インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
物語が一気に動きます
暗い部屋の中、篠ノ之束は怒りに燃え、パソコンと睨めっこしていた。
指は残像を残すほど速度を出しており、タイピングの神速と言えた。
その心のうちは誰にでもわかるほどである。
自分の子供とも言えるISを、勝手に量産して勝手に戦争に使用、挙句兵器として使わせている。
男でも使えるようにしたのは感心したようだが、その使い道に非常に怒りを感じていた。
だからこそ、【財団】という存在を潰すため、彼らの情報を探していたのだ。
「許さないからね…束さんのISを!」
天災を怒らせた。
【財団】に未来などないだろう。
そう誰もが思っていた。
しかし現実、篠ノ之束は【財団】の影どころか足跡すら見つけられなかった。
奴らはどこにいて、どこから戦争を扇動しているのかも、【可能性の否定】という意味さえわからなかった。
「ネガティブなやつに、この束さんが負けるわけないでしょお!!」
「束様、そろそろお休みになられては…」
クロエと束が慕う少女が心配する。
篠ノ之束は寝ていなかった。
それだけではない、食事も満足に済ませず、【財団】が宣戦布告したあの日からずっと不眠不休で【財団】を探していたのだ。
普通なら倒れるこの異常な行動も、天災の肉体。
そしてAMSの応用による、能情報処理能力の向上で何とか保ってる状態だった。
しかし粗製の束の脳は、既にAMS過剰使用でズタボロ。
自分の体の健康状態すら判断出来ないようになってた。
「大丈夫大丈夫、クーちゃんありがとう」
「大丈夫じゃないです!鏡を見てください!!」
その言葉に激昂したクロエは、鏡を粒子化させて現せる。
そうして束は今の自分を見ることになった。
酷いものであった。
AMSの過剰使用によって与えられた過剰なストレス。
頬は痩せこけ、目に隈がガッツリ現れ、挙句髪の根元が白色に染まり始めていた。
目も充血しすぎて、白目との区別がつかない。
「あはは……これ束さん?」
「束様です!お願いだから休んでください……」
涙を零し、クロエが訴える。
それにさすがの篠ノ之束も折れた。
自分の容姿が激変してたことに驚いたのもあるが、確かにこれだと心配させると考えたのだ。
1日休めば良いくらいだろう、そう考えて、席を離そうとした時だった。
『随分と酷いことになってるね、篠ノ之束』
「【財団】!?」
『男が使えるのも、量産が可能なのも、全て【タワー】のおかげだ。あそこに、ISコアの代わりになるものがあった。それを量産しただけさ』
言いたい疑問を真っ先に答える財団。
しかしタワーと呼ばれる単語に気がかかる。
『タワーはタワーさ、まあ君らが永遠にわかることないものさ』
小馬鹿にした口調で語る。
「へぇ、じゃあお前の技術で使えるようにした訳じゃないんだ」
負けじと馬鹿にした口調で返す束。
しかし財団は特に気にする様子はない。
『なんとでも言ってくれ、僕はメチャクチャに出来ればそれいい。ちなみに、タワーがどこにあるのかは…想像できるだろ?そこの地下深くだ……待ってるよ』
それだけ言って、財団は一方的に通信を切った。
それは篠ノ之束への挑戦状を叩きつけたということだろう。
「いいよ、ぶっ壊してやる…」
「束様!先にお休みください!!」
「分かってるよクーちゃん、しっかり休んでから……あいつを潰してやる…」
数日後、シベリア近郊にて、2人の少女が保護された。
それは篠ノ之束とクロエであった…
2人とも重度の凍傷を負い、それ以上に全身にひどい傷を負っていた。
やがて先に目覚めた篠ノ之束は、涙ながらに看護師にこう伝えたという。
「財団を止めて……束さんの………私の夢を壊させないで…」