インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
一限目の授業終了の鐘が鳴る。
それを確認しだい、私は机に突っ伏している一夏に声をかけた。
「一夏、大丈夫?」
「大丈夫じゃねぇ…何なんだよ
それだけ言うと、一夏はまた倒れこんでしまった。
無理もないか、元々一夏は藍越学園に入学するはずだった為、ISのことなど微塵も調べている訳がない。
そこへ止めに参考書を、古い電話帳と間違えて捨ててしまうという謎の大失態をしてしまっている。
新品の参考書を、どうやったら古い電話帳と間違えるかが、私は疑問で仕方ないが…
まあ当然、その事を知った千冬さんに拳骨を喰らわさせていたな。
良くあれを喰らって頭が割れないものだと一夏をある意味誉めたい。
「参考書に関しては自業自得だけど、その他は仕方ないさ。頑張れ一夏」
「うぐぅ…アリサァ~」
「ちょっと良いか?」
その時、後ろから声をかけられた。
一瞬、前の時の癖で後ろに居たその誰かを投げかけたけど、すんでで止めた。
あと少しで掴んでしまうところだった…
この癖も、この平和な世界には要らないもの。
さっさと直さないとな…
そして、私が投げかけた人物、それは篠ノ之箒だった。
「篠ノ之箒さんだったっけ?私は別に良いよ、一夏は?」
「うえ?おお、箒か!俺に何か用か?」
その後、一夏は篠ノ之箒に屋上に連れていかれていった。
さて、私はこんどはどうしようか。
今のとこのの唯一の話し相手が居なくなってしまった。
そんな時だった。
「ヤッホ~、ちょっと良いな?」
不意にまた後ろ姿から声をかけられた。
こんどはちゃんと意識していたので、投げ掛けることはなかった。
そして改めて後ろを見てみると、かなり袖の余ったブカブカの制服を着た人が居た。
なんか雰囲気がのほほんとしてる人だ。
「良いよ、なに?」
「おー良かった!私は布仏本音、ねぇ良かったら私と友達にならない!」
なんかいきなり友達になろうと言われた…
これが学校の人間関係なのか?
なんにせよ、前の世界では友人と呼べる人が居なかった故に、この友人勧誘は嬉しい。
素直に受けておこう。
「ん、良いよ。よろしく布仏さん」
「おーありがと『あーちん』!!」
「あーちん!?」
「アリサだから『あーちん』だよ、あと私は呼び捨てで良いよ~」
なんか凄い渾名をつけられた…
束さんと言い、本音といい…この世界の人は変な渾名を付けるのが趣味なのだろうか。
そんな事を考えていたらチャイムが鳴り響く、さて次の授業は一体なんなのだろうか。
初めての学校と言うものに、私は未だワクワクしながら自分の席に向かうのであった。
「……ここはこうでして」
現在私はISの基礎知識に関しての授業を受けている。
それにしても担任の山田先生の教え方は非常に上手いと思う。
実に分かりやすい解説だし、なにより取っつき安く簡単だがイラストも描いて、たまにギャグを取ったりと。
これは当たりの先生を引いたな、私は。
前の世界のスミカの時はホント地獄だった。
いきなりネクストに乗せられて、やれこうしろそれああしろとか、挙げ句の果て5対1で戦わされたりとか。
あれは本当に大変だった…
まあお陰であの5対1を生き延びれたのだけれど。
「さて、ここまでで質問がある人は手を挙げてください!」
「は、はい…先生」
ん?一夏が手を挙げてた…あっ、これは多分
「はい、織斑くん!」
「じゅ、授業が解りません…」
「え、解らないてっ何処がですか?」
「全部です」
「全部!?」
ああ、やっぱりか…
そうだよねうん、参考書なしだとさっぱりに決まってる。
ネクストみたいに、弄って覚えろじゃないから余計に解らないよね…
ネクストに弄れるようなスイッチやレバーは無いけど。
あっ千冬さん、何時の間に…
あ~あ、一夏殴られた。
そういえば、さっきから一夏に向けての殺気を少し感じる。
あの金髪のいかにもお嬢様な人かな?
まあ良いや、これは一夏の問題。
それに死ぬような事にはならないだろうし、私が入って余計に面倒にする必要はない…よね?
二時間目が終わり、現在その休み時間。
私は一夏に勉強を教えていた。
「で、アラスカ条約というのは…」
「へぇ…そうだったのか。ありがとなアリサ!」
「ん、一夏、これくらい知ってないと恥ずかしいよ?」
「ぐは!?」
とまあこんな感じで、まさかの教えている場所は全て常識と呼べる範囲ばかりで、参考書さえ捨ててなければ普通に解る範囲だった。
これ、教える私も恥ずかしいよ…
「ちょっとよろしくて?」
不意に声をかけられた。
後ろを振り向いて見ると、そこには先程の金髪のいかにもお嬢様な人が立っていた。
「ん、なんだ」
「んぅ?なんの用だい、イギリス代表候補生『セシリア・
「なにか微妙に違う気がしますが、とりあえずそこの人は置いておいて、なんですのその返答は!この私に声をかけられておきながら!」
「いや、俺君のこと知らないし…」
「知らない!?はぁ、これだから男って生き物は…」
あれ、この人もしかしなくても女尊男卑思想の持ち主?
