―浴場―
「ふにゃぁ~…いい湯でござる」
3交代、最後に入るのは鈴夜・吹雪・春香・鳴香・昴5人だ。
鈴夜は体をささっと洗い、湯に浸かり手足を伸ばす。
一方4人は念入りに体を洗った後、色々と取り出し最後に中和剤を塗り込む作業をしていた。
「あー、めんごでござるよ。4人とも暗器は自由でござるが、毒は今後一切、仕込み禁止でござる」
「「「「え?」」」」
「あの、鈴夜様。それではくのいちとしての価値が、半減してしまいます」
「香華姫に昔言われたでござるよ。それに、ウィルが過敏反応するでござるから、禁止!」
4人が湯船に毒が混ざらない様苦労してる姿を見て、追加で来た皆に伝え忘れたてことを言う。
吹雪がくのいちの価値が下がると抗議するが、今回の雇い主香華の命と言う。
更にウィルが毒に過敏反応するのと、暗殺任務はないし、仮に有っても毒は使うなと言う。
因みに今回の依頼、本来男の忍びでもよかったのだが、代表がくのいちの鈴夜なので…男達が拒否。
昨今、要人暗殺のくのいち任務が滅多にない。
故に鈴夜には丁度いいと、厄介払いされたのを14人は知っている。
くのいちは短命の使い捨て、それだけに、今回の任務は気が乗らない者ばかりだった。
鈴夜の命令に、それぞれの考えを話し出す。
「まあ、私はその方が楽でいいけどね。アレ仕込むのメンドクサイし」
「私もできれば、使わないでいいのなら、ありがたいですね。仕方ないとは分かってますが。気休めでも寿命が伸びれば…」
「そうか?私はいざという時の為、準備してた方がよいと思うがな」
「…私は…今更…」
鳴香はメンドクサイ、春香は寿命、昴はある方が良いと話し合う。
そんな中、吹雪はなにやら思う所があるのか、俯いて向いている。
そんな話と斗樹の部屋で起きたこと等を話ながら、久しぶりに入る風呂を堪能する。
その後、全てのくのいちに毒使用禁止令が伝えられた。
―饗子の寝室―
「あの…どうして僕は、此処に連れて来られたんですか?」
「そんなの決まってるわよ。私たちとスル為よ」
「ゴメンねー。鈴夜さんから色々聞いて…あら、ホントに鋭いというか、面白いのね」
「…orn…うう、また、このパターン」
饗子にちょっと話があるからと、連れてこられた先は饗子の寝室。
ご丁寧に、布団が二人分準備してある。
饗子は着物を脱ぎ出し、長襦袢姿になり準備に取り掛かろうとする。
境子は既に準備できて居るようで、状況説明をし鈴夜から説明と許可を得てる事を話す。
鈴夜より聞いてたウィルの特徴を思い浮かべると、見事にウィルがうな垂れ、その姿を敏感な鋭さを面白がる。
もう何度目だろうか。
必ず相手に『小さい』思われて、体が自然に動いてしまう行動は、習慣的なお決まりになりつつあった。
二人の話によると、斗樹には強く・優しく・容姿端麗の婚約者が居るのだが、自分達には居ない。
武家には強い男達が居るのだが、好み容姿の相手がなかなか居ない。
他の家等に好みの容姿をした相手が居るのだが、武力がなく自分達より弱いのがイヤだとか。
3姉妹は顔や内面もそうだが、力強さに強く引かれるらしく、そこが重要な項目らしい。
鈴夜よりウィルの特殊性を聞き、旦那には無理でも、自分達の好み容姿で強いから最初の相手にしようと決めたらしい。
武家共矢のような相手はいないだろうから、武力を持つ相手で妥協する前に、たくさん経験させてとお願いされた。
―朝食中―
「おや?饗子と境子がまだだね、どうしたんだい?」
「いえ、それが。お二人とも「眠いの、昼間で寝かせて」と申されまして」
「仕方ない二人だね。夜遅くまで、何をしてたのやら」
「…!」
朝食の準備が整い食べ始めようとすると、斗樹が二人が居ない事に気づき侍女に聞く。
侍女の説明に何を聞くと、やってたのやらと呆れる。
その時、軽くウィルの口元がヒクつく。
ウィルは虎の刻まで頑張って【元気百発】までも使い、その効果で7時ギリまで寝ていた。
現在【婦亞部利豆】で誤魔化してはいるが、後で風呂に入らないと…多分、斗樹と香華にばれる。
香華と鈴夜は平然と食事をしてるのだが、やにやら吹雪の様子がおかしい気がしないでもない。
食事が終わると、今日の予定を話し合う。
「それじゃあ、私が町を案内するよ」
「ふぅ…ええ、おねがいします」
お盆が片付けられ、お茶を飲みながら一息つく。
斗樹が先導して町を案内すと言い、香華が代表として答えお願いする。
身支度を済ませると、5人は公家屋敷を出て城下町で出かける。
「斗樹様。おはようございます」
「ああ、おはよう。町長」
「皆さん、昨日は、本当にありがとうございます」
