ランスの孫。ウィルの暴走戦記   作:神崎風水

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経験地補正追加。 3/12


9話 JAPAN各国周り≪山本家一日目・前編≫

山本家に向う中、ウィルの悲鳴が間隔を置いて森に響き渡る。

 

 

「うぎゃぁ!…いつつ…香華さん、お願いします。もう許してください…痛てぇ!」

「姫様…どうするでござる?」

「そうですね…このままでいいと思いますけど…十六夜さん達に、心配と迷惑かける訳にもいけません。呼んでいいですよ」

 

 

掠り傷や斬り傷は世色癌で治るが、強い打身や打撲、軽い骨にヒビが入ったものは中々治らず、鈴夜に触られる度にウィルは悲鳴を上げてた。

繰り返される虐めに、ウィルは止めて欲しいと香華に懇願する。

大分楽しんだのか鈴夜は香華に確認を問い、香華は次に向う山本家に迷惑が掛かると、クミコを呼ぶことを許可した。

 

何故クミコを呼ぶのか、それはレベル神がレベルアップの儀式をしLVが上がると体力完全回復を利用する為。

儀式の効果意外でも自身の任意で全回復可能であり、クミコは初めての担当したウィルの境遇に同情して回復を施した。

それ以来重度の怪我した際に、軽い怪我でもクミコを呼び出し治してもらっていた。

 

 

「クミコさん、来て下さい」

「こんにちは。お呼びですか、ウィルさん」

「すみません、今日も治療おねがいしても良いですか?」

「ええ、勿論♪構いませんよ…んっ…えい!」

 

 

ウィルが呼ぶと、最初に呼び出された時と”同じ格好”でクミコが現れる。

ウィルの治療願いに快く応え、少し集中して掛け声と共にウィルの怪我を回復させるクミコ。

回復が終えると、一応確認と3人のレベル調査をして戻って行った。

因みに香華はずーーっとクミコの胸を見て、自分のを見比べ恨めしく「うぅー」と唸り睨んで居たりする。

その様子を見ていた鈴夜は含み笑いをしていた。

一方ウィルは香華の様子と昨日から今日までの事を思い起こし、胸の事や他の女性に対し見向きや声かけは止めようと心に刻んだ。

 

 

 

―山本家正門―

 

 

傷を完治させた事により歩みも軽く速くなり、特に問題もなく山本家に到着した。

斉藤家と違い門番がキチント左右二人立ち、見張りをしていた。

3人が来ると門番の二人が声を掛けてきた。

 

 

「おっ、香華姫。お久しぶりです」

「鈴夜さん、お疲れ様です。其方がウィル殿でございますか?」

「久しぶりです。元気にしてました?」

「にょほほ~なんのなんの。そそ、ウィル殿でござるよ~」

「初めまして、ウィル・プラインです。よろしくお願いします」

 

 

門番と姫と忍びと言うより、近所のお知り合いみたいな挨拶風景を出す2人対2人。

ウィルは香華・鈴夜と門番二人が親しい感じに疑問を思い、軽く聞いてみる事にした。

 

 

「お二人は、そんなに此方によく来るんですか?」

「ええ、近いですし。織田と関係も深いですから」

「そうです。現に明日もウィル殿の「待ったでござるよ」…と鈴夜殿?」

 

 

ウィルの問いに香華が答え、門番が明日事を喋るのを鈴夜が遮る。

 

 

「明日?何か有りましたっけ?」

「な、なんでも無いですよ!十六夜さんはどちらです?」

「あ、あぁ。姫はお部屋でお待ちしてます」

「ささ、ウィル殿。行くでござるよ~」

 

 

ウィルは顎に親指を当て頭を傾け、明日何か有ったなーと思い出そうとする。

香華は慌てて頭首である十六夜の居場所を聞き、思い出すのを阻止するかのようにウィルの手を引き門を潜り、鈴夜もウィルの背中を押して進んでいった。

 

 

 

 

 

―十六夜の部屋前―

 

 

