インフィニット・ストラトス 首輪付き少女の学校生活 作:しじる
セシリア・オルコット(後で千冬さんに正式名を教えてもらった)の暴言やクラス代表を決めるための決闘、いわばクラス代表決定戦開催案が出てから数時間後。
私と一夏、それと箒は食堂にて昼食を取っていた。
一夏と箒は、日替わりセットで私は唐揚げ丼という、なかなか奇抜な物を食べていた。
今日の日替わりセットは、塩焼き鮭に味噌汁漬物といった、とてもシンプルながらバランスの良い物となっている。
対する私の唐揚げ丼とやらは、文字通り唐揚げが丼の上に、大量にのせられたボリューム満点のどんぶり物だ。
揚げたての唐揚げの上に、特製醤油タレとマヨネーズをかけていただく。
うん旨い、衣がサクッとしていて中は非常にジューシー。
そしてタレとマヨネーズが互いにマッチしあって、更に旨さを増幅させている。
うん、素直にこれは美味しいな…今度からこればっかり注文しそうで恐いくらいに美味しいよ。
さて、本題に入ろう。
結果的に、一夏は半ば無理矢理クラス代表候補になる羽目になった。
故に、一夏のIS戦闘が心配で仕方ない。
私は別にISを動かすことに関しては問題ない。
むしろ問題があるのであれば、試験の時に実技教官を倒せるわけがない。
そう言う意味では、オルコットもかなりの実力者であろう。
教官を倒したと言っていた以上、打鉄がラファールで教官を倒したはずだしな。
後に、オルコットは専用機で勝っていたことに気付いて、ガックリくる私であるが…今は知るよしもない。
「ところで一夏、セシリアに勝てると思ってる?」
「…頼むアリサ、箒!俺にISを教えてくれ!!」
「まあ、解ってたよその反応」
「しったことか、参考書を捨てたお前の自業自得だ」
まあ、クラス代表候補に無理矢理された一夏にとっては酷だけど、仕方ないものは仕方ない。
かといって私は、大切な人とはいえ敵に塩を送るほど優しくはない。
そんな一夏を哀れに思っていた時だった。
「そこの君?なにか困ってる様だけど…もしかしてISの事かな?」
そんな声が聞こえた。
そこには一人の女性が立っていた。
胸元のリボンの色からして、恐らく三年生だろう。
どうやら一夏の興味を引くために、一夏のIS訓練を手伝うとか言い出すだろう。
で、あのようすだと、箒が
『私がやるから大丈夫です!私はあの篠ノ之束の妹ですから』
とか言って、強引に話を切るだろう。
故に私は完全に話を右から左へと流していた。
正直あまり私は箒という、中途半端な存在が好きではない。
普段はあの人とは関係ない、あの人の力には頼らないと言っておきながら、結局こんな時には束さんの妹という権力を振りかざす。
本当に中途半端だ。
まるでかつての、『解答』を見つける前の私みたいで腹が立つ。
恐らくこれが同族嫌悪と言うのかもしれない。
そんなことに意識を没頭していると、会話は終わったらしく、やはり箒が私の想像通りのことを言ったらしい。
やれやれ、このあと一夏はどうなることか…
それから暫くして、部屋割りが決定された。
たしか今年の一年は奇数だったから(一夏を除く)、三人部屋が1つあるらしい。
まあ、私はどっちになるかなんて気にしない。
同じ部屋になったら、その人と仲良くなって、あわよくば友達に馴れたら良いな程度だ。
さて、そしてその部屋に到着した。
「…クレイドル上層階級部屋?」
私が部屋に入って抱いた感想はそれだ。
たしか一度だけ企業の人間(たしかオーメル)と会談する際にクレイドルに招待され、呼び出された部屋が、こんな感じだった気がする。
窓側とドア側、それに右壁側にベッドが一つずつ。
どうやら私は三人部屋になったらしい。
もう少し奥に進むと、ちょこんと三つの勉強机があったり、何故か足が折り畳み可能のちゃぶ台が壁に立て掛けてあったり、超薄型テレビが一台が設置されてたりと、なかなか面白そうな部屋だった。
「ここであと二人と暮らすのか…うん、悪くない」
本心から出た言葉だ。
ぶっちゃけ野宿でなければ、寮などどうでも良かったが、こんな素晴らしい部屋ならば大歓迎である。
そう考えると、ずっとネクストの中でいた方が安全だったあの世界が、どこまでイカれてるか良くわかるな。
そんな事を考えていたら、ドアが開く音がした。
「あっ!あーちゃんだ~!!」
入ってきた人は本音と、水色の髪をした少女だった。
「ん、本音もこの部屋?」
「そ~だよ、一緒だね」
これは好都合、一人知り合いならばもう一人もすぐに仲良くなれるかもしれない。
あの世界と違って、互いを疑う必要なんかないのだから。
「おー、あーちゃんが同居人なら、『かんちゃん』ともすぐ仲良くなれるよ!」
「本音、その人は? あとかんちゃん止めて」
「かんちゃん、この子がさっき話したあーちゃんことアリサだよ」
かんちゃんと呼ばれる子の問いに本音が答える。
ふむ、私も自分から自己紹介しないと。
「アリサ・ヴァン・カーチス、よろしく」
「ああ、貴女が…更識簪、簪で良いよ」
互いの自己紹介が終わり、さあ何を話そうかと考えていた瞬間。
ズガンッ!
そのような音が、隣の部屋から響いた。
何事と思い、部屋を飛び出すとそこにいたのは…
「一夏、何をしてるの」
何故か一夏がドアの前で土下座をしていた。
「あっ!アリサ、ちょうど良いところに!!頼む、箒を説得してくれ!」
うん…だいたい予想がついた。
何故一夏が箒と同室なのかは置いておいて、恐らく一夏が箒のシャワー上がりを見てしまったか、下着…恐らくブラでも見つけてしまったか…あるいは両方もあり得る。
まあどっちにしても、一夏…君はどれだけ変なフラグを建てるのだい。
こうして私の初学校日は、おもに一夏絡みによってカオスと化すのであった。