夏海と来世を宿に残し、兎縷々夏と鎖獲と共に視察一行に追い付くべく向かう3人。
二人は並んで歩く為、忍び装束から町民の服装に着替える。
ウィルも自分の目立つ髪格好では回りに気づかれないように、髪を縛り上げ阿紀が作ってくれた笠を被り、ピンク髪が見えないようにする。
「お二人とも、似合ってますよ。可愛いです」
「かわ!?……相変わらず、口が上手いですね」
「そ、そうか? 凛々しい・美しいとか言われるが……まあ、悪い気はしない」
ウィルの言葉に照れながらも、誤魔化すように嫌味っぽく言う鎖獲。
可愛と言われた事がなかったが、悪い気はしないと答える兎縷々夏。
そんな二人に普段が綺麗であり、凛々しくカッコイイから、町娘の姿がギャップで可愛いと再度言う。
流石に2回も可愛い言われ普段を誉めた上に、今が違う魅力でいいと言われた為、流石に二人も素直に喜んだ。
くのいちとして恋沙汰は諦めて、と言うより考えないようにしていても、女として嬉しかった。
並んで早歩きして進む中、先程の宿での事を思い浮かべる。
「しかし、主よ。何時もあのように、激しいのか? ああやって、鈴夜様と吹雪を虜にしたんだな?」
「へ? 来世さんとの事です? 二人とはしましたけど、出来ませんよ?」
「は? 何を言って……媚薬? ううん。そんなの、私たちに意味ないし……」
兎縷々夏の言葉にウィルが答えるが、鎖獲は納得できないと思案する。
針を使えば堕せそうだが、ウィルが知るわけも無く考えから消える。
そんな二人にトラウマの事や、今までの流れを説明した。
流石にそんな事があるのか? と納得されず、二人を物陰に引きこみ行動に移す。
「兎縷々夏さん。胸触っても、いいですか?」
「むぅ、構わんが?「ちょ!? 兎縷々夏!」別に、問題ないだろう?」
「はぁ、知りませんよ?」
ウィルの言葉に、さも当然に全く気にない様子で了承する。
そんな兎縷々夏を止めようとするが「何故、止める必要が?」と言った顔をしてくる。
それを見て、頬を膨らませ「もう、知らない」と拗ねる鎖獲。
兎縷々夏は肩から着物をずらし、上着を肌蹴け胸を見せる。
すると「わぁ、大きい、形が整って綺麗です」と、褒めながらウィルが胸を弄る。
弄る最中自分だけ楽しのもアレだし、一般的な他情報を聞く。
「あ、他の男性とか、どの位で準備完了します?」
「ん? 大丈夫だろう? それが、んっ! なんだ?……くんっ、ふぁ……上手いな」
ウィルのモノ言いに答え、触られながら過去の経験と照らし合せ、上手だと認識した。
10分ほど触った後、ウィルが状況を確認してもらい、変化ない事を見てもらう。
しかし、鎖獲が「それがなんです? 我慢してるんでしょ?」と、納得しないので。
「じゃあ、ちょっと待って下さい」
「ぁ……おい! 主。何処へ」
「直ぐ戻りますからー!」
大分好きにされた事で、顔に赤みが帯びる兎縷々夏、実はもう少しの所で放置されたのだ。
二人を置いて、直ぐ戻ると言い、大通りに出て行くウィル。
やるせない気持ちをしながら、服装を正す。
通行中の若い娘を捉まえ、アッチの二人が用があると言い連れて来る。
つれて来られた娘は、綺麗な姉妹?の用件は何だろうと、二人に問う最中「ちょっと失礼」と言いながら背後に回り、娘の膝裏を膝カックンさせ身長を低くさせる。
「えっ?ちょっと?あっ……ん! ダメ! はっ……ぁ(やだ、この子上手!?)……あっ!」
「「んぁ?…………」」
二人の目の前で、あったばかりの娘に悪戯をするウィル。
その様子に二人は、口をポカンと開け唖然としている。
ものの十数分で、町娘は達すると同時に口を塞がれる。
「っ! んーー!!」
「ふぅ……あ、二人とも確認できますよね?」
「あ、ああ……」「え、ええ……」
「んじゃ、兎縷々夏さん。触って見て」
脱力し、崩れる娘を壁にもたれさせる。
ウィルの余りの手際の良さと、会ったばかりの娘に手出す神経に呆れる。
元気なソレを目視し、呆然と答える二人。
