ランスの孫。ウィルの暴走戦記   作:神崎風水

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8話 JAPAN各国周り≪斉藤家編≫

 

 

 

原領を出て、美濃に向い歩く二人。

一人は先頭を歩く香華。

もう一人は距離を空けて、気絶してるウィルを背負う鈴夜。

香華は先程の出来事を未だ引きずって居るようで、機嫌が悪くウィルから離れて居る。

鈴夜は怒ってる香華と距離があるのを確認すると、気絶して筈のウィルに話しかける。

 

 

「ウィル殿。何時まで、寝たフリをしてるでござるか?」

「……気づいてたんですか。出来れば斉藤家まで」

 

 

 

鈴夜がウィルの起きてる事を分かったのは簡単。

意識の無い人間は、重心バランスが悪く重い。

しかし、起きると落ちないようにバランスを取るので軽くなるのだ。

起きてるのに狸寝入りしてる理由、その大体予想つく鈴夜はしばらく黙ってた。

だが、流石にかなり時間おぶさってるので、ウィルに声をかける。

 

 

「ムカ……#……落すでござるよ?」

「ごめんなさい、嘘です。余りに心地よくて、姉さんにオンブされてるみたいで……懐かしく」

 

 

返って来た返事が終点までと言って来たので、流石に額に#を浮かべ怒り落すと言う。

ウィルは対して焦った様子もなく、謝り先の言葉を訂正した。

今度は心地よさと、親しみや懐かしさを強調し応える。

しかし、鈴夜はその言葉もさらりと流し、本来の返答を求めた。

 

 

「にょほほほ~……口が上手いでござるな。嬉しいでござるが……して、その心は?」

「むぅ……鋭い。香華姫の機嫌が直るまで、お願いしたいです。はい」

 

 

機嫌よく笑ったと思いきや、即時素に戻り、本音を求める鈴夜。

自身では心地良いし懐かしいのは事実だが、一番の理由が有るのを読まれ、観念し白状する。

 

何故あんなに香華が怒ったのか、前のウィルには「キツイ」オシオキ程度にしか感じなかったであろう。

しかし、ハマに亜紀・琥珀・香華と鈴夜の女性心を諭されたウィルにとって、あの2発平手打ちの意味。

ミゾオチに食らった重い一撃の意味、その全てではないにしろ、大体の予想がついた。

 

鈴夜は姫と顔を合わし難く、背中の心地よさと懐かしい感傷に浸るウィル。

今、現在の状況を誤魔化してる事を理解する。

そして、助け舟を出すべく喋り出す。

 

 

「亜紀姫様の事は、もう少し言い様がござったろうに。姫様も普通の方法で更生は無理と分かってるでござるよ」

「けれど、ヤッタ事は事実だし。庄司様の事、言う訳にいかないよ。常識ハズレな事したんだから……ね」

 

 

鈴夜はウィルの見張り・護衛・協力者として全てを知ってる。

それ故に、ウィルの香華に言った内容、その言葉足りなさがもどかしく感じる。

 

 

「亜紀姫様と琥珀殿も合意。納得の上でござろう?ハマ殿は……寧ろ協力者。アノ言い方では、無理やりと取られるでござるよ」

「僕の亜紀姉と琥珀さんの気持ちを、香華姫に納得させるのは難しいよ。理由はどうあれ、香華姫を裏切る行為に変わりないよ」

 

 

何故香華が怒るのか、ウィルに対する想いもハマより知ってる。

ソレなのに、突き放しているが納得がいかない。

言えば済む、手出しすれば済むと簡潔にまとめウィルに問う。

 

 

「姫様に黙っての行動。嫉妬だと理解してるでござろう?告白とシテしまえば済むでござるよ」

「確かに好きだよ。けど、僕には責任取れないし。3人は……庄司様に託す。香華姫に手を出したら3Gが怖いよ。婿入りが決定しそうだし」

「……怖いのでござるな……失うのが」

「っ?!」

 

 