二人に引き押されてとある部屋の前まで来た3人。

香華は部屋前に来ると、室内に居るだろう二人に声をかける。

 

 

「十六夜さん、二十一君、香華です。居ますか?」

「お待ちしてました。どうぞ、お入り下さい」

 

 

部屋に入ると二人の男女が座っていた。

一人は赤・緑・黒の上着に白と黄橙色内着を着た、黒髪を頭後ろでに纏め菱形を上左右に模った髪飾りを付けた風格のある女性。

少年は緑色に松柄模様の着物着た、茶毛を後頭部でしばりったウィルと同い年くらいの美青年。

部屋で待っていた二人の前に香華と鈴夜が近づき挨拶をし、握手や抱擁を交わすと軽い雑談を始めた。

まさか、自分をスルーして雑談し始めるとは思わなかったが、4人が笑顔で話すので仲がいいんだなーと、ウィル眺めていた。

 

十数分後、ウィルの存在を思い出したかの様に香華が慌てて頭を下げた。

 

 

「ウィルさん、ごめんなさい。十六夜さんと私は従姉妹同士なので、交流が深く…つい話しこんでしまって…」

「いえ、構いません。ウィル・プラインです。山本十六夜様、山本二十一さん、3日間お世話になります」

「十六夜で構わない、私はウィルと呼ばせてもらうから。後、そう硬くならずともよい。自分の家のように寛いでもらえれば」

「僕も二十一でいいよ。敬語も必要ないし、ウィルは歳幾つ?僕は13歳だけど」

「じゃあ、十六夜さんで。寛ぐとかは…できるだけ努力します。二十一君で、敬語は年上相手に対しての癖なので…11歳です」

 

 

香華に気にしないと微笑み、山本姉弟に挨拶をすませる。

ウィルに笑顔に顔を赤くして俯く香華を他所に、十六夜と二十一の言葉に答え対応する。

 

 

「そっか11歳か~、んじゃ明日「二十一!」っと…うん、ウィル手合わせしよう」

「んぅ?…え?ああ、良いですよ。やりましょう」

 

 

ウィルの歳を聞き、二十一が明日の事を言おうとすると十六夜が遮り、何かを思い出し話題を変えて手合わせする事にした。

門番の時もだが、明日の事で皆何かを隠してるのは分かるのだが、隠すのを無理に聞くのは野暮だと模擬戦をする訓練場に移動していった。

 

 

 

 

 

 

―鍛錬場―

 

 

訓練場に着き模造刀と模造剣を持ち構える二人。

十六夜が立会人として二人の間に立ちルール説明をする。

 

「それでは…一本勝負…始め!」

「はぁ!」

「やぁ!」

 

 

十六夜の掛け声と同時に、気合を入れ斬り合いを始めるウィルと二十一。

軽く2.3打ち合うと鍔迫り合いを始めた。

そんな中、ウィルはアル違和感を感じながら二十一を押し飛ばした。

 

 

「ぐ、ぎぎぃ…ぐぅ…うわ!」

「む…(アレ?やっぱり、二十一って僕より弱い?)…はっ!」

 

 

 

 

 

 

―外野の3女史―

 

 

 

十六夜は開始の合図と同時に下がり、香華と鈴夜の横位置まで歩き着くと振り返り二人の試合を観戦する。

鍔迫り合いを押し勝つウィル、押し倒されたが負けまいと二十一も攻め切り込む。

幾度となく斬りかかるが、受け止め・受け流し・回避するウィル。

 

 

「ウィルは…防御が上手い。二十一との力量さを差し引いても…アノ体裁きの動きは素晴らしい」

「ウィルさんの観察眼はたいしたものですよ。相手の動きを見て感じ、自分のモノとします」

「当然でござるよ。常に上位と下位者は3対1で試合してたでござるからして、防げなければ即負けでござる」

「はぁ?3対1?試合ですか?それは…。…んっ…おや?ウィルが攻めだしましたね」

 

 

十六夜の言葉に香華と鈴夜が答える。

3対1発言に疑問を覚え、1対1試合が常識なJAPANではありえないと問う。

3女史が会話してる最中も、二人の打ち合いは奮闘し続けウィルの動きに変化があらわれた。

 