言われるがままに、触ると事で大人しくなるのを確認させた。
兎縷々夏にとって、実に失礼な反応だが、トラウマなら仕方ないかと納得した。
そして、ヤット二人に信じて貰えたと、満足するウィル。
全く、どういう神経をしてるのだと、額に指を当て頭を悩ませる二人に「最初から信じてくださいよ」と他人の所為にする。
一方、放心状態から元に戻った町娘が、ウィルの前に行き。
「パチーンッ! ……し、信じられない!君、なんて事するの!」
「イタタター、ごめんなさい。お姉さんがあんまりにも綺麗だから、どうしても悪戯したくなったんだ」
頬を引っぱたかれるウィル。
赤いもみじの出来た頬を擦りながら、いい訳するが聞く耳持たない町娘。
(ま、普通そうだよね)と思いつつ、今度は違う方向で話の焦点をずらす。
「綺麗って言えば。そう言えば、許されると思ってるの!」
「ごめんなさい。けど、いい顔してたし、いい声出してたよね? 気持ちよくなかった?」
「ッ!?……そ、それはよかった……って! そうじゃないでしょ!」
わざと平手打ちを食らい、子供っぽく謝り褒めるウィル。
叩いた後も、カンシャク起こす町娘に、先程の行為を思い出させ顔を赤くさせる。
「怒ってる顔もいいけど、さっきの笑顔のお姉さんのが、好きだな……コレ似合いそうだし」
「そんなこと言って! 誤魔化され……わぁ……綺麗な簪……「あげるよ」え?いいの?」
「「……(恐ろしい)……」」
怒りを爆発させた後、恥ずかしさで一杯な所に再度笑顔が良いと褒める。
そして、さり気なく綺麗で高そうな簪をさし出し、目が奪われたところで贈りつける。
喜怒哀楽ならぬ、怒喜恥楽の感情爆発を操作したような流れ。
二人は、はたから見てて軽く恐怖する。
褒めた後、手の荒れを指摘して、水洗い仕事して綺麗な手が勿体無いと言う。
ウィルの言葉に、自分が定食屋の看板娘として頑張っていること。
また、客の入りが少ない時や、店が終わった後に粗いものをしてるからこうなると愚痴る。
そこに「容姿も手も綺麗にしてないとね」と、手荒れの治す薬を渡す。
愚痴を聞いてもらい、更に治す薬まで貰い喜ぶ。
最後に迷惑料と金を手渡し、美味しいものでも食べてと送り出す。
初めは怒っていた娘も、相手は子供だし、操は大丈夫で気持ちよかった。
愚痴聞いてもらい、薬や金も貰ったから「ま、いいか♪」と納得して帰って行った。
「あ、主よ……どこで、そんな手段を身に付けた?」
「え? セレーナさんに教わったんですよ?(まあ、殆ど自分で思もった、行動方法だけど)」
「そ、そうですよね。教わらなければ無理ですよ、あんな手並み……」
一連の流れを見て、冷や汗流しながらウィルに問う。
そのセレーナより伝授されたと聞き、安心と納得する二人。
そして、ふと前に「迷惑かけたから」と、貰った髪帯の事を思い出す。
兎縷々夏に贈られたのは、青の生地に白模様が絵画かれていたモノ。
鎖絵には、白い生地にオレンジ色模様で飾りつけられたモノ。
二人とも、妙にしっくり来る髪帯を気に入って、忍び装束に合うソレを常に身につけている。
確かに、自分達にピッタリの贈り物を貰い、嬉しかった事を思い出す。
先程の町娘の対応をみて、そういえば自分達も似たような事をされてると思い返した。
そして、報告書では詳細に書かれていない事が、側に居ると色々と見えてくる。
鈴夜は長いこと監視して居た事で、べったりとなり。
吹雪は真面目なだけに、こんなウィルに心乱されたのだろうと、妙に納得してまう二人だった。
―どっかの納屋―
3人はその後、視察一行と合流を果たし、ウィルは菱と交代できた。
ウィルと代わる事が出来、納屋に入りと一息つく菱。
「……ふぅ、鈴夜様がサポートしてくれるとは言っても、姫を騙すのは大変だった……」
「お疲れ、菱」
「ご苦労だったな、菱……蜜柑、食べるか?」
「お?いいねー。頂くよ……兎縷々夏にしては、気が利いてるね」
「「…………」」
納屋の中で変装を解く菱。