「いいえ、私たちは鬱憤を晴らしただけです。お気になさらず」
しばらく町を歩いてると、町長が挨拶とお礼を言う。
香華とウィルは照れながら、自分達の憂さ晴らしに暴れただけだと苦笑する。
目を引く一行なので、周りに町民達が集まってきた。
斗樹は相変わらずの人気で、香華には男達、ウィルには女性達が集まり。
鈴夜と吹雪は子供達が群がる。
一頻り話し込むと、町を見て周るからと斗樹が言い、その場を後にする。
その際に「家の店に是非!」と多くの者達から誘われ、見て周る約束をした。
途中、面白い出来事が再び起きる。
「うっ…orn…はぅ!…シクシク…orn…るぅるるー…ううぅ」
「ちょ、ウィル大丈夫ですか?」
「昨日と同じ発作かい?」
「鈴夜様…あれって、まさか」
「あー…この時間だと(亜紀と琥珀と浜殿でござるな)」
突然道端で、ウィルがうな垂れる。
香華が駆け寄り心配し、斗樹は発作のようなものと勘違いする。
吹雪は鈴夜より説明を受けたので、何となく理解したようだ。
鈴夜の言う、原家3人が何をしてるのかは、序に後日語られるだろう。
中々泣き止まないので、鈴夜が仕方ないとオンブする。
本人が嫌がるも、体が自然に≪orn≫なる以上、みっともないので却下された。
ウィルは、泣き止むまで、オンブで各所を周るはめになる。
―定食屋―
色々と町を見周った後、お昼を食べるべく一つの定食屋に入る。
「綾音さん。約束通り来ましたよ」
「あら~♪うっちゃん、来てくれたの~♪(ぎゅ)」
「ちょっと!ウィルを放しなさい!」
「相変わらずだねぇ」
「全くです。兄さんだけでなく、会ったばかりの人にまで」
「ははは…斗樹もいらっしゃい」
店に入ると武家綾音がウィルを抱きしめる。
身長差で必然的に胸に顔を埋まり、照れてそのままにされる。
香華が慌てて引き離し、斗樹は見慣れた光景らしい。
その様子を呆れる美少女、メガネをした男性が斗樹を迎え入れる。
長女武家綾音・長男武家共矢・次女武家輪の3姉兄妹。
綾音の開いてる店に来る約束し、斗樹も共矢に会いに来たいので此処を昼食に決めたらしい。
自己紹介を互いに終えて、注文表を眺めてる最中にある事に気づく。
「なんか、輪ちゃんて、鈴夜姉に似てるね?髪型とか強さとか」
「にゃ?そうでござるか?」「え?そうですか?」
「確かに、似てますね…髪色や雰囲気と性格は違いますが」
「そうだねぇ…性格が真逆だけど。ん?強さとか分かるのかい?」
「いや、斗樹さんと躰の動きとか足運びが似てるので、強いかなーと。共矢さんもですけど」
「へー。少し見ただけで、動きとか分かるのか。凄いな」
雰囲気と内面性格は違うだろうが、ぱっと見の容姿、特に髪型が似てる事を言う。
鈴夜と輪は互いに顔を見合わせ、頭の猫耳髪に手を当て触る。
髪色や雰囲気と性格の違いは見えて皆も納得するが、斗樹が強さについて気づいたことに驚く。
ウィルの事、人を見る目に関しての力はたいしたもので、3人の動きが酷似してる事を指摘する。
美味しく楽しい食事を終えて、店を出る時に振り返る。
「あ、そうだ。お二人にコレを贈りますよ」
「え?何々?…わー綺麗。うっちゃん♪ありがとうー」
「コレは…髪留めですか?ありがとうございます」
「へー…似合ってるよ、二人とも。よかったな」
「あ、ありがとう。兄さん…」
「「「じー…」」」
「ははは…これはこれは」
綾音にはネックスレスを、輪には黒いヒラヒラのついたカチューシャを贈り、二人はソレを身につけた。
身につけた姿がしっくりと似合ってるので、共矢が褒めたので二人は尚喜んだ。
一方、その様子をジーっと見つめる3人。
斗樹はその様子を乾き笑いし、ウィルの気遣いと反対に鈍さに呆れつつも、3人の思いに気づく。
定食屋を出て、次の小物屋を見た後、斗樹は自分の考えが甘かった事に気づかされる。
「はい、斗樹さん。コレどうぞ」
「ん?なんだい?…リボンとタオルの徳用セット?」
「はい、柔術してる時に髪を束ねる用にと。後、汗を拭くのにいいかと」
「あれ?コレは、午前に買ってたものだね。何故、今になってだい?」
「「「ジーーー!!」」」
先程色々と買ったウィルだが、斗樹に午前中に買ったモノを今やっとプレゼントした。
いやはや、驚いたね。
私に婚約者が居るのを知って、あの場で出さずに、今贈ってくるとはね。
綾音や輪と違い、鍛錬に使う物とは恐れ入ったよ。
しかも、徳用セットかと思いきや、両方に一個づつ柄と質の明らかに違うものが入ってる。
本命を隠すには、徳用の中と言う事かねぇ…ホントに彼は子どもかい?
