インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活   作:しじる

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mission57 主任 前編

残された一夏、そして残った鈴とラウラ。

鈴は一夏が心配で、ラウラはこの【吊られた男】が何をしでかすか監視するためだ。

この【吊られた男】が現れた直後に、あの⑨のACは機能停止。

IS達も、見守るように浮遊していた。

 

『見てたよルーキー、ちょっと時間かかったけどね!』

 

「お前…」

 

一夏は警戒し、鈴も武装を構える。

ラウラに至っては、既にいつでも攻撃可能だ。

 

『本当は好きじゃないんだ、これからやろうとしてるマジな戦いはさ…俺のガラじゃないしね!』

 

『主任、活躍を期待します』

 

主任と呼ばれた男は、女の声でやる気を出す。

一夏は雪片を抜く。

 

『ま、やるんなら本気でやろうか、その方が楽しいだろ!ギャハハハハ!』

 

そう言いながら、主任が仕掛けてきた。

その手には大型のライフルとレーザー砲。

それぞれを乱射しながら迫る。

一夏、鈴、ラウラはそれを交わし、それぞれライフル、龍袍、バルカンを打ち込んでいく。

しかし、主任は周辺にある陸軍の残骸を盾にしながら巧みに交わしていく。

正しく歴戦の名将のような戦いである。

全ての攻撃が先読みされている。

ラウラがパルスライフルを撃つが、こっちはあまり効いていないのか、そのまま突っ込んでくる。

 

「ちぃ!」

 

『残念だねぇ〜あ、ぽーいと!』

 

粒子化、それから取り出したのはグレネード。

それを突撃と同時にばら撒き、ライフルで撃ち抜く。

爆発と同時に破片が炸裂、周辺の一夏達にダメージを与える。

特にノーマルISの鈴は、PAが無いためさらに大きな打撃を受ける。

 

「きゃぁ!このぉ!」

 

見えないはずの龍袍、しかしそれを次々と交わしていく主任。

それをカバーするように一夏が攻撃しても、また交わされては反撃をもらう。

ラウラも攻撃するが、大したダメージがない。

 

『あれれ、まさかびびちゃったぁ?』

 

「調子に……乗るな!」

 

一夏が突貫する。

しかしそれは無謀にも見えた。

カウンターするように、主任が銃を粒子化、切り替えでショットガンを取り出す。

炸裂した散弾が一気に襲う。

しかし一夏はそれを恐れず、何と飛んでくる散弾を切り払いして突っ込んでいく。

流石にこれは主任も面食らったのか、そのまま零落白夜の直撃をもらう。

大きく吹っ飛び、しかしそれで倒れることなく、主任はライフルを撃ちまくる。

 

『へぇ、なかなかやるじゃない。それなりにはさ!』

 

「くっ、浅い…うぁ!?」

 

カウンターに蹴りを受けて、一夏は大きく吹っ飛ぶ。

PAが削られ、本体へとシールドダメージが伝わる。

 

「一夏ぁ!今助けるからね!」

 

「嫁ぇ!」

鈴とラウラの援護が向かうが、それをものともせずに、逆に反撃を行い、ダメージを与えていく。

 

『そりゃ無理だ、申し訳ないけど』

 

声とともに砲撃と、希に残骸が飛んでくる。

それぞれが目潰しとダメージを与え、援護のはずが、逆に滅多打ちにされていた。

こんなに苦戦するのはセラフ以来だ。

一夏は心の中で思った。

 

「何故だ、なんでお前達は!」

 

疑問だった。

何故ここまでするのか、何故世界をめちゃくちゃにするのか。

一夏は心から叫んだ、

すると、かの男は答えた。

 

『……いいだろう、そろそろ教えてもいい頃だ』

 

それは、今までの道化じみた喋り方ではなかった。

攻撃の手は止めないが、主任は、男は語り出した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【これは、お前達にとっては未来の話だ】

 

 

【神様は人間を救いたいと思っていた…だから、手を差し伸べた】

 

【だがその度に、人間の中から邪魔者が現れた】

 

【ある時は企業の尖兵、ある時は復讐鬼、ある時は深淵(アビス)を殺し、ある時は越えてはならない一線を超え、ある時は愛する者のため、ある時は人類の天敵として、またある時は……全てを焼き潰した】

 

【神様の作る秩序を、ことごとく壊してしまう者】

 

【何もかも焼き尽くす、死を告げる鳥】

 

【そいつは、黒い鳥(イレギュラー)と呼ばれた】

 

【神様は困惑した、人間は…救われることを望んでいないのかって】

 

【でも神様は、人間を救いたいと思ってた】

 

【だから、まず邪魔者を見つけ出して、殺すことにした】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そう、全ての始まりの……ここでな!』

 

主任の攻撃がさらに苛烈になる。

それに食らいついていく一夏。

銃弾を切り払い、ロケットを躱し、蹴りをカウンターする。

それでも主任に届かない。

後一歩が足りない。

それでもと足掻く。

 

「一か八か、これならどうだぁ!!」

 

一夏は一気に飛び出す。

それはラウラがパルスライフルを打った瞬間だった。

 

「嫁ぇ!?何をして!」

 

一夏の背面にパルスが直撃。

シールドが減少……しない。

急速な速度で一夏が主任へと吹っ飛ぶ。

それは瞬間加速、瞬間加速は外部からのエネルギーを取り込んでも加速することが出来た。

それを利用して、即興でやったのだ。

想定より吹っ飛んでいるが、それが主任の読みを外させた。

 

『なっ?!』

 

「ディアアアアアア!!」

 

今度こそ、零落白夜が、本当の意味で直撃した。

主任の体が、抉られる。

頭部が飛び、胸部に深く切り傷が生まれた。

血の代わりに黒い何かが飛び散り、主任は破壊したシャッターへと叩きつけられた。

間違いなく即死だろう。

 

「一夏……」

 

鈴が心配そうに近づく。

それは殺人をしてしまったかもしれない一夏の心を考えてだった。

しかし一夏、そしてラウラもそう出ないと考えていた。

まだ終わっていないと……

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱりさ…やるもんじゃないね、ガラじゃないことはさ』

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

「やっぱりか…」

 

一夏が呟くと同時に、明らか人間ならば死んでるはずの状態で、再起動する。

黒い何かを吹き上げながらも、主任は立ち上がる。

そして、シャッターの側にある柱を殴り潰す。

倒れてきた柱を掴み、持ち上げる。

大質量、鉄筋コンクリートの柱を。

 

『これだから面白いんだ、人間ってやつは…』

 

「まだやるんだろ、主任。こい!」

 

第2ラウンドが、始まった…

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