インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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mission49 お勉強の時間

ラウラ暴走から数日。

あの傭兵、サラはのんびりと学園のシンボルタワーにて歌っていた。

相変わらず酷い音痴で、耳から光が逆流しそうな程であった。

 

「わ〜た〜しーサラドレス、戦場の〜紅一つ。ブーブンブブン、ブーブンブブン、ブーブンブブン、なんだかなぁ〜あ」

 

シンボルタワーで歌ってる為、彼女の声はよく響く。

耳が変になりそうだが、私は気にせず、レイブンと一緒にセラフとホワイト・グリントの調整をしていた。

一夏の方も、白式が何故かネクストとして目覚めた以上、ネクストの戦い方を教えなきゃいけない。

セラフは厳密には違うかもしれないけど、似たようなものだ。

それで私は2人に教えていた。

 

「一夏、QBを蒸しすぎ。偏差のいい的。ラウラは……うん、やっぱり機体制動よりオービットだね」

 

「くっ(あの時必死だったできたけど…いざ落ち着いてやろうとすると)キツい…」

 

「分かっているが…ダメだ、上手く動かない」

 

2人ともそれぞれ苦戦していた。

特にラウラのオービットは、私もそこまで詳しくないから教えられることが少ない。

セシリアがイギリスに招集されてる以上、オービットは私が教えなきゃいけない。

一応2人とも銀の福音の時には動けてたから、実戦で強いタイプなんだろうけど。

 

「あっ!?」

 

「おっと……一夏、そういう時はクイックターン(QT)。ほら、また後ろを取られてるよ」

 

私のデータを元に、レイブンが作り出したホログラム。

それにしょっちゅう後ろを取られては被弾判定を受ける一夏。

一応私が1番弱かった頃、アリーヤの頃のデータなんだけどなぁ…

あ、レーザーブレードをもろに受けた。

 

 

「そのへんで」

 

制止の声をレイブンに伝える。

ホログラムが消えて、息が上がった一夏が残る。

 

「お疲れ様…えっと、はい」

 

「ありがとなアリサ…」

 

疲労困憊で、解除と同時に渡されたぬるいポ〇リを一気に飲み干す。

やっぱり実践派だな一夏。

さてラウラの方もそろそろ休ませないと。

 

「ラウラも、そのへんで…」

 

それをきいて、ラウラもセラフを解除。

お互いの反省点を、第三者の私の声で判断する。

 

「やっぱり一夏は機体制動だね。銃の方はシャルに教えて貰ってたから、中々良かった。剣は……なんか、見違えるほどだね」

 

そう、一夏の剣の腕がやたらと上がっていた気がした。

というか、実際上がってた。

ブレオンだとまず間違いなく私のホログラムが瞬殺される。一体何が一夏にあったんだと思いたくなる。

本人もあんまり自覚ないみたいだけど。

 

「で、ラウラの方はオービット以外は満点。機体制動もだいぶマシ。やっぱりオービット、難しい?」

 

ラウラはやっぱりオービットが辛いとのこと。

AICとは話が違う、セラフが支持してある程度というレベルだ。

やっぱり私だけだとまるで進まない…

せめてオービットが使える人がいたら…

 

「やっほーなにか面白そうなことしてるね!」

 

そう叫びながらサラがやってくる。

日向ぼっこは飽きたのかな?

…ふと思考にある考えが湧く。

正直望み薄だけど。

 

「ねぇサラ…ビットって使える?」

 

「お、御姉様何を!?」

 

私の発言に驚くラウラ。

私も出来れば取りたくなかった手段。

というか普段なら私だけでもいいかなって思うけど、いま世界は紛争多発の真っ最中。

学園だけ免れるなんてことは無理に決まっていて、いつかやってくる。

それが明日か今日か。

それがわからない以上そんなのんびりしたことしてられない。

それにずっと昔にスミカも言ってた…

【教科書には綺麗事しか書いてない。机でお勉強より、知ってるやつに体を動かさせてもらえ】って。

そして私の問いかけにサラは…

 

「ん〜幾らくれる?」

 

出来るんだね、その答えなら。

でも彼女がいくら欲しいかわからない以上、先に聞いておこう。

 

「いくら欲しい?」

 

「そっだね〜、これくらい?」

 

そう言って指で表す。

5本だ、5万?あるいは…

 

「私は学生…そこ忘れないで?」

 

「アハハ!流石にそれはわかってるよ!500円だよ!」

 

……はい?