首を左右にコキコキ、両肩グルグルと回す。
気分と体のコリを直していると、二人から労いの言葉を掛けられた。
差し出された蜜柑を、丁度咽喉が渇いて、何か食べたかったと美味しそうに食べる菱。
その様子と言葉に、思わず声を押し黙る二人。
「ん~美味いな……ん? どうかしたのか? 二人とも」
「ああ、その蜜柑。主から菱にって、渡されたんだ」
「へ~……気が利く主殿だな。で、褒美と夜の交代前の前渡しと?」
「アレ? 知ってるの?夜に、また交代して欲しいってのを」
「ああ、鈴夜様からな。多分、そんな予定になると聞いてる」
菱が美味しそうに食べてる蜜柑は自分達からではなく、ウィルからだと言う事を言いにくかった。
ただ、褒美ならいいのだが、次の下準備みたいな蜜柑で、伝え難かったのだ。
しかし、菱はもう既に鈴夜から聞いていると、特に気にした様子もなく食べ終える。
何故言い難かったかというと。
自分達は任務は当然と考えているので、こんな差し入れは思いつかなかった事に負い目を。
気分よく食べる菱に、次の任務前の機嫌取りと伝え難かったのである。
「ふぅ、ご馳走様。で? 主殿の側に居て、どうだった?」
「いや……何というか……末恐ろしい、女たらしだと」
「けど、報告と違って好感もたたり、持てなかったり……分からないよ」
「よく分からんな。……むぅ、鈴夜様の言うとおり。側に居ないと、分からないと言う事か」
前々から、普通の護衛対象と違うとは、理解してるつもりだった。
子供に見えない大人で、女たらし。
色々と普通と違う、変わった主(護衛対象)だとは報告で聞いていた。
鈴夜が夢中になり、「護衛対象」から「主」か、名前で呼ぶように言われた。
吹雪までもが、数日で変わったので、皆が興味を示し出だしていのだ。
今日側に居た二人が「結局、よくわからない」と言いながら、袋から蜜柑を取り出すのを見て「は?他にも有ったのか?」と言う菱。
黙々と皮を剥いて、食べ出す二人が「菱さんもだけど、皆さんでどうぞ。15個程あるから」言われたと、袋の中身を見せる。
二人の様子を見ながら菱も「あー……そうか」と袋からもう一個取り出し、護衛対象(主)を納屋から監視しながら3人は蜜柑をご馳走になった。
―森の奥深く―
時は少し遡る。
先程、姫と領主を侮辱した修験者追う影が一つ。
住処を確認し終えると、その場から七朗の元へ戻る黒装束の忍び。
ある程度はなれたところで、一息をつく。
「ふう……一体、あの修験者は何者だ? 何故、こんな険しい所に住んでいるのだ?」
此処に来るまでかなりの険しさで、普通の者は来ることはない。
来れなくはないが、民やキコリすら来る可能性が薄い場所と道のりだった。
「まあ、いい。一刻も早く七朗様に報こッ!?」
一人愚痴る忍びに、殺気と共に数本のクナイが迫り、咄嗟にその場から離れ避ける。
「な、何者だ!……ッ!?」
「キンッ!! チィッ! 出来る!!」
クナイが飛んできた方向を見ても、相手は見えず。
叫ぶ忍びの背後上空から降下し背中に刀が迫り、ソレを刀で受け止め、飛び退く。
飛び退く忍びを見送り、刀を構えて対峙する昴。
実は先程の一撃は、片腕になった昴の必勝の一撃だった。
忍び刀を抜き、樹の上から飛び降り最中、脱力し気配と殺気を消し。
降下重力と体重の威力を乗せた、当る瞬間に刀を振り下ろす一撃。
【降下重斬】とでも呼ぶ、一撃を、風を切る音で気づき、殺気と共に刀を抜き防ぐ技量。
それを見て「出来る」と叫んだのだ。
そして、自身は姿を見せ構える事で、注意を自分に向ける。
「貴様ッ! くのいち風情で、ワシに勝て!? ドンッ!! ぐぅ!」
「外した!?もう一本!」
昴の姿を見て、くのいちと確認すると見下す。
しかし、今度は背後に爆弾を投げられ、爆風でダメージを受ける。
春香は距離の見込みが甘かった為、完全に当らなかった。
再度、距離を演算し、もう一本【忍び爆弾】を投げ込む。
