みが始まった。

夏休みと言っても、通常の学校よりは短い。

当然といえば当然だけれども、ISという現行兵器として使われてるものを学ぶ故に、学習内容は膨大。

そんなに長い休みはあげれないということだ。

そんな休みの中、私はラウラやのほほんさんと一緒に、簪の家に遊びに来ていた。

所謂お泊まり会というやつらしい。

私はともかく、本来ならドイツに帰るはずのラウラが何故泊まれるか。

それは単純、今だセラフがラウラ以外に触らせる気がないからだ。

一応帰国して、研究機関に調べてもらおうとしたらしいけどね。

そのせいで帰国してもやることが少なく、本業の【黒兎隊】の仕事も、平和な今では暇な日々。

おかげで日本にすぐ戻ってこれたというわけだね。

ちなみにお泊まり会と言っても、私とラウラの手荷物は少ない。

私たち、そういうのに疎いから…2人とも制服のままだ。

一応パジャマは千冬さんが2人のを選んでくれたから、それを持ってきてるけど。

 

「しかし…それにしても大っきいね……簪の家」

 

「うむ、古き良き日本の家と言った感じがするぞ!」

 

私とラウラがそう零せば、少し恥ずかしそうに簪は頭をかく。

 

「更識家は代々伝わる由緒正しい一族だからね、そうですとも〜!ねぇかんちゃん!」

 

のほほんさんが解説してくれる。

そう言えばのほほんさんはこの近くに住んでるんだっけ?

そんな話を前に聞いた覚えがある。

あれ住み込みって言ってたっけ?

…どっちでも良いかな、簪と仲がいいのはその為というのは変わらないし。

そんなどうでもいいことを考えていたら、早速ご家族さんらしき人が家から出てきた。

簪と同じ水色の髪、そして目を引く赤の瞳。

もちろん私の汚い赤ではなく、宝石のように煌めく赤だ。

 

「あ、簪ちゃん…」

 

「お父さんとお母さんは?」

 

「えっと…今は……」

 

「そう……」

 

それだけ言うと簪は先へ先へと消えていく。

…随分と険悪な関係に見えたな。

人は無関心になれることはあれど、あそこまで執着しているなら、何らかの関係はありそう。

そんな勝手な想像をしながらも、その人に一礼をして声を出す。

 

「簪の友人、アリサ・ヴァン・カーチスです」

 

「あら、簪ちゃんの友達が1年首席だななんて、なんか運命感じるわね」

 

…え?

なんで私がそうだと知ってるんだろう。

そんな疑問が頭に走るが、そういえばこの人見たことある気が…

 

「あ、生徒会長…」

 

「覚えててくれたんだ、それは嬉しいな」

 

そう言って、どこから取り出したのか扇子を広げた。

そこには【大歓喜】と書かれていた。

そうか、そう言えば生徒会長の名前は【更識楯無】って言ってたね。

 

「簪、会長さんの妹?」

 

「どうして教えてくれなかったのって顔してるわね?」

 

そう言って会長はまた扇子を開く。

【困惑多大】と書かれ…え?

さっき【大歓喜】って書かれてたはず…

 

「ふふふ、さあ、簪ちゃんと遊びに来たのでしょう?家へどうぞ」

 

困惑の中、私は簪の家もとい、生徒会長の家へ入ることになった。

それから部屋を案内され、その素晴らしさに圧倒されつつも、簪の部屋にたどり着いた。

それからだった…私対簪の格闘ゲーム戦が始まったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GAME OVER!!

私のアリーヤ川手がリングに伏せる。

簪操るアクアビットマンの猛攻に倒れたのだ。

相性的にはアリーヤ川手は有利なんだけどなぁ…勝てない。

 

「強いね、簪…臨海学校の時もそうだったけど……全く勝てない」

 

そう、簪はすごく強い。

油断すればあっという間に1セット取られる。

この新しいアクアビットマンの格闘ゲーム【アクアビットマン・(´神`)の試練】。

色んな修正や、新キャラの実装で、ファン大歓喜の大ボリュームに仕上がってる。

その修正のおかげで、一強だった興こと【弱王】が本当に【弱王】になってしまった哀しみを背負ったけど。

それ以外はバランスよく強化や弱体化をさせてくれてる。

 

「つ、次は私だ!御姉様の敵だぁ!」

 

