―京の山道―
テキサスに向うべく、一行は山道を歩み進む。
2対2に別れて歩いてるのだが、今回は少し様子が違う。
当然の様にイチャイチャして、香華がウィルの腕にしがみ付いている。
そんな様子を見て、鈴夜は平然としてるが吹雪が「…いいな…」とぼやいている。
なにやら吹雪はこの数日で、ウィルに対する想いが色々と変わってきたようだ。
鈴夜もウィルと楽しんだので、あの位は全く気にならず、前回と違って全く余裕である。
そんな中、突然女性の悲鳴が聞こえてくる。
「ん~♪「キャー!誰か助けてー!」はっ!」
「皆、行こう!」
「「はい!『了解でござる』」」
向った先に居たのは、桃色の長い髪が太股まであり先端が白く、どうなってるのか花柄をしている。
髪を蝶縛りをしたリボン、これまた桃色を主体とした服で、スカートの丈が短い。
その女性がハニーに囲まれて居た。
3人が慌てて助けようとハニーに向う中、ウィルはその女性が気になり、じーっとよーく見ていた。
「あいやーっと、だれだー?」
「あなた達、その人から離れなさい!」
「逃げた方が良いでござるよ?」
「…やります」
「あ、あいやー…どうしよう?」
「きゃ~タスケテー」
一見、ハニーに囲まれて襲われてる様に見えるも、特に慌ててるように見えない女性。
各々が武器を構え、言葉を投げかけハニーに対峙する。
襲ってる立場のハニーが戸惑いを見せ、女性の言葉が棒読みで…わざとらしい。
女性と目が合い、脳裏に閃きが走るウィル。
ハニー達に切りかかる寸前のところで。
「待った!!」
「「「え?」」」
「「「「「はに?」」」」」
「…チッ…」
ウィルが待ったを掛けて、止まる一同。
女性が何やら舌打ちしたようだが、気のせいだろう。
3人の前に出て、ハニーを見回す。
ある一体に目を向け、近づく。
「僕を覚えてる?大変だね。店はいいの?」
「は、はに?ゲーセンで、会ったことなんかないよー?」
「…お馬鹿…」
頭部に傷のあるハニーに手を回し、話しかけるウィル。
店と言われ、ゲームセンターと言う、ハニー店主。
その様子を見て、言葉を漏らす女性。
「そうか、乙姫様に言われたんだね?」
「店主じゃないよー知らないよー」
ウィルの問いに、自爆暴露しまくる店主ハニー。
ハニーの数を見て、あるモノを取り出し渡す。
「そっか。5体…あるな、コレ上げるから言ってみ」
「はに?ハニ飯だー!」
「…ふぅ~ヤレヤレね…」
ハニ飯を貰って興奮する店主。
やり取りを見て、観念する女性。
ハニーは全てを白状しだす。
乙姫に言われ、美女を襲うハニーごっこをしてたらしい。
そこにウィル達が現れ自分達が窮地になり、どうしたらいいのか戸惑ってたようだ。
乙姫の発案ゴッコと説明すると、5体はどこかに去って行った。
2人は何故ハニーと話をして、何が起きたのか疑問に思ったが、鈴夜は話の流れで何となく理解した。
そして、女性と向き合い話しかける。
「で、乙姫様。どうしてこんな事を?」
「傾国よ。乙姫はあそこの源氏名だから。でも、どうして分かったの?」
ウィルの言葉にお手上げして、名前を名乗る。
そして、どうしてばれたのかを問いかける。
「僕と同じ、綺麗な桃色の髪だし。メガネや付けホクロあったけど。裸にひん剥いたの僕だよ?その胸見たら、ぐぼッ?!」
「…ウィル?如何言う事か、説明して…クダサイネ?」
「あははは!なるほどねー。流石ウィル君!今は、その子に弱いのね」
傾国に髪色を褒め、メガネとホクロ有無を言うウィル。
しかし、裸発言で香華が闇になり掛かったのを気づけず、胸発言と同時に脇腹に肘鉄を食らう。
香華の様子を面白がり、笑いながらウィルを褒める傾国。
香華にカチカチ洞窟での事を説明し、何とか取り付くろった。
「あのゲームクリアしたの者が、約百年ぶり「百年!?」そうよ?」
「えーと、その前は誰が?」
「ランスともう一人。後はウィル君の3人よ。皆、同じ方法だから。笑っちゃうわよー」
「じーちゃんが…」
傾国の「百年」発言に驚く面々。