共矢から指輪しか貰ってないけど、私が買ったと言っても、コレなら気づかれる事もない。
しかも、何故今かと思ったら、さっきから熱の入る視線の3人に、贈るモノを買った後だからとは。
飯屋で我慢させられ、今も私の後という焦らした後に贈られる…喜びが増すよね?これは。
香華には髪飾り、鈴夜には音が変になった代わりに飾り鈴を。
吹雪には眼帯、ただしその選び方が凄いよ。
円い眼帯に桜がびっしり描かれて、刀傷を気にしてた吹雪にサクラの小枝に見えるからと説得。
子供を呼んで「このお姉ちゃんのコレ、どう思う?」と、子供に聞くんだからねぇ~。
「おねえちゃんきれい。サクラのえださんを、お顔に飾ってるみたい。カッコイイし」
傷を見せる事を嫌がる吹雪を抑え、無理やり眼帯変えさせて、純粋な子供の意見を聞かせるなんてね。
呆気にとられたあの顔、傑作だよ。
…一体、どういう教育というか、どんな思考を持ってるんだか…関心越えて、子供だけに恐ろしいよ。
私がもし共矢と出会う前に、同年か年上の彼に会ってたら…コロリといきそうだよ。
その後も、驚きのオンパレード。
昨日迷惑かけたからと、警備の忍びを呼び出してもらい。
個々に似合う物、それぞれ違う物を、同じ物は重ならない贈り方…。
駄目、頭痛くなってきたよ。
ウィルが18歳と言っても、私は信じるよ…まったく。
その後も各所を見て周り、陽が沈みだしたので帰路する事になった。
帰路の最中、気になる話を聞いた。
「そういや、昨日暴れた連中。今日は来なかったな」
「あ~そうそう。何時もは毎日来るのに…昨日ので懲りた?分けないよなー」
…ふむ、そう言えばそうだね。
何か、善くない事にならなければいいのだけどね…。
私が悩んで居ると、鈴夜から意外な言葉が飛んできたね。
「斗樹殿、大丈夫でござるよ。もう、奴らが来ることはござらん」
「な、に?…どういう…意味だい?」
「聡明な斗樹殿なら、分かる筈でござる。どういう連中だったかを…ね」
「っ!?ま、さ、か…」
鈴夜が視線を送る先…そうか…ありがたくもあり、末恐ろしいな。
あの迷惑とは、そういう意味も兼ねて、品を揃えたのか…。
私は背筋がゾクッ!とするのを感じた。
色々な事を考えながら屋敷に帰宅する。
出迎えたのは侍女達と、昼間で寝てた筈の二人。
あ?…ちょっとまて。
二人とも、そんな煌びやかな着物、持ってなかったろ!
今日仕立て上げた?…無理!一体どれだけ人員を…はっ!
そういえば、修繕屋と仕立て屋が閉まってたね。
反物屋も着物屋すらも…開いてたのは、私達の贔屓にしてる店。
慌しかったよね…確か。
つまり何か?私に案内させて、自分達朝食すら食べずに着物を仕立ててきたのか?