鈴夜の言葉に体を「ビクッ」と震わせ、体を硬直させるウィル。

 

何度も言うが、昔のウィルなら鈴夜の言う通りに香華に手出しをしてただろう。

女性の気持ちを理解しようとせず、自身の都合とその時だけと軽い気持ちで「好き」と言い、良い気分にさせてシテいた。

ハマの亜紀と琥珀の気持ちと想い。

亜紀と琥珀の言った言葉を事細かく思い返させられ言わされ、ハマに随時説明された。

「ややこ」等の言葉を軽く受け止め応えてたウィル。

けれど亜紀の覚悟、どんな行動しようとしてたのか知らされ、想いの深さに打ちのめされる。

 

香華についても、想いと今回の予定を事細かく諭されて、自分と気持ちの違いを知る。

そして思ったのは……亜紀・琥珀と離れたくない。

渡したくないという渇望……失う恐怖。

香華に対しても、家柄や身分に結ばれる事ができない。

会えなくなり、離れる事になるかもしれない可能性。

また、それにより静とマリー等との関係が壊れ、失う事が……怖いのだ。

 

 

「やれやれ、でござるな……急におとなしい、小僧になってるでござるよ」

「……」

 

 

リーザス・ゼスとJAPANでの今日まで。

ずっとウィルの様子を監視護衛していた鈴夜には、ウィルの心情がよく読み取れた。

 

 

「まあ、良いでござる。斉藤家に着くまでの間、背中で悩むと良いでござるよ」

「……ありがとう……鈴夜さん」

 

 

悩み落ち込むウィルに考える時間を与え、鈴夜に感謝の言葉を述べる。

しかし、基本に楽しいことが好きで「イーーーッ」っとなるのが嫌いな鈴夜は、こうしめったのは嫌い。

ウィルをおちょくり、香華をカラかって反応を楽しむのが好きである。

 

いい感じで終わる話。

それをわざわざ、香華に言われた命令を伝え楽しみだす。

 

 

「にんにん。あっ、次にウィル殿がそういう行為をしようとした場合……殺め(止め)ろと、言われてるので……覚・悟・するでござるよ♪」

「…は?……いィッ!?」

「ん? 鈴夜どうかしましたか?」

「にょほ? なーんも、ないでござるよ~♪」

 

 

言われたウィルは一瞬なんの事か分からなかったが、意味を理解すると思わず寝てるフリを忘れて声を張り上げる。

流石に大きな声に反応して香華が鈴夜に何事かと問いかける。

鈴夜は背中でウィルがビクビクする反応を楽しみつつ、香華は前を向くのを待つ。

そして、今から鈴夜のウィル弄りが開始された。

 

 

亜紀・琥珀・ハマと何を思い、どうしようとしてたか。

また、香華の事をどう思い、今回の視察はどうだったか。

瑞原道場でのセレーナ事やクミコとの会話中思うことや巨乳について。

色々と今までの事を誘導尋問でウィルをカラカイ続けられた。

斉藤家領地に着くまでの間、ウィルは、失う恐怖と香華との仲直り方法を考える間も無く、到着するまで鈴夜に違う問題に悩まされた。

 

 

 

 

 

―斉藤家門前―

 

 

 

 

 

歩みを止める二人、香華は鈴夜の背中で寝てる振りしてるウィルに「起きなさい」と声をかける。

 

 

「ウィルさん。何時まで寝てるんですか? 着きましたよ」

「……ぅ……んぅ?……あ、おはようございます?」

 

 

優しい声でウィルに呼びかけ、肩に手を置き体を揺すり、目を開けるのを笑顔で待つ香華。

一方、ウィルは揺れに反応したように、寝ぼけた風に目を開け、目元を手で擦りながら挨拶をする。

 

 

「クスクス……シャキっとしてくださいね。もう、斉藤家に着いたのですから」

「……あ、はい。大丈夫です」

 

 

クスクスと口に手を当て笑う香華。

一方、ウィルは何故そんなに笑顔で笑ってるのだろう……と、疑問を抱きながら、鈴夜の背中から地に下りる。

「おかしい」香華が怒っていない、不機嫌じゃない……機嫌が良い。

 

今まで確か、離れた場所に居る香華を他所に、鈴夜さんに色んな質問攻めされた。

その間、たじろぎながら答え……続けて……居た?