ウィルは誰がクリアしたか問うと、驚く事に祖父の名前が挙がる。
ウィルは祖父の事で頭が一杯になるが、鈴夜は同じ方法と言う事に気づく。
その後、傾国と色々経緯や話した。
そして、本来の目的を話し出した。
「さて、ウィル君に、お願いがあって来たんだけど」
「お願いですか?」
「そ、私を…殺してくれない?」
「…は?本気で言ってるんですか?」
「ちょっと!貴女、一体どういうつもりです!」
「ウィルじゃないと、駄目でござるか?」
「…私が殺って差し上げます!」
傾国の言葉に驚き、戸惑うウィル。
香華怒り、鈴夜はウィルでないと駄目かと問う。
吹雪が殺気をだし小刀を構え、自身が殺ると言い出すしまつ。
そんな中、ウィルはじーっと傾国の瞳を見据え。
「…分かりました」
「「「ウィル(様)!?」」」
「うん♪お願いね~…痛くしちゃ、イヤよ♪」
意を決して、ロングソードを抜き構えるウィル。
3人はそんなウィルに驚きの声を挙げる。
傾国はそんな皆を、あざ笑うかのように、楽しそうにお願いする。
「はああぁぁ!!セイッ!!」
「!?…あ、きゃあぁぁー!!」
「「……」」
魔力で身体強化し一閃、傾国の首を斬り頭を飛ばす。
香華は飛ぶソレを見て叫び、、鈴夜と吹雪は黙って見届ける。
しかし、ウィルはまだ止まらなかった。
「う、うああああぁぁぁ!!!」
錯乱するかの様に叫び、両手、腰、両脚を斬りバラバラにし、更には胸に剣を突き立てる。
3人は言葉も無く…もう、呆然とウィルの所業を眺めている。
「ずっ、はぁ、はぁ…う、…うぶ、うげぇぇ!?」
「ああ…なんて事を…うぷっ!」
「「……」」
息を荒げ、剣を突きたて後、口を両手で押さえ草むらに移動する。
ウィルは草むらで、嘔吐し続ける。
何を、どうしていいのか分からず、香華はウィルの所業を嘆き、もらい嘔吐を女子のプライドで留めた。
2人の忍びは、その様子をただ眺めていた。
皆が気づかないその間に、斬られた部位ズルズルと動き、繋がっていく。
脚が腰に付き、両腕が胴とくっ付く、その両手が腰と胴体連結した後、頭を乗せる。
最後に立ち上がり、剣を抜くと、ウィルに背後に歩み寄る。
「#$&’~#*@…あっ!?…きゅぅ~…」
「「!?…ババッ!!」」
香華は血だらけでウィルに近づくモノを見て、驚き声にならない奇声を上げて気を失う。
鈴夜と吹雪は驚き、咄嗟に離れ小刀を構え警戒する。
「イタター…もう~酷いわよ~。私を傷物にして、吐くなんて」
「ずびばせん、うぐぇぇぇーー。人を切ったの、ぐべぇぇー…ハジメてで…ぶぇぇぇ」
「あら♪私が、初めての女なのね♪嬉しいわ~♪」
全く痛そうに見えないが、軽い調子で文句を言いながらウィルに近づく。
3人を全く無視して背後に立つと、嘔吐するウィルの背中をさすりだす傾国。
ウィルは背中をさすってもらいながら、嘔吐しつつも初経験と言い、嘔吐し続ける。
一方傾国は、自分は初めてと聞き、喜びながら介抱する。
本来護衛である鈴夜と吹雪は、ウィルの間に入って守らねばいけないのだが、得たいの知れない恐怖に体が動かない。
もしも、傾国が殺気を放っていたならば、自然と動けたのだろう。
しかに、何事も無かったように、自然に歩み寄る姿に二人は動けなかった。
首を跳ね・胴を横一閃・心臓を一突き等は昔から、腕に覚えがある者に殺られたれたらしい。
しかし、今回のようにバラバラにされたのは初めてと、褒めながらウィルの背中を撫でさする。
背後の3人をからかいながら、ウィルに竹水筒を差出し、水を飲ませうがいさせる。
その間も、ずっと二人は動けず、香華は気絶したままだった。
ウィルが落ち着きを取り戻し、うがいや鼻をかみ、顔と身なりを整えた。
「どういう…事でござるか?」
「そうですよ、説明してください。ウィル様」
香華は気を失ったまま寝かせた。
今起きると、どういう行動を取るか分からないと言う事で放置。
鈴夜と吹雪がウィルに説明を求めた。
一方傾国は服を準備してあったらしく、二人が問い詰めてる間に服を樹の影で着替えを終えていた。