ラウラがコントローラを片手にテレビの前に座る。

新たなる挑戦者に、簪はふっと微笑む。

やっぱりゲームしてる時の簪、すごい生き生きしてるなぁ…

そんなこんなしてる間に、ラウラは初心者お勧めと呼ばれてる本作の新キャラことラスボス【(´神`)】を選択。

常時アーマーを持ち、全ての攻撃が超火力。

リーチも圧倒的で、並のプレイヤーは、その暴力的な火力に、ただ焼き尽くされるだけとされてるが、しっかりと弱点もある。

まずタンク故に当たり判定が大きく、1部の必殺や超必殺技がありえないくらい多段ヒットしてしまう事。

振りが大きいため、スカッたりガードされると全てが反確になってしまうこと。

そして唯一キャラクターの中で、ジャンプもダッシュやステップも使えないこと。

超必殺技が全て必殺技強化のものだということ。

ボスとして登場した時は、ちゃんとその弱点の1部は改善されているが、これはプレイアブル。

その弱点がある。

 

『正義のために!コジマフラッシュ!!』

 

『(´神`)全てを焼き尽くす』

 

【ここたま!!】

 

開始のゴングがなり、先制をとったのはラウラ。

必殺技の1つ、【総監督キャノン】が火を吹いて画面を埋め尽くす。

ジャストガードする簪、ジャストガードによって生まれた有利フレームのあいだに【小島剣(昇龍型)】を打ち込んで飛翔する。

 

「飛んだところで!」

 

合わせるように【総監督ブレード】が伸びる。

それもジャストガードして削りダメージすら与えずに、多段技【小島キャノン】を打ち込む。

って、【(´神`)】に多段は…

 

「うわああ!?」

 

ラウラの顔が一気に青くなる。

それもそうだね、ライフが3割も消し飛んだらそうなるね。

その後もラウラの攻撃は全てジャストガードされて、全ラウンドパーフェクト。

簪の圧勝であった。

 

「ぶいっ」

 

そこには自慢げにピースする簪と、頭を抱えて落ち込むラウラがいた。

 

「御姉様ぁぁ……」

 

あぁ、泣かないでラウラ。

泣かなくとも私は簪と戦うし、敵…取るつもりはないけど、取れたらとるから。

そうしてまた簪に振り返る。

簪はやる気満々見たい。

 

「……はぁ…簪、もう1回」

 

「いいよ、アリサ強いし楽しい」

 

そう言ってラウラからコントローラを貰い、アリーヤ川手をもう一度選択。

 

『正義のために!コジマフラッシュ!!』

 

『初戦敗退?何のことだ?』

 

 

【ここたま!!】

 

ゴングと共にアリーヤ川手とアクアビットマンが飛び出す。先手は簪の【小島剣(突撃)】、ガードはぎりぎり間に合って、カウンターに【マーヴ・突撃銃】を打ち込んでコンボへ繋ぐ。

アクアビットマン限定中央運送コンボ【乱入コンボ】だ。

 

『らんにゅ、らんにゅ、らんにゅ、らんにゅ、乱入させてもらう』

 

打ち上げ技の【乱入させてもらう】をダッシュキャンセルして壁端まで持ってくコンボ。

言わば無限コンボと言われるスレスレコンボでもあるが、壁端までいくと打ち上げすぎて受け身を取られてしまうため、無限ではない。

さっと受け身をとったアクアビットマンの【小島キャノン】が飛んでくる。

即座にガードするけど、やっぱり削りダメージ痛いなぁ。

そこから対地技の【小島ライフル(真下)】を打ちながら慣性ダッシュするのやめて、めくられちゃう…

 

「あぁ、御姉様!そこ!あ、危ない!そこそこだ!いけぇ!!」

 

「ごめんねラウラ…もうちょっと音量下げて?」

 

流石に耳元で大声はきつい…あっ。

しまった、【小島剣(昇龍)】をもろに食らっちゃった。

バーストして逃げないと…あっ、あっ…

 

「あーっ!かんちゃん見事なバースト読み!かんちゃんが、画面端!小島コンボ、綺麗に決めて!かんちゃんが、まだ入れる!!」

 

アリーヤ川手がボールのようにバウンドさせられ、隣に見える簪の微笑み。

これはセット取られたなぁ…

…というかのほほんさんいつの間に実況を……

 

「かんちゃんが、近づいて…かんちゃん決めたァ!!1セット目はかんちゃんがとったぁ!!」

 

んー強いなぁ…やっぱり。

頭を書きながら私は思う。

しかし、ラウラにあんなこと言った手前、せめて1セットは取らないとな。

 

【ここたま!!】

 