「ドーンッ!! ちぃ! ……く!? ふんッ、甘い。そんな見え見えの手裏剣なッ!? ぎゃあぁぁー!!」
不意打ちではないので、今度の爆弾は爆発圏外に避ける男忍び。
そして、真直ぐ迫る大きな手裏剣を横に避け、安心した所を避けた筈の手裏剣に、よって二つに分断された。
「イェーイ! ブイ!…………よっと、ナイスよシャア!」
「しゃ! しゃあ~♪」
飛んでいった手裏剣が、弧を描き鳴香の手元に戻り、受け当る手前で桃蛇に戻り腕に巻きつく。
鳴香の言葉に嬉しそうにするシャア。
真直ぐ向って来た手裏剣を避けたのに、屈折して忍びに向ったのは変幻暗器のシャアだ。
先程の忍びは、くのいちに対する油断と余計な事を喋る無駄。
ソコに、ありえない手裏剣の軌道に驚き、一瞬の遅れによりシャアによって分断されたのだった。
「何を喜んでいる。最初のクナイを外しただろう。中々のツワモノだった。私達三人の奇襲とシャアのお陰だろう」
「別にいーじゃない。倒したんだし、シャアの手柄は私の手柄よ! ね~シャア?」
「しゃぁ。しゃ、しゃ~ァ♪」
喜ぶ鳴香を昴がたしなめる。
中々のつわもので、3人でなければ危ないところだったと言う。
そんな昴に、倒したからOK! シャアの手柄は自分のモノと言い、シャアもその通りと鳴き、じゃれる。
「二人とも、そんな事はいいから、手伝ってください。この者の身分を証明するものと服を剥いで、運ぶのですから」
「あ、ああ。すまない春香」
口論する二人に、追剥のような事を一人でせっせと男の装束を脱がし、忍具や色々なモノを採取する春香。
朝倉領で朝倉の忍びを殺したのだ、証拠を残すわけにもいかないので、身包みを剥いでいるのだ。
「はいはい、分かったわ……よ。…………春香、昴」
「ああ、人ではないなが……」
「ええ、囲まれてる……」
鳴香が両手を後頭部に回し、指を組みながら歩み寄る。
歩いて忍びだった者の側に着くと、周りに多数の生き物の気配を感じる。
二人も気づいており、警戒しつつも春香は剥ぎ取りを終え、物品を纏める。
「……え? ハンダ?……どうして、こんな所に……」
「……ねえ、なんで襲ってこないの?」
「……分からん、警戒は怠るな」
「「ええ」」
木々を押しのけ、現れたのは3体のパンダ。
姿を見せてないが、どうやらパンダに囲まれたようだ。
「ガウッ! ガウガォ!」
「どういう事だと思う?」
「分からん、荷物は纏めたか?」
「ええ、OKです」
3人が警戒していると、パンダが腕を器用動かし「シッシッ」とアッチ行けをする。
警戒しながら証拠になる衣服や武具をまとめ、後ろに下がる。
すると、囲んでた気配が前方に集まり、二体のパンダが男を担ぎ3体が去って行った。
その後、周りに居た気配が同時に去っていくのを感じた。
「ねえ、なんか統制取れてたよね?」
「知性が高いのでしょうか?」
「分からない……何にしろ、手間が省けた。ウィル様の元に戻るぞ」
「「了解」」
考え難いパンダの行動を、疑問に思う三人。
しかし、考えがまとまらないままだが、任務は完了したとウィルの元に帰還した。
―ウィルの部屋―
夕食も終え、ウィルの部屋には鈴夜・吹雪・春香・鳴香・昴・兎縷々夏・鎖獲・露似依・琉美依・菱が集まる。
夏海は来世の護衛で宿に、残り4人は香華の護衛にまわっている。
そして、それぞれの得た情報を報告とまとめをしていた。
普通、護衛対象に交えて、しかも部屋でとはあり得ないのだが、ウィルの意向で強引に部屋でしている。
「それじゃ、菱さん。再度、僕の身代わり、お願いします」
「ああ、了解した」
「鈴夜・吹雪・春香さん・鳴香さん・昴さん。僕と一緒に、修験者のおじさんの所に行ってもらいます」
「「「「「了解(でござる」」」」」
「兎縷々夏さん・鎖獲さん・露似依さんと琉美依さんは、二人ペアでどちらか僕に化けた菱さんと部屋に居て下さい」
「「りょう~か~い♪」」「はい」「分かった」
部屋にいるのもおかしな事だ、指示までウィルがしている。