 

「馬鹿にできないよ500円。ハーゲン〇ッツ買えるし」

 

想像より安くて一瞬あっけに取られたけど、これはいい。

ラウラに視線を向ける。

 

「い、嫌です!御姉様がいいです!」

 

「餅は餅屋、ラウラ?」

 

ちょっとしゃがんでラウラより視線を下げる。

そして上目。

 

「ダメ?」

 

「……ヴッ」

 

即回避、血が空に舞う。

これ凄いな、束さんの知恵袋、馬鹿にできない。

あっさりラウラは折れてくれて、サラの元へ。

そこで私は目がおかしくなったんじゃないかと思った。

サラのIS武装はパイルバンカーとハンドガンのみだった。

え、ビット使ってるんじゃないの?

 

「こっちの方が威力あるし、当てるときもちいから!」

 

人の心を読んでるかのように回答してくれた。

使えるけど使わないのか…

そして驚くべき成果を見せてくれた。

 

「もっとイメージ、敵を倒すイメージだよ。ビットを自分の体の一部と考えるんだ。射出する弾は空を飛んでる自分を想像して」

 

「こ、こうか?おおう!?」

 

サラの教え方は、流石に使えるだけあってわかりやすいみたいで、ラウラは瞬く間に上手くなっていった。

意外だ、サラは私と同じで、ほぼ感覚でやってるタイプだと思ってた。

 

「たしかに感覚派だけど、それを揺るがないものにする知識は持ってるよ!所謂後付の感覚派かな?」

 

……ねぇ、私ってそんなに顔に出やすいかな?

さっきから考えが読まれてる気がする。

 

「いや、私が変なだけさ。昔から得意なんだ、相手の心理を読むの!」

 

なるほど…

たしかにほぼ近接武器のみで戦闘していれば、嫌でもそんなふうに才能が芽生えるかもしれない。

人間は適応していく生き物ってどっかで聞いたし。

そんなこんなで、一夏もけっきょくサラにおそわることになり、かなり動きが上達するのであった。

 

「一夏くん凄いねぇ!一回教えたらすぐ覚えちゃう、天才ってやつかな?気づいてないみたいだけど」

 

サラが一夏をべた褒めする。

…なんか悔しい、教えるのは得意じゃないけど、なんか悔しくなるな。

まあ、仕方ないか。

こればっかりは、慣れていけば私も上手く教えられる日が来ると思うし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分して、一夏とラウラ。

2人の体力がそろそろ限界にたどり着いた。

ヘトヘトという程じゃないけど、オーバーワークは体を壊すからね。

サラもそれは分かってたみたいで、私は報酬の500円を手渡す。

 

「まいど!」

 

ニカッと笑う琥珀の瞳。

同じ女なのに、すこしドキッとした。

不思議な人だ…この人。

でも、警戒は外さないけどね。

……これからも500円仕込んでおこうかな?

私一人より、2人の方がやりやすいや。

さすがにOBやQB、QTとかのネクストの知識は私だけど。

それ以外はISで傭兵やってただけあってすごいや。

 

「そんじゃいつもの所で………」

 

急にサラが口を閉じる。

何事かと私たちは怪しむが、その目を見て私は察した。

なにか来ると。

間違いなく敵対する何かが。

何故ならサラの目は____________

 

 

________________獲物を見つけた猛禽類の眼だった。

 

「きたきたきたきたぁ!!やっと仕事らしい仕事だぁ!!」

 

さぞ嬉しそうにISを展開させ、あっという間に宙に舞う。

その瞬間速度こそネクストに劣るが、加速力は目を見張るものであった。

 

「御姉様!」

 

「アリサ、俺達も!」

 

一夏とラウラが声を上げる。

気持ちはわからないでもないけど、私たちは防衛対象なんだよね。

行ったら逆に迷惑になるんじゃ?

そんなことを考えていたけど、通信が入る。

サラだ。

 

「あー、先行っとくけど来てもいいよ!一緒に殺る方が楽しいじゃん!」

 

……この人もしかしなくても戦闘狂かな?

そう思うくらいには、非常にウキウキした声色だった。

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