 

「試合では無かったでござるな~シゴキでござるよ。にゅ?…にょほほ~…ウィル殿、負けるでござるかな?」

「シゴキって…。負ける?優勢に、二十一を押し攻めてますよ?」

「ええ、負けますね。ウィルさんは防御から相手に合わせるのが主流。あんなに力んで攻めて…格下と侮ってますね」

 

 

ウィルの攻勢奮闘に対し、冷静に分析説明して負けを宣言する二人。

今までのウィルを知らない十六夜は、二人の言葉に納得しない様子。

ウィル優勢に見える試合は進み…その時が訪れる。

 

 

 

 

 

―二十一サイド―

 

 

 

「くぅ!…(このままじゃ負ける。けど、負けられない!…こうなったら)はっ…ん!…たぁっ!」

 

 

二十一は焦って居た。

ウィルの拙い剣の腕では自分のが勝ってると思ったが、地力レベル差により力と速度で僅差を保っていた。

しかし、最初はギリギリ防いでいたのに途中から容易に受け流し、紙一重で回避されだした。

腕はないのに、まるで攻撃方法が分かってるかのように攻撃に合わされたのだ。

更に防御から攻撃に転じられ、自分が防戦一方になっていた。

普段ならそのまま負けても良かったが、今日は想い人である香華が見ている。

二十一は一旦距離を取り後退し、気を溜めてウィルに向って飛び上がった。

 

 

 

 

 

 

―ウィルサイド―

 

 

 

ウィルは初の勝利を目指し奮闘していた。

しかし、二十一を格下と侮り普段の防御カウンター合わせから、攻撃側と成れない行動をしていた。

そして、後退し自分に飛び掛って来る二十一に対し、迎撃しようと腰を落として構えた。

 

 

「んっ…(何?飛び上がって隙だらけだ…紙一重で交してカウンター決めてやる)…来い!」

 

 

 

 

 

―3女史サイド―

 

 

飛び上がる二十一を見て、十六夜は焦り止め様とする。

 

 

「なっ!イカン!やめ「ストップ」…むぐぅ、むぅー」

「大丈夫ですよ。軽い怪我と負けるだけです」

「そうでござるよ。ウィル殿なら直撃は避けるでござる…まぁ、負けるけど」

 

 

止めの合図を出そうとした十六夜の左右から肩に手を置き動きを止め、口も左右からもう一方の手で押さえる二人。

ウィルの負けを二人して連呼し、行く末を見守るように十六夜言い聞かせた。

 

 

 

 

 

 

―試合サイド―

 

 

 

ウィルは後少しで迫る刀を回避し、カウンターを入れよとした時、背筋にゾクリと寒気が走った。

 

 

「二十一…アタック!!」

「っ!?はっ!…ぐわぁ!!」

 

 

寸前の所で後方に飛び退くが、逃げるのが遅く効果範囲の衝撃波を食らい吹き飛ぶウィル。

背中を地面打ちつけ倒れ、一瞬息が止まる。

慌てて起きようとしたが、目の前に刀を突きつけられた。

 

 

「ぐふっ…っ!…負けました」

「…やった…初めて、勝ったー!!」

 

 

地べたに座り込むウィル、その横で二十一は両手を上げて生まれて初めての勝利に喜びを全身で表していた。

そんな二人に、女性達が勝算を称える為に歩み寄って来た。

 

 

「二十一君おめでとう!やりましたね」

「おめでとうでござるよ。二十一殿」

「初勝利、おめでとう二十一。…けれど…ゴン!…必殺技は試合に使うべきじゃなかった」

「ありがとうございます。香華姫!鈴夜さん。姉上…づっ!?…申し訳ありません…」

 

 

香華は二十一の手を握り勝利を祝福し、鈴夜も後に続き祝いを述べる。

十六夜も弟の初勝利を祝うが、必殺技の無い相手に使った二十一に拳骨を落す。

両手で叩かれた所を押さえて涙目になる二十一だが、両手?と疑問と同時に今まで握っていた筈の相手を探す。

見つけた相手はウィルの手を引き連れて座らせ、傷の手当てをしようとしていた。

 