ふと、鈴夜の顔を見ると「うししし」と口に拳を当て嫌な笑いをしている。

その瞬間「ッ!?」ウィルの頭に、電気が走った感覚と閃きが起こる。

 

 

「鈴夜しゃん? も、もしかしゅて…今までの会話、香華姫しゃまに…聞かれてましゅた?」

 

 

思いっきりカミカミで頭によぎった内容を口にするウィル。

ウィルの面白い反応に鈴夜は口元を吊り上げ、ニヤリと笑いながら応える。

 

 

「にょほほほ~♪ 何を言ってるでござる。『ムカ…#…落すでござるよ?』からず~~~っと、姫は聞き耳立てて、全て知ってるでござるよ?」

「……う、うひぃィィーー!!……」

「ウィルさん!?……あ、気絶してる……」

「にょほほ。そんなに、恥ずかしかったでござるか……小僧でござるの~」

 

 

鈴夜の応えに少しの間の後、両頬に手を当ててムンクの叫びをすると、思考&思慮の許容オーバーしたらしくウィルは気絶した。

立ったまま気絶してウィルを他所に、気がつくまで待つ間二人で話し出す二人。

 

 

「姫様。もう、大丈夫でござるか?」

「はい、大丈夫です。かなり色々カラカワわれ、イライラしましたけど……ウィルさんの思いが……分かりました」

 

 

鈴夜は香華の機嫌が直ったのを確認する。

香華は確かにウィルの思いと真意を得たが、聞かなくてもいい内容まで聞かされ、嫉妬心をかなり刺激された。

 

 

「にょっほっほ。ウィル殿と姫様は、面白かったでござるよ~♪……みぎょ!?」

「むんっ!……ふぅ……楽しみ過ぎです。けれど、今の状況では、ウィルさんに受け入れては……もらえませんね」

 

 

その慌てふためく様を、楽しんでいた鈴夜。

ソレによって、鈴夜は二人の反応を楽しみご機嫌にだったが、調子に乗りすぎて「ゴンッ」と拳骨を後頭部にもらい頭を手で押さえる。

憧れと恋心をウィルに馳せてた香華は、今のままでは叶わずものと悩む。

 

 

因みに、鈴夜が行った二人の仲直りの策。

それは、狸寝入りのウィルに問いかけた後、怒ると同時に殺気を香華に飛ばした鈴夜。

慌てて振り向く香華に目で合図を送るえい、意図を理解した香華は二人の声が聞こえる位置まで下がり全てを聞いていた。

それにより、ウィルが何を思い何をしようとし、亜紀・琥珀・ハマ・セレーナ・クミコの感情好意と香華自身への好意を考えも知しる事ができた。

ただ、ウィルの思考を乱す為か、いや絶対に自身をカラカイ嫉妬させるだろう内容をウィルに誘導尋問して言わせ、自分達二人の反応を鈴夜は楽しんでいたと確信する香華。

なにはともあれ、香華の胸の内のわだかまりは、鈴夜の機転と娯楽によって解消されたのだった。

 

 

十数分後、無事に目を覚ましたウィルだが、目を覚ましたがいいがどう香華に接していいかたじろぐ。

そんなウィルを見て、香華は関係緩和と視察について語る。

 

 

「言わなければ、伝わらないので言います。まず私を「姫様」と呼ぶのを止めて、名前で呼んで下さい。次に視察は自由に周りを見聞きし、各領地を人を知ってください」

「え、えっと…香姫さん? で。……うぇ? 自由に? 知るとは?」

 

 

