インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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mission56 セラフ フォー アンサー

迫る暴走したISの海。

砲火を撒き散らし、血の沼を作る。

前から迫るそれに、私はライフルを両手に携え引き金を引く。

量産型は誰でも使えるから量産型なのだ。

さらに言えば誰でも『強くなれる』から量産型だ。

下手な専用機よりも、量産型の方が強いことが多い。

戦場ではそれが摂理だし、【数の暴力】という言葉があるように、専用機1つより量産型10の方がずっと強い。

だからアームズフォートが生まれるわけだし。

つまり何が言いたいというと…

今の私の状況だ。

 

「守りながら……きっついなぁ!」

 

私の駆るレイブンという専用機に、ラファールや打鉄と言った量産型が50。

問答無用で、しかも何故か国家代表クラス並の動きで迫ってくる。

乗ってたのは軍人さんだから、確かに国家代表クラスと言えばそうだけど…

そのレベルじゃない。

それにこの戦い方、どこかで見覚えが…

って、考えてる場合でもない。

ラファールが何機かバズーカを構えてうち放つ。

合わせて打鉄がシールドバッシュを仕掛けてくる。

バズーカを避けないと…いやこれブラフか!

私の予感と同時。

案の定、バズーカは着弾前に爆散し、内部からベアリング弾が無数に飛んでくる。

散弾を仕込んでたか…なら目くらましがメイン。

シールドバッシュと思わせ、その後に他のISを仕込んでいた。

その手に持ってるのはハンマー。

絶対防御で殺しきれないほどの衝撃で、身体にダメージを負わす気か!

 

「見えたし、させないよ!」

 

一旦ライフルを粒子化して、月光を両手に出現率させる。

そのまま横に2本とも薙ぎ払い、リミッターを解除した月光に、真っ二つにされて落ちていく2機。

次は後ろか、後から4機の打鉄がやってくる。

それぞれが的確なフォーメーションで、私を取り囲んで撃ち込んでくる。

AAを発動させ、吹き飛ばす。

しかしそれでは仕留められない、それぞれすぐに大勢を立て直して砲撃してくる。

きついなぁ…下手に回避を行えばラウラが危ない。

 

「セラフ……なんでなんだ」

 

苦痛に歪むラウラの声が聞こえる。

それに応えるようにセラフが呟く。

 

『私は……人類を再生する…滅ぼす訳ではない』

 

 

 

『そもそも、人間に私たちは不要のはずだ。だが人間は常に滅ぼし合い、それが破滅に向かうとわかってながら止められない。ラウラは私たちは要らないと答えたが、決してそのようなことは無い。そして私たちは救世でならねばならない。救う存在と、そのような関係にはなれない。なってはならない。そもそも、人間に私たちは不要……』

 

「無限…ループしてる」

 

誰が見ても分かるだろう。

ラウラに管理人としてのセラフは要らない、友人としてなら必要と言われたのか?

それに合わせて目の前で起きてる自身そっくりACの大虐殺。

思考がバグを起こし、なにかの議題でループし続けてるのか。

人間と違う、人間ならループが続くと【もういいや】という妥協を選べられる。

疲れるからだ。

だけど疲れ知らずの機械なら、同じ議題を永遠にループさせれる。

それが原因で、ISとして機能しなくなったのか。

そして永遠にループし続けているということは、このままでは帰ってこれなくなる。

メビウスの環に囚われてしまう。

 

「いい加減にしろ、1人で抱えるな!悩みくらい私にぶちまけろ!付き合い短くとも【相棒】だろうが!!」

 

ラウラがついに切れた。

戦場全体に響き渡りそうな大きな声で、それでようやくセラフが止まった。

ありえないとでも言いたげな声色だった。

 

『相棒?仲間?』

 

「そうだ、お前は私の仲間だ。1人で抱えず、私に打ち明けてくれ…【私はお前の味方だ】」

 

その言葉で、セラフが大きく揺らいだ気がした。

悩みが晴れつつある、そんな感じだった。

 

「お前は【人類を救うためなら】私だって殺すと言うだろうな。お前は【人類を愛している】からな。それでもいい、どうせ御姉様がいなければ消えていた命。それが人類のためにというなら喜んでその【選択肢】をえらぶ。【1つの命を思う、それが愚かなものか】」

 

何故か、私はその言葉で、ラウラをスミカと重ねた…

 

「帰ってこいセラフ、私という【人類】を悲しませる【解答】はさせないぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『能天使、私は、私たちが取るべき【解答】が、ようやくわかった気がする。私たちはやはり不要だ………戦いこそが、【戦いの中で生まれるココロこそが】人間の……否、全ての【もの】の可能性だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『システム再起動、第2次移行』

 

「セラフ!」

 

ラウラの言葉と共に、セラフの形状が変わっていく。

あまり派手な変形ではないが、前よりもより生き物のような形状へ。

まるで、並び立つ【天使】のように…

 

『私たちは、管理ではなく、並び立つべきだった…ラウラ』

 

「セラフ……御姉様、あとは任せてください」

 

そう言って、セラフが再起動し、私と共に並び立つ。

ワンサイズ大きくなってる。

私のレイブンより一回り、二回り…

 

『そうか、熾天使。お前はそれか……』

 

今度は何!?

セラフが変化すると同時に、背後から爆発音。

シャッターが吹き飛んだ。

そこには…あの【吊られた男】のISが!?

なんで、彼は一夏とサラに……

 

『おーいルーキー!お前以外は通してやるよー!早くしないと、IS学園やばいんじゃない?アハハハ!!』

 

それを聞いて、大半の人間が我先にと撤退していく。

企業に救われたと気づいた人間は何人いるだろうか…

何にしても、私はラウラに背を押され、離脱することにした。

あの男の言葉が本当なら、IS学園でなにかが起きてるのは間違いない。

急がないと…でも、なんで一夏だけ……

 

『残念ながら、織斑一夏。貴方は別です。貴方は、我々の証明のために、消えてもらいます。』

 

その言葉が、私の最後に聞いた言葉だった。

直後、逃げようとする人の波に飲まれて、私はそれから先は聞こえることなく流されて行った。




駆け足になりますが、あと数話で本編が終了します。
もうあとは書くだけです。
ここまで続けれたのは、ひとえにこの作品を見続けてくれた皆様のおかげです。
少し早いですが、ここで感謝の言葉を書きます。
本当に、3年も待ってくれて、ありがとうございました!
この作品は、後半かなり駆け足で送っておりますので、描写しきれてない部分もあり、リメイクをいつか書く予定ですので、その時に、またちゃんとしたものを送らせてもらいます。

それでは、残り数話。
最後までお楽しみください…
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