もう一度ここから ~ときめき青春高校野球部アナザーストーリー~ 作:たまくろー
稚拙な文章ですがよろしくお願いします!
第1話 廃れたモノ
~4月~
今日はときめき青春高校の入学式だ。
見るからにやんちゃそうな奴がたくさんいる。
警官までいやがるぜ。何が起こるってんだ。
俺はここで3年間過ごすんだな…。
「む、そこの人!! ちょっと待つでやんす!!」
なんだコイツは?あんまり不良っぽくないな…
学ランの丈はノーマルだし、ボタンもしっかりと閉めてる。
つーか今時瓶底メガネなんてかけてる高校生初めてみたぞ。
荒波が前に進もうとすると、その前を遮るように矢部がひょいひょいと立ち塞がる。
「アンタ野球経験者でやんすね! 確かー…荒波 春(あらなみ はる)君でやんすね!」
会うや否やなんなんだコイツは…
もしかしてまだあの事覚えてる奴がいるのか?
「そうだけどお前は?」
まぁ悪い奴でもなさそーだし、話だけでも聞いてみるか。
「オイラ矢部 明雄(やべ あきお)でやんす! パワフル中学のリードオフマンでやんす!」
矢部は自慢げに自己紹介。
知ってる。 出塁率はさほど高くないけど盗塁や走塁技術はかなりの物があるやつだったな
って知ってようがもうカンケーねぇけどな。
「オイラ、あかつき大付属や帝王実業のセレクションを受けたけど落ちちゃったでやんす…
でもそのセレクションで思ったことがあるでやんす! こんな凄いチームで甲子園を沸かせるよりもそいつらを倒して甲子園に行きたいでやんす! おいらエリートとモテ男には負けたくないでやんす!」
かなり気合が入っているようだ。しかしそれならせめて部があってそれなりの人や設備があるところに行けばいいのに…
「とりあえず校長に話はつけたでやんす! 監督は決まったらしいでやんすが来月までに部員を9人揃えないと部としては認めて貰えないでやんす!
だから一緒に野球をやろうでやんす!」
入学式から校長に話つけるなんて…どんだけ気合いはいってんだよコイツは
野球経験者を見つけてハッスル気味。やけにグイグイくる矢部。
そして矢部の勧誘を受けて
俺は自分で表情が硬くなってるのがわかった。
俺はまた野球をやるのか? もう捨てたはずだ。なのに…迷っているのか?
「? どうしたでやんすか? まさか怪我でもしてるとか?」
荒波はポケットから手をだし頭をポリポリと掻く。
やけに気だるげな表情だ。
少しの間を置き…
「やらねー。」
荒波はそっぽを向いて答えた。
やるわけねーよ、野球なんて。
もうあんなのはゴメンだ。
「なぜでやんす! アンタみたいな走・攻・守三拍子揃った内野手なかなかいないでやんす!この高校ではかなり貴重でやんす!」
三拍子、、その言葉にピンときた荒波。
矢部を
「2度とその言葉口にするな!」
声を張る。周りの視線がこちらに集まる。
お、なになに?なんだケンカか?俺も混ぜてくれよ。と
「す、すまないでやんす。 なにか気に触ることいってしまったでやんすか?」
冷静になる荒波。
俺としたことが…ついかっとなっちまった。
コイツは何も悪くない。
知っていただけだ。
仮面で覆われた荒波春を。
知らないだけだ。
本当の荒波春を。
「とにかく野球はやらねー。 まぁ部員集め頑張れよ」
もう汗くせーのはうんざりだ。
荒波は行ってしまった…
「はぁ、前途多難でやんす…」
矢部はトボトボと教室に入って行った。
「にしてもなんであんなに怒ったでやんすかねぇ。荒波君はあの世代ナンバーワン投手猪狩守のライバルだったハズでやんす」
矢部や荒波の同級生で野球をやっている者は誰もが知っている。あの年は豊作だと言われていることを。
いずれプロ野球に旋風を巻き起こすような逸材がゴロゴロいるのだ。
「荒波君も注目されてたハズでやんすし、なんでときせー(ときめき青春高校の略称)にいるでやんすかねぇ。ちょっとグレてるでやんすし。」
~夕方~
入学式もそれなりに、気の締まらない表情で過ごした。
そして河原を歩く春。
今はどこか浮かない表情だ。
「ちくしょう。 なんでおれはこうなんだ。どこへ行っても野球が絡んでくる」
おれはまた野球をやってもいいのか…?
何か殻に閉じこもっている様子の荒波。
しかしそんな荒波達が奇跡を起こす事など誰も知る由もない…