香華の申し出を受けて名前をさん付けで呼び、視察について言われたが意味が分からなかった。

そこで詳しく視察の目的を語り出した。

表向きはウィルを各領地に視察に廻る事で、織田の独占という周りの不満を無くし、上手くいけば他国の支援が貰えると虚偽をした。

本当の目的は、ウィルに各領地に住む人、習慣がどんなものか知ってもらう為。

JAPANは一つの国であるが、領地ごとでリーザス・ゼス・ヘルマン・自由都市等のように独自の文化と習慣があり全く違う部分が多々あるからだ。

そして、過去に祖父ランスがJAPANを統一するまで、何をして、どんな功績と傷跡を残したかを書物や真偽はともかく、知ってもらう為らしい。

つまり、領主や官僚の目は気にせず自由にして良いとの事、ある程度の節度は必要だが。

 

 

「えーっと……簡略すると。節度ある行動しつつ、後は好きに楽しんで良いと?」

「そうですね。……た・だ・し。女性への手出しは駄目です……鈴夜に全力で殺め(止め)させまるから♪」

「うぐっ!?……重々、承知しました」

 

 

香華の説明を終えて気が楽になったが、女遊び?に付いては死の宣告をもらった。

最後に意を決して香華は、顔を少し赤めながらウィルに告白する。

 

 

「さ、最後に言いますね。ウィルさんの思いだけ盗み聞きして……申し訳ないのから」

「え、あ、いや。無理に言わなくても……」

「無理じゃないです。歳とか関係なく私はウィルさんが……好きです。姫とかではなくて、一人の女として見て下さい」

「僕も香華さんが、好きです。……でも「返事は」へ?」

「返事は、JAPAN滞在の最終日に聞かせてくだい。それまで今まで通りに……お願いします」

「……うん」

 

 

ウィルに対しての思いを伝え、自身が望むものを伝える香華。

ウィルも好きと答えるが、引っかかる次の言葉を言うのを遮り。

答えを最終日に欲しいと言い、この話をお開きにする。

 

ちなみに、ずーーっと静観していた鈴夜の存在を、思い出した二人。

「にょほほ」と笑う鈴夜に、思いっきり冷やかされ、顔を真赤にしてしばらく俯き続けた。

門の前で何をやってるんだと思われるが、斉藤家は結構大っぴらで門番すら居なかった…(いいのか?)

 

 

さて、ゴタゴタを終えた3人は斉藤家に入城し謁見の間に向う3人。

出迎えるは斉藤道美16歳、若くして油売りの行商の交渉(涙目)で成功した女史。

その魅力交渉で美濃三人衆であるツケモノ様・安藤茄子・頑固仁鉄を仲間にしてのし上がった家柄である。

3人が入室し、頭を下げ挨拶を済ませると、道美は気兼ねない口調で喋り出す。

 

 

「3人共、そんなに堅苦しくしなくて、大丈夫なのー」

「あの、道美さん。あまりにフレンドリー過ぎませんか?」

「道美さんなんて、堅苦しいなの。道美ちゃんて読んで欲しいなのー」

「や、流石にそれは…分かりました。道美ちゃん」

 

 

道美の反応も何時もの事なのだろう、香華と鈴夜は軽く笑いながらウィルの反応を見ている。

三人衆や他の家臣も大らかに、その様子を見守っていた。

結局特に変わった事もなく会談が終わり、スムーズに会食・雑談・就寝をその日を終える。

 

 

次の日、道美ちゃんから行商と交渉のノウハウ(女専用)を教わり。

三人衆と模擬戦をし二人には惨敗したが、仁鉄には後一歩まで所までいき、仁鉄の守り硬さに負けたウィル。

茄子の初めて見る陰陽術に驚きと、何故か懐かしさを感じたウィルだった。

勿論、初めて知る事は納得するまで陰陽術を根掘り葉掘り質問して聞きだした。

 

その後にちょっとした切欠が原因で、久しぶりに香華と模擬戦し、嫉妬の憂さ晴らしをされ……ボロボロに敗北した。

その事の香華の嫉妬の始まりは……。

 