前もって鈴夜が「ウィルの言うとおりに。聞くでござるよ」と言ってあったからである。
各自指示に従い、ウィルと5人は修験者の元に向った。
―山奥の小屋前―
修験者の住む小屋の前に、一同は何事もなく着いた。
途中、ウィルは人じゃない視線を感じ周りを見回すと、春香達が「パンダですよ」と言い、特に気にせず来た。
小屋の扉を叩こうとすると。
「坊主、入って良いぞ。戸は開いている」
「え? あ、はい。失礼します」
戸を開けて小屋に入る一同。
部屋にでは、天狗のお面をした修験者が、干物を焼いてツマミに酒を飲んでいた。
そして、人数分の座布団とお茶が用意されており、見覚えある煎餅が容易されていた。
「来たな坊主。お前のよこした”薬”美味しく頂いてるぞ」
「ええ、喜んでもらえて何よりです」
そう、修験者の食べてる干物、煎餅はウィルがあの時「火傷に効く薬」として手渡したもの。
薬と称して、他に干し柿や色々な食べ物を詰め合わせて贈ったのだ。
その事で、火傷が嘘と見破りった事を知った修験者。
そして、興味を持ち今、ウィル達を向え入れたのだ。
「さて、どうして見破ったのか、聞かせてもらおうか」
「おじさん、まず自己紹介からですよ。僕はウィル・プライン」
「おお、そうだな。儂は発禁打算という。見ての通りの修験者だ」
本題から切り出す発禁に、ウィルは自己紹介からと言い、自ら名乗る。
発禁が名乗ると、後ろに控えていた5人も名を名乗った。
そして、本題の前にウィルがお願いをする。
「発禁さん。話す前に、お面取ってもらって……いいですか?」
「……まあ、いいだろう。お前達なら……」
発禁がお面を取り、素顔を見せる。
その顔を見て、一同は顔色一つ変えず普通にしていた。
何となく予想はしてたようだが、全員が全く動じない事に驚いた様子。
「お前達。怖く、気味悪くないのか?」
「別に? 目が沢山、あるだけですよ? それに多分、呪い付きですよね?」
「なんだと? そこまで分かるのか。いや、参った参った」
動じすに、尚且つ呪い付きである事に気づいた事に、膝を叩いて笑う発禁。
実は、普通の者と呪い付きの気配の違いを、鈴夜が助言したのは内緒だ。
更に、見破った理由を聞いて発禁は驚いた。
「あの火傷は、元禄さんのお香でしょ? そこから予想できたんですよ」
「あ! そうか! お前が元禄の気に入ったと言う、坊主か!」
元禄の香から呪い付きに繋がり、本当は鈴夜の目視もあったのだがそれは隠す。
発禁も元禄繋がりならばと、自身の呪い付きの効果を説明する。
何故人数分の座布団が、お茶と煎餅あったのか説明した。
そして、京での事を知ってて、今日の忍びの後始末をパンダに命じたという。
自身の住まいを調べた事と見覚えあるくのいちだったので、見逃し現在家に招いたらしい。
「す、凄いですね。何体くらい、使役可能なですか?」
「うむ、常に操作、行動を見れるのは三体。行動命令だけなら数百体可能だ」
使役操作できる方法、数を言う。
そして、常に操作、遠視見る事は3体だが、リンクを切り別のパンダに同じ操作が可能である事も説明する。
つまり、ほぼJAPAN広域に使役し命令してある自立のパンダがおり、パンダ視線で情報が仕入れる事が可能というのだった。
その凄さに恐れ入ったウィル。
そこで、今日の行動がどう言う事かと質問する。
「あの、今日はどうして、お香であんな姿に見せて現れたんです? 普通に見えるのも有るのでしょう?」
「ああ……恥ずかしいながら、嫁を探していてた。無駄に終わったが……」
嫁が欲しく探しているのだが、自身の醜い素顔を恐れ、たとえどんなに美人でも拒絶される。
噂に聞く優しく、美しい月花姫ならと、今回火傷の姿で試したらしい。
それを聞くと、ウィルは意見と同時に、案を出す。
「ああ、姫はダメですよ。箱入り過ぎて綺麗な表しか知らないから」
「むう、他の民達に優しく、大丈夫だと思ったのだがな……」
「あの、パンダを使えば……見つかるかも知れませんよ?」