 

「もう、こんなトコまで怪我して…。負けた理由…分かりますか?」

「いつつ……それは、才能が無いから。必殺技が使えないから…」

「30点です。技能LV2の無しも確かに、けど普段と違う戦法と二十一君を格したと過信したからです」

「うっ、確かにレベル差で勝てると思って…けど、攻めはモンスター相手にもやってたし」

 

 

香華の指摘と問いに、思い当る事があり納得しつつも、攻めに対しモンスター相手にやっていたと主張する。

 

 

「けど、負けましたね。二十一君と同じように、シードさんが飛んだらどうしました?」

「うぐぅ!…ぅえ?シードさんが同じことしたら、警戒して後退しますよ勿論」

「それです。強者には警戒して、弱者には自分を通す。それが今回、一番の負けた原因ですよ」

「強者も弱者と同じ心構えで戦う…と、いう事ですか…」

 

 

ウィルの反論には負けた事主張し黙らせ、香華はシードを例えにして、先程行われた戦闘の復習と敗北原因をウィルに問いただす。

先の模擬戦で足りない所を補わせる為に香華は色々な例えや、実例を教え親身になって教育する姉のようだった。

 

一方、その様子を治療されながら、羨ましそうに眺めてる二十一。

香華を見つめる様子に気づいた二人が励ましの声をかける。

 

 

「二十一殿。今は”まだ”望みはあるでござる、ガンバ!でござるよ(可能性はゼロだけど)」

「そのとおり。男は挫けず、もっと積極的になければいかん(確立は…ほぼ無いけど)」

「は、はい!頑張ります」

 

 

口では励ますが、心の内では無理と考えていた二人。

鈴夜は、今まで共に過ごし見てきたので香華の想いの強さを知っている。

一方十六夜は明日の事や、ウィルがJAPANに来る時の喜びようと準備の力入れよう、CITYに手紙を出して情報収集と繋がりの準備。

今に至るまでの熱意を知っており、二十一を弟の様にしか見てないのが分かっている為。

二人は叶う可能性が薄い願いの応援し、二十一はそれに応え元気に返事をした。

 

 

 

二人の治療と教授が終えると再び模擬戦闘を行った。

先程と違い、油断をせず戦った事でウィルが勝利した。

その後も3度模擬戦をしたが全てウィルが勝利を収めた。

ウィルと香華の喜び様に、二十一は二重で落ち込み鈴夜と姉に肩をポンポンされ慰めの言葉を貰ったとか。

 

 

鍛錬場を出てると3女史は十六夜の部屋に向かい。

男二人は夕食まで時間があるので、汗を流す為に二人は3人と別れ風呂に行き汚れを落す事にした。

体を洗い湯に浸かりのんびりする二人。

しばらくするとウィルが二十一にとある話を持ちかける。

 

 

「二十一。強くなりたいよ…な?」

「ん?勿論だよ。もっとレベル上げて、今度戦う時は勝つよ!」

「夕食の後。どこか人に目に付かなくて、多少騒いでも見つからないような広い模擬戦できるようなところある?」

「ん~…ああ、アソコなら月の光もあって広いよ。たまに一人で刀振ってる場所がるけど…どうかした?」

「手っ取り早くレベルを上げれる。ちょっとした危ない、外法があるんだけど…やる?」

「…外法…うん。強くなれるなら…」

 

 

ウィルの真剣な表情で言われ、外法というのが気がかりだが強く成れるならと二十一は了承する。

夕食を済ませた後、二人で抜け出しソコに行くと約束し風呂を出る。

 

夕食は盛大に行われ、楽しいひと時を過ごした。

山本家の侍女や家臣達はウィルを暖かく向え、接してくれたので食事も何時も以上に美味しく感じた。

しかし、食事の食べる量を抑え、会話を主流に楽しみ会食が終わる。

二人は十六夜に、二人で男同士の話をするからと会場を後にする。

 