 

「ウィル殿は歳のわりに強いですね。LVは幾つ位です?担当レベル神はいますか?」

「今は27LVですよ。昨日呼んで見てもらいましたから」

「おお、なるほどいいですなー……ワシ達は昇格屋ですからな……して、美人ですかな?」

 

 

ツケモノ様はウィル歳にしてアノ強さに関心し、どの程度のレベルかを問いレベル神の有無を聞く。

ウィルは昨夜、何時もの報告雑談とレベル確認した事を3人衆に伝え応える。

大陸で言うレベル屋はJAPANでは昇格屋と言い、何故か男が担当してる事が多いらしい。

担当レベル神は女性ばかりと聞き及んでいた仁鉄はレベル神の事を聞き出した。

 

 

「クミコさんて言って、可愛いくて綺麗な人ですよ……巨乳ですし」

「「「おお!!」」」

「っ!……ムカ#……ウィルさん! 模擬戦しましょう! 久しぶりに!」

 

 

男達の何気ない雑談を聞き流しつつ、お茶を飲みつつのんびりしていた3女史。

盛り上がる男達に、ウィルの巨乳発言に歓声が上がる。

香華はクミコの名と可愛い・綺麗に反応した。

そして、巨乳と言う言葉に↓を向く…両手を当てる……。

左に居る鈴夜の胸を見る……ムカっと来る。

……右に居る道美の胸を見る……まあ、似た感じ。

そして、迷宮捜索でよくお世話になったクミコの胸を思い出す……#。

 

もう、言わずとも分かるだろう。

額に#を浮かべた嫉妬香華が、どこから出したか槍をぶんぶん頭の上で廻し石突を地面にドスン!

槍を落とし、ウィルに模擬戦闘の死合(試合)開始を要求する。

 

 

「模擬戦ですか、いいで…ひぃっ! きょ、今日は止めときます! 今度にしましょう。後日に!」

「ウィル殿? 駄目でござろう……姫の願いを無下にしては……逝く(行く)でござるよ」

「いやだー! ゆーるーしーて!」

「にょほほ~……始めでござるよ!」

「「「……南無……」」」

 

 

雑談中に香華の申し出に了解しようと顔を振り向くが、瞬時に危機を察知して拒否をするウィル。

ソコには槍を地に立て仁王立ちする……香華という鬼が居た。

慌ててその場から後退し出すウィル。

しかし、ウィルの背後に鈴夜が現れ両肩を掴み、死の宣告をしつつ押し戻す。

目の笑ってない笑顔で、黒いオーラは無いが、怒りと嫉妬の炎は仁王立ちする香華の背後に見える気がする。

ウィルは死合の立ち居地まで行きたくないので足を踏ん張る。

しかし、無常にも鈴夜にズルズルと押し進められ、顔を左右に振り許しを請うが聞く耳はもたれなかった。

三人衆は我ら関せずとウィルのお助け視線を、ソッポ向いて知らん振りする。

立ち位置に到着しガクガク震えるウィルに対し、死合開始同時と共に両手を合わせ冥福を祈る。

 

 

 

昼間に行われた模擬戦を終えて、会食場に集まる面々、最後の夕食が始まった。

様々な料理が並ぶ中、塩焼きと天麩羅が好評だった。

 

 

「この塩焼き美味しいよ。さぱりとした『こかとりす』みたいで美味い」

「そうですね、私も初めて食べるモノですけど……ん、美味しいです」

「ほー、そうでござるか鈴夜も……にょ……ぐぎょ……」

 

 

ウィルはコカトリスを思い出しながら美味い美味いと塩焼きを食べ。

香華は塩焼きと天麩羅をゆっくりと食べる。

二人に誘われ鈴夜も塩焼きを食べるが……顔を顰め、何かを思い出す様子の後…変な言葉を発して箸を置いた。

 

 