相手も居ないのに、そんな無理と大金を掛けて誰に見せるんだ!と、言いたかったけども…ふぅ、直ぐに分かったよ…。
「饗子さんと境子さん。お二人とも凄く綺麗です。見違えました」
「ほほほ、ありがとう。ウィル君」「ふふふ、ありがとう。ウィル君」
「今のお二人に、ピッタリの髪留めあるんですよ。よかったら、使って見せてください」
「「ええ!勿論!」」
ああ…そういえば、今朝ウィルも眠そうだったね…。
どんだけ手が早い子だろうか…妹達に先を越されたよ…。
私は、逢引と接吻しかした事ないのだよ!
どんだけ順番通りこしてるのさ!おかしいだろう!
駄目だね、この子にとって、コレが当たり前なんだろう…あんな過去持ってるくらいだし。
そういえば、吹雪も今朝様子がおかしかったね…。
どこか、不機嫌だったよ…監視?護衛?見せ付けられた?
あーー!もう!とんでもない一行を招いてしまったよ!!
「饗子、境子。火遊びは、程ほどにするんだよ?彼は明日、旅立つ身なのだから」
「大丈夫よ、姉さん。まだ痛いし、今日は一回しかないから」
「そうそう。お父様達が婚約者を決めてきそうだし。その前に少しくらい自由にしたって、いいじゃない」
「くっ…分かっていればいいんだよ…」
何!この余裕!
数日前まで、相手が居いって焦ってた同じ二人!?
大人だよ!いや、確かに、乙女から大人の女性になったのだけどね。
変わりすぎだよ!一晩で一体どれだけ、こんなに変われる自信を身につけたのさ!
当てつけ!?婚約者居ても、生娘な私に対しての当てつけかい!
もういい…もう寝よう。
…はぁ~…寂しいよ…共矢さん…。
―境子の寝室―
夕食を終えて、茶を飲みながらの雑談も終わり各部屋に帰った30分後
「はぁ~ん…最高」
「ちょっと、まだ痛みがきつかったわね…でも、よかった」
「それは何よりです。僕も気持ちよかったです」
昨日は饗子の部屋だったので、今日は境子の部屋でと言う事で一回づつ済ませた後。
二人は仰向けに寝て余韻に浸る。
そんな中、ウィルは身なりを整え部屋を出ようとする。
「あれ?もう、行っちゃうの?」
「ええ、今朝は結構ギリギリで。それに斗樹さんにばれてますし。これ以上居るのは…ちょっと怖いです」
「あ~確かにね。私達の変わりように、姉さん驚いてた。部屋に向う姉さん…ちょっと暗かったわね」
「僕が言うのもアレですけど…お二人とも、変わりすぎでは?」
「君が言う?知り合いの娘に聞いた話と、全く違うわよ?大抵の娘が、世界観変わるわよ?多分」
ウィルを呼び止め話し込む。
斗樹を落ち込ませた二人。
何がどうして、どう変わったか不明だが。
斗樹の話が本当なら、焦ってた二人には全く見えない落ち着きよう。
その原因はウィルに有ると、淡々と語る。
それを聞いて「なははは…」と笑い、左手の人差し指で頭部後ろ、首と髪の襟足をポリポリとかく。
二人は、なんとか部屋に留めたいようだが、斗樹の様子からこれ以上居るのが怖いと退出させてもらった。
その後風呂に入り終え、自分に割り与えられた、初めて入る部屋と向う。
―客用ウィルの寝室―
初の寝室に入り、室内を見回す。
山本家と大差ない部屋の広さと飾りに関心しする。
視線が、一つしか感じないのを変に思いながら、二人を呼ぶ。
「鈴夜、吹雪さん居ますか?」
「にゃ!鈴夜は居るけど、吹雪は居ないでござるよ?」
「やっぱり、そうですか。ちょうどいいかな?」
二人一緒ならよそうかと思ってけど、鈴夜だけならちょど良いと思いたつ。
折角、鈴夜から告白受けたのに、出来ないのは悲しい。
添い寝がどれだけ効果があるのか不明なので、今日は違う事を試そうと思った。
「鈴夜。出来ないかもしれないけど。スルだけしてみる?」
「んにゃあ!?本気?」
「勿論、いやな「スルでござるよ!」…じゃ、試してみよっか」
結局、子の刻から牛三ツ刻まで頑張って、3回鈴夜を幸福に導いた。
興奮はする、けれど反応しないのは流石に凹む。
「ふにゃ~…むぅー!」
「ふぅ~…う?何、唸ってるの?」
「これだけ鈴夜が乱れても、反応しなってのは、腹立たしいでござるよ」