 

 

 

 

 

―竹林の中―

 

 

 

「へ~良いところだね。広いし結構明るい」

「うん、風音と風で葉が音を立てるから、多少声出しても他には気づかれないよ…で、どうするの?」

 

 

辺り一帯竹に囲まれ、此処に来るまでにはかなりの木々が入り込んでおり他所からは気づかれにくい場所。

そのくせ、拓けた場所には星と月の光が差し込みかなりの明るさを保っていた。

周囲を見回すウィルに場所の説明をすると、何をするのか意味深に問いかける。

 

 

「その前に真剣持って来た?」

「勿論、コレが僕の愛刀『シメサバ丸』さ」

「…ソレ妖刀か?鍔に目が有ったり、喋らない?」

「は?何言ってるの?そんな訳ないじゃん。『使命・佐波丸』って人の名刀だよ。言い難いから、僕が名前つけたんだ」

 

 

鞘から抜く真剣をウィルに見せ、いいだろう~と自慢げに見せ付ける。

一方ウィルは刀名を聞いて、何となく頭に閃き浮んだ事を聞くが普通の刀だったらしい。

 

気を取り直し、ウィルは次の準備に取り掛かるべくクミコを呼ぶ。

ただ、その際に呼ぶ時の時間を忘れていたので怒られる事になるのだが…。

 

 

「クミコさん。来て下さい」

「はい、お呼びですかウィルさん」

「…へっ?…うぁ~…」

 

 

ウィルに呼ばれてクミコが現れえるのだが、その姿を見た二十一は一瞬惚け…胸一点に目が集中し顔を赤く染める。

二十一の様子を見て、ウィルは大事な事を思い出した。

 

 

「ああ!クミコさん前、前。胸隠して!」

「ウィルさん、何を慌てて今更…へ?…きゃあぁ!!」

 

 

現れたクミコはトップレス状態でだったのだ。

何故かと言うと、レベル神伝統の脱衣レベルにウィルが達してる為。

昼は普通に、夜呼ぶ時は誰も居ないからとその格好を希望したのだった。

今回その事をド忘れし、二十一が居る状態で呼び出した事でクミコが悲鳴を上げしゃがみ込み、慌てて衣服を正す。

落ち着きを取り戻すとウィルに対し事情説明を求めた。

 

 

「さて、ウィルさん…ど・う・い・う・こ・と・か。説明してくださいね」

「ごめぇんにゃひゃい。ひょるとひゅいこひょ、わひゅれてましゅた」

 

 

額に#を浮かべてクミコはウィルの両頬を抓り引っ張る。

ウィルは夜だという事を忘れてた事を謝る。

頬を引っ張り・抓り・ぐりぐり廻すクミコだが、だんだんと顔が緩み微笑みだす。

 

 

「(ああ、やっぱりウィルさんの頬は触り心地が…良い)もう、気よつけてくださいね」

「ひゃい。っ!ホントにごめんさい。次からは気よつけます」

 

 

まだ幼いウィルの頬は気持ちいいらしく、クミコは機嫌を直し手を離した。

そして、クミコを呼び出した理由とコレから何をしようとしていたか説明する。

 

 

「なっ!本気ですか、ウィルさん!」

「大丈夫なの?そんな事して…」

「まあ、大丈夫だと思うよ。その為に条件付けるんだから」

 

 

何をするか聞くと、驚愕するクミコに心配する二十一。

ウィルが行おうとしたのは真剣で試合し、”主に”二十一がウィルを斬る事。

必殺技と突きと肩より上の攻撃は禁止、一撃入れたらクミコの治療の為に中断するという。

首や顔は即死を防ぐため、突きも心臓や急所等の同一で、更に突きは剣で弾くと予想外の箇所に刺さるのを防ぐ為との事。

 

 