「あら、どうしたの鈴夜。食べるの止めてしまって」

「姫様、もうソレを食べるのは……止めた方が、いいでござるよ」

 

 

少し顔色を青くして箸を置く鈴夜に香華が問いかけると、塩焼きと天麩羅を食べるのと止めた方が良いと言う。

ウィルはそんな二人を他所に、もぐもぐと食べ続けた。

そこへ、二つの材料調達と調理した道美が3人の前にやって来た。

 

 

「塩焼きと天麩羅。気に入ってもらたなのー? 道美ちゃんが一生懸命捉まえて、調理したなのー♪」

「そうなんですか。美味しいですよコレ」

「美味しいです。鈴夜……ホントにどうしたの? それで道美ちゃん。これは一体何の塩焼きと天麩羅なんですか?」

「っ!? 姫様! それは、聞いてはいけないでござるよ!」

 

 

鈴夜を除いて二人が美味しそうに食べるので、ご機嫌な道美。

ウィルは美味いと褒め、香華も美味いと言い、鈴夜を心配しつつ料理の元となる材料を聞いてしまう。

鈴夜が慌てて聞くのを止めようとしたが時既に遅く、道美が何の料理かを説明してしまった。

 

 

「私と皆が大好きな『食用ガマカエル』なのー♪」

「へー、ガマカエルなんですが。美味いです」

「は?……なっ、が、が…がまま。カエル!?……きぃ、きゃああぁぁ!?」

「はー。遅かったでござるか……」

 

 

カエル発言に何事もなく美味いと食べるウィル。

香華は手が止まり……箸を落すとまともに声を出ず。

カエルのみ言うとガタンと配膳台をひっくり返し、両手を背中後ろ手にし逆ハイハイで後退した。

鈴夜は手を顔に当てて香華の様子見ながらため息をする。

香華は自分が食べたものを理解すると奇声と共に気絶した。

 

 

「……鈴夜さん。香華さんはどうしたの?」

「ウィル殿は、カエルを知らないのでござるか?」

「ううん、知ってるよ。ウシガエルとか食べたことあるし……小さいから気づかなかったけど」

「そ、そうでござるか。ウィル殿の姉達も食べたでござるか?」

「……あ~そっか。だから香華さんは気絶したんだ」

 

 

ウィルは香華が何故叫び気絶したのか理解できす、鈴夜に尋ねる。

カエルを食べた事あるウィルと女性とでは反応違うのを忘れていたようだった。

道美は普通に食べてるので大丈夫と思ってたらしい、香華の反応も実際に今までの女史と同じなので慌てず侍女を呼び香華を寝床に運ばせる。

 

 

「鈴夜さんは知ってたの? 食べたことあった?」

「カエルは嫌いでござるよ……昔、ヤドクガエルを食べさせられたでござるよ…」

「毒?! そんなの食べて大丈夫なんですか!」

「大丈夫じゃないでござるよ。何度、死にそうになったか……カエルは……今でも、見るのも嫌でござる」

 

 

ウィルは唯の食用カエルと認識してた、鈴夜がカエルを食べたのに普通な反応なので疑問に思いつつも質問した。

意外な毒発言に驚き、鈴夜の毒耐性を付ける為に毒カエルも食べさせられてた事を知った。

毒を食べるのもだが、体に毒を仕込むクノイチの説明を受けてウィルは次の疑問を投げかけた。

 

 

「そんな、毒を体に塗ったり仕込んだり、食べたりして……体は……鈴夜さんは、大丈夫なんですか?」

「……にょほほほ~……大丈夫でござるよ。今は、毒の使用はしてないでござるから問題なし!」

 

 

ウィルの心配した表情で体の心配をされて、正直に寿命の事を言おうか考えた鈴夜。

結局、少し考えた後に笑って誤魔化し、現在香華に毒の使用を禁止されて今は使ってないから大丈夫と宣言した。

 

 