「なにぃ!? 本当か!!」
情報収集と戦力にしか考えてなかった発禁、パンダを使えば嫁が見つかると言うウィルに詰め寄る。
その方法とは、普通考えつかない方法で、後ろに控えて居た面々も顔をしかめる。
パンダで目星の女性を見つけると、その町や村をパンダに襲わせる。
その際に、家畜を殺傷するのはいいが、人々に傷つけるのは禁止。
数日後、傷を負ったパンダをその女性達の元へ向わせ、どういう行動をするか試す。
前回の恐怖で、男達を呼んで殺そうとするか、怪我してるからと助けるかを見る。
助けた女性とその傷ついたパンダを、他のパンダで女性と共に襲わせ、発禁が助けると言うもの。
上手く迎え入れてくれたなら、共に過ごし、結婚前には姿を見せると言う事。
騙し続けても、本当の夫婦になれないのでお面は無理と指摘した。
「……ぬぅ……ウィル、お前は本当に子供か? 成長しない、呪い付きではないのか?」
「いやだな~酷いですよ。僕は正真正銘の12歳ですよ」
「にょほほ~、ウィルは本当に子供でござるよ。やる事はやってるでござるが」
((((いや、普通おかしいと思う))))
発禁の言葉に、ウィルと鈴夜が答える。
しかし、他の4人は発禁と同じ意見と、心の中で思う。
自分の思いもしなかった方法に、色々な危険を冒さず、安全に探せると試す事にする。
ウィルは全国のパンダの住処を聞き「必要な時はお願いします」とお願いする。
更に、原と山本との城下に近づかないようにお願いし、公家周辺盗賊やチンピラの排除を願った。
「うむ、いいだろう」
「ウィル? 織田はいいのでござるか?」
「ああ、あんまり安泰だと、3Gだっけ? 香華姉の引き戻しの策や余裕、考える暇無くそうかと」
「そ、そうでござるか」
((((小鬼だ))))
香華領地である織田を無視する事に、姫は大事じゃなのかと思い質問する。
しかし、意外な答えが返ってきて、言われて納得するも「何で3Gの事が分かる!」つっこみを入れたいところ。
4人は口にしないも、鬼ならぬ子供鬼の悪巧みに、3Gの局地災害の苦労に冥福する。
その後、夕食の時にちょろまかした料理と酒を取り出し、発禁に振舞う。
「わははは! 愉快だ。こんな夜は初めてだ」
「それはよかったです。今夜は楽しんでください」
「おお、そうだ。コレは美味いぞ!……儂の好物の【てばさき焼き】だ」
「へ~……アム、モグ、うあ! 美味しいです!」
酒が入り豪快に笑う発禁に酒を注ぐウィル。
囲炉裏でで焼いてた、てばさきをウィルに渡し食べさせる。
一同もご馳走になり、美味いと賞賛する。
その後、好物の酒を八海山・美少年・鬼殺しと色々出して、飲みだした。
ウィルが酒を断るのを見た昴が「なら、私が頂いていいか?」と、飲まされるのを助ける。
酒に強い昴が発禁に注ぎ、飲み交わす。
美人のお酌と飲み合いに、発禁は楽しく夜を過ごした。
発禁の家を出た帰り道、ウィルは意外な情報と、これからの援助が受けれて喜んだ。
そして、助けてくれた昴に感謝する。
「昴さん。ありがとうございます」
「ん、何、私も飲みたかったんだ、気にしないでくれ」
「僕は飲めはします。けれど、ヘタに飲むと朝倉で、他人に気づかれるので、助かりました。何か、お礼したいです」
「んー! そうだな…………おっ! じゃあ、目閉じてくれ……そう、それでいい……んっ」
「「んなあぁぁ!!(んにゃぁぁ!!」」「「ちょっと昴!」」
酒が入った所為か、ウィルの申し出に何かを思いつき、目を閉じさせ……口付けする昴。
鈴夜と吹雪が叫び、春香と鳴香が昴の行動に驚く。
予想しなかった口付け。
昴の攻めに応え、ちゃっかり絡ませる受けるウィル。
昴から口を離すとウィルは「流石にいいのかな?」と質問する。
「あの、昴さん。初めてですよね? よかったんですか?」
「無論。昼間の礼だ。酒が入ったからではないぞ? まあ、気分が高ぶってたのはあるけどな」
「「ああ、増えた(でござる」」