「ぐっ!僕も凹み悩むよ。けど、仕方ないじゃない」
鈴夜が文句いうけど、原因作ったのは鈴夜自身。
僕の言い分にシブシブ納得し、寝巻きを着込み布団に潜り込む。
ふと、視線を感じ吹雪を呼ぶ事にした。
「吹雪さん。居ますよね?」
「………」
「や、黙ってても、分かるから」
「吹雪、観念するでござるよー」
「…分かりました」
僕の呼びかけを無視、再二も無視、再三の鈴夜の言葉でやっと反応して降り立った。
あからさまに不機嫌でだね。
とっとと、用を済ませて立ち去りたい!の、オーラが目に見えるようだ。
けど、今日は逃がさないよ。
僕の一言で、その雰囲気が一気に飛散する。
「吹雪さんも、一緒に寝ましょう」
「……は?…えええェ!?」
「にゃは。いい案でござるな」
「なな、何を、どうして私まで!」
ウィルの言葉に、かなり時間の間隔をあけて叫ぶ。
鈴夜はいい機会と認め、吹雪は焦りながら質問する。
話は簡単だ。
鈴夜の言い始めた添い寝をし、くのいちトラウマによる拒否を直す為。
鈴夜は勿論、親しくなった吹雪が一緒に添い寝すれば、治る可能性が増すからと言う。
「え、え、遠慮します!」と、天井に逃げるのを鈴夜が縄で捕縛!
すかさずウィルが布団に引きこみ、抱きしめる。
「大丈夫ですよ、誰も食べたりしませんし。出来ないから」
「そ、そういう問題ではなくて、監視役ですよ、私は」
「にゃ?吹雪は寝てると。暗殺者が来ても、気づかないでござるか?」
「そんな事はありません!」
「ならいいですね「はぅ」決まりー!」
ウィルと鈴夜にいい様に言い負かされて、川の字で寝るはめになった吹雪。
親子ではないにしろ、子が真ん中なので川だろう。
吹雪の人生初、男の子との添い寝を体験するのだった。
―朝食広間―
本日は全員が揃って、朝食を食べる事が出来た。
しかし、朝から戦場のような朝食だった。
ウィルの横には、当然のように香華が座る。
その反対側に饗子が座り、目の前に境子が座る。
「はい、あーん「あーん、んぐ、もぐ」ふふ」
「香華姉。はい、あーん「あーん、ん♪」と、あーん、んもぐ、もぐ」
「こっちも、あーん、「あーん、ん、もぐ」へへ」
「…ふぅ…」
「にょほほほ~♪」
「…ギリ!…パキッ!」
饗子がウィルに食べさせ、ウィルが香華に食べさせる。
香華がウィルに食べさせ、ウィルが境子に食べさせる。
ウィルを巡って3すくみ状態で食事が勧められる。
吹雪は、他を気にする様子がないのか、ため息を付きながら食事をしている。
鈴夜は面白い物が見れたと、喜びながら食事をすすめる。
しかし、ただ一人歯を軋ませ、箸を折るもののふ、が一人。
初め饗子がウィルに食べさせた時「な、何をしてるんですか!」と香華が怒鳴るも。
ウィルが「香華姉、はい、あーん」とするので、直ぐにデレたのだ。
まだ、ちょこっと鈍い香華は、他の女性に構われても、自身がウィルに構ってもらえれば機嫌が直るのだ。
「ごめんね、姫様。私達の周りに男の子いなくて、やってみたかったの」
「ええ、仕方ありません。今日で、最後ですので…今回だけですよ?」
饗子のいい訳を信じ、一応念押しするが、喧嘩する事無く食事が進んでいった。
色々と妹が、先に進んだ感がヒシヒシ伝わる事で、斗樹の目が…怖い。
―公家門前―
食事を終えて、身支度も済み、次の目的地のテキサスを目ざして向う準備に入る
「それじゃ、斗樹さん。饗子さん。境子さん。お世話になりました」
「…ああ、気よつけて…」
「何時でも、家に来てくれていいわよ」
「また、家に寄ってよね」
「はい、機会があれば、お願いします」
「本当に、お世話に成りました」
ウィルが別れの挨拶を言うと、斗樹は…暗いながらも気遣う言葉を言う。
二姉妹は「何時でも来てね?」と、誘うように別れを惜しむ。
香華はウィルと一緒の動作で、保護者の様に、同時に頭を下げてお礼を言う。
一歩、歩んだ後、背後に刺さる香華の闇モードな視線。
流石に、このままだと悪いと思い、振り返る。
「(斗樹さん。もし、共矢さんと上手くいかなかったら。僕がお相手しますよ。ちゅ♪)」