第2ラウンドのゴングがなって、次の先制は私がとった。

バックステップ回避してくるだろう簪を狩るかたちで、ダッシュしてから突撃技【オーバードブーチャス】、通称スタイリッシュ前蹴りを直撃させ、受け身狩りとして【乱入させてもらう】を置く。

見事に簪はこれに引っかかる。

そのまま壁端まで運送して、バースト読みしてバックステップ。

 

「おお、一気好転ならぬ一蹴好転!かんちゃんがあーちゃんに攻められてる!画面端、画面端!おぉっとバースト読まれた!」

 

読みは当たって、バースト空打ちで隙だらけのアクアビットマンに超必殺技【黒い疾風と呼ばれた理由】を当てる。

 

『見せてやろう、これが私が【黒い疾風】と…』

 

アクアビットマンを蹴り上げ、画面から消えるほどの高速移動を左右にしながら、アクアビットマンを切り刻んでいく。

そして最後に上空に現れ、その手に持ったヒートパイルを叩き込む。

 

『呼ばれた理由だ!!』

 

カウンターヒットによって、この攻撃を受けてバウンドしたアクアビットマンへ追撃するため、残ったゲージをキャンセルに使用。

硬直を消して、追撃。

バーストを吐いた簪にはなす術なし。

そのままアクアビットマン限定壁コンを決めてセットを奪った。

 

「あーちゃん綺麗に締めたァ!これでお互い1セットずつだ、勝負が分からなくなってきたよぉ!!」

 

「流石アリサ…次はもらう」

 

「今日こそ、今こそ勝つよ、簪」

 

そうして運命の3セット目

 

【ここたま!!】

 

ここからは相殺合戦だった。

お互いが1歩も引かず、だがお互いが狙った場所を同時に打つため、ある種の奇跡で相殺が起きまくっていた。

文字通り火花を散らす戦いとなっていた。

しかし物事には終わりがある。

先にミスしたのは簪だった。

ミスと言うよりも事故だけど。

簪のメガネに、運悪く虫が止まったのだ。

虫と言っても蚊だ、しかし格闘ゲームはコンマ数秒のラグが命取りになる。

簪は不幸にも自身の視界に入った虫に、一瞬注意が向いてしまった。

それが敗因だった。

 

「あぁ!アクアビットマンが読みそこねた!中段が刺さって、はい!はい!はい!!」

 

しゃがみガードしていたアクアビットマンに、スタイリッシュ前蹴りをかまして、しゃがみ喰らいから空中へ持っていく。

のほほんさんの声に合わせて、技が決まっていく。

アクアビットマンの体が徐々に宙に浮いて行って…

そしてバウンドし始めた。

すぐ様受け身を取られる前に超必殺技【黒い激流】を打ち込む。

その手に無数のヒートパイルを手にして、アクアビットマンを地面に叩きつける。

そして、全てのヒートパイルを同時に点火。

強烈な炸裂音と一緒に、アクアビットマンのライフが消し飛んだ。

 

「やってくれたぁ!!あーちゃん、ついにかんちゃんを倒したァ!!アクアビットマンシリーズIS学園無敗のかんちゃんを、ついに倒したァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御姉様、御姉様ぁ…私は信じていましたぁ!!」

 

あの後もう1戦したけど、簪に流石に2連勝出来るほど甘くなかったよ。

すぐに対策されて負けた。

けれど、まあ1回でも簪に勝てたからいいかなって思う自分がいる。

…それからラウラ、もう流石に離れて……夏だから暑いの。

 

「やっぱり面白いよ、アリサと一緒だと」

 

簪が笑顔で私に伝え、そして手を伸ばした。

ああ、私もだよ。

そう伝えて私も手を伸ばした。

改めて、私たちはその友情を深められた。

夏はまだ始まったばかり。

人生初の夏休み、もっとこうして幸せに楽しめていけたらなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこと、この時は考えていたんだ。

あの日、あんな事が起こる日まで…




神話の時代において、神とは【ガチタン】である(´神`)
アリーヤ川手を倒し、ヴォルカの野望に終止符を打った小島隆二。
しかし戦いは終わっていなかった…
巨大な戦車と動く要塞城を携えた(´神`)、そして(´鍋`)と呼ばれし巨大な敵が現れた!
彼らの目的は…すべてを燃やし尽くすこと。
戦え小島隆二!
世界の明日を緑に照らせ!
戦え僕らのアクアビットマン!
神さえ超える力を見せてくれ!!




【企業戦士アクアビットマン・(´神`)の試練】

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