「二十一と僕のレベル差、クミコさんの治癒力あれば可能ですよ。リーザスやゼスの時よりある意味…安全だし」

「はぁ~…分かりました。二十一さんで、よろしいですね?レベル神のクミコです。よろしくお願いします」

「はい。山本二十一です。此方こそ、よろしくお願いします」

「んじゃ、始めよっか」

 

 

クミコと二十一の自己紹介が終わるのを確認すると、ウィルはロングソードを抜き構える。

二十一もシメサバ丸を抜き、ウィルの前に移動し構えた。

 

 

「いくよ…はぁっ!」

「おうさ!…やぁっ!」

 

 

真剣試合をする二人。

最初は傷つける事を恐れ、おっかなびっくり刀を振っていた二十一だが、ウィルの猛攻にそんな気遣いする余裕もなくなり、また打ち合う音と衝撃に心踊り真剣という事を忘れ斬り合う。

二十一の様子が変わってきたのを感じると、頃合を見はかりウィルはわざと腕を斬られた。

 

 

「でぇい!やぁ!…はあぁっ!!」

「せいっ!ふっ!…ぐあぁっ!?」

「ウィルさん!?止めぇ!」

 

 

分かって居てもウィルが斬られた事で、クミコが慌てて止めの合図をだして駆け寄る。

一方二十一は治療されてる様子を見てた後、血の付いた刀を目元に持って来ると軽く刀が震えていた。

しかし、それは刀ではなく二十一の手が初めて斬った事に震えていたのだ。

治療が終えると、ウィルは再び剣を構え再試合を言い出す。

 

 

「二十一。初めての真剣で戸惑いと恐怖あるだろうけど、時間が惜しい。次ぎ行くよ…やぁ!」

「ちょっと待って、手の振るが収まるまで…てぇっ!やっ!」

 

 

迷宮捜索で自分が起きた事が、二十一も成ってるだろうと理解するが、実戦はそんな時間は無いと斬りかかる。

二十一もなんとか初撃を回避し、お返しとばかりに斬り返す。

身体の危機に震えも止まり、再び真剣試合が始まった。

 

 

 

 

 

―2時間後―

 

 

 

切り落とされた腕を、くっ付けてもらってるウィル。

今に至るまで、実に50回以上体の彼方此方を斬られたのだが、その治療に至るまで素早く行われていた。

最初は斬り、止まり、治療するまで時間が掛かったが、途中から斬られると同時にクミコが治癒すようになった。

それは、ウィルが斬られる間際にクミコに視線を送り、二十一も斬ると同時に離れ後退する。

試合と治療の動作が、まるで餅突きのように息の合った3人であった。

 

 

「ウィルさん。そろそろ戻らないと行けないので。次で最後ですよ」

「ああ、もうそんな時間ですか…二十一、次でラストだって」

「了解。分かったよ」

 

 

レベル神は呼び出しに応じて、下界していられる時が3時間程らしい。

互いに構えてはじめる時、ウィルが再度注意を言う。

 

 

「最後の真剣”勝負”だから気抜くないように。クミコさん、次は”重傷”になるから準備よろしくね」

「勿論、気なんて抜かないさ。大丈夫だよ」

「…はぁ~…分かりました」

 

 

二十一は真剣試合なので、気の抜けないのは当然と構える。

クミコはウィルの物言いと、悪戯心を抱いた時の癖を見てナニをしようとするか理解しため息を吐き、力を溜める。

 

合図も無く自然に動き出し、斬り合う二人。

何度も繰り返されたそれは、一種の演舞の様に流れるように刀と剣の軌道を描く。

そんな中ウィルが足元の石に足を取られ体勢を崩す。

 

 

「もらった!やぁ!…え?ぎゃああぁ!?」

 

 

バランスを崩したウィルに対しチャンスと斬りかかった二十一だが、ウィルはもの凄い速さで移動し、刀は空を斬り目標を見失う。

二十一の右側に移動したウィルを見つけ振り向くと、剣が直ぐソコにあり回避も防御も間に合わず、肩から腰までバッサリ斬られ、叫び声を上げる。

 

 

「残念だったね、二十一。どうだい?初めて体験する、斬られた感触と感想は」

「痛いよ!死ぬ!は、早く治療を!」

「大丈夫です、私が居るんですから」

 