「んなぁ!?」
「「ちょっとー」」
「…へ?…」
「ああ、饗子さん。青の方を、斗樹さんに使って見てください。多分、大丈夫な筈ですけど」
「え?ああ、青ね。黄と赤はイヤよ」
「あははは、お任せします」
暗い斗樹に耳元で囁き、背後にばれないように耳にキスをする。
イキナリの事で驚く斗樹、しかし「いや!私は。しかし…」と様子がおかしい。
ウィルが何を言って、何をしたのか見てた二人はブーイングをする。
香華にはウィルが何か斗樹に言ったようだが、よく聞こえないし、よく分からない。
お決まりの青【幻想希欲薬】黄は逢引版【情報指定夢香】赤は【情報指定夢香】のアレ。
ちゃっかり、二人には説明し手渡してあるので、斗樹の真意を知ろうと言ってみた。
饗子は直ぐに理解するも、黄色と赤は拒否した。
ウィルは、はっきり言う饗子に軽く笑い判断をまかせた。
そんなこんなで、斗樹がちょっと変?になったが、病むよりいいか?と公家屋敷から去って行った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
≪人物≫
ウィル・プライン
LV 29/33
技能 上げ吸収LV3
特性 魔力暴走
大分忘れてたので、久しぶりに記述。
山本家での経験を獲て、色々思うところが出来た。
一番重要なのは、15歳の時に全てを決めること。
今回、魚が亜紀に対しての事で暴走。
暴走を直す為にチンピラをのして、気分爽快。
忘れてると思われるますが、ウィルの根底はリーザスのかすみを助ける時にやったのと似た行動原理。
CITYで毎日の様にやってたのをリーザスでもやり、リックとハンスを利用したのはココから。
暴走項目で明記するが、3段階ある。
1回目と2回目は2段階目の記憶が飛ぶ暴走して、相手を痛めつけ、守るべき者に止められたので戻った。
3回目の暴走は、1と2段階同時発動で、本来記憶が飛んで魚を殺す筈だったが、違う力が働いて制御された。
その為、時間経過で2段目が解除され1段階目でゴロツキを殴り発散できた。
4回目の暴走は怒りは勿論、守れなかったセディアと守るべき人数が多く居すぎた為、3段階目だけでなく、1.2.3段階全て発動した。
棒立ちだったのは空想で怒り、対象者が目の前に居なかった為、脳内で滅多斬りしてた為動かなかった。
春香
LV 35/40
技能 小太刀二刀流LV2 投擲LV1 忍者LV2 くのいちLV1 淫術LV1 鳥会話術LV1
特性 毒耐性
元は超昴閃忍ハルカ、鷹守ハルカそのまま。
くのいちにしては優しい性格で、毒による寿命について気にしてる。
心優しい所為か、動物、特に鳥に好かれ軽い会話が可能らしい。
主武器は小太刀やクナイを使ってたが、なにかしっくり来ず。
あるときピンと思いつき、鍛冶屋に無理言ってお願いし、大きなクナイを製造。
斬り・受け・投げる両用の二刀流を完成させた。
鳴香
LV 33/38
技能 変幻暗器LV1 投擲LV1 忍者LV1 くのいちLV2 毒薬LV2 淫術LV1
特性 毒耐性
超昴閃忍の4方堂ナリカそのまま。
バリバリのくのいちで、暗殺より楽しむ方が好き。
結構な面倒くさがりやで、毒の仕込が面倒だからと、結構毒無しで任務をこなす事もあり。
忍具適正がなく、小刀やクナイ等、全く上手く使えなかった。
その分くのいちとしての修練に励んだ。
ある日、森でへびさんとはぐれた?桃蛇と出会う。
最初は驚くも、しばらく見つめ合い…顔を舐められ懐かれた。
連れて帰り「しゃあ、しゃっー」鳴くので、シャアと名付けた。
常に一緒で、訓練の時に「私にも忍具使えたらなー」とぼやくと「しゃっ!」とヒト鳴きし、大きな手裏剣変化する。
以後シャアを使い、訓練する内にクナイや手裏剣を投げる扱いが上手くなり、投擲技能を身に付けた。
他の者が自分のが上手く使えると、使おうとすると、男は噛み付かれ、女は無視された。
その後、小刀・鎌・槍等様々な形に変化できるようになった。
そして、変幻暗器の技能を身につける。
