インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
『…企業と財団共の言う通りに従うのは腹立たしいが……このチャンス、成功すれば亡国企業は立て治る…』
IS学園より遥か南方。
そこには蜘蛛のようなISと、指示を待つかのように待機する奇妙な物体があった。
それはまさに奇妙としか言えない。
1つ目の浮遊物体だった。
『無人機の成果なぞハナから当てにしてねぇが…多少は消耗させろよ!』
蜘蛛のISの言葉で、浮遊物体は高速で学園へと向かう。
数分もせず、浮遊物体はIS学園の防空圏内へと到達。
学園を破壊せんと迫る。
「ま、学園に到達しないんだけどねぇ!!」
その声とともに、砲火が浮遊物体を撃ち抜き爆散させる。
続きミサイルや、パルス、バトルライフルと飛び出し撃滅。
残った奴らはそのまま学園へ向かわず、味方を落とした奴を見る。
それはアリサ、一夏、ラウラ、サラ。
真っ先に異変に気づいた面子であった。
「あー私の嫌いなやつぅーー!!」
そう言いつつも、サラは3連バーストのハンドガンを乱射しつつ落としていく。
落とされた浮遊物体は、明らか異常な爆発を見せる。
そしてその落とされてない浮遊物体はと言うと、真っ直ぐこちらへ突っ込んでくる。
いわゆる特攻兵器だった。
「たしかに…近接を積んでるとね…」
少し苦笑気味にアリサがライフルを撃ち、続いてラウラが垂直ミサイルを打ち放す
「御姉様の肌に触れようなど、言語道断!」
ミサイルを回避せず、というか回避思考がないのか。
ミサイルを直撃して、あっさりと爆散していく。
続けて一夏もライフルで目玉のようなセンサーを撃ち抜き破壊していく。
「流石に真っ直ぐなら楽だぜ!!」
左手が開いたり閉じたりしているのを見て、アリサが無言で蹴る。
浮かれるなということだろう。
一夏も「悪い!」と言って、気持ちを正す。
そうやって、何の苦もなく撃滅されていく浮遊物体達。
それを見ていた蜘蛛のISは、頭から血が上るのをよく分かっていた。
『役に立たないとは思ってたが…腕の1本も道連れに出来んのかい、役たたずが!!』
『O、仕事は順調かい?』
『やかましい!!』
財団の声が、Oと呼ばれた彼女のISから響くが、彼女はそれをきいて我慢ならなかった。
ぶっつりと無線応答拒否、苛立ちのボルテージは既に頂点だ。
『何が【順調かい?】だ、腹が立つ!!あんな役たたずを寄越しやがって!!』
正しくヒステリー。
烈火の如き怒りとはこの事だ。
『馬鹿にしやがって……企業も、財団も、あの糞ガキ共も、クソ傭兵も!!』
『私とスコールの恋路地を邪魔するやつは、皆死ねばいい!!』
爆音とともに銃弾が打ち出される。
ガギィィィンと放つ独特なこの音。
これはスナイパーキャノンか。
私は3人に当たってないか確認する。
そして撃たれた人が誰か確認した。
ラウラだ。
だけれどもそこまで重症って訳じゃなさそう。
PAのおかげだ。
発射された方角を見る、そこには蜘蛛みたいなISが浮遊していた。
肩に外付けしたと思われるスナイパーキャノンを構えていて、それを撃ったと思われた。
現に銃口からは煙が上がっていた。
「ラウラ、大丈夫?」
「大丈夫です御姉様…ん?あれは」
「ラウラ?」
ラウラが蜘蛛のISを見て固まる。
でもそれはなにか思い出そうとした固まりで、恐怖とかじゃなかった。
「あ、思い出した!アラクネか!」
声を張り、驚きを表すラウラ。
アラクネ?
神話で出てくる蜘蛛にされた女の人?
「米国の軍用ISだよ、死神に搭乗者を殺されて、その後何者かに盗まれたって話だったけど…」
流石傭兵、その手の話には詳しい。
サラがラウラが言おうとしたことを話す。
とすると、目の前にいるやつはその強奪者?
「警備部隊の目を潜り抜けた腕前、油断出来ないぞ御姉様!」
私たちの会話を打ち消すように、砲弾が飛んでくる。
しっかりと殺意のこもった、無人機には決してないもの。
直撃してもPAがあるから即撃墜はないとはいえ、ダメージは決して無視出来ないもの。
続けて食らえば仕留められる。
私たちはお互い散開しつつ、4方向から迫る。
分かってたけどいい腕の狙撃だ…
下手に回避運動を取れば、偏差射撃で撃ち落とされる。
かと言って真っ直ぐ進んでも的。
読まれにくい動き、それもまた厳しい。
近づくのは至難だった。
そんな中先にたどり着いたのは一夏とサラ。
まあ当然だけど、2人の最高火力は近接。
どうしても近づく必要がある。
流石に傭兵、一夏よりも先に近づ…かない?
「なんか怪しいねぇ…こんなに近づかれてるのに逃げないの」
サラはそんなことを言って、一旦後退。
ハンドガンに切り替える。
そして一夏はというと、ライフルを射ちながら雪片を取り出す。
「貰ったぜ!」
あ、また左手がグッパーしてる。
ということは……
『馬鹿だろお前!私が何もしないと思ったのかい!!』
接近していた一夏が急に止まる。
何が起きたかわからないけど、一夏も困惑してる。
傍目から見たら、まるで蜘蛛の巣にかかった虫見た…蜘蛛の巣?
アラクネってたしか、蜘蛛にされた理由は織物をできるようにって…哀れんだ神に変えられたんだっけ?
あっ!
そういうこと!?
「まさか糸か!?」
『大当たり!死ねぇ!!』
まずい、一夏がやられる!
動かないなんていい的だ!
「私を忘れないで〜っと!!」
『なっ、ぐぉあ!?クソが!!』
パイルバンカーを担いだサラが、ここぞというふうに飛び出し、敵の脳天にパイルを打ち込む。
でもギリギリで気づかれて、キャノンをパージして盾にされた。
スナイパーキャノンが爆散して、ギリギリ直撃を避けたものの、掠ったらしくシールドエネルギーが目に見えて減ってるとわかった。
現にアラクネの頭部パーツが弱冠欠けてた。
その爆散のおかげか、一夏も脱出。
「おぉぉ!!アサルトアーマー!!」
脱出直後にAAを発動、逃げそこねた敵に直撃させる。
流石に慣れてないからか、発言発動だったけど。
『がぁぁぁ!!?ちくしょう、生意気なんだよ!!』
いくら軍用って言っも、4機に囲まれて勝つなんて、ほぼ無理だ。
戦争は数だもの。
……私は5を相手にしたけど、一応オールドキングもいたし…
逃げようとしても、そこをカバーするようにラウラ、もしくは私の攻撃が飛んでくる。
灼滅を使うまでもないかな、むしろ使ってもデメリットの方が大きくなるか…
このまま調子よく倒して、彼女を拘束。
誰の指示で来たか尋問しないと…
そんな考え甘かったと、随分私はこの世界に染まってたと教えられた。
喜ぶべきなんだろうけど、使えないものは切る。
そんなもの、私の世界じゃ当たり前だったそれさえ忘れてた。
『オータムちゃ〜ん、仲間はずれは良くないなぁ…俺も入れてくれないと?』