夕食で少し? 問題があったが、その後は何事もなく三日目を向えた。

門で見送り出される3人、何時もと同じ香華と鈴夜、ウィルは所々に生傷が目立つ。

本来クミコを呼び出す事で傷は治して貰えるのだが、香華に呼び出し禁止された為に昨日の傷が残っているのだ。

一方、香華はまだ昨日のカエルの事を気にしているらしく、顔が少し青い。

どうやら、カエルに対し軽いトラウマが残ったようだ。

 

 

さて、別れの挨拶を済ませ立ち去ろうとする別れ際、道美と三人衆が足利に対し注意する。

 

 

「そうそう。ウィルく~ん。足利では気を付けるなのー」

「は? 何をですか?」

「道三ちゃんと私達三人衆の祖先は足利に斉藤家を滅ぼされたのです」

「うむ、そして武の心得があったので、命は間逃れたが別々にされたらしい」

「戦時に参戦させようとしたんじゃの、しかし我らの祖先はソレを断り続け織田に下ったらしいのじゃ」

「結構卑怯な手で、色々してきたらしいのー。何しでかすか分からないから、気を付けるなのー」

「過去に、そんな事になってたんですね……分かりました。ありがとうございます」

 

 

過去、祖父ランスが織田の影番として暴れ、斉藤家の道美と三人衆を部下に加え戦った話を聞く。

香華も伝えられてる内容を話し、4人の話と照らし合わせながらウィルに説明した。

説明と別れの挨拶を終えると3人は、次なる山本家に向うのだった。

 

 

因みに、香華に模擬戦で付けられた傷を、夜にクミコを呼んで治してもらおうと思ったが。

「ウィルさん。しばらくクミコさんを呼ぶの禁止ですから……い・い・で・す・ね!」

と、睨みつけられ、夜のクミコを見る事も傷を治して貰えず、体の節々が歩く度に痛み苦しんだ。

更にウィルの様を面白がって、鈴夜がちょちょく打身箇所や傷口に指でツンツンするので、その度に悲鳴を上げていった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

  ≪人物≫

 

 

 斉藤道美

 

戦国ランスの斉藤道三そのままのビジュアル。

 

深く考えるなかれ、言葉の語尾に「なのー」を付ける商人領主少女。

ガマガエルが好物でよく、塩焼きと天麩羅にする模様。

何時でもガマガエルを取れるよう常に白い水着と水中スキューバセット身につけていて、普段着としている。

本人にその気は無いが水着軽装、スキューバ重装備で筋力と足腰が鍛えられている。

打たれ弱く、力と速力ある美少女僧侶。

 

 

 ツケモノ様

 

戦国上同文

 

イケメン長い髪の武士で結構強い。

美声と大声出して相手に切りかかるのが得意?

 

 

 

 

 安藤茄子

 

戦国上同文

 

痩せ型ハゲの陰陽術士

素早い動き、速い詠唱と素早い印結びが得意で、ウィルに無詠唱や高速詠唱のコツとやり方を教えてた。

魔力・術力があればかなりの一流陰陽術士だが、力不足を補うために速度、手数を増やしてるらしい。

 

 

 

 頑固仁鉄

 

戦国上同文

 

ヒゲもじゃ軍師オヤジ。

軍師なのに拳で戦えるかなり強い髭親父。

体が頑丈で、もう少し力があればかなり戦える前衛軍師になれただろう。

 

 

 

 

 

レベル屋と昇格屋の違い。

 

大陸の3大国と自由都市ではレベル屋が主流で、担当は女の子が基本。

昇格屋は爺さん婆さんや男が主流で女性が少ない。

 

 

『先話の余談】

巫女機関の昇格屋は代々美しく強い女性が『卑弥呼』と名乗り担当している。

卑弥呼を人目見ようと、巫女機関に来た行き帰りに寄るLVが上がらない男連中が多々来るので、必要以上喋らず無口になると言う。

 

序に、公家姉妹も昇格屋は卑弥呼に会いに、LVを上げる為に来るので姉妹とは数少ない友人らしい。

 

 

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