「いや、傾国さんが百年と言ってたし。覚悟ある目と、試されてるような気がしたので」
「あらら♪相変わらず、目には鋭いのね♪」
「ええ、それで死ねないのかな?と思って、僕のできるだけの覚悟を見せようと思って…へべれけに、なりましたけど」
「「そんな事が、分かるものなのでござるか?(ですか?」」
ウィルは傾国の百年という言葉に、不老不死という事に予測した事。
なにか試されてる気がして、発狂気味に切り刻んだ事を説明する。
傾国も自分の意図が分かった事に喜び、何やら聞き逃せない事を言っていた。
二人は、あの少しのやり取りで、分かるものかと疑問視する。
実は傾国同様、ウィルも傾国が死ねない事やどういう性格をしてるかを知っていた。
だが、それをウィル自身は気づいてない。
色々と説明話をした後、香華が目覚める。
「…あれ?…あ!あのバケモノはどこ!?」
「バケモノ?酷いわ。夢でも見てたんじゃないのー?」
「香華姉、落ち着いて。傾国さんは、死ねない【呪い付き】なんだって」
「呪い付き?死なない?そんなのものがあるのですか?」
起きてバケモノ呼ばわりされて、寝ぼけ扱いする傾国。
ウィルが今までの事を詳しく説明し、なんとか香華も落ち着き理解した。
その後、貴女の目的は果たされたのだから、私たちは先に進みますと言い出す。
そんな一行に待ったを掛けて、もう一つのお願いを言い出す。
「ちょっと待って。ウィル君、コレ預かってくれる?」
「コレは…乙姫の時の髪飾り?いいですけど、どうして?」
「必要なくったから。後、もう一つのお願い。良い?」
「図々しい人ですね…」
「そうでござるよ」
「聞かなくて、いいですよ」
ウィルに乙姫の時に使ってた髪飾りを手渡す。
更に新たなお願いに、非難する3人。
そんな3人を宥めながら、お願いを聞き届ける。
内容は、次ぎ会う時までに「不老不死」から解放する術を、探して欲しいとのこと。
そして、手段を見つけて次に会う時に、髪飾りを返して欲しいと言うのだった。
「構いませんけど…見つからないかも知れませんよ?」
「大丈夫よ♪ウィル君なら、必ず探し出してくれると信じてるから♪」
「「「…#…」」」
百年も生き、解放される術を探してただろうと思う。
自分が見つけられるかと不安に思うが、傾国が抱きついて大丈夫と言う。
3人は傾国の態度や言葉に、何か自分達の知らないことを知ってる感がして、何か腹立たしい様子。
結局ウィルは、願いを受け入れ。
一行はテキサスに向うべく歩きだし、傾国と別かれた。
「いや~楽しかった♪…今度こそ、逃がすんじゃ…ないわよ」
―浅井朝倉―
「この度は私達の不手際で、一日ずれてしまい。申し訳ありません」
「いえ、そう気になさらずよもよい。物事は、何が起こるかわからぬもの」
「義影様、ありがとうございます」
「お父様の言う通りですわよ。前もって一日ずれる事を、お知らせになっているのですから」
香華の言い出しに義影が手を差し伸べ制す。
ウィルが足利と違う反応に喜び、御礼を言う。
その姿に、月花が微笑みながら事前の知らせがあったから気にしないでと言う。
お決まりの自己紹介と、挨拶が終わる。
今までのJAPANでの出来事や、コレまでの事をひとしきり話すと。
宴の時間となり、夕食の会食が始まる。
そんな中、ウィルの礼儀正しさと、子供とは思えない雰囲気と対応。
酒の入り気分好くなった義影が、とある事を言い出した。
「いやはや。古い記述や噂でのランス殿の孫とは思えない。月花を嫁がせたいものですな」
「まあ、いやですわ、お父様。わたくしとウィル様では、年の差でつり合いませんわ」
「遠慮させていただきます。「!?」僕なんかじゃ、月花姫に申し訳ないですよ」
義影は古い記述により、ランスに酷い目にあった事を知っており。
祖先の姫が酷い目にあった事が気がかりであったが、現在はウィルの良い両親の噂を聞いていた。
しかし、ウィル自身の話は詳しく聞く機会がないので不安だったらしい。
酒で気分が乗った事で、娘を嫁に出す話をするも、ウィルは断った。