「いいのでしょうか?」
「まー……いいんじゃない?」
ウィルの問いに昴が答える。
酒が入って酔ってたわけでなく、気持ちの高ぶりはあったが、昼間の事を感謝してたと言う。
昼間の相手、あの忍びは二人だけでは厳しい相手だった。
仮に自分と誰か、他の誰か二人では死や、傷を負うのが必須だったと予測できた。
あの時3人を向わせ、選んだのは鈴夜だが、2人と3人の差は大きい。
今までの事や今日の事、昴の中でウィルを主として、仕える者として全てを捧げても良いと、考えを皆の前で告白した。
鈴夜と吹雪は嬉しいような、微妙な反応し。
春香と鳴香は昴の自由にと、中立の態度を示す。
二人も内心は、昴の説明に納得できるところがあり、何となく傾き掛けてるのはまだ、気づいてない。
―ウィルの部屋―
ウィルの部屋に戻ると菱にお礼を言い、土産に貰った【てばさき焼き】を食べてもらう。
菱はその美味さに「変装任務で、こんな美味いものを貰う初めてだ!」と喜ぶ。
その様子に兎縷々夏・鎖獲・露似依と琉美依も欲しいと言うのでご馳走した。
その後、それぞれ警備に戻ってもらった。
そして、吹雪と鈴夜が天井に潜み、昴が部屋に残る。
「ホントに、良いんですね?」
「構わん。寧ろ、お願いしたい。この昴、ウィル様に……心と体、全てを捧げる」
二人のやり取りの様子を、天井からジーっと見つめる二人。
「それじゃ……うっ、二人の視線が痛い」
「なんだ? 今までも、シテたのだろう? この位で怖気づくのか?」
「ぐ!? 分かりました! 知りませんからね!!」
ウィルが襲い掛かり、布団に昴を押し倒す。
天井裏では、行為が始まると、流石に目を閉じてその場から少し離れる二人。
「はぁ~……まさか、昴まで」
「にょほほ……実力主義でござったからな~……今日の配分が決め手になるとは、昴らしいでござるよ」
昴の考えと行動に、自分の次の日に新たに増えるとは思わず、ため息つく吹雪。
昴の性格と、ある意味窮地を救われた事で、認めたことに納得する。
昴も3度絆を深めた後に、ウィルが寝静まったのを確認すると二人を呼ぶ。
吹雪のお香を使い、吹雪が2回に昴1回と言う順番で事を成した。
勿論、3度目は昴が夢に侵食して。
その後ちゃっかり、布団を二枚並べ、4人一緒に添い寝は確定だった。
―邪場台に向う道―
一同が巫女機関向う中、今までと違うメンツに香華が疑問に思う。
「昴でしたっけ? 貴女が姿を見せるのは、初めてですね」
「はっ! その通りです。巫女機関に向うにあたり、不埒な輩が増えます。その対処に私が惨事ました」
「そうですか……確かにそうですけど、いいのですか?」
「構いません、私はくのいちです。その様に見られても、気になりません。(それにウィルが褒めてくれた、側にいたいしな)」
香華の問いに、今から向う先の懸念を言い、自身の失った右腕をさし出し見せる。
美しい美女、美少女に美少年、その一同に巫女機関に向う男達が群がるのは必須。
場所に向う男達だけに、卑猥な目で見てくるのは予想できた。
そんな中、片腕を失った自分が前だって追っ払えば効果が有ると言うのだ。
気にしていた失った腕は「昴さんが失ったのは生き抜いた証。上位の者から勝ち逃れ、または、春香さんや鳴香さんを庇ったんでしょ?誇りですよ」といわれた。
事実、その二つのモノ言いは的を得ていた。
任務で上位者に対峙し、二人を守り失った腕。
その出来事があったからこそ、先日の戦いに思うところがあった。
そして、ウィルを認め、昨日は片腕の事を理解し、認められて涙した。
「それじゃ、頼みますね」
「すみません、昴さん。お願いします」
「はっ! 心得ました……ああ、任せろ」
(……昴、姫様の扱いが美味い)
(ウィルと一緒に、側に居たいのでござろうな~……いい顔してるでござるよ)
香華とウィルに対して、昴のやり取りを後方より見ていた二人。
理由と言葉の上手さに恐れ入る吹雪。
鈴夜は昴の笑顔を見て、思いを予想する。