昴
LV 41/46
技能 刀戦闘LV2 忍者LV2 くのいちLV2 毒薬LV2 淫術LV1
特性 毒耐性
超昴閃忍のスバルそのまま。
忍びとして、くのいちとして優秀であったがある任務で片腕を失う。
利き腕を失わなければ、鈴夜と同格であったくのいち
片腕を無くしても、持ち前の努力でそこらの忍びに負けない力を持つ。
真面目で、任務達成に誇りを持って遂行する。
公家斗樹
LV40/50
技能 刀戦闘LV1 柔術LV2 殺人料理LV1
おっとり型のマイペースな女性だったのだが、妹達が大人の階段を”先”に進んだため落ち込んだ。
婚約者の共矢が居るのだが、なかなか日取りが決まらない。
共矢とは違う特殊性の魅力を持つ、ウィルに興味が出てきた。
ウィルに貰った本命リボンとハンカチは常に身に付け、鍛錬の時は徳用に変えている。
その事柄の発端は…。
「斗樹姉さん。夢の内容どうだった?」
「言わなくちゃ駄目かい?共矢さんと結ばれる夢を見たよ…ただ、その後にウィルと何度も…。夢だしね」
「「うわーサイテ-」」
何故妹達に夢で最低と言われるのか、問い詰めたが一切教えてくれなかった。
ただ、その後共矢と居ても、どこかでウィルと比べてしまう様になったとか、ならないとか。
公家饗子
LV 20/29 → 23/29(1週間後) → 29/29(半年) → 35/35(一年後)
技能 刀戦闘LV0→LV1(半年後) 柔術LV1 (半年後)
大人になった当日、ウィルより先に起き寝顔を眺めて居た時に、もっと綺麗に見られたいと着物の新調を決意。
侍女が起こしに来た時、慌てて飛び起き部屋を出て行った後、侍女に口止めと姉に嘘の証言を言付ける。
着物屋で直ぐに柄は決まったが、今日中には流石に無理と言う。
ならばと、職人を金に糸目を付けづ町中からかき集めて、無理やり夕方前に仕上させた。
無茶をしたため、普通の値段の13倍。
流石に驚き焦り両親の怒りの不安に駆られたが、ウィルの一言とプレゼントで一気に消し飛び、ご満悦。
更に、次の日に青薬や黄・赤のお香を貰って、ますます喜んだ。
ただ、現在の問題は…本当に他の武家の男で我慢できるか、それが不安らしい。
姉いは適わないと思っていたが、自信が付き追いつき追い越そうと鍛錬に励む。
ウィル達が旅立った1週間後、何か体の調子に疑問に思う。
そこで邪馬台の卑弥呼の元に向かい、レベルアップを果たす。
その際「な!?どうやって才能限界を?【禁断才能-弱】を使いましたか?」と言われたが、分からずじまい。
更に半年後、技能を二つLV1にまで上げて、卑弥呼より【禁断才能-弱】の存在を聞いたので、金で取り寄せ使う。
そして、一年後には35LVになった。
レベルアップの主な理由は柔術は交代で攻め、投げ受けとやるので、斗樹との乱捕りで必然にメキメキとレベルが上がり、迷宮捜索にいそしんだ為。
なぜか、あの日依頼ゴロツキが町に現れないので、迷宮捜索に出たのだった。
公家境子
LV 20/20 → 23/29(1週間後) → 29/29(半年) → 35/35(一年後)
技能 槍戦闘LV0→(半年後) ガードLV0→(半年後)柔術LV1(半年後)
饗子と共に、同じような日々を過ごす。
余りに鍛錬や迷宮捜索にいそしみ過ぎた為か、両親が連れてくる男を片っ端から打ちのめし縁組を拒否。
その余りに必死に戦う様は『もう、決めた相手が居るのよ!』と言ってるようでもある。
薬やお香の製造元を独自に調べ上げ、見つけ出し、亜紀・琥珀・浜や来世とまで顔見知りにまで至る。
更に、13人衆とまで呼ばれる女忍びが一人、鎖獲と契約を結ぶ事も成功した。
必然的に互いの関係が分かり、CITYへ乗り込もむ案をねってるらしい。
鎖獲
LV 36/39
技能 小刀戦闘LV1 投擲LV1 忍者LV2 くのいちLV1 毒薬LV2
特性 毒耐性
大番長の高羽沙枝そのまま。
命令に忠実なくのいち。
ウィルの子供の素直さと、大人のような残酷さに疑いを持つ。
伊我のくのいちだが、元は甲我の忍び。