その瞬間、5.6.7朗が殺気を出すのを、織田一行は気づいた。
さも何も感じなかった様に、自分のが月花にふさわしく無いといい、誤魔化した。
「むぅ…そうか?それは残念ですな」
「…ええ、そうですわね…」
義影は少し、残念がり食事と酒を煽る。
月花もつり合わないと言ったものの、まさか断られるとは思いもせず、気が沈む。
言い寄られたり、きょうだいに止められたりしても、相手が断って来るのは初めての経験だった。
会食が終わり、各部屋に案内される。
―ウィルの部屋―
部屋で寛いで居ると、めずらしく香華が部屋にやって来た。
「ウィル、少しいいです?」
「あ、香華姉?いいよ」
部屋に招きいれ、急須にお湯を入れてお茶を入れる。
自分と香華の分を入れると、何の用かと聞く。
「どうかしたの?珍しいよね。香華姉が他の領地で、僕の部屋に来るの」
「ええ、さっきの義影様の話で、どうしても聞きたくって」
「あー…うん。鈴夜さん、吹雪さんも降りてきたら?」
「「了解でござる(です」」
今まで瑞原道場では、部屋に来ることはよくあった。
しかし、原・斉藤・山本・公家において、来ることが無かったので不思議に思った。
聞いてきた内容に、これは上の二人にも話した方が良いと呼び下ろす。
「あ、鈴夜さん。周りの警備とか見張り大丈夫?ちょっと他には、聞かれたくないから」
「問題ないでござるよ?姫が此処に来ることで、全員が周囲にいて。上には春香・鳴香・昴・鎖獲の四人が居るでござるから」
「あれ?そんなに居たんだ…んじゃ、あの話しだけどね」
鈴夜に朝倉家の連中に、聞かれるのは不味いと言う。
それに対し、香華が居る事で護衛配分してある全てが集まって居る事を伝え。
鈴夜が吹雪の次に信頼できる4人が天井に配備してる事を伝える。
ウィルは視線を一人しか感知しないので、4人も居たことに戸惑う。
義影の月花を嫁がせる件を、迷いもせずに断った理由。
意外な答えを一同に言ってきた。
「月花姫はね…綺麗過ぎる」
「「「え??」」」
「ああ、汚れを知らな過ぎるんだよ。あの断った一瞬、3人から殺気出たの、気づきましたよね?」
ウィルの説明はコウだ。
月花は雪のように美しい肌で、容姿は勿論、性格も良い。
しかし、親兄弟に守られすぎて世間を知らないと事。
それが、今まで様々な苦労して来たウィルにとって、眩しすぎるのと気に入らないらしい。
そして、3人の殺気、あれは明らかに裏の仕事をしてる者が出すもの。
義影は話し合いで事を済ませて来たと聞くが、実のところは違うように感じたらしい。
それもあって、月花を選ぶことは無いよと、香華を安心させる。
逆に多少の苦労や、裏表ある方が好みと香華は勿論、鈴夜や吹雪、しいては周りを見張る忍び達のが好きだと言った。
その後、お茶を飲んで軽く雑談をした後、香華は部屋に戻っていった。
―浴場にて―
「あ、どうも、お邪魔します」
「ああ、ウィル君か、気にするな」
「そうだ、男同士なかよくやろう」
「少し、話したいこともあるしな」
浴場に入り体を洗って湯船の方に向うと、今、一番会いたくない3人と出くわす。
5.6.7朗の鉢巻ハゲとイケメン二人。
先程殺気を飛ばした、見た目にはそうは見えない裏仕事をしてる3人だ。
「えーっと。お話とは?」
「先程、月花を嫁にするのを断ったろう?どうしてだ、と思ってな」
「うむ、俺も聞きたい」
「そうだ、俺達が言うのもなんだが、あれほどの美しい気立ての良い妹は居ない」
予想通りウィルが断った理由を、知りたいようだった。
月花を自慢する3人の言い分を聞き、それを褒め同意し、持ち上げるウィル。
自分が子供で、まだ早いし勿体無いと言い、故郷に好きな姉が居ると説明する。
妹を持ち上げられ、故郷に好きな相手がいるなら納得と、機嫌よく3人は風呂場を出て行った。
「ふう~…肩がこった…鈴夜。もう他に、誰も居ないよね?」
「にゃ!っと、大丈夫でござるよ。くつろぐと良いでござる」
風呂に浸かりながら、先程の持ち上げをヘタしたら、自分の命がないと冷や冷やした事をぼやく。