そして、一行は邪場台の巫女機関へと向かい歩いて行った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
兎縷々夏
LV 36/39
技能 小太刀戦闘LV1 投擲LV2 忍者LV1 くのいちLV1 毒薬LV2
特性 毒耐性
大番長のウルルカそのまんま。
小太刀を腰に刺しているが「コンルペケレ」という名を付けた大型のブーメランを主武器として戦う。
感情の表現が苦手で、冷たい感じを漂わせる女性。
任務に対してもドライで、ウィルの胸を触ると言う申し出に、全く気にせず着物を肌蹴る始末。
近くで見た、ウィルの奇行にじゃっかん引きつつも、こういう子供かと納得した。
何気に貰った髪帯が気に入って、常に身につけている。
投擲LV2を持ち、凍月舞「コンル・チュプ・リムセ」という必殺技をも使う。
菱
LV 35/40
技能 短剣戦闘LV1 鉄砲戦闘LV1 射撃術LV1 忍者LV1(特に変装)変声LV1 くのいちLV1 毒薬LV1
特性 毒耐性
シーン青の成瀬涼そのまんま。
露似依姉妹同様、ナイフを使う。
更に、種子島へ特注依頼し小型単発鉄砲を作成してもらい、好んでそれを使う。
変装と、声を一度聞けばその相手の声に変化できるという技能を持つ。
ただ、年齢なわりに体形が小柄なアレなので、大人には化けれないという欠点もあり。
基本、子供の容姿と体形で油断させザックリや、情報収集を得意とする。
今後、ウィルの代役として大活躍する。
発禁打算
LV 25/28
特性 呪い付きによる、パンダ使役。
戦国発禁そのまんま。
嫁探し中で、月花姫の人当たりよさに賭け、元禄の【幻視香】使い火傷に見せて反応を見る。
しかし、見事に手を跳ね除けられ、残念がる。
ウィル達を招きいれたのは、全てパンダ監視でくのいち達を知ってた為。
実際に会い、元禄の知り合いと意気投合。
呪い付きの効果と、自身の嫁探しを話す。
そして、ウィルの普通思いつかない手段と方法を聞き、リスクのない方法に試し出す。
そして、見返りとして、パンダの住処と利用を了承する。
一ヶ月間、何度か色々と試したが、パンダ殺傷が多数と、何とか後一歩までいくも、素顔で破談。
最終手段、ウィルが言った「素顔がダメなら、同じ方法で盲目の女性では、ダメですか?」という案を思い出す。
後に、月花に似た盲目の美少女を見つけ、同居し、夫婦となる。
不思議な少女で発禁の心が読めるらしく、素顔も手で触り確認しても「コレが、何というのですか?」と言われる。
パンダの事も気づき、人様の為になるようにしてくださいと言われる。
その後、ウィルに相談を持ちかけ、香華の推薦のもと織田に仕官する。
3Gも丁度ならず者が俳諧していたので、助かると大喜び。
織田は3Gがいる為か偏見がなく、自身と妻共に受け入れられ幸せに過ごす。
≪アイテム≫
【忍び爆弾】
過去にノーペルと言う者が開発したダイナマイトの改良版。
爆発時間が導火線の長さで調整でき、忍びだけに、投げ届くまでの時間を判断し当てれる。
春香らしくない爆弾使用だが、昴が「あの者かなりの身のこなし、離れてヤルぞ」といわれ、爆弾投げ役になった。
【幻視香】
名の如く、指定した幻想を相手に見せるお香。
同じ呪い付きの元禄と発禁が仲がよい。
今回の火傷香を貰う時に、ウィルの事を話し聞いてたらしい。
普段は、普通の顔に見えるお香を使かってるとか。
≪食べ物≫
【てばさき焼き】
貝に生息する、本来騎馬として使うのであって食用ではない。
しかし、その味は絶品で、戦場で死んだ場合非常食に使われる豪華な食材。
戦力として育てているので、食用に廻すされるのは少ない。
パンダを使い、タマに拝借してくるのであるらしい。
発禁の好物で、後にコレが重要な贈り物となる。
発禁、未来過去ともに美味しいオヤジ。
大事な役もになってます。
便利なんだよねーパンダ。
ゲームのパンダ基本値は低いけど、普通に考えて使いやすい。