インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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mission47 招集と隠された真実

財団による全世界への宣戦布告から3日。

世界は既に酷いことになっていた。

各国で、財団が販売し始めた【男性も、適正なしでも乗れるIS】や【その武装】は、戦争を求める傭兵たちが借金をしてまで買い漁り。

そのはけ口としてテロや紛争が起こり始めた。

ISが、完全な、誰でも使える兵器として売り出され始めた。

あのアメリカでさえ、もはや紛争が起きていない州はなかった。

その点日本は運が良かった。

女尊男卑が蔓延り、常にそういう動きをするものは、男女問わず監視されていた。

女が男を見張り、男が女を見張る。

互いが一切信頼していないからこそ、見かけ次第通報する。

皮肉にも女尊男卑が、テロ勃発を防いでいた。

そして私たちIS学園生とはというと…

 

「よし、専用機持ちは集まったな」

 

勿論、全員夏休みだろうが招集である。

一応セシリアと鈴は国に招集されたけど、私と一夏。

そしてシャルとラウラ、箒はこっち側に招集された。

IS学園の防衛はかなり高い。

内側からはともかく、外側からこれを叩くのはほぼ不可能と言われてる。

でも、束さんですら謎だった【女性しか使えない】を使えるようにする【財団】。

彼らにどこまで通用するか不安だ…

それとは別に、私は千冬さんに聞かなきゃならないことがあるしね。

一夏も同じことを聞きたそうだし。

多分、千冬さんはそれを私たちに教えるため、防衛も兼ねて招集したんだろう。

私たち四人を見やると、千冬さんは語り出す。

 

「いいか、これから話すことは…ずっと私が隠してきた真実だ。一夏でさえ忘れさせた記憶だ」

 

その言葉に反応する一夏。

忘れさせたとはどういうことなんだろう。

まったく同じことを一夏は聞き出した。

 

「忘れさせたってなんだよ千冬姉!」

 

「おり…いや今はいいか。そのままだ、お前に知られたくなかった真実だからだ。第2次モンドグロッソを覚えてるな」

 

そう言われて一夏は暗くなる。

たしか一夏が誘拐されて、それで千冬さんが試合を辞退、その後救援に向かってしまったという話だったはず。

ラウラから聞いた。

一夏も同じことを言ったが、千冬さんはそれに首を振った。

 

「そうだ公にはな、だがこれには裏と続きがあってな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、あの日。

一夏が攫われ、犯人が突きつけた要求は【私と戦うこと】という奇妙なものだった。

何にしても、私は大切な弟を捨てることは出来ず、試合を捨てて一夏を助けに行った。

そうして向かった先には、奴がいたんだ。

一夏を拘束して、あの赤と黒のISがいたんだ。

忘れもしない、あの死神を…

肩に剣を持った、グリフォンを描いたエンブレムを掲げたやつを…

 

『待っていたぞ、織斑千冬』

 

そこから私はその死神と戦いを繰り広げた…だがそれは戦いとは言えなかった。

私の剣がすべて見切られていた。

どれだけ振るっても届かない、あと少して常に、逆に奇妙な実体剣に切り飛ばされる。

奴は銃を持っていたのに、私に一切使わなかった。

それは、私が銃を持ってる相手との戦いになれてると知っていたからか、それとも使うまでもないと判断したのか…

何にしても、私はいいように死神に転がされ、一刀入れることなく敗北した。

人生初めての敗北であった。

 

『ブリュンヒルデ…世界最強……この程度なのか?お前も、私を満足させれぬのか?』

 

失望のような眼差しを、全身装甲越しに感じた。

完敗だった、何もできなかった。

 

『J、無駄な会話は止めようか?はやく殺せ。可能性は、全て消去する』

 

今でこそわかるが、あの時、あの死神の側から聞こえた男の声。

財団が私を殺せと命令する。

 

『了解した…ブリュンヒルデ、いや織斑千冬…もう少し、楽しみたかったぞ…【黒い鳥】の出来損ない』

 

ついに奴は銃を私に向けて、引き金をひこうとしていた。

 

「やめろおおおおお!!」

 

その時だった、一夏が私を庇ったのは。

少し死神に困惑が見えた気がしたのは気のせいか。

 

『J』

 

『…すまないが、障害も消去する』

 

財団の言葉で死神が銃を撃つ。

しかし私は最後の力を振り絞り、飛んでくる銃弾を気合で弾いた。

しかしその弾いた弾は一夏の頬をかすめて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、一夏。お前がモンドグロッソにて忘れさせたというのは、私が弾いたタマのせいだ。掠めた弾丸はIS用、もう数ミリズレていれば即死だったと医者に言われたよ」

 

そう千冬さんは答えてくれた。

この真実に、私たちよりも一夏本人が最も混乱していた。

裏を返せば、下手をしたら死んでいたわけだ。

しかも姉が自分を守ろうとした結果で。

それだけにあらず、弾いた弾のせいで記憶まで消える。

困惑しかないだろう。

 

「公では一夏の言った理由になった。非公式とはいえ、ブリュンヒルデが手足も出ずに負ける、それだけのフリーのIS乗りなどいたら困るからだ」

 

なるほど納得いった。

力を持ちすぎた個人は危険だ。

私がそうであったように、管理する者がいないなら排除される。

排除できなければどうなるかさっぱりわからない。

だから消す…か。

そして、ちょうど千冬さんの話が終わった頃だった。

ひとつの通信が横槍で入ってきた。

画面が空中に投影され、映し出されるのはエンブレム。

赤いハートを2本の杭が貫き砕いたようなエンブレム。

それが投影され、声が響き始める。

 

『あーあー、もしもし聞こえてますかー?私、つい先程雇われた【サラ・ドレス】と言いまーす!よろしくおねがいしまーす!!』

 

妙にふざけたような口調で、その音声は流れてきた。

それは、私たちにとっては衝撃で、千冬さんすら知らないことだった。

学園も、私たちの知らぬところで、戦争への準備をし始めていた…

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