鈴夜に声を掛けて、周りの安全と人が居ない事を確認する。
ウィルの背後に降り立ち、誰もいないと安心させる。
「や~ほんと。シスコンって、言うんだよね?ああいうの。参ったよ」
「そうでござるな~「ちょっ!?」ん?なんでござるか?」
他に居ない事を聞き、愚痴をこぼし「ふぅ~」と手足伸ばして夜空を見上げる。
それに賛成して、鈴夜が湯船に浸かって横に座る。
何で横に?と見て、ウィルが慌てる。
ここは男湯、鈴夜がまっぱで入って来る事に、流石に驚いたようだ。
「す、鈴夜。ここ男湯。流石に不味いって」
「にょほほ~大丈夫でござるよ。吹雪が周囲を、鎖獲・春香・鳴香・昴が入り口周辺を見張ってるから、大丈夫♪」
「ま、さか…ここで?」
「うにゃん♪」
湯船に浸かり、ウィルに擦り寄る鈴夜。
先程の3人が出て行った事で、誰も居ないが次に誰かが入って来ると心配する。
しかし、用意周到に部下を配置してあると言い、抱きつく鈴夜。
口元をヒクツかせ聞くと、ひと鳴きし耳を舐める鈴夜。
結局押しに負けて、2回鈴夜が主に楽しんだ。
―ウィルの部屋前―
部屋の前まで、ウィルの腕に絡みついてた鈴夜だったが、部屋の前に来ると離れる。
「へ?どうかしたの?」
「にょほほ。今日は天井で、見張りをしてるでござるよ」
何時ものように添い寝かと思ったが、今日は遠慮すると言い出す。
何を企んでるの?と思って居ると。
「今日は。布団で待ってる子を、お願いするでござるよ」
「…はい?…誰が?」
言うだけ言って、鈴夜はその場から消え天井に潜む。
首をかしげ、この城にそんな女性いたっけ?と思い返すウィル。
部屋に入ると、思いがけない人が薄着して布団の上で、深々お辞儀していた。
「吹雪さん?えっと、どういう事?」
「ウィル様。吹雪の心と体を全て捧げます。どうか、お情けを」
ウィルにとって、イキナリの言葉に戸惑う。
吹雪の告白について、流れはこうだ。
最初はくのいちの純潔を奪い、任務の足止めにトリモチを使い自身はHして、我侭勝手な助平小僧と思ったらしい。
そう言われて「その通りですよ?」と言い「そうですね」と笑い合う。
その後、遠くで見てるのと違い、近くで居ると何やら色々と心乱されたらしい。
最初は子供相手だからと思ってたようだが、その内にだんだんと違うように感じたとか。
そして、最初の切っ掛けは暴走、次にパンダ・原・セディア事件・毒等、様々な事を思わされたと。
一番の切っ掛けは、自分で触れながら語る≪桜模様の眼帯≫の出来事…傷を気にしてた自分にとって、とても嬉しかったと涙を流した。
その後、鈴夜に見せ付けられ、モヤモヤし、今日の「月花より自分達が好き」と面と向って言われ、鼓動が早くなり自覚したと言う。
そして、鈴夜に相談して、今この場に居ると、今までの思いを全て告白してきた。
「そっか…嬉しいよ、吹雪さん。いや、吹雪」
「はい…」
「あ、だけど、僕は「知ってます」え?」
「聞いてましたから…天井で…」
鈴夜と同ような存在として、吹雪を見る。
布団にと言う事は…出来ないと説明しようとすると、天井で聞いてたらしい。
鈴夜にまんまとしてやられた気分なウィル。
そのまま、吹雪に覆いかぶさり、吹雪の想いに応えるのだった。
―天井裏―
(にょほほほ~…吹雪、良い声で鳴くでござるな~…チッ…)
天井裏で目を閉じ、下の様子を聞き入る鈴夜。
部屋に近づく気配に舌打ちし、その場から姿を消す。
「ウィル様。まだ、起きていらっしゃるでしょうか?」
ウィルの部屋に繋がる廊下を、月花が向い歩いていた。
夕食での事を気にして、どういう考えだったのかキチント聞こうと思ったようだ。
今まで迫られはしても、拒否される経験の無いので、ちゃんとした理由を聞きたくてしょうがないようだ。
「えーと…確か此方でし、うッ!」
「まったく。お邪魔虫な、姫様でござるよ」
分かれ道で、ウィルの部屋割りを思い出し考えてる所を、背後から襲われ意識を失う月花。
鈴夜が倒れるのを支え、愚痴こぼす。
「露似依、琉美依。居るでござるな?」