幼い頃迷子になって見事に掴り、くのいちとして育てられたので、本人は伊賀のつもり。
最初はウィルを信用ならない子供と思ってた。
後の事件で主と認め、命令とあらば何事にも応えようと、心身の全てを差し出して懸命に頑張る。
元禄の元で偶然境子に会い、互いに顔を知ってたので専属を織田から公家に移す。
籍は移したが、普通に織田にも出入りし、公家の情報交換の要となる。
武家綾音
LV 3/7
技能 料理LV1
よくばりサボテンの奈々月絢音そのまま。
武家に生まれるも、武の才能がないので、趣味の料理で定食屋を開く。
共矢が弟じゃなければと、常々思ってたらしい。
ゴロツキを殴り飛ばすウィルの姿を見て、共矢と重ね一目惚れ。
店に来るようにしむけ、アプローチするも香華に邪魔され、相手がもう居る事に気づき断念。
貰ったネックスレスは、大事に常に身つけている。
ネックレスのデサインはアリスHPのイベントCG【絢音さん、迫る!?】のソレと思って貰えればありがたし。
長男武家共矢
LV 38/47
技能 柔術LV2
サボテン藤宮友弥そのまま。
婚約という安心か、はたまた度胸がないのか。日取りが決まらない。
武家に生まれ、柔術の達人クラス。
斗樹と何度か逢引するも、最近どこか様子がおかしいと思う、今日この頃。
武家輪
LV 36/50
技能 柔術LV2 料理LV1
サボテンの藤宮凛そのまま。
この時代では血の繋がった妹。
普段はあまり感情を表に出さないが、共矢と綾音には甘える。
ウィルは特に興味ないというか、少しキライ。
髪留めをもらい、共矢に褒められて喜んだ。
しかし、兄を奪った斗樹と同じ髪色が気に入らないらしい。
二人の後を付け、斗樹の様子がおかしい事に疑いを持つ。
≪特性≫
【魔力暴走】
発動条件は基本は怒り。
親しい人、大切な人を守るためその敵対対象を消去する為に発動。
1段階目【魔力の鎧】
魔力の鎧で防御力が上がり、立ち上る湯気のようなものが物理、魔法攻撃を自動迎撃。
防御に特化し、殴る蹴る際に防具を纏ったようなもの。
気性が荒くなるが、この状態では記憶と力の制御可能。
湯気の魔力は自動迎撃と、手動操作もできる。
持続時間は、33時間程度。
2段階目【真紅の瞳】
身体能力3倍に向上し、目の色が青から真紅に染まる。
この状態は正に暴走、現段階では記憶が飛ぶ。
持続時間は、身体に過負荷がかかるので3時間が限界。
3段階目【魔力の風】
全身から全方向に発せられる魔力風。
LV25以下は、近づく事すら出来ない。
完全にプッツン状態で、記憶は全く無し。
持続時間は、常に魔力を放出し続けるので30分で消滅。
元は戦国の美樹覚醒で見せたのを見て創造。
シィルも勿論できます、威力・規模・継続時間がハンパないですが。
≪技能≫
小太刀二刀流(オリ)
小太刀を二本同時に上手く扱い戦うことが出来る才能。
小刀より重く、刀より軽い。
春香の特製クナイは、手元の面が広いので盾としても使え、突き、両刃斬りが可能な武器と思えばいい。
変幻暗器(オリ)
あらゆる武器に変化する暗記を上手く扱い戦うことが出来る才能。
斬る、投げる、縛る、防ぐと多彩な攻撃方法が可能な武器を上手く扱うことが出来る。
蛇蛟であるペロ?は、この世界ただ一匹の変幻自在の武器である。
投擲(オリ)
クナイや手裏剣、投げるものを上手く投げ扱え、命中威力が上がる技能。
淫術(オリ)
今は寂れた技能。
男女の興奮によりチャージできる。
魔力のようなものを使用し、身体強化と武器に属性付与が出来る。
LV2になれば、必殺技や新たな進化が出来るのだが、今は出来る者は居ない。
鳥会話術(オリ)
そのまま、鳥の言葉が分かり、話せるので情報収集にもってコイな技能。
≪アイテム≫
【元気百発】(オリ)
百発とあるが、実際10回分。
ようは、ウィルのHP3なのだが、最大値を越えてHP13にする。
『欠点』
質より量になる事で、燃費が悪くなり回数の減りが早くなる。
また、HP0に成るまで止まらず、HP0に成ると3時間は身動き不可で、眠りに落ちる欠点がある。