 

バッサリ斬られ着物も体も綺麗に切られ、最初は噴出した血が今はドクドクと出ている。

そんな様子に普通に声をかけるウィルに対し、二十一は激痛に耐え悶えつつも治療を求める。

クミコは慌てず今までの様に即治療せず、少し間を空けて治療を開始する。

治療が終わると二十一はウィルに怒鳴りつける。

 

 

「どういうつもりだよ!死ぬかと思った!」

「最初に言ったよ?”真剣勝負”と。さっきも気抜くなって言ったし、僕が斬られ続けるから忘れてたでしょ?」

「うっ、確かに…。けど僕のレベル上げる為にやってたわけでしょ?何で最後に言ってくれなかったんだい?」

「二十一は斬る事に慣れてたし、僕が斬られて痛くもないとでも思った?痛みに我慢強いだけで痛かったよ。それに…『人は、斬る事や殺す事に成れてはいけない。また、その痛みと苦しみを心に刻まねばならない』ってシードさんの受け売りだけど、斬られる痛みを知って欲しかったから。言わなかったのは…知ってたら、つまらないじゃん♪」

「うぅ、確かに慣れてた…。斬られる側の気持ちも考えなかった…。って、良い言葉と思ったのに、受け売りかい!てか、そんな理由で言わなかったの!」

 

 

ウィルの言葉に納得しつつも説明要求する二十一。

説明によると、レベルを上げる為とはいえ斬る事に成れ機械的な作業だった。

斬る事と斬られる側も知らなければいけないから、その両方を二十一に体験させたと言う。

二十一も自分勝手さと、気遣いを忘れたことを自覚し、ウィルの言葉に納得する。

良い言葉を聞いたが受け売りで、楽しみに為に言わなかった事にツッコミを入れる。

 

二十一を納得させた所で、今回の真剣勝負によってレベルがどれだけ上がったか調べる事となった。

 

 

「おめでとうございます。二十一さんは18レベルに成りました」

「ええっ!!6レベルも!凄い…」

「へ~…結構上がったね、痛い思いした甲斐あった」

「けど、どうして6レベルも…」

 

 

今まで姉と模擬戦しても中々レベル上がらず、この短期間に6も上がった事に驚く二十一。

ウィルもここまで効果があったとはと驚きつつも、自分の仮説があってた事に満足する。

二十一の問いにウィルが答えると、仮説はこうである。

 

リーザス、ゼスで模擬戦闘した後に毎日クミコを呼んでいた。

その時に聞く残り経験値の上がり具合を最初は気にもしてなかったが、ゼスでナナと死合後のレベルアップ時から気づき思い返したらしい。

リーザスで、ハンスとコバルドの模擬戦後には経験値が多かったが、リックは少なかった。

何故と思い返すと、前者の二人はちょくちょくご褒美?とウィルの攻撃をわざと受けていた事に対し、リックに手加減はできても、わざと食らうという事はなかった。

故に、相手にダメージを与える事で得る経験地の量が違うと気づく、ゼスでナナは実戦形式と手加減はなかったがその分真剣で来いと言われ、何度か攻撃が当ったり、虚を付いたウィルの攻撃を諸に受けて大怪我させたりした時、経験値が大幅に増えたのだ。

以上の事で模擬戦闘はアクまでレベル低下の維持に過ぎず、ただし、相手を傷付けダメージを与えるとモンスターを殺すより低いが多く経験値が入る事を知った事を二十一に説明した。

 

 

「私も知りませんでした…」

「そんなシステムに、なってたんだ…」

「まあ、普通模擬で、必要以上な傷や怪我とダメージ与える事ないからね。十六夜さん達には内緒だよ?」

「勿論だよ…。言ったら、僕が姉上に殺されそうだよ…(香華姫にも嫌われそうだし)」

 

 

今回の説明を終えると、時間が来た様でクミコが帰還しようとする。

 

 