「「はいはーい。お呼びですか?」」
「このお邪魔虫を、部屋に連れて行って。布団に寝かせて来るでござるよ」
「「りょーかい♪」」
露似依、琉美依の双子姉妹を呼び出し、部屋に連行を命令する。
来たと思わせ、自分が望む答えを聞いたことにする為【幻想希欲薬】を月花に飲ませる。
琉美依が肩に担ぎ、二人はその場から消え去った。
「さ、邪魔者は排除した。続きを聞きに、行くでござるよ~♪」
露似依と琉美依の二人に連行を任せ、鈴夜は再び天井に戻る。
ウィルと吹雪をちゃかす、楽しむネタを仕入れに行くのだった…w
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
≪人物≫
傾国
LV 48/48
技能 槍戦闘LV2 薬師LV1 死霊魔法LV2
京のカチカチ洞窟で、脱衣ゲームしていた乙姫。
前にウィルが攻略した後、ウィルの素性を調べた。
そして、今日公家からテキサスに通る山道で、ハニーを使い一芝居うつも、ウィルに見破られた。
ウィルに殺して欲しいと願い、バラバラにされても死なず、嘔吐するウィルを介抱した。
ウィルを使いながら周りの、特に香華をからかい楽しんだ。
最後にウィルに呪いを解く方を願い、次ぎ会う時まで髪飾りを預かり、返して欲しいと手渡す。
露似依
LV 38/44
技能 短剣戦闘LV2 投擲LV1 忍者LV1 くのいちLV1 毒薬LV1 シーフLV2
特性 毒耐性
パスチャの教師ロニィ・スタインハートそのまま。
くのいちでありながら、武器がナイフと一風変わった人。
琉美依の双子の姉で、ナイフの扱いがピカイチ。
何気に忍びなのに、シーフのが優秀と言う変り者。
琉美依
LV 38/44
技能 短剣戦闘LV1 忍者LV1 くのいちLV1 毒薬LV1 シーフLV1 商人LV2 罠師LV1 重量LV1
特性 毒耐性
パスチャコンテニューのルビィ・スタインハート、別名、鉄仮面さんそのまま。
双子の姉と瓜二つで、同じく武器がナイフ。
本当にくのいちかと思えるほど明るい性格で、シーフや商人と罠に長けている。
本来、情報収集の為、商人に変装してたのだが、商人に嵌りどっちが本職だか分からない時があったとか。
ハニー店主
カチカチ洞窟の4階、ゲームセンターの店主。
ウィルがクリアして、倒れる際にハニーの置物に謝って引っ掛ける。
その置物のハニ子の像を、落ちる前に受け止めようとして、頭に当り傷を付ける。
その傷を覚えていて、ハニー店主と見破りハニ飯で買収した。
因みに、ハニー飯は、毎度便利な元禄に「通せんぼハニー」対策としてもらってた9個の内のモノ。
朝倉義影
LV30/35
技能 槍戦闘LV1 説得LV1
戦国の朝倉義景の景を影に変更しただけ。
戦わずに話し合いのみによって平和を目指しているおっさん。
娘の一人である月花姫は利用せず、好きな男と結婚させたいと思いつつも、好感を持った男性にちょくちょく嫁に進める。
その度に、月花本人か1~7朗に止められる始末。
今回も、ウィルの外交・年上敬意の真面目さに、噂と違い好感を持つ。
今回は酒が入って嫁に進めるも、ウィルが断り残念がる。
月花
LV 5/15
戦国で雪の逃亡時名前を起用した、雪の容姿そのまんま。
親と兄達にガラス細工のように、大事に育て守られてた箱入り娘。
容姿端麗、性格善し、非の打ちどころがない美人姫。
ただ、自身も心優しく純なのだが、他者の表顔しか見たことがなく、裏顔の負の部分を知らない。
求婚されたり、父が進める事があった。
しかし、やんわり断ったり、兄達が止めてたりしていた。
今回、ウィルが照れもせず、即答で断った事にショックを受けた。
夜、どういう理由で断ったのか、ウィルに聞こうと部屋に行く。
しかし、途中で鈴夜に気絶させられ自分の部屋に連行されて朝を迎えた。
朝倉一郎~4朗
妹想いの、善き兄達。
朝倉五郎~八朗
妹想いのシスコン3兄弟。
五郎はいかついが、六、七朗は見た目にはイケメンだが3人とも、裏の仕事を任されている。