インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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あのセリフがあります。
皆さんご唱和ください…

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mission51 狂愛 後編

突如響く謎の声。

それは男の声。

目に見える範囲には、その声の主はいない。

謎の声の主に、私だけでなく皆混乱する。

あのアラクネのパイロットもだ。

 

『主任!?てめぇ、一体何をするつもりだてめぇ!!』

 

怒りを隠さずに吠えるパイロット。

続く言葉もやはり罵倒に近かった。

 

『大体てめぇは財団の野郎に、暫く許可なくの作戦参加は厳禁だったろうが!』

 

パイロットの声など聞こえていない。

そう答えるように、主任と呼ばれた存在はこう答えた。

 

『いやいや、ちょっとお手伝いをね!』

 

そう笑い、主任と呼ばれた人物の通信にノイズが走る。

それに何か別の音声が混ざった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【不明なユニットが接続されました】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後、海の向こうから一線の光。

本能で私たちはそれを回避する。

しかしアラクネのパイロットはその光を見えていない。

彼女の真後ろからそれは飛んできてるのだから、見えないのだ。

しかし彼女はギリギリでそれに気づき、急いで回避するが、間に合わない。

何がアラクネに掠った。

瞬間凄まじい爆音とともにアラクネが吹っ飛ぶ。

ありえない速度で錐揉みにながら海面に叩きつけられる。

 

『がっは……!?…主任……何を………お前、何者だ……』

 

若干の恐怖の混じった声で、彼女は海へと沈んでいった。

私達も恐怖することになった。

若干削ってたとはいえ、軍用ISを、掠っただけで大破させるなんて!

幸いパイロットはまだ生きてるけど、あのままじゃ溺れてしまう。

 

「ラウラ、私と一緒に!」

 

「はい御姉様!!」

 

「あいつ味方を撃ったぞ!?」

 

「うひょぉ!?こぇー!!直撃したら即死だね間違いなく!」

 

各々反応をしつつも、私はラウラと一緒にアラクネのパイロットを助けに向かった。

どうやら主任と呼ばれた人物は、一夏に反応を向けてるみたい…

 

「一夏、死なないでね…」

 

「もちろんだアリサ!あんな奴に、殺されてたまるか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前で起こったことに、俺の思考が追いつかない。

敵の援軍が来たと思ったら、そいつは味方をなんの躊躇もなく撃ち抜いた。

吹っ飛ぶアラクネ、溺れゆくパイロット。

まるで意味がわからない。

 

『お見事です主任、ですが…最初に狙うのは織斑一夏からの方が良かったのでは?』

 

『ギャハハハ!いーじゃん、こっちの方がもっと証明しやすいよ!』

 

『……それもそうですね』

 

間違いなく、意図的に撃った。

そう思うには十分すぎる発言が聞こえてくる。

 

「なんでだよ…」

 

なんで味方を、そんな簡単に…

サラの言葉が本当なら、もし直撃してたらあのパイロットは……

 

「一夏、死なないでね…」

 

アリサの声が聞こえる。

アリサはラウラと一緒に救命に行くみたいだ。

 

「もちろんだアリサ!あんな奴に、殺されてたまるか!」

 

思いを口に出し、何が飛んできた方向を見る。

そこから青白い光が起こっていた。

まるでちょっとした太陽にも見えなく無い。

あそこか!

 

『じゃあもうちょっと遊ぼうか?』

 

遊ぶだと?

人の命をなんだと思ってるんだ!

 

「一夏くーん、落ち着け、ビークルー。怒りに任せて突っ込んでも的だ。冷静に、行け!」

 

サラが俺に合図を繰り出す。

そうだ、怒りに任せてもダメだ。

冷静に見極めるんだ。

 

「なんで味方を撃ったんだ!」

 

どうしても湧く疑問を、返答など来ないと分かっていながらも繰り出す。

答えと言わんばかりに、さっきの何がが撃ち出された。

掠ることすら許されない、だけれどもこれなら避けられる!

少しサラが驚いてたように見えたけど、そんなのどうでもいい。

 

『勘違いなさらぬよう、彼女は味方ではありません。ただの協力者。協力の必要がなくなったら切った。それだけです』

 

先の男ではなく、女性が答える。

女性の声が消えれば、またあの何がが撃ち出される。

今度は反応が遅れたが、ギリギリで交わす。

凄まじい勢いでシールドエネルギーが消し飛ぶ。

掠ってなくてもこれか!?

 

『アハハ!残念だけど…俺たちには味方なんていないんだ』

 

先程の男の声。

しかし狂気が消えて、沈んだ…

まるで悲しんでるような声に変わる。

いや、自虐のようにも聴こえた。

 

『そう、いないんだよ…味方も、そして敵もね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『愛してるんだぁぁぁぁ君たちをぉぉぉぉぉぉぉ!!ギャハハハハハハハハ!!!』

 

 

「ふざけるなぁぁ!!」

 

何が愛してるだ、狂ってるのか!?

ホワイト・グリントをさらに加速させる。

光が強くなる。

見えてきた、ヘリだ。

武装ヘリに吊るされたISが、よく分からないドデカイ砲を構えていた。

その砲から、溢れんばかりに青い光が発されていた。

あれが何かを打ち出してたやつか!

 

『あ、見つかった!アハハ!いーじゃん、盛り上がってきたねぇ!!』

 

また何かを打ち出す。

近づいたせいか、弾速がもう反射で避けるしかないくらい早くなってる。

それでも避ける!

死ぬ気で避ける!!

黙れよ、喋るな!

その道化みたいな喋り方をやめろ!

 

「うおおおおおお!!」

 

零落白夜を起動させて、一気にたたっ切る。

今度はトラップに引っかからない。

ジグザグに動きながら、奴の側面に叩きつけた。

零落白夜を受けて、シールドエネルギーが蒸発。

隙だらけになったそこに、サラがパイルバンカーをぶち込む。

 

「情報はあっちで取れるからね、ヤバそうなやつは死んでちょーだい!!」

 

6万パイルとか言ったっけ?

あれが火を吹いて、奴を粉々にする。

そこから飛び出るのは黒、赤い血ではなかった。

 

『なるほど、やはり貴方がた2人はそうですか』

 

女性の声が響き、ヘリが勝手に墜落していく。

吊られたISも一緒に。

 

『いいでしょう、認めましょう。今この瞬間から、織斑一夏、あなたは【黒い鳥(レイヴン)】です。そしてサラ・ドレス、あなたは【赤い鳥(ヴェニデ)】です』

 

それだけ、そんな訳の分からないことを言ってから、女性の声は消えた。

 

『ギャハハハ、アーハッハッハッハッハハハハハ!!』

 

辺りには、沈みゆく無人機と思わしきISから響く、狂気を含んだ嗤う声だけだった…

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