イギリスの代表候補生が女尊男卑思想持ちってことは、イギリスは女尊男卑の国なのかな?
まあ良いか、私には関係ないし…一夏に説明しないと。
「一夏、彼女はセシリア・ウォルコット。イギリス代表候補生で、つまりエリートってところかな?」
「やはり微妙に間違えられている気がしますが、そう!私こそ実技試験で試験官を倒した二人のウチの1人にして、試験次席のエリート中のエリートなのですわ!」
「次席…」
「なんですのその目は!!」
あっ、一夏次席だからってたいしたこのないなって思ってる…あの目は絶対そう思ってる目だ…。
「第一、試験ってあれだろ?あの教官なら俺も倒したぞ?」
「「…………ハァ!?」」
一夏、今何て言った!?
教官倒したの!? もしや一夏、ドミナント…
「その話本当? 一夏!」
「ちょ!? アリサどうした!あぁ、一応な」
「教官を倒したのは私ともう1人の方としか聞いておりませんが!」
「女子では、てオチじゃ…てか二人とも落ち着け!」
「「これが落ち着いていられ…!」」
その瞬間チャイムが鳴り響いた。
「ぐっ、覚えていらっしゃい!!」
セシリアか自分の席に戻っていくのを他所目に、私はさっさと自分の席に座るなり、後ろにいる一夏に声をかけた。
もちろんさっきの話の続きを聞くのが目的だ。
「一夏、教官倒したのって本当なの?」
「え!? まぁ、あれを倒したと言うなら本当だな…」
「うん?」
その後、先生が来るまでにその話の全部を聞いたが…一夏、それ倒したと言わない。
ただの先生の自爆だ…
そんな事を思いつつ、三時間目に突入するのであった。
三時間目。
入ってきた先生は、織村先生こと千冬さんだった。
「今から実修授業に入るわけだが…その前にクラス代表を決めたいと思う。自推薦他推薦問わない、だれか良い人間はいないか?」
そう教壇で言い放つ。
クラス代表か…面倒な物なのかもしれない、でもやってみたい。
学校というものは、とても面白いところだと、今日一日で思えてきたからだ。
本音と友達になったり、他人に(と言っても一夏だけど)勉強を教えたりと、これほど楽しくワクワクすることは、初めての任務に成功して以来だ。
私がそんな事を考えていると…
「はい!織斑君が良いとおもいます!」
「はい、私もそう思います!」
一夏を推薦する声が上がった。
まあ世界で初めての男性操縦者だし、良い宣伝にもなるだろうし、当然と言えば当然かも知れない。
でもクラス代表…やってみたいなぁ~、自推薦は良いみたいだけど、このタイミングで自推薦するのはなぁ…
そんな時、ある意味私に救世主が現れた。
「納得いきませんわ!!」
セシリアだ。
机をバンッと大きく鳴らし、彼女は立ち上がり叫ぶ。
「クラス代表が男など、恥さらしも良いところですわ!何よりクラス代表は実力のあるものがなるべきもの!第一私はこの学園にISの勉学をするために来たのですのよ!こんな文化としても後進的な国で暮らすだけても、私としては屈辱的で…!」
やばい、これ以上はかなりやばい、なにがなんでもヤバイってここは日本で、かつ日本人生徒の多いこのIS学園でその発言はかなりヤバイ。
一夏もこれに怒っているのか、今にも爆弾を投下しそうだ。
でもこれは逆にチャンス、セシリアが空気をぶち壊したお陰で、私が自推薦できる空気になった。
「先生、自推薦します」
ここぞというタイミングで自推薦する。
「ちょ!貴女…!?」
「ほぉカーチス、理由を言ってみろ」
「はい、私は生まれてこの方、学校というものを知らなかったので、クラス代表と言うものがどういうものか非常に興味があります。かつ、セシリアさんの『実力がある者』発言を取らせていただくならば、私はそれにあっているかと…」
よし、これて納得してくれるかな?
「ちょ、ちょっとお待ちになって!貴女、実力が自分にあるとでも思ってらっしゃって!!」
「オルコット、こいつの頼みだから黙っていたが、カーチスは実技試験主席で私と互角に渡り合ったぞ?」
うん千冬さん、ナイスタイミングで暴露してくれたのはいいけど、貴女と互角だったは要らなかったかな。
だって…
「なっ、なんですっ…」
「「「えーーーーーーーーー!!?」」」
こうなるから…
結局この後、千冬さんの提案で、今度の日曜に第一アリーナを使って、クラス代表決定戦を行うことになるのでした。
「あれ、俺の意思は?」