「それじゃ、還ります。ウィルさん、もうこういうのは無しにしてください。見てて気が気じゃありません。それでは」

「了解です、ありがとうございました」

「クミコ様。ありがとうございました」

 

 

クミコが還り際に今回の様なのは禁止と言われ、仕方ないかと了解し二十一もお礼を言う。

クミコが還ると二人はのんびりと歩きながら、その場を後に城に戻って行った。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

  ≪人物≫

 

 

  山本 十六夜

 

 LV 30/37

 

 

技能  弓戦闘LV2  刀戦闘LV1

 

 

山本家領主で、五十六から似たような十六夜と命名。

容姿は戦国ランス…今まで同文。

 

香華と従姉妹で仲が良い。

多少、領主として言葉使いが硬いように用言。

 

 

 

 

  山本 二十一

 

 

 LV 12/99 → LV 18/99

 

 

技能  刀戦闘LV2 弓戦闘LV1

 

 

山本太郎が二十一になった様なもの。

容姿は戦国以下同文、乱義そのまんま。

 

従姉妹である香華に恋心抱く好青年。

何気に才能限界は99と高い、流石乱義の分身?

 

『二十一アタック』は『ランスアタック』の文献より模写した、同一の必殺技。

まだ必殺技があるが、それは次回に持ち越し。

 

 

 

 

  ≪武器≫

 

 

  シメサバ丸

 

 

『使命・佐波丸』と言う名工が手がけた、元「使命佐波丸」という名の刀だった。

二十一が言い難いと名前変更した、良い波紋模様でよく切れる刀。

 

まあ、知る人が知る、某巫女さんの包丁になった一品。

 

 

 

 ≪レベル経験値≫

 

 

独自解釈発動。

 

 

 

 

 ≪レベル経験値≫

 

納得できない方々へ。

まず、一般的な経験地配分の例を上げます。

 

敵100Pとします。

 

Aタイプは皆で。

誰がダーメージ当てても。

独りがサボっても倒せす事で。

 

赤25P 青25P 緑25P 桃25P

がゾクに、ドラクエ風。

 

 

クエストマグナムでは

Bタイプは皆で。

誰がダーメージ当てても。

独りがサボってもラスト緑が相手を倒せす事で。

 

赤25P 青25P 緑35P 桃25P

 

これが、ラストボーナス経験地。

 

 

Cタイプは極端な不満の出る例。

皆が、緑のサボリ以外が頑張ってダメージを与え。

トドメを緑が倒すことで。

 

赤0P 青0P 緑100P 桃0P

 

が、あります。

 

 

私が掲げるのはDタイプ。

赤が全体の10%のダメージで10P

青が全体の30%のダメージで30P

緑がトドメだけ刺して5%のダーメージで10P

桃が全体の55%のダメージを与え55P

の修得としてます。

 

ただ、これは相手を殺した時の100P配分。

 

そこに、90%のダメージを与え、100%回復した後に再度90%与えて逃げられた場合。

はぐれメタルに5ダメージ与えて逃げられた時、悔しいとか思いません?

その思いと苦労を、横取りや逃がした時の苦労分の経験地を寄越せ! という思いから考えたもの。

 

100Pのうち、倒せは100Pです。

90%ダメージを与え、逃げられた際にはその3/1の経験地、30P入るという考えを、ご都合で考えました。

 

後のレベル差 + - 5の修得経験地の増加割合は、ある程度納得してもらえるかも?

 

まあ、これで納得してもらえないなら、しょうがない。

あきらめます。

 

 

独自解釈発動。

 

本来モンスターや人を殺し、魂の一部を奪い取り込む事で経験値を獲る。

模擬戦などで魂の高ぶった状態で、相手にダメージを与えると、魂を削り取る形で経験値獲るとする。

その経験値量は+-0から+5差づつランク分けされる。

今回、ウィルLV27に二十一LV12と15差で3ランク有るので、それなりに獲たという事にしました。

 

このレベル差の模擬戦経験値法は、過去に行きウィルの周りの弱者を強化するのに使用する予定。

 

 

 

 

